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ジェズ・オールバラ 「ぎゅっ」 [君に絵本を!]

先日。
娘と同様に、人生二度目の多摩動物園に。
前回とは違い、動物への認識が強くなり、
姿と名前の一致が多くなってきたりりこさん。

そんなりりこさんは動物図鑑は持っていなく、
どちらかというと、絵本で動物を知ります。

そんな中、愛用絵本が「ぎゅっ」

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要は、迷子の小猿さんがママ猿を探す過程で、
色んな動物たちがママとぎゅっとしてて、
「ぼ-くーはー」となきながら、ママを探し、最後は出逢って「ぎゅっ」で終わる。
単純ストーリー。
文中も「ぎゅっ」しか出てきません。

1歳過ぎて、発語も簡単なものしか出来ないのだけれど、
この「ぎゅっ」と言う言葉は簡単に出るようで、
さすが絵本になるようだから、作り手も成長過程もよくわかってらっしゃる!という感じです。

様々な動物が出ることで、動物の名前はもちろん
「ママはまだかなぁ?!」と母性へのくすぐりも噛ませつつ。

最後はよかったねーとなる絵本の模範です。

分かりやすさという点では、我が家の絵本では群を抜いています。
最初はページをめくる楽しみからの、仕掛け絵本。
その次は、この「ぎゅっ」でハズレはなしだと想います。

最近は、自分でこの本を開いて、動物の名前言ったり「ぎゅっ」って言ったりして
豪快にページをめくる娘です。

多摩動物園で久し振りに仕掛け絵本も買いました。
異常に安くてびっくり。
中国製でした。
本で中国製って、きっと多くは手に取ったことはないと想います。
ボクは結構カルチャーショックでした。

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ただ絵は結構アバンギャルドで(笑
誰の目か探すわりに、目がチカチカするぐらいの色使いです(笑

仕掛け絵本の割には、安価の¥530
個人的には、よくも無く悪くも無くという感じですが、
もう少し、小さい頃仕掛け絵本に興味が満点だった頃に、
出会いたかったなという感じです。


「ほんとの大きさ動物園」 [君に絵本を!]

一時、流行った実物大絵本。

りりこが生まれてまもなく、友達が買ってきてくれたんですが。
当然、この本と同じ大きさぐらいだった娘が読むわけもなく。

寝かしていたわけですが。

年末から彼女のナンバー1がこの本に(笑
引きづりながら歩いています。

「ほんとの大きさ動物園」

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いないいないばぁ!にも似た見開きが、やはり興味を引くようです。
見開いているのは、ベロを出した少しグロめのキリンなんですけどね(笑

動物の泣き声をしてもいいし、英語で教えてもいい。
無論、動物の名前でも。
関係のある歌を歌ってもいい。

ただ、これ毎日なんでね(笑)
いい加減、読み方も単調になります。

妻がとても丁寧に読み聞かせするので、参考にと想っていても。
妻でもボクでも、3ページ後には逃走するのがいつものパターンです。

以前は、少し高い位置に本を置いていたんですが、
「とって!とって!」の要求に耐え切れず(笑
この箱に収納。
この本箱は、代々木公園のバザーにて¥600で購入。
帰りはスクーターで背負って帰ってきました(笑

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ただまだスムーズに引き出せないから、結局「とってー!」ですが、
まぁ、抱っこしなくてもいいからという理由で収まっていますが、
結局本もこれが全部じゃないから、
ある程度の期間で入れ替えをするんですけどね。

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本人には1冊出したら、1冊片付ける。
一応ルールです。
本棚?本箱が下になったことで、適当にポンポコ入れているようです。


この「ほんとの大きさ動物園」以外でお気に入りは、
破ろうが、汚そうがどうしようか構わないとのことで買った「1歳のえほん百科」

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まさかのチョイス(笑)

おいおいいい本たくさんあるよ!と言っても、従うわけはなく。
そういうことです。


「ほんとの大きさ動物園」この手の本は、自分では買わない本でもあるので、
貰ってありがたい(笑
ちなみにこの動物の本をプレゼントしてくれたLOVERSは、今年結婚することになり。
デートのお土産で買って来てくれた本でしたが、今はそういうのもまた思い出です。

妻がトミーウンゲラーが好きなボクに買ってくれた2冊。
古本屋で安くみつけてくれたそうです。

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月おとこ

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へびのクリクター

tupera tupera 「くだものさん」 「やさいさん」 [君に絵本を!]

愛車のPIAGGIOの機嫌が悪くなり。
これに比例して、仕事の流れも芳しくなくなり。

渦の中に、「うわぁー」ってなって。
レジャーな為の休暇も、体が重くなるばかり。

休息の大事さもありますが、ただでさえルーティーンな仕事の中。
更に、同じ状況や逼迫を重ねられると・・・・・
いかにPOSITIVEに捉えても、さほど好転しない良き例な2WEEKSでした。

最低でした。

PIAGGIOも元気に大宮レッドバロンから戻り。
なんとなく、タイピングな気持ちになったので、床に転がってた本を1冊。

1歳を超えた娘の、恒常は「いないいないばぁ」
「ばぁ!」と嬉しそうにやるのです。

しかし。
この「ばぁ!」の本が、幾らなんでも、「こどもチャレンジ」のお試し付録じゃぁいかんだろうと。
そう考えてはいたんですが、蝕まれた日々だったので本屋に行く余裕も無く。

娘のこのブームをしっかりとどめておけるようにな気分でしょうか、妻が購入。
ボクも読みましたが、非常に良かった。

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松谷みよ子もそれはそれでいいんですが、
「これしかないのか?」と勘繰るのはいいことだと想います。
(松谷みよ子のは、1歳の子には萌えないようです)

少しキャラクターよりな、知育本ではなく。
何か色味や深化を求めてしまうような本の方が、
眺めてる大人もまた、楽しいのだと想います。

「いないいないばぁ!」は文字通り、「いないいないばぁ」なんですが。
自分でページをめくる楽しみに重きをおいて。
ページをめくる喜びと、めくって見つける笑い。

大体、絵本買っていますが、読み潰す前に、
破壊対象が紙!本!になってるわけで。
読み聞かせする前にぶっ壊されるのもなんか、忍びないじゃないんですか?(笑
故、ガシガシ絵本としての、「しかけえほん」です。

そして、説明しやすいのがいいなぁと想います。
「いないいないばぁ!」だけでは、物足りない。

果実も含めて。
もう果実も食べれるわけですから、くだものの名前を教えたり、
付随して、英語で教えたりだとか。
そういう楽しみもあります。

ちなみに、大抵2割は自分も単語わかりません(笑
故、調べます。

幼児向けなはずのNHKの「えいごであそぼう」も、
「ん?!」と英単語に詰まる場面もしばしば(笑

人に教える前に、自分が学べですが、
一緒に学んで、知らないものは知らないと素直に言える親で、
人間でいたいところです。

昔、大人は完璧だと想っていました。
でも、完璧な大人はいません。
一緒に、勉強です。
今日は、柿を覚えました(笑

ちなみに、我が家のリビングには最近「和英辞典」(笑
妻は英米文学科ですが、「んー、わかんない」が最近多い気がするので(笑

栗は「マロン」じゃありません。
そういうこともあったりします(笑

しかけえほんとしても、またいないいないばぁ!の本としても、
ボクは非常にオススメします。

デカイ声出して、「この本を支えろ!あたしめくるからぺージ!」アピールを、
今日だけで何回やったか・・・・。

「こうもりのルーファス」 トミ・ウンゲラー [君に絵本を!]

「すてきな3にんぐみ」に似た「青」の世界。
現在、廃刊となり市販で手に入れることの出来ない
幻のこうもり「ルーファス」

人間の性悪を噛ませながら、
奇怪なものを柔軟に受け入れがたい世の中の風刺を交え。

漆黒に咲く花のような。
そんな優しさ温かさから。

旅立ちをしても、1人じゃなく。
自分を受け入れ、諦めたものの代わりに大切な何かを得る。

イラストのみならず、、綺麗な水彩画を交えながら、
その世界は展開していく。

こうもりが舞うのは、深い青。
今更ながら、青と黒の色合いは美しいということ。

またこうもりの習性も断片的に学べ、
学習本に近い部分もあります。

崩れない柔軟な関係の作り方を感じます。
絵本の中では、「一緒に、ずーっと仲良く暮らしましたとさ」的な
話が多い中、こういう終わり方もまた新しい気持ちです。

絵の表現手法も、気になる部分。
しかしながら、まだ娘には理解難しく、最後までたどりつけていません。

図書館で借りました。
図書館は本屋とは違う感じがします。
押し付けない。
宝はあるから、探してごらん的な感じです。

今年最も、衝撃的だったトミ・ウンゲラーとの出会い。沢山本を借りたので、感想を書いていけたらと思います。

かみさんがhair Cutに行ったので、ボクと娘は、幡代&笹塚を散策。
図書館に入り浸りましたが、非常に時間があっという間です。
(娘は熟睡でしたが(笑))

近くにいくつかあるので、のんびり読んでいきたいと思います。

ルーファスはとても高価で買えないので、
カラーコピーをして、ファイルするつもりです。
こういう方法もありかもと、勝手に思います(笑


こうもりのルーファス (世界の絵本)

こうもりのルーファス (世界の絵本)

  • 作者: トミー ウンゲラー
  • 出版社/メーカー: 岩崎書店
  • 発売日: 1994/12
  • メディア: 単行本



この本を読み聞かせている妻の調子が、自分と同じ感じで。
なんだか笑えました。

読み聞かせについて、2人で話したことはないけど、
互いに大切なのは、ページをめくるときにいかに飽きさせないかと
考えているようです(笑

ちなみに、我が娘はルーファスにそっくりで、
でも鼻がブタっぽいので、「ブーファス」くんと呼ばれています。

「ごりらのちびちび」 ルース・ボンスタイン  [君に絵本を!]

先日、代々木上原にて購入。

古本屋に行くと、とにかく全部開きます。
出来るだけ。

そこは自分の好みで。
今の娘の趣向を考えて、絵のトーンや感じを見分けるとこからです。

レコードのジャケ買いに似た感じではありますが、
あそこまで思い切れません(笑)

開いて確認出来るものは、確実ですから(笑)

そんな中、見つけたのが
「ごりらのちびちび」 ルース・ボンスタイン 

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既に絵からして、もう大丈夫でしょうってことです。
なんだか、少し前にテレビで見たジミー大西の番組。
ジミーちゃんが、岡本太郎から“キャンバスからはみだせ”って。

そういう感じ、
今の娘は、目を見開いて。
絵のすべてを吸い込もうとする。
それが凄くよくわかる。
はみ出すぐらいのインパクトが無いと、娘は飲み込んでしまう。

色もそして更に繋がっていきそうな景色も。
そういう鮮やかで、瞬間で構えるようであり、優しい絵を探している。

この「ごりら」の絵は、そう言った意味でも。
ラストの絵。
はみでてはないけど、こじんまりとしていたチビゴリラの成長を、
皆が祝福する心地と相まって、ステキだなと思った。

話は読まないで買う。
読んだら、勿体無いから。

今は絵だけで買う。
話の内容で「あれ?」っというのはあるんだけど、仕方ない(笑

ぞう・ライオン・へび・キリン・かば・さる・オオム
全部の泣き声を調べないと、話が膨らまない。

かばはどう鳴くんだ?!みたいなこと。
へびは「シャー!」なのか?みたいなこと??

そういうとこから、人生の針を巻き戻さなくちゃならなくなります。

皆、あなたが好きよ。
家族だけじゃない、皆だよ。って。

非常に好きです。
閉塞的じゃなくて。
これを我が家に遊びに来る人や僕ら夫婦の友に例えてみたり。

万人が子どもが好きじゃ、伝わりにくい。
あのあんちゃんも、あのおねぇちゃんも、あのおばさんも。
あなたが好きで可愛いと言ってくれる。

でもあなたは「ありがとう」を忘れてはいけないよって。
好きという気持ちをもらえる人には、好きと返してあげればいい。

好きといわれるのは、特別なこと。
それだけの何かが、あなたにはあるということ。

その何かをずっと大切に生きていて欲しいと。
そんな風に想ったりもします。

好きと言ってくれる人を大切に。
またこれからも付き合っていきたいと。
それは、ボクら夫婦の使命でもあるんだと。
そんな気持ちにもなりました。


「つきよのおんがくかい」 THE MOOLIGHT JAM SESSION 1999 [君に絵本を!]

先日、吉祥寺のある場所で。

人垣の後方で、疲れてしまった小さな4歳ぐらいの娘ちゃんを抱える
それまた、小さなママさんが偶然視界に入り。
4歳ぐらいの娘ちゃんをしっかりと抱っこするママさんを見て。

娘を抱っこするときは、とにかく重さとか関係なしに、
丁寧にしっかりやろうと強く誓いました。

なんだか急にズーンって想ったんですよね。
ママさんも小柄、娘ちゃんは大きい。
そういうなんかアンバランスというか。
はい。

しっかりやれよ、と言われた気分でした(笑

後日、そのママさんから、「「ドオン!」読んだよ。」などと
さりげなく言われた時には、なんだか嬉しくて言葉に出来ないというか。
すんませんって感じでした(笑

そんな山下洋輔氏の「もけらもけら」の前に、
擬音語PARTYで、生後3ヶ月には心底気持ちがゆらゆらして
楽しくなってしまうような。

「つきよのおんがくかい」 THE MOOLIGHT JAM SESSION 1999
(文) 山下洋輔 (絵)柚木沙耶郎

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前回絶賛した「ドオン!」ですが、つきよのおんがくかいは、
タイトルどおりセッションです。
山下洋輔氏のまさに!と言った感じです。

言葉の意味はわからなくても。
言葉の調子や、大きさやトーンなどで子どもは楽しめる様子が
伺えます。

ピアノ・ベース・ドラムス・サックス。
4つの音を切らさず。
本のページをめくる時間も惜しんで、その臨場感を表現しながらですから、
呼吸は続きません。

しかしながら、もうステキステキ。

自分が演奏してるように、その強弱や魅せ場を
感じさせていけるように読むのが、コッチも必死です。

読み終えたら、1曲演奏し終わった気持ちになり。
最後の1ページは、どうでもよくなってしまいます(笑

個人的には、絵はあまり好みでは無いのですが。
その圧倒的な文章のスピードを考えると、
色味が強いこの絵の調子じゃないと、間が持たないのかもと

とにかく、3ヶ月の今の読み聞かせは「音」です。
文章の優しさは、断片的に伝わるのでしょうけれど。

「ヒャッフォー!」と想ってしまうような。
本を開くたびに、娘は目を丸くします。

日常の景色の中に無い色味を感じてるのだと思います。
音の次には「色」

故にトーンの低い色で続くもの。
モノクロの絵本などは、まだテンションが上がらないようです。

先ずは、絵本という世界を知ってもらうこと。
楽しいんだよって、感じて貰うために。
1日1冊~2冊の世界は、彼女の目にどう映ってるのかなと想うと、
コチラも手を抜けません(笑

このつきよのおんがくかいは、ドオン!で物足りなくなってきたら。
ドオン!が凄く良いと想ってくれたなら、是非その続編として
楽しめる本だと思います。

我が家はそろそろ、F66様もオススメを下さった「もけらもけら」に
参りたいと想う所存です(笑

「りんごとちょう」 イエラ・マリ エンゾ・マリ 1976 [君に絵本を!]

最近の休日といえば、代々木上原の某店。下北沢の某店。
絵本を探しに。

確かに新刊・新品は、種類も多く。
青山のクレヨンハウスの丁寧さも、本当に有り余る選択肢を貰える。
ただのどこの本屋に行っても、イチオシは変わらないかなって。
そんな気持ちになったのと。

自分なりのオススメを探す&好きな方のルーツのような。
そんな旅が、楽しいかなってことで。
(最初からそのつもりだったんだけど(笑))

今は専ら古本屋さんで本探しています。
安いし。

当然、新刊・新品には無い刺激で溢れています。
名作は長くありますから。
比較的良いものは、時間の経過をもっても。
古本屋さんに当たり前にあります。

先日、下北沢で購入したのが、

「りんごとちょう」 イエラ・マリ エンゾ・マリ 1976

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この絵本には、文章がありません。
便箋に使われるような。
今でこそ、目を引くデザイン!というわけではないのだろうけれど。

個人的には、1976に生まれ。
時代が追いついてきた感じを想うと、不変さを感じてしまうものです。

文章が無い。

読み聞かせをする時に、自分で物語を紡ぎます。
林檎の中から、あおむしが出てきて。
あおむしが蝶になって。
蝶になるまで季節は巡って。

色も多様化していないので、どこが変化してる箇所なのかの
理解、間違い探しのように、その変態と季節の移り変わりを
追いかけることが出来る中で。

何を伝えて、何を理解させた上で。
何を想像するのかという、おおよそ予測の範疇を越えた気付きを、
本人が探してくれればいいかなと想ったりもします。

話すたびに、物語は些細に変わるのは、
読み手も読むたびに何か違う発想を与えたいというような
エゴなんでしょうかね(笑

綺麗な絵を眺めるだけではなく。
そこに何があるのかプラスアルファの部分を探すには、
読み手も文章という潜入観を捨てて対峙する。

それが読み手、聞き手ともに、同じ気持ちの中で、
本を楽しめるのかもしれません。

林檎の花は、長く咲きません。
故に、その刹那な感じも現実にはあったりして。

そう考えると蝶はひらゆらと夜に舞うのかもしれないし。
絵の中の世界がすべてではないということを、
先ずは僕らが捨てた上で、向き合うようにしないと勿体無いかなと。

そう感じます。

大人の柔軟な発想と、子どもの未知な発想との共演になりそうです。

あおむしから蝶になる有名な絵本がありますが。
今のところは、コッチのほうがボクには好みです。

「トマトさん」 田中清代 [君に絵本を!]

どこか自分の子どもに似てるような、
愛らしさを感じてしまう「トマトさん」

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どこの本屋に行っても、そのインパクトは絶大な表紙(笑)

ちなみに我が娘は「凛々子」と言いますが、
凛々子はカゴメの開発したトマトの名前でもあるようで・・・・。
ボク自身も小さい時分から、トマトが好きなもんで、
何か妙な親近感(笑

絵本を読みながら、例えば文章には出てこないけれど、
そのページに、描写されている小さな虫や動物などは、
小さな子どもにとっては、興味の対象にはなりにくいかもしれいないけれど。
話し手には重要なツールだったりするわけで。

「うわ!こんなとこにてんとう虫が、よいしょ!よいしょ!してるよ!」などと。
大きな主人公から視線を外して、全体を見れる機会を作れるわけで。

そういった意味でも、この本はとても登場する虫などが多く、
話の種には事欠かない。

「川に落ちたら流れてしまうでっしょー」
という、大きな問題は目をつぶる(笑

これが水溜りならば、気持ちよさは出ないし、
人間が食べてしまうという結論に至るような描写は、
愛くるしいトマトを結局食べるという、ファンタジーさが欠落してしまう。

何より、この絵本は「トマトさん」であって、「トマトちゃん」ではないということ。
ここがいい。
顔が既に「ちゃん」ではない「トマト」を強引にせず、「さん」なとこに共感が持てる(笑

掛け声やとっぷんとっぷんと言った擬音語は、変わらず小さな娘には効果的。
絵全体が明るく優しい色も多い。

意外とというか、インパクトのある顔をや複雑な感情が、
丁寧に書かれているので、同じような顔して読んで見せても面白いかなとも感じたり。

ステキです。

一方、名作名高い「おおきな木」 シェル・シルヴァスタイン

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何か「無償の愛」みたいなテーマがして、鼻につく。
個人的には無償の愛など存在しないというのが、個人的な考察である故です。

なんらかの大小問わず取捨選択の上に、
「無償の愛」と名のつくものが存在するわけで。
何も選択肢が無い状態を継続できるほど、人は尽くせないだろうという考え方です。

大きな木が与えた何かに、
小さくてもわずかでも報いる優しさを、幼き頃から覚えるべきじゃねぇかなって。
そんな風に想ってしまいます。

極端に言えば、誰かに何かを貰ったら「ありがとう」と言うような。

子どもに読んで聞かせる本ではないなぁと想うわけで。
「今読んだお話の中で、キミはどう感じる?」と価値観の構築よりは、
何か価値観の確認が出来そうな本であったりします。

大人になって、読んでみる本。
自分がどれだけ散らかして生きてきたかと気付かされる本だと思いました。

故にボクみたいな人間は、あまり開きたがらないのかもしれません(笑

「すてきな三にんぐみ」  トミー・アンゲラー [君に絵本を!]

幸せな話が多い。
「家族が大切」
「母親はあなたを愛している。」
「家庭の存在の無二」

絵本に綴られる物語としては、夢がない。
現実的な話。

大きくなった人間としては、客観的にこのような絵本を読むことで。
 「家庭や両親の尊さ」や「幸せの空気」というものを、理解できるのだろうか?
 自分の家庭は、絵本のような「こんな家族ではない」とズレを感じてしまうのか?
 読み手が、このような「愛」の話を、幸せに感じてるだけなのではないだろうか?
なんていかにも理屈っぽい疑念を抱きながら・・・・・。

子どもがおおよそ、理解に乏しいながらも。
間違いなく読み手は、愛する子どもとの暖かな距離に幸せを感じているわけで。
読み上げる文章の中に混じる、気持ちの入り方は優しい。

しかしながら。
「こんなにもアナタを愛しているのです。」
その言葉を、絵本を使って相乗したり。
その大枠への理解や愛情表現へのアプローチの匂いは、
個人的に読んでいて、冷めてしまう。

絵本の中に広がる世界で。
意義としての「価値観の構築」という念頭を崩したくない。

両親が大切、家庭が大切など。
そんなものは、生活の中で両親が子に対して示せばいいものであって。

絵本の中から広げて、愛情を深める時間は惜しい。
また、その重要さを重要と感じるのは、親の姿勢ではなく、子の受容。

絵本を読みながら、大切だと感じて欲しい部分に、
親のエゴを交えながら、話を飲み込んでいってくれたら・・・・。
それがボクの理想であります。

「すてきな三にんぐみ」

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先日の「北」様からの紹介もあって。
随分前に買いました。

泥棒に対する処罰だとか。
色んな現実的な部分を、考えてしまうけれど。
そういう部分は捨てて。

3人の泥棒と、1人の少女が見出す意味と意義。
そして転がる感情の芽生え。

何も孤児を集めた美談の話ではなくて。
どうしてこう話が転がるのか。
なぜ、この「ティファニー」ちゃんは、泥棒と暮らす選択を導けたのか。

簡単に話を進めないで、自分の想像を膨らませた上で。
次ページの展開に、読み転がすと実に面白い。

そういう気持ちの部分でも、大人が読んでも秀作だと、
個人的には、ズガーンと来た1冊です。

家族の愛とかではないし、普遍的な愛の話でもない。

3人の泥棒と、1人の少女から始まる話の波及と。
3人の泥棒と、1人の少女がいなくなってからの話の終着。

登場人物たちがその後、どうなったのではなく。
彼らの想いは繋がり続く。

3ヶ月の娘にはなんのことやら、理解には辿りつけない今ですが。
31歳のボクに対しては、短距離で貫く素晴らしい物語だと思いました。

しっかりと読めるようになったら。
自分の為にも、「THE THREE ROBBERS」として
買いなおすのも悪く無いかなって想ったりもします。

最初は暗いトーンの絵で、あまり興味は引かないようですが。
3人の泥棒道具の鮮やかさに、娘の視線は釘付けでした。

ただ、読み手が「ステキ!」と勝手な感情移入をしてる分、
物語を読む熱が入ってしまうので、聞いてる方を置き去りにする可能性があります(笑


「しゃっくりがいこつ」 マージェリー・カイラー(作) S・D・シンドラー (絵) [君に絵本を!]

先日、青山のクレヨンハウスで妻が「ジャケ買い」をした一品です。
もはや我が家では「逸品」ですが。

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「しゃっくりがいこつ」
マージェリー・カイラー(作)
S・D・シンドラー (絵)
黒宮 淳子(訳)

もはやタイトルどおりで。
朝起きたら、しゃっくりのとまらない「がいこつ」の話。

しゃっくりの止める方法を試していくのがストーリー。
がいこつのシュールな絵が非常にいいのと。
がいこつの割りに表紙見ての通り、柔らかいということ。

山下洋輔氏と同じように、擬音語が随所で。
ページをめくる際も飽きない、飽きさせないことが可能ということ。

これがまたとても読みやすいのと、
絵が大きくシンプルな分、吸い込まれやすいのがいいようです。

話も深くなく、ファンタジーでもなく。
現実の出来事でわかりやすいのと。

赤ん坊の頃は、毎日のようにしゃっくりをするので
親しみやすいのが、いいのかもしれないです。

「あれ?この(しゃっくりの)音知ってるな」という顔をしてるようなぁ、してないような(笑)
聞いている子供の表情も楽しめます。

がいこつ=気味が悪いイメージは固定概念を作るので、
こういう話はとても馴染みやすくていいと想います!

オススメです。
娘も気に入っているようです。


一方で名作と呼ばれる

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「あおくんときいろちゃん」
レオ・レオーニ (作)
藤田圭雄 (訳)

色。そして色が混ざると新しい色になる摂理。
家族も登場することで、より深い話に転がると言った感じですが。
個人的には好みではありません。

色の識別のための本は、紀伊国屋の絵本コーナーでも
ベストセラーで扱われていましたが、こういう知育絵本の匂いがしてしまうと、
なんだか露骨な感じがして好みじゃなく。

まぁ、2ヶ月の娘が楽しめるような話の内容でもなく。
また目で色をおいかけるよりも。

デカイ本でインパクトのある色彩華やかな絵本の方が、
見ているほうも楽しそうだし、読んでるコチラも楽しい。

そう言った意味では、暗いトーンの絵よりも。
前回にも書いたけど「長 新太」さんの絵のような爆発してる感じが、
今はいいのかもしれません。

親の好みで絵本は選びますが、子どもが親が選択しなかった絵本も
少し大きくなって選べるような環境はあったほうがいいかなと。
そんなことも想う日々です。




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