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「すてきな三にんぐみ」  トミー・アンゲラー [君に絵本を!]

幸せな話が多い。
「家族が大切」
「母親はあなたを愛している。」
「家庭の存在の無二」

絵本に綴られる物語としては、夢がない。
現実的な話。

大きくなった人間としては、客観的にこのような絵本を読むことで。
 「家庭や両親の尊さ」や「幸せの空気」というものを、理解できるのだろうか?
 自分の家庭は、絵本のような「こんな家族ではない」とズレを感じてしまうのか?
 読み手が、このような「愛」の話を、幸せに感じてるだけなのではないだろうか?
なんていかにも理屈っぽい疑念を抱きながら・・・・・。

子どもがおおよそ、理解に乏しいながらも。
間違いなく読み手は、愛する子どもとの暖かな距離に幸せを感じているわけで。
読み上げる文章の中に混じる、気持ちの入り方は優しい。

しかしながら。
「こんなにもアナタを愛しているのです。」
その言葉を、絵本を使って相乗したり。
その大枠への理解や愛情表現へのアプローチの匂いは、
個人的に読んでいて、冷めてしまう。

絵本の中に広がる世界で。
意義としての「価値観の構築」という念頭を崩したくない。

両親が大切、家庭が大切など。
そんなものは、生活の中で両親が子に対して示せばいいものであって。

絵本の中から広げて、愛情を深める時間は惜しい。
また、その重要さを重要と感じるのは、親の姿勢ではなく、子の受容。

絵本を読みながら、大切だと感じて欲しい部分に、
親のエゴを交えながら、話を飲み込んでいってくれたら・・・・。
それがボクの理想であります。

「すてきな三にんぐみ」

PA0_0974.JPG

先日の「北」様からの紹介もあって。
随分前に買いました。

泥棒に対する処罰だとか。
色んな現実的な部分を、考えてしまうけれど。
そういう部分は捨てて。

3人の泥棒と、1人の少女が見出す意味と意義。
そして転がる感情の芽生え。

何も孤児を集めた美談の話ではなくて。
どうしてこう話が転がるのか。
なぜ、この「ティファニー」ちゃんは、泥棒と暮らす選択を導けたのか。

簡単に話を進めないで、自分の想像を膨らませた上で。
次ページの展開に、読み転がすと実に面白い。

そういう気持ちの部分でも、大人が読んでも秀作だと、
個人的には、ズガーンと来た1冊です。

家族の愛とかではないし、普遍的な愛の話でもない。

3人の泥棒と、1人の少女から始まる話の波及と。
3人の泥棒と、1人の少女がいなくなってからの話の終着。

登場人物たちがその後、どうなったのではなく。
彼らの想いは繋がり続く。

3ヶ月の娘にはなんのことやら、理解には辿りつけない今ですが。
31歳のボクに対しては、短距離で貫く素晴らしい物語だと思いました。

しっかりと読めるようになったら。
自分の為にも、「THE THREE ROBBERS」として
買いなおすのも悪く無いかなって想ったりもします。

最初は暗いトーンの絵で、あまり興味は引かないようですが。
3人の泥棒道具の鮮やかさに、娘の視線は釘付けでした。

ただ、読み手が「ステキ!」と勝手な感情移入をしてる分、
物語を読む熱が入ってしまうので、聞いてる方を置き去りにする可能性があります(笑


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FUCKINTOSH66

おー。これ大好きとゆうかmy幼児期に最初に認識した絵本。青好きもここから始まってる気ぃするし。お話もいいし絵やデザインもかなり秀逸。実家倉庫には当時のボロボロのが1冊、ウチにはこの普通サイズのと手のひらミニサイズの2冊あるよ〜&マコツも1冊持ってるよんw
by FUCKINTOSH66 (2009-12-03 09:14) 

ルースターズ

>F66様
F66様の青使いとはまた違う感じですが、
原点は進化をしながら、変態しますからね!
なるほどって感じです。

吉田家ルーツを踏めて、我が家も何よりです。
手のひらサイズってなんだ?!
今度探してみます(笑

大人も何か心に溶けて残るステキな話だと思いました♪
by ルースターズ (2009-12-03 12:32) 

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