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小島よしお単独ライブ「ペチクリカ」@シアターサンモール [LIVE OR DIE ?]

誰になんと言われようが、私と妻は「小島」贔屓です。
小島と言っても「よしお」です。

最近では。
テレビでも地味に出てる程度ですが。
よしおがテレビに出てると、ついチャンネルが止まります。

勢いだとか一発屋だとか。
さほど面白くないんだけど。でもよしおが好きなんです。

そんなよしおが先日テレビで、
「単独をやるがチケットが3分の1しか売れていない!助けてくださいっ!」と。
場所は、新宿のシアターサンモール。
知らない。

そんな発言を聞いた妻が、「小島よしおを助けたい!」と。

そんな訳で、小島よしおの単独ライブに行くことになったサンデーナイト。
木曜にチケット買ったが、整理番号は130番台。

色んな用事があったのに、小島よしおに割いたわけだが。

会場に着くと、長蛇。
まぁそんなもんだなぁと想う。
ただ客はボクの友達には絶対いないだろう人たちで。
若いし女子率高し。

しかしながら。
「オッパッピー」Tシャツを着ているファンには絶句だった。
さすがによしおは好きだが、よしおTシャツは着れない(笑

そのTシャツも結構キツイデザインで、ボク的にはもはや着てるファンで
笑いが取れるんじゃねぇーかと失笑。

前に並んでたの女の人は、シャカリキに写真を撮っていた。
BLOG用の撮影だろう(笑

この女の人も結構動きが面白くて、何かと気になってしまった。
眼鏡を上げるふりをして、後方の関係者席を凝視する感じは、
もはや忘れられない。

全席自由席。
ホールなのに。

やっぱり3分の1以上は、関係者席だった。
その関係者の中で。
やっぱり際立ってたのが、「社長」である。



今、酒井法子の次に旬なのは、間違いなくサンミュージックの社長。
やっぱりよしおの出来が気になるのか(笑
僕らの前を慌しく社長が横切る、その数3回(笑
その度に、妻が「あ、社長だ」とボソっと言う(笑

そんな中、入場の際にアンケートが配布されたが、まさかの完全ネタバレ(笑
まぁボクみたいな「小島よしお」素人には、ネタバレしてても問題ないんですがね。

あの想像過多で、小島よしおは最高に面白いって勘違いしてたんですよね。
ボク。

ライブの内容は悲惨というか。
あの見終わった後は、腹立った感じに近い。

チケット代金諸々含めて¥3800ほど。
それほどの価値は無いです。

ただ救いというか、小島よしおのギャグって。
後でくるんですよね・・・・テレビで見た瞬間はさほどなのに。
後からつい口走ってしまうあの感じ(笑

今回もそんな感じで。
気付けばよしおのワンマンのギャグをつい言ってしまう感じ(笑

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でも辛口でいきましょう。
なんのこっちゃわからんでしょうが、小島よしおワンマンの全貌。

☆よしおブリーフで掛け合い。
SAY!HO!みたいなYOSHI-OH!!みたいの。
掴み損ね。

☆耳障りなストンプ
面白さなし。

☆ダイジョブ。
ダイジョブダイジョブー!ってヤツっすね。
ここが一番ドカン来てた気がする。さすがよしお。
ペース配分なんて関係ねぇ。

☆VTR「盗まれた」
なんで、VTRやるんでしょうかね?
しかも会議室の盗まれた掛け合い。
これ、その場でやればいいじゃん。
もしくは半分にして、半分はその場でやればいいじゃん。

☆おいらん
なんだろうなぁー。弾けきれないよしおがいました。

☆VTR「出っ歯くん」
面白いんだけどなー。
他にやることねぇーの?みたいな感じ。
VTRネタって、つまらないね。ライブ感を損ねますね。

☆オリンピック
学生の出し物。

☆ゴリラ漫談
期待しすぎた。結局バナナの話のみで動きなし。

☆VTR 「ラーメン屋」
出っ歯くん同様。ライブでしょ?って感じ。
フーフーしてるだけ。

☆VTR~その場で「演技の話」
中途半端すぎてどうにもならない。

☆VTR「カメレオン」
最後のチ×コまでが長い。
下ネタやればいいじゃん。
中途半端なんだよなー。
このあたりでイライラがピークになる。

☆未成年
よしおがド根性大根を抜く話。
もはやどうでもいい。

☆VTR 何もしない小島よしお
ただ毛のアップとか。
もうよしおじゃなくてもいいじゃんみたいな。

☆パクパク腕白ラジオ
パクパクワンパクラジオという言葉の面白さがジワジワきてます。
でも、ネタはつまらないです。

☆VTR 「ピーナッツ」
もはや森田へのフリ。
最後でなんでピーナッツかわかる。
森田へのフリ。
同じ事務所だから。
県知事だから。

☆ガンバレガンバレ
ようやく社長をいじる。
ガンガンガンガンガンガンバレー!ガンガンガンバレー!
これがまた頭に残る・・・・。

そして終了。

簡素に書きましたが、すっげぇつまらねぇー!!!!って激怒でしたよボクは。
小島よしおを買いかぶってたのかなぁーって。

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小島よしおってボキャブラリーがあって。
それなりに利口で真面目。
わかりやすい笑いと動きで、誰がやっても同じ笑いとは違う。

「そんなの関係ねぇ」とかもうOLDファンは要らないだろうけど。
小島よしおのライブはベスト盤でもいいんじゃないっすかね。
「らすたぴーや」もないし、見たかった「コジマリオネット」も無し。

聞きたい(見たい)セットリストを求めても仕方ないのは承知。

小島よしおにしか出来ない笑いは、
勢いとボキャブラリーと動き!これじゃないっすか?

馬鹿だなぁーと想っても、本気でやってるじゃないっすか。
小島よしお。
それも想像もつかない馬鹿。
コジマリオネットなんて、初めて見たとき死ぬぐらい笑いました。
馬鹿すぎて。

このライブは小島よしおらしさが無かったというか。
もう途中から、こんなん小島よしおじゃなくてもいいじゃんって
想ったらもうドン底でした。

VTRとか意味不明。
VTRやるぐらいなら、小島よしおと苦笑(トークショー)みたいなさ(寒)

社長いじるの遅い。
お笑いなら一線越えたどこか気まずい空気上等で、ノリピー語でもいってみろー。

アンケート出さなかったから、サンミュージックに投書でもしよかな(笑

ただ、今になって節々のよしおの発言を思い出しては口に出す自分。
即効性が無いが、変な突発性はある。

妻からは一言。
「文句言ってる割に気に入ってるんじゃん」

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THE ROOSTERS@恵比寿リキッドルーム [LIVE OR DIE ?]

薄い雲に留まる夜。
地震と台風の天変地異。
LOWな感情の青い視界。

GUEST「大江慎也」「花田裕之」に導かれて。
恵比寿リキッドルーム。

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いつもの道路辿って。
恵比寿に開演ギリギリに到着。

すべてを捨て置いても今夜は、THE ROOSTERS。

実に3年ぶりの大江慎也に。
生きていることの確認を出来るだけでもありがてぇ。

OCCUPYの4曲のち、大江慎也に花田裕之登場。

若い頃のレコードの溝追っかけてる奴らには、わからないだろうけど。
曲りなりにも、復帰したUNから。
東京ならば随分大江慎也を見てる一ファンとして。

今夜の姿は最高だった。
どんだけか?と問われると、その後のTHE BIRTHDAYを捨て置いたぐらい。
聞けなかったな、THE BIRTHDAY。

1、King Bee
2、Silent Midnight
3、Rosie
4、Go For The Party
5、Hippy Hippy Shake
6、Get Everything
7、テキーラ
8、恋をしようよ
9、C.M.C.
10、Little Red Rooster


転がる時間の経過に興奮を覚える。
GO FOR THE PARTYなんて、待ち焦がれた曲だった。
少しLOWだった自分を持ち上げるためのDRUGとして常聴していた曲。

KING BEEでストラトを執拗にこする大江慎也の眼下には
焦がれたファンの数多くの興奮の海。

スティックで大江を指し、池畑がPARTYの合図を委ねる。

聴いたことの無い曲だった。
2曲目はまさかの大江慎也新曲。
戻ってから新曲とのことを知る。

聴いたことなくても自然と馴染むビート。
聴きすぎて、聞きほれて愛して止まないルースターズの音。

矢継ぎ早のROSIEのボーカルのズレは愛嬌。
この日の大江慎也の気持ちの入り方。
見てるコッチが、調子外れてしまうぐらい力と熱が篭っていた。

熟練の井上・花田・池畑が振り回されるぐらいに(笑

ROSIEをやや脱線気味で捜し求めて。
PARTYへ。
もう興奮でしかない。

目の前のルースターズはルースターズだけど。
昭和の20世紀のルースターズじゃない。

大江のソロも刻むし。
カバーだってアンリリースドのように厳しく攻め立てる。
極めつけのHIPPY HIPPY SHAKE.

いつも聞いてるアレなのに。
聞いたこともないようなアレ。
ブレイクもキッチリ。
大人の不良が「来いよ!」って手招く。
もはや、繰り出される曲にただ飲み込まれるしかない。

Get Everything にいたっては、まるでファイティング80’sの
動画を初めて見た時と同じ気持ちになった。

自然災害にも近い。
どうしようもなさ。

THE BIRTHDAYは「カチッ」と、はまっていて。
そのときの勢いで転がる感じがよくわかる。
ただ逸脱はしない。

スタジオでの修練から。
呼吸の合い方がスタジオに近い状態で、フロアに綺麗に広がるよう。
水面の波紋。

STRIPPERあたりは、もはや言葉に出来ないぐらいカッコよかったが。

PA0_0817.JPG

ルースターズのカッコよさは次元が違う。

今回のルースターズ。
演奏だけ聴けば、「恋をしようよ」も「CMC」も悲惨だろう(笑

苦笑いの果て、一瞬放送事故のような隙間を
あの手連れが起こすのだから、もはや手に負えない大江慎也。

荒くれ。

ぐしゃっと交通事故のようなステージ。
それでも、車は走る。
エンジンが死ぬまで。タイヤのバーストなど意に介さない。

最後、池畑さんもCMC終えて、立ったのに。
アンコールにもなかったんじゃないか。
いきなりのストラトからの
LITTLE RED ROOSTER。

あの感じ。
ぐしゃっとなったステージをブルースで持ち上げ。
出なくなった最短距離の声をからしながら。
届く場所までと余裕なく、進む。

燃え尽きた8ビートの残骸よりも、
歪んで曲がって潰れそうな後半のステージを。
最後も勢い任せにせず、しっかり組み上がる感じが素晴らしい。
井上富雄ですら入る位置躊躇し、池畑潤二ですら、おいおいって雰囲気でついていく。
花田裕之は、大江慎也と向き合い。
音を重ねつつ。

ハッキリ言えば無茶苦茶なステージ。

変なネックレスに
パッチワークのハーフパンツ。
ストラトキャスターに黒いジャケット、
無造作にかき上げてある髪の毛。

おじさんである。
でもビリビリとした空気と練り上げる音の塔の住人であり、
この4人でやれば間違いなく頭である。

ゆらめき輝き。
勢いは最後まで残らず。
途中の脱線をしても、最後はこれでいいだろ?といわんばかりの
最強のステージ。

20世紀の雄鶏はもういない。
過去に縛られない今を生きる雄鶏の叫び声は。
時間を長くやれば良い訳でもなく。
短ければ消化不良。

でも全力暴走の果て。
心に去来するあの感情を言葉で表すならば。

これがロックンロールなんだよとしか言いようが無い。

夏の花火より、高く。
そして綺麗にはじけた音の粒を。

またかみ締めたいが。
昨日の瞬間を、今も大切に想うほうがいい。

東京の夜。
家路は、雨。
せめて、雨で憂鬱な気分にさせてくれないと。
この全焼寸前の気持ちを鎮火出来ない。
恵みの雨、明治通り。


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グループ魂@ZEPP TOKYO [LIVE OR DIE ?]

誘われるがままの、お台場ZEPP。
初めてのグループ魂。
名前知っています。
音源、やや周知です。

まさかワンマンに行くことになるとは・・・。
お誘いというか招待というか、ありがとう。

身体に纏わりつく
湿った海風をレインボーブリッジで浴びながら。

17:30開場。
18:30開演のまさかの時間にやや驚き。
相変わらず迷子になりながら、観覧車の下に着く頃には。
もはや開演寸前。

開場はと言うと。
チケットSOLDOUT。
挙句、水曜日の18:30。
満員御礼。

考えられない状況。
さすがサマーヴァケーション。
さすが大人計画。

PA0_0806.JPG

港カヲルのオープニングは、MJ。
MJだけど、本物のMJの体型の3倍はあるだろうし、
放つMCは「元気元気!元気があれば乳首でエレベーターのボタンが押せる!ピンポ~ン!!」

もはや、今日の底感じた深さでした。

押し倒す強引なやり口に、失笑の嵐でしたが。
やはり爆笑の渦に巻き込まれました。

グループ魂。
歌詞に注目してしまうけど、改めて聞くと。
めんたいロックに近い音の構成だったが、
厚い。

富澤タク(遅刻)の潜り方がカッコイイ。
暴動(クドカン)は、本当にめんたいロックな感じで
リフを繰り出し。

THe ROCKERSか、ルースターズかROKKETSか。
という具合で、非常にかっこよかった。
屋台骨を知っただけでも、非常に甲斐はあった。
恐るべし岩澤タク。
目立たないけど、確実に背骨。

いい音と被せ方が最高にいい。
主張しないけど、痕跡は残ってました。

破壊こと阿部サダヲの声も圧巻。
さすが舞台俳優。
半端ないっすね。
声量も音域も。
文句なしですが、歌ってる内容はク☆ニにオ☆ニー。
ち☆こです。

一挙手一投足に反応する客のコール&レスポンス。
最低ですが最高でした。

客のノリがいいのか欲求不満なのか。
自身の楽しみ方を知ってるというか。

観劇では、やはり一方通行なので、ライブになると一体感がでる。
観劇からこの場所に来た人には、堪らない空間なんだと思いました。
思いっきりがいいというか、なんというか。
余すことなく、楽しんでました。

そういう感じビリビリしてて。
ゲストが来るという話でしたが、横山剣に杏子。

ぬぅー。豪華。
挙句、芝居がかりながら、非常に跳ねてました。
空気も曲も。

カッコイイ音楽で、しびれるというよりは。
なんだか、ファニーな感じでしびれてしまったというか。

一緒に行った子は、笑った拍子に痰が絡んで死にそうになるぐらい笑ってました。

いわき兄弟も。
うちのかぁちゃん、いわきのすぐ近くだったんで。
もはや爆笑というか、大失笑でした。

間延びしながらも、強引に転がす感じが非常に良かった。
緊迫というか、飽きさせないというか。
そんな時間の過ごし方は、非常に貴重な経験でした。

東京ワンマン4年ぶり。
そんなときに出くわしたこの日。
とってもぬるい笑いと、ピリっとした音の中に。
新しい気持ちを貰うライブでした。

ワンマン、贅沢(笑)
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BIG BANG WEDNESDAY @新宿PIT INN [LIVE OR DIE ?]

梅雨の高温多湿。
蝕む神経、開く汗腺。

おそらく我が家から最も近いメジャーなハコ。
新宿PIT INN

昨日、BIG WEDNESDAYになぞって、行われたサーフィンとは関係のないセッション。
BIG BANG WEDNESDAY。

ダラダラしてたら、前売り券を逃し。当日券。

山下洋輔(P)
梅津和時(SAX)
中村達也(Dr)

初めてになるそうです、3人のセッション。
山下洋輔は、RSRFESで見たけれどそこまでグッと来なかった訳で。
梅津さんは他の方とのセッションを拝見している。

セッションというのが、また曖昧で。
きっとスタジオに入った密度がモロに出るのがわかるので、
個人的には、あまり期待はしないで行く。
気付いたら、バラバラだなと思うことが、やっぱり多いからだと思う。

ただドキドキはしていく。
久し振りの中村達也だから。

少し高い位置からの拝聴。

やっぱりダンディな山下洋輔に、
存在感では梅津和時。
そして少年、中村達也。

2部構成。

音が出始め。
やっぱりというか、想像したとおり。
20時05分からの約30分のセッションは、バラつき感を感じる。
確かに1つ1つの音は猛烈で、氾濫している。

ただ、あまりの脱線を見越して互いに牽制しあう雰囲気。
牽制というのは畏まってるが。
出方を見ながらという、互いが認め合ってる故のスロースタート。

山下洋輔にも、鍵盤を躊躇してる感じがあった。
それは山下洋輔が走ると。
容易に主導権を握れてしまうのがわかる。
潜るピアノ。

変速的なリズムの中での縄跳びは、入るタイミングを間違えるとちぐはぐになる。
そのちぐはぐ感を補うべくピアノであったが、そのピアノが上手く噛まない印象。

正確には噛ませないのかもしれない。

所感ではあるが、中村達也のタイコがあまりに変速的で、そのリズムが一定で無い。
手数が多く、自由なのでその自由にピアノが跳ねてこない印象だった。

SAXに関しては、2つが噛めば自ずと音が混ざり合う性質なんだなと思いつつ。
初めて感じたのは。
「ピアノに尾ひれのようにSAXが吸い付く感じ」が幾度もあって。
それが凄くカッコよかった。
タイコは調子ハズレだったけど(苦笑

山下洋輔がピアノを弾きながら、足が上がる瞬間が何度もあって。
それがカッコイイなぁと思ってたけど。
とりにくいリズムの間を、足をあげながら合わせてるのかなと。
そんな風にも感じた。
故に、ノッてる時は足を上げる余裕もない。

最初の30分は探ってる感じ。

とにかく、変速×変速×変速な感じだから、
聞いてる方は、リズムは取れないし、刹那の中にかみ合う瞬間を逃すと。
また解けてしまう苦労な一部だった。

20分ほどの休憩を経て。
第二部。

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第一部のラスト10分。
急に音が噛み合いだして、コッチもニヤニヤしてしまうような。
そんな音が露出してきた。
山下洋輔が、反復を使う形で縄跳びのタイミングを簡素化。
そこに同じようにあわせるタイコと、縦横無尽なSAXで。
急にスタジオレコーディングに近いような、継続した合致が感じて。
セッション慣れしていない、ボクのような若輩の耳に優しくなった。

この休憩で・・・・・と言うのは要らない心配だった。
靴を脱ぎ捨て、靴下を脱ぎ捨てた達也が楽しそうに笑う。

セッションとは非常に神経を使う太鼓だと。
譜面の無い旅。
付き合うのが百戦錬磨の2人なら尚更。

第二部は凄まじかった。

山下洋輔から見れば、ピアノの音を開く支え。
三角の窓から2人を眺める。
ピアノの視線の先、合わせる相手は、ドラムス。
そんなイメージで山下さんは終始達也の出方を見続けていた。
歯を喰い縛り。
聞いたことの無い旋律は、正直言うと感動モノだった。

鍵盤の重さをものともせず。
あれだけの旋律というのは、想像も出来ない。
演奏を終える度に、めがねを外し汗を拭う姿もまた、
職人のようだった。

今日のセッションは、3人互いに想像が出来ないが故。
煩雑で、予期出来ない応酬の中で迷子になりそうな気持ちになる。
想像できないのが、セッション。

組み上げては、切り落とし、
また組み上げて切り落とし。
崩れて積んで、また崩す。
その中で、3人が同じ高さになることは、稀。
そういう瞬間を見逃せない。

第二部中盤。

急にエイトビートが増幅する。
ピアノも聞き覚えのあるメロディー「SING SING SING」が弾かれ。
聞き覚えのある感じと、聞いたことの無い戸惑いが交錯しながらも、
音は完全に空間を支配して。

本当に凄かった。

この終盤だけでもチケット代の価値があった。
もう固唾を呑んで。
見るしか聞くしかなかった。
そこに存在する『すべての人が波にさらわれる感じ。

中村達也がしたい形。
そして観衆が聞きたい形。
それが合わさった大波。

そして、綺麗にそしてぶちまけて。
まるでロックコンサートのような。
そんなセッションが終わると、いつまでも鳴り止まない拍手が
ピットインを包んだ。

誰もが賛辞を送り、その瞬間を光栄に思ったと思う。

あんなに鳴り止まない拍手は聞いたことが無い。

鳴り止むと同時に再び交わり。
笑顔で誤魔化すセッションのピリオドもあったが。
そのときには「やっちまったー!」的な笑顔がわかりやすくていいと思う。
そういうときには山下さんも梅津さんも「えー?!」みたいな顔で笑う。

中村達也がコンダクターが故に起こる第二部の結末(笑

そしてアンコール。

叩き倒したアンコール。
ドラムソロ。
変速さも兼ね備えた、エイトビートが主幹が飲み込むドラムソロ。
この人のこういうところが好きと恋心に近い。
そんなドラムソロ。

そして最後は音を重ねて終焉。

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最初から飲み込まなくてもいい。
ビターな感じ。
名前にネームバリューに騙されないように。
そんな気持ちで見たゆえ、客観さもある。
それでも、素晴らしかったと思う。

客観的に見て、組み上げたセッションで全てが素晴らしいとは感じなかった。
せいぜい2つか3つ。
それでも、それがあるだけまだいい方だとそう思う。

中村達也はどう言うのだろう。
そんなことを想いました。

楽しくてこぼれる笑いより、苦笑いの方が先行してたかなと
そんなことを想う。


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ゆらゆら帝国 「20th Anniversary LIVE 2009 in YAON」 [LIVE OR DIE ?]

行きたいと切望しつつ、オークションの高騰で諦めていたのが
ゆらゆら帝国20周年記念ライブ。

ゆらゆら帝国を知って、ボクは10年ほど。
その10年の道程をほぼ一緒に歩んできた友達からの施しで、
運よく足を向けることが出来たのです。
感謝。

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日比谷公園は、太陽に愛され。
木々の光合成が盛んに。

多くの人々が日曜日を堪能してる中、長蛇の列。
以前にも見た風景の中。
開場すると、そのまま列はTシャツの列に変わるという、
ゆらゆら帝国では当たり前の景色。

人間は会場に入っても、後方にまたもや長蛇。
席閑散。

ただ早めの集合だったこともあり、すんなり購入。
そしてBEER。
水のように流し込み。
期待を純白の泡とともに流し込む。
この日のBEERの量はいつもより多めだった。
春から夏に。
素直に飲み流す。

20周年と聞けば、期待も半端ではない。
聞きたかったあんな曲や、こんな曲。
そして何より節目と位置づけてもらえる幸せ。

こじんまりとしたステージの機材。
辺りはまだ明るく。
太陽の光の下に出てくる3人の姿と実質の前から3列目は、
否が応にもボルテージを上げる。

立ち見含めて、超満員の会場の眼前。
3人がステージに立ち。
音が出ると、ステージの脇からまだ少し冷たい夜風が侵入し木々を揺らし始める。
静かに揺れて、吹き抜ける風の場所を教えてくれる。
後方の木々は静かに聴いていた。

そんな景色を目の当たりにしながら、緩やかに時間は過ぎる。

「ソフトに死んでいる」では、風は止み。

曲の流れる時間の中で。
隣に見えるビルの上を、2羽の鳥。
点滅する光が星と混じり重なる飛行機。
夜空に定規をあてたかのように綺麗な直線で飛ぶヘリコプター。
次々とビルの谷間を見下ろし越えていく。

陽は静かに落ちて、闇が拍手で出迎える。

マラカスをステージに後ろに投げる放物線だとか。
足元を転がるタンバリンだとか。

身体を止めて。
周りを見渡す余裕があっていい。
ゆらゆら身体を揺らしながら、このバンドの独特の空気を楽しんでいる姿だとか。

セットリストは、ROCQSからパクったのでは以下。

星ふたつ
ソフトに死んでいる
ザ・コミュニケーション
新曲
アーモンドのチョコレート
ラメのパンタロン
夜行性の生き物3匹
タコ物語
新曲
無い!
空洞です
できない
昆虫ロック
発光体
つきぬけた
あえて抵抗しない
ロボットでした
3X3X3
星になれた

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正直に言ってしまえば、どの辺の括りが20周年だろうと、首を傾げてしまう。

個人的には、「この3曲のうち、1曲でもやれば昇天しちまうな」と勝手に位置づけて。
ドキドキしてステージを見ていたが。
どの曲も観客にブチ撒けることが無く終わってしまい、脱力感にさいなまれた。

いつもと変わらないじゃないか・・。
素直な感想であります。
いつもと変わらないというのは、逆に言えば。
それだけワンマンの時には、今出来る最高のSETLISTでやってるわけで。
常に記念日。

そのような感じで取れば気持ちの置き場は存在するのですが。

ゆらゆら帝国は思い入れ強い分。
気持ちの置き場はねぇってことです。

約10年前に見た景色とは違うし、あの時見た彼らの容貌は、
ショックすら感じてしまうものだった。

伝説の夜になるだろうと、勝手な「X JAPAN」的な誇大妄想を繰り広げた自分を
慰めてあげたいとこです。

個人的な感想をいえば。

「20世紀のゆらゆら帝国に会いたかったし、聞きたかった」ってとこです。

聞きたかった曲。
「グレープフルーツちょうだい」
「アイツのテーマ」
「男は不安定」

埋没したのか、それとも「空洞です」という素晴らしいアルバムを作った分。
過去にあまり重いベクトルを置かないのか。
真意は当然わからないし、それぞれの楽しみ方。
それぞれの感じ方があるものの。

ボクの愛した帝国はまた違う帝国に姿を変えつつあるようです。

国家の安定は、恒常を示すわけで、ある程度のカンフル剤がないと、
なにか物足りなさを感じるもの。
常に良きものを目指すのが国家の役割。

ボクらがここに留まる以上、昨日の夜を受け入れるべきはあるが、
腹いせに聞きたかった曲ばかりを、今聞いているところ。

「星になれた」を聞きながら、夜空の星は薄く光る。
東京の空から見る星は遠い。

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PUNK SPRING 09 @幕張メッセ 9.10.11ホール [LIVE OR DIE ?]

突然の誘いがあり、誘われるがままに海浜幕張。
舞浜が近くに感じてしまう程、過った遠さであります。

やっぱり、FOO FIGHTERS以来でした。

春の風物詩となってるようです「PUNK SPRING」
PUNKという括りというか。
個人的には、PUNKという言葉は非常に難しく。
曖昧な表現であり、その曖昧さゆえに増殖と選択肢が増え。
気がついたら商業的になってたという、ばっくりなイメージに(笑)

現代のPUNKというのは、もはやPUNKではなくて、
メロコアであったり、メタルであったりR&Rであったり。
様々な要素を踏まえた中で、おおよそPUNKというぼんやりした感じ。

歌ってる内容は、左翼的でもないし、労働階級の叫びでもなく。
そんな感じであるから、なんだか妙だ。

しかしながら、会場の人数にびっくりした。
こんなにいるとは思わなかったと笑える人数であった。
動員数は結局わからなかったが、ヘッドライナーに進むにつれて、
凄まじい人数になっていた。

昼過ぎにのんびり到着。
正直なところ、目的はさほど無い。

そんな中、最近人気の高い「9mm Parabellum Bullet」
少しメタルっぽさもある感じ。
硬質であります。
R&Rというか、そことはまた違う感じ。
今後の日本のメインストリームはこういう感じなのかなと。

聞き手の選択肢や音楽を手に入れる方法が増えてる以上、
多岐多種の形を持つバンドが出てくるのは必然だし。
支持される感じも一概には否定できない。

ROLLしてる感じは少ないけど、歌詞がキャッチーだったりする分、
あとは音の好みと合致してしまえば、どこまでもって感じなのかな。
個人的には、キャッチーな歌詞はLOVEでないし、
このような音を聞き続けることは難しい。

タバコを吸いに外に出ると、またすっげぇ人。
そういえば、こんなデカイFESなのに、ドリンクチケットがあるというのが、
凄まじい。商魂。PUNKとは無縁。

そして「Vo.細美武士/Gt.masasucks/Ba.ウエノコウジ/Dr.柏倉隆史/Key.堀江博久」
今日発表になったらしいですが、名前は「the HIATUS」と言うらしいです。

ELLEGARDENは2度見たけど、さほどというか印象にない。
この日も沢山のELLEGARDENファンがいて、Tシャツ率はかなり高かった。
気持ちはわかる。

そんな中ではありますが。9mm Parabellum Bulletよりも、優しい音。
美メロな感じのメロコアかな。
「NO USE FOR A NAME」を知ってからは、この手はなんだか二番煎じな感じがして、
結局こういう感じならどんとこいだろ?ジャパニーズキッズ?!と思ったり、思わなかったり。

見える景色が違うから、それをどうこうと批判する気はさらさら無いんですが。
レディオキャロライン活動休止以降の、TMGEのウエノさんのメインバンドになるのかな。
ただデカイぜ、ウエノコウジ(笑)
これから進化していくのだと思います。

ただ個人的には、ハイスタの系譜は、エルレが持ち。
さらに次世代がどうなるのか。
この系譜。凄いスピードで変わるのでボクらのようにナイスミドルには、少し気を張っていないと
安易に通過する恐れありです(笑)

そして、久し振りの「LESS THAN JAKE」
ボクら世代のスカコアを聞いてた奴らには、必須のバンドでした。
いやぁーカッコよかった。
得てして、デブのアメリカ人が歌う感じって堪らなくUSAって思ってしまう(笑)
ギター、ベース、ドラムスだけでも十分な厚みの中にホーンは、同じ楽器を使っても、
日本人には出せない印象がある。

BEEF!BEAT!みたいな感じで、僕らはGIVE ME CHOCOLATE!みたいな(わからんな)
にしても、凄かったな。
スカコアなんて、聞いてたのはKEMURIがあったからで。
でもKEMURIも聞いてたけど、LESS THAN JAKEの音を聞いたときには、
もうビックリしたもんな。厚いしカッケー!って。
ビフテキだね(笑)

音も煽り方もとてもフレンドリー。
「このドラムの髭は、100%チン毛!」とかね、シモネタをわざわざメモって、数万人のウケを狙う。
こういう精神だね(笑)

昔に聞いてたバンドだったけど、見れて凄く良かった。
今日はLESS THAN JAKEを聞いています(笑)

そして「ザ・クロマニヨンズ」
クロマニヨンストンプ~タリホー。
わかってる。
最短距離での客の飛ばし方を心得てる。

「近くの国からチンケなミサイルが飛んできたけど。
 ロックンロールはその100倍の破壊力がある。
 日本だけじゃなくて、地球を破壊できる!!」

そんなようなMCをしながらも、言葉を慎重に選ぶヒロトはPUNK!というよりはロケンロー。
些細な言葉にあげあしを取られないような、確信犯なロケンロー。
すばらしい。
マーシーもボ・ディドリーモデルのギター。四角いギター。

久し振りの疾走感というか、FESじゃなくちゃ体感出来ない音速JETのロッケンローでした。
最期のエイトビートで昇天。
アンセムです。
ロックンロールアンセムです。

他のバンドと違い、あまりの音速JETにこの後、DAMNEDに間が地味に開く(笑)
PUNK SPRINGは、2ステージあり交互の行う為、タイムテーブル寸分狂いなく始まる。
これは凄いシステムだ!と思ったけど、2ステージ作ってるから、セットも2倍金がかかる。
凄いぞ、クリエイティブマン。でも画期的だ。

PA0_0615.JPG

そして、THE DAMNED。
直前に、ボーカルのデイヴのキャンセル(笑)
こりゃぁダメだなと思ってたし、これがダムドとも思いたくなかったけど、
始ってしまえば、クラッシックパンクの王道。
大体、「LOVE SONG」から始まるって(笑

キャプテンセンシブルが地味にギターが上手くなってて。
そんなもんだから、やけにソロをメロディックに弾いたり(笑)
DAMNED=初期PUNKという括りではなくて、経年したDAMNED!として聞くと。

非常にカッコよく聞けるから不思議であります。
なにより、この日最もPUNK!だった男こそ。
このDAMNEDのキーボード「サイケ」と紹介されてたMonty OxyMoron。
必要以上に回る。
そして鍵盤関係なしに、前に出てシャカリキに踊る、あわてて戻る。
弾いたらジャンプしまくる。

いちいち面白いキーボードでした(笑)
大笑いしたね(笑)

「ジャガビー!オイシイー!」って言いながら口に入れたはいいが、
歌う直前に食うもんだから、結局ステージに吐くキャプテンは、非常にカッコよかったです。
もういいおっさんですが、非常に年輪を重ねた感じ。
PUNKじゃなくて、ROCKです。

個人的には、Neat Neat Neatよりも、MELODY LEEを聞けたのがHAPPYでした。
最期、あたふたとケツを出すキャプテンセンシブルが凄く良かったな(笑

その後「BAD RELIGION」
ボクはまったくここを通ってないので、後方でのんびり見てました。
ボーカルのグレッグって本当に歌が上手い。
故に、心地よく聞いてられた。
心地よく聞くような歌詞じゃねぇーのかなって思いながらも。

ただ支持されるには、それだけの理由があると思うし、
何より、本質のPUNKという言葉が該当するわけだし。
しっかり聞いてたら、凄く感慨深いんだろうなと妄想しながらも、
ただグレッグ歌、上手い。
そしてポロシャツカッコイイと思った次第です。

そして、THE HIVES。
以前にBLOGに書いたしアコちゃんのBLOGにも書いてあったけど。
こんのボーカルはね、日本人が英語理解出来ないとわかってて、執拗に英語で煽るんですよ。
しかも煽りが長い。

SWEDENのR&Rが世界レベルにあることを証明した希有なバンドで、
本当に素晴らしいバンドなんですがね。
どこか、全力というよりノリ方を知ってる感じがします。
ただCDよりもLIVEの方が万倍良い。

THE HIVESは今世界でもトップレベルのR&Rバンドで。
聞いたことも無い人間でも、簡単にそして優しく一緒に輪に入れることが出来る
素晴らしいロックバンドだと思います。
2本のギターも互いに呼吸を合わせながら、キッチリROLLしてるし。

久し振りに見たTHE HIVESでしたが。
変わらずカッコよかった。

英語で執拗に煽るほうが、拙い日本語を話されるより好きですけどね(笑
聞き取ろうとコッチも必死!みたいな(笑)

PA0_0614.JPG

THE HIVESで転がった後は。
それでは後は若い人たちで・・・・。
ってな具合で、CARPの9回の攻撃を携帯で終始チェックしながら、帰宅。
延長12回引き分けで終わると同時に幡ヶ谷に到着・・・ということでした。

得たものは大きかったんじゃないかなって、思ったりします。
関東でFESっぽいものを見るのは久し振りでした。

ただ人多さと、遠さに呆れるほどでしたが。
桜がパーァっと、視界を塞ぐ春の訪れよりも、NOFX!みたいな感じが堪らなく良かった。
花見よりPUNK SPRING!

ただ、前方はかなり体育祭みたいでしたね(笑)
「聞いてるのか?アレ」みたいな感じ(笑)
それもまた楽しみ方の1つか、野暮なことです。

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安室奈美恵「BEST FICTION tour 2008-2009」@代々木第一体育館 [LIVE OR DIE ?]

1978年生まれの30歳ならば共感出来る筈の、過去の安室奈美恵の記事

それを踏まえ。2月21日
おそらく最初で最後の安室奈美恵のライブ。

幾つかの疑問を勝手に解決した上で。
(※幾つかの疑問は別記事
 「NAMIE AMURO 「BEST FICTION tour 2008-2009」@YOYOGI」にて)
1つの結論としては、「安室奈美恵は凄い。」
これを最初に言っておきます。

PA0_0553.JPGPA0_0552.JPG

にしても凄いライブだった。
11分おして始まったライブ、
大きな花道。
大掛かりな舞台装置に、大型の正面モニター、左右2台の大型モニター。

幾重にも変わるそのモニターが、代わる代わるの衣装と舞台装置、そして空気を包む。

ダンスについては、圧巻としか言いようがない。
何より凄いと感じたのは、ヒールを履いたままでのダンス。
とにかく、最初から最後までヒールです。
しかもヒールが高い。
これだけで普通じゃないのは伝わると思います。

序盤からヒートアップさせて、客の熱を受けるはずが。
場所は代々木第一体育館。
さすがに、奥の奥まではね。と思ってたんですが。
正直びっくりしたのは、奥のお客さんもすっげぇノリノリなんです。

広いステージを心得た舞台装置は、左右の客の飲み込みかたを知っていたし。
MCを一切しない代わりに、笑顔と手を振って答えていた。
これまたびっくりなのだが、安室が手を振ると、その場所が石を投げた後の波紋のように
客は全員ぶっわぁーと手を振り歓声に塗れる。

花道に一歩踏み出した瞬間に、会場が沸く毎回。

DO ME MOREのPVの延長線上に物語は展開する。
「WELCOME TO BEST FICTION」

全ては、現実ではなく、夢。
フィクションであるというコンセプトは非常に面白い。
ただ、リアル(ライブ)の構築の仕方が、フィクションの感じを崩さない。
失望させないクオリティ。

SET LIST(【安室奈美恵】BEST FICTION tour 2008-2009@代々木ライブレポ参照)

01. Do Me More
02. Violet Sauce
03. ALARM
04. SO CRAZY
05. NEW LOOK
06. Hello
07. GIRL TALK
08. shine more
09. Full Moon
10. Luvotomy
11. Put 'Em Up
12. It's all about you
13. Wishing On The Same Star
14. ROCK STEADY
15. FUNKY TOWN
16. No
17. Say the word
18. White Light
19. Hide & Seek
20. Queen of Hip-Pop
21. Sexy Girl
22. WANT ME,WANT ME
23. Top Secret
24. BLACK DIAMOND
25. WHAT A FEELING
Encore
26. WoWa
27. CAN'T SLEEP, CAN'T EAT, I'M SICK
28. Baby Don't Cry

全28曲。2時間半のステージ。

深紅円形ベルベットな風合いなカーテン。
3つの円形膨らみ。
投影されるジャケットロゴ。

開くカーテンと漆黒の王朝のようなイス。
始まる曲。

即座に始まる緩やかなダンスからの加速。
SET LISTからもわかるが、ほとんどがダンスナンバーで「PLAY」からの引用も多い。
手練れのダンサーを従え、ステージを縦横無尽。
花道は、キャットウォーキングなど気取ったものではなくて演舞場。

NEW LOOKまでの加速。
NEW LOOKでの衣装と舞台の回転、気持ちも回る寸前。
銀色のヒール。
TWIGGYでもこんなことしてなかろう。

早いスピードで変わる衣装で世界観というよりは、
場面をわかりやすく切り替える。
左右モニターは安室奈美恵を追いかけ。
センターのモニターは、背景の仕事。

金色に光るミラーボール。
主張するヒールとMOON。

星は並び、ダイヤは鈍く銀色。
伸びるスチールバー一直線。
蔦の様に絡まるダンサー。

回るタオル。
降りあがる腕。

下には、安室奈美恵が衣装が変わるたびに衣装が変わるファン4人組。
この子たち凄かったな。
もはや感動すら覚えたよ。
おんなじ衣装なんだもん。
自作なんだろうな当然。

色んな資料みたり、目に焼き付けたりして。
自宅で自分で縫ってる姿を想像すると、なんだか共感してしまう(笑

開始から55分後の「SAY THE WORD」


前回PLAY TOURのラストナンバー。
(※ベースは、このBLOGでは知名度の高いTOKIEさんです。)

この曲での客の上がり方が普通じゃなかった。
ここから凄まじい勢いに加速して客にも火が付いた感じ。
それは初めて見るライブではあるが、
曲りなりにもライブ観戦は百戦錬磨の自負がある。
会場の空気が変わることぐらいはわかる。
自分でもあそこ1つが区切りだと感じたぐらい。

安室の初めてのシングルでの作詞の作品らしく。
こういうSET LISTの組み方の中で思いいれのある作品なんだろうな
と勝手に想う。
個人的に凄く好きな歌なのです。
この曲で安室を再び気にしだしたJ-POPです。

後、「WHITE LIGHT」の衣装は無し。
見てるコッチが恥ずかしくなる感じ。
カツラも浮いてたし(笑)何より、コレありなのかなぁと思わせるような
衣装と舞台に卒倒。
ファンには堪らないようだが、関係ないボクらにも、違う意味で堪らない。

こっからHIDE&SEEKで更に加速。
ONとOFFのスイッチが明確。

あれだけのヒールを履き。
手練れのダンサーを率いても、そのダンスに手抜きを感じられず。
挙句、歌う彼女の姿を見れば、何がREALで何がFICTIONかは自然とわかるはず。

久し振りにエンターティメントを感じたいい意味で。
歌を聞くというニュアンスではなく、安室を見る。安室を感じる。
素直の拍手したくなるような、全身全霊と全力疾走でした。

こういう大きな場所でのライブ。
まるで球場で選手への歓声のような
「なみえー!」「かわいーー!」「あむろちゃぁーん!」
「ケンター!」「打てぇー!」「前田さぁーん!」カープverね(笑)
なんだか、懐かしくもある気分でした(笑)
声を出さなくちゃ自分の興奮が収まらない感じ、嫌いじゃない。

NO MC。
客に話しかけることをせず、全力でやる感じは正直共感しました。
余計な話とか、本当に余計なんです。
それを端折って、ステージで魅せる感じ、ねじ伏せる感じは圧巻でした。

今回の安室奈美恵。
TKの曲は一切無く。
わが道を進み始め。
CDが売れないこの時代で、DVD付とは言え100万枚を売り上げ、
セールスの不安を払拭した自分のスタイルを組み上げた結果の美しいものだったと
思います。
さほど音を聞いていない。
こういう人間が見ても、「おぉ!」って想うのは、エンターテイメントだなと想います。

DOUBLEの楽曲をカバーした形になってると思いますが、「BLACK DIAMOND」
今回初めて聞いたけど。
明らかに今までの流れと違う感じの曲なんで、チケットを手配してくれた友達に
聞くとDOUBLEとの曲だということで・・・・。

安室自体も大切にしてる感じなのかなと想って、こんな一流でありながらも、
こういう感じをSET LISTに組み込むのは、本質理解を忘れてないと。
そう想ったりもします。
ちなみにボクら世代のdoubleはまだ姉が健在でdoubleでした。

DOUBLEの曲の質が非常に高い。DOUBLEが作詞作曲だそうで。
DOUBLEのプロデュースでアルバム作ればいいのに(笑)



素直に楽しかったです。
ただ、想像に漏れず仁王立ちで見てましたが何か?(笑
いい席をありがとう、KANAKO!


「NAMIE AMURO 「BEST FICTION tour 2008-2009」@YOYOGI」


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NAMIE AMURO 「BEST FICTION tour 2008-2009」@YOYOGI [LIVE OR DIE ?]

安室奈美恵「BEST FICTION tour 2008-2009」@代々木第一体育館
感想は上記をクリック。

さて、今回2月21日、代々木のライブで、どうしても確かめたいこと。

過去のDVDも見ていたので、その圧巻は周知だったわけで。
「2時間強のライブ、踊り倒して。息も切らさず、あの楽曲全てを歌いきるのか?!」

この疑問を解決するためでもあったのです。
一度安室のDVDを目撃したら、その内容に驚きます。
凄まじい勢いで踊り、ダンサーの統率をし、かつ歌う。見たことの無いステージです。

昨日のライブを見て。
あくまで根拠のない見解でありますが・・・・・。

口パクは考えられない。
NO MCというある意味、アイドルのライブとしては掟破りでありました。
あれだけ完成度を求めるライブをしていて、口パクなんて台湾のアイドルじゃないんだから、
ステージを無駄にするようなことは、考えられないとこです。

基本イヤホンでの音の確認を一切しません。
あれだけデカイホールだと、音も悪いはずなのに。
それでも、インカムをつけてもイヤホンはつけてなかった。
あれだけ踊るから、基本邪魔になるのかなと思いました。

故に、若干のズレは一部感じる部分でもありました。
ただそれも安室奈美恵ですから、修正は容易です。
NEW LOOKなんかは顕著だったかと。

インカムをつけていましたが、呼吸を整える部分。
当然マイクはその吐息を拾いません。
かなりのエンジニアがいるか、マイクの性能なのか、息の吐き方なのか。
これは不思議でした。
ただ、言葉を発するときに出てしまう最初の呼吸。
かすかではあるが、音は出ている。
CDとは明らかに違う音での歌唱はどの楽曲にも見受けられました。

音については、基本打ち込みなので、
生音の楽器を使うことで、CDとは違う臨場感が出ると想ったけど、あまり効果的な作用は
無かった気がします。ダンスがメインなので、バンドは完全に裏方。

しかしながら、今回のLIVEで気付いたのは、音源同様に。
コーラス部分は安室奈美恵のまま使用してるのです。
他の歌手のライブではコーラスが存在するのに、コーラスは録音のもの。
打ち込みの音も、ライブ用にアレンジが変わってるわけではないので、
本当にCDを聴いてるような感じも。
リフやイントロに若干のアレンジがありましたが、些細な感じ。

このコーラスの多い曲は、インカムをつけるダンスがメインの曲に多い。
マイクを握って歌うときとは違い、ダンスの質が上がる部分。
歌というより、ダンスありきのパフォーマンスだと想ったわけです。

コーラス部分の音を大きく出しながら、CDとは違う音程もしくは、
音階関係なくPVのように話すように歌っても、不自然に聞こえないようになってる印象。
元々コーラスの声とボーカルの声は同じ安室奈美恵であるわけだから、不自然はない。

これは手抜きではなくて、完全に誤魔化すことや巧妙に出来るのに、マイクを切らない。
はっきりした部分ではないが、このようにボクみたいに勘繰って真剣に何か穴を探さないと
感じない部分ではあるとは思う。

絶対何か楽してるわけではなくて、長時間かつ長丁場。
ライブをやる秘訣があって当然ではないか?と考えるわけです。

しかしながら、こうやって書いたが。
31歳という心身ともにアスリートなら円熟し充実した時期でもある。
全力で走ることも可能だと思ったりもした。

いずれにせよ、そこに手抜きや作為は無い。
全力の中にある、1つの呼吸のようなものと考える。
今回BABY DON'T CRYもきつそうだった。
ただ、歌い方にせよ、失望させない質を落とさないように、
丁寧な魔法をかけてファンを魅了する。

そういうエンターティメント的な技法を感じた。

満員の代々木のお客さんが隅々まで、届いてる姿を見て、
いまの安室の地位を知る。
TOURは、QUEEN OF HIPHOP以降完全にクオリティは上がる一方。
また、楽曲は決して売れ線ではなく、安室奈美恵STYLEという括りは否めない。
これは以前にようなドラマタイアップなど、売れるには不可欠な要素を削って、
強固なイメージの構築に務めているのであろうとも思う。

SUITE CHIC、doubleなど幾つかのfeatを持ってしても、爆発的なセールスには繋がらない。
それもまた同じ音楽でありながら、安室奈美恵のスタンスやスタイルの誇示を示すものであり、
セールス戦略には通じない。

featの仕事は金の匂いがしないトラックがほとんどで。
それが自由な印象を受ける楽曲が多い気もする。
この路線で行けばいいのであろうが。90年代の音で馴れた従来のファンを置き去りには出来ない。

ビジュアル的な露出、他の音楽活動との線引き、ある程度売れ線に・・・という思惑を支点として。
これを当然踏まえて、アルバム制作・ライブなどの緻密さがあるんだろうなと。

ビジュアル先行で、ビシバシ映像をDROPすることで、「安室ちゃんが・・」という見方、
つまりはカッコイイとなる。
カッコイイ姿が先行してるから、音楽はその次になる。

楽曲はそのビジュアルに付いてきている印象も否めない。ここまで来ると、楽曲云々より。
スーパースター安室奈美恵の感覚であり、以前のTKのようなヒットメーカーの仕事というより
安室のイメージに乗れば、楽曲者はいかようにも変化できると感じる。
歌がいいという印象よりは、安室奈美恵が凄いというニュアンス。

しかし徐々にR&B色であったりジャネットの色合いを強くすることに楽曲は不可欠で。
昨今では「安室らしい」と感じる楽曲の背景に、トラックメーカーの一貫性もある。
与えられた曲と言うよりは、イメージに即した曲で。
今後もトラックメーカーによっては、新たな脱皮もあるし、世界観も広がる。

いずれにせよ、いまの安室奈美恵が見れて良かった。
TKの逮捕は残念ではあるが、安室の時間の経過による現段階にたどり着いた本質への突破は、
今の状況を見れば良し悪しは歴然。

個人的に、あれだけのヒールを履き。
手練れのダンサーを率いても、そのダンスに手抜きを感じられず。
挙句、歌う彼女の姿を見れば、何がREALで何がFICTIONかは自然とわかるはず。

久し振りにエンターティメントを感じました良い意味で。
歌を聞くというニュアンスではなく、安室を見る。安室を感じる。
素直に拍手したくなるような、全身全霊と全力疾走でした。

ボクの勘繰ったことは、結局明解でなかったものの。
そこの嘘やごまかしを感じなかったことは、間違いなく。
日本のエンテーティメントとしては、セールスも人気も一番である彼女のステージは、
値段に見合う凄まじいものでした。

安室奈美恵「BEST FICTION tour 2008-2009」@代々木第一体育館




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バービーボーイズ @ZEPP TOKYO [LIVE OR DIE ?]

行く前に自分のRSRFESの時のバービーボーイズの記事を読んだ。

夢中で叫んで、夢中で楽しんだ割によく書けてると感心した(笑)
BLOGを始めてからは、心のどっかで冷静な自分がいて。
その自分が冷めないうちに、言葉に残そうとするので、
そういうとき程「冷静と情熱の間」っつーか(笑)、いい文章になってると想う。

後で読み返すと覚えてない文言ばかりだったりするので。

PA0_0546.JPG

春一番が吹いたが。
東京の寒さは変わらず。
相変わらずボクは、ゼップに迷わないで行けたことがない。
なんとなくの方角頼りに。

今回、妻が急遽取りやめたので、チケットを某オークションで譲った。
さほど高価にならなかったのが、自分的には安堵だった。
こんなとこで金儲けにはしたくなかったから。
オークションに出して、値段が上がるな!的に想ったことはない。
なら、即決にしとけって話でもあるんだが(笑)

PA0_0548.JPG

ZEPPに着くと猛烈な人。
勝手知ったるZEPPではあったが、年齢層は高い。
ボクも70年代生まれではあるが、もはや80年代な年齢である。

そんな中で若そうに見えて意外と年齢がいっているような方々。
会場に入ると、やっぱり年齢層が高い(笑
正直、待ってた感じ。
ホンモノのバービーボーイズのファンに囲まれて、バービーボーイズを見たかった。
時計の針を戻すのは、オーディエンスの熱気でも十分という心意気。

RSRFESは、J(S)Wの後ということもあったし。
リアルなファンは確かにいたけど、知らない人間の方が圧倒的に多かったと思う。
そういうボクもあの夜が初めてだったわけで。
待ち焦がれて、真っ白になった気持ちの中に曲は溶けた。

ステージの上にはネオン。
「NO VACANCY」「MOTEL」そして、蜜溜まる花の文様。
色は幾重にも変わり、ステージは静かに。

01. ノーマジーン
02. 目を閉じておいでよ
03. はちあわせのメッカ
~MC~
04. ふしだらVSよこしま
05. 暗闇でDANCE
06. 離れろよ
~MC~
07. 小僧 -cryin' on the beach
08. もうだいじょうぶヒステリー
~エンリケベースソロ~
09. タイムリミット
10. 勇み足サミー
11. Dear わがままエイリアン
12. MC~クレイジーブルース
13. Shit! Shit! 嫉妬
14. でも!?しょうがない
15. 女ぎつねon the Run
~MC~
16. わぁい わぁい わい
17. C'm'on Let's go!
18. 負けるもんか
19. 翔んでみせろ
20. チャンス到来
- encore 1 -
21. マイティウーマン
22. 三日月の憂鬱
- encore 2 -
23. なんだったんだ?7DAYS
(某所より、拝借のSET LIST)

ネットで見た15日とほぼ変わらないSET LIST。

コイソの左手は、逆さに持ったスティック。
そして、職人のように音をこする。

圧巻だったのは、エンリケ。
エンリケってもっと前に出てくるベーシストだっと勝手に思ってて。
それは誤解で。
このライブで、エンリケがタイコとギターのピリオドを探す。
幾度もリズム隊を確認して、呼吸を合わす。
あの低い姿勢と斜めに構えたベースで。
後ろの着地点を確実に。

イマサに関しては、RSRFESで見たよりも攻撃的だった。
鮎川さんにしか見えないとビジュアルで苦笑い。
でも、徐々に眼鏡が落ちていく。
そこから視線が覗く。
杏子に笑いかけ。KONTAと叫ぶ。
ギターの音は、今まで聞いたものと違う感じだった。
この音を1人で組み上げてるイマサは、 バービーボーイズの心臓だと思った。

余裕がありそうで、音は悲鳴を上げてる。
KONTAのSAXとの相性が素晴らしくいい。
ギター一本でも十分に音が厚いのは、SAXとの作用を理解してるのだと思う。
BARBEE BOYS以降、このスタイルを踏襲したバンドはない。
レベッカを越えていったJUDY&MARYとは違い、
追随を許さないこの陣形は、唯一無二。
その全てを考え、組み上げたイマサのギターは、とても攻撃的だった。

イマサのあの頃、捏ねて・込めた考えが現代において、熟成され。
その価値は年月の経過で高くなり、また愛しく想われ。

客の真剣なまなざしの先。
純粋に色眼鏡なしで、見れる・やれる感じもあるのかなと。
客もまた、年月の経過でふるいがかけられ、本当に愛した人だけがいる感じもした。

RSRFESでは杏子の方にいたので、今回はKONTA。
最前近くで、終始のんびり見てた。

モッシュされることもなく。
周りの喧騒を無視して、「アイツ冷やかしか?!」ぐらいの感じで。

杏子は夏より踊り、動き。
今日の日を喜んで笑っていた。

KONTAは、まったく変わってなくて。
でも、2曲目終了の時点で、酸素吸入してたけど。
以降、やってないのは冷やかしか(笑)

でも、曲の間はリラックスしてるのに、リフが始まった瞬間に目つきが変わる
あの感じ。

KONTAと杏子は縦横無尽に入れ替わる。
KONTAはエンリケを煽り、杏子はイマサを煽る。
必ず笑顔で別れる杏子が美人だった。

クールにはいられないと、興奮の中で話した杏子は笑顔よりも、
その爆発させるような声と、長く続いた道を思い出すかのように、
余すことなく、この場所でブチ撒けるような心意気を感じた。
誰よりも、客を煽り。
時計の針を戻した。

KONTAは顔をゆがめながら、声を突き出しながら。
後半には、少し伸びなくなった声も、
少しの休憩で元に戻す見たことも無いバンドの姿だった。

とにかく4人がステージギリギリに並び。
昔の映像では存在しない、狭いハコの凝縮された空間の中で、
前にしか飛び出ない音。高圧的に。高飛車に。

「でも?!しょうがない」からの客のボルテージの上がり方は半端ではなかった。
この再結成を待ちながら、夏のFESにはたどり着けなかった客のテンションが最高潮に
と感じたときに、ネルシャツを脱いだ。

女ぎつね ON THE RUNの突き出す指も。
手馴れたファンの手が幾重にも上がる。

その中で杏子も笑顔で、歌い倒す。
イマサもずっと笑顔だったと思う。

KONTAの変わらないあの姿に、年を重ねた道筋が見えない。
13歳の時に初めて買ったバービーボーイズのベスト盤。

あれから17年。
16年目の夏に初めて会ったこのバンドは、多くのファンの歓声の前に戻ってきた。
この場所に立ち会えて本当に良かった。

言葉では形容難い、色んな景色がこの17年間の中にバービーボーイズに溶けてる。
R&Rという目覚めが無かった時代に本当に好きだったバンドだった。
どれを聞いても馴染むし、嬉しくなる。

いま聞いてもドキドキするから。
ボクの14歳は間違ってないと思ったりする。

タイムスリップした感覚をくれるのは、このバンドが絶望的な仲たがいではなく。
そして金を目的ではなく、ただ単純に楽しもうという気持ちに溢れてるからだと思う。

コール&レスポンスの魔法を信じないボクですが。
この夜ばかりは、煽られるだけ煽られ。
声を上げて、叫びました。

そうしなくてはいられない気持ちになるのは、無かった時間を埋めようとする本能かもしれません。

PA0_0545.JPG

再結成のバンドブームです。
でも忘れた気持ちや、出来なかったことを今一度やるチャンス。
そんなタイミングをくれる時間だと思います。
金という対価で、自分の夢を叶えられる時間ならば、金は出すほうがいい。

幼き頃、それはそれは小さくて。
お小遣いじゃどうにもならなかったから。
そんな後悔を変わらないテンションで攻め立てるバンドと戦える幸福。

本当に幸せでした。

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「三上寛×EXTRUDERS」@小岩em SEVEN [LIVE OR DIE ?]

北風が、寒気をまとい。
蔵前通りを厳しく。

事故と称された「三上寛×EXTRUDERS」

総括を言えば、比較すべきではなかったし。
また比較したとこで優劣を決めるようなものではなかったということ。

進化という言葉をしばしば使うが、試行であり。
液体が隙間を選ばず、流れ浸透するように。
どのような形態であっても、自己の温度が変わらない
それでいて、どの形がいいか探るような素晴らしい両雄であったと思う。

エクストルーダーズは、今まで無いような形を見せ。
結局音源も役に立たないようなアレンジの組曲は。
3人で出る音の限界をどこまでどこまでも掘り下げるような。
そんな掘削でした。

安定感はありながらも、わざと伝う感じが逆に挑戦的で。
音の組み方に地図と方法をあえて持たさない素晴らしいACTでした。

ただ、事実この挑戦を方法は常に途上であり。
ほとんどのバンドはスタジオで行うのであると思う。
ステージでやるのは、馬鹿なヤツかスタジオで磨き上げた呼吸の自信のあるヤツ。
場所に左右されず、そのステージは実に実験的なものであり。
完成された印象は受けない。

もっと言うと、三上寛という対バンを持っても、実験してしまう大胆さは、
もはや範疇しれない。

三上寛もステージの後ろで見ていた。
ボクは意外だった。

あの人は、寛容的なのだと思う。
挑戦とかじゃなくて。
その日を楽しむ感じを知っているようにも思った。

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GRETCHを携え。
愛くるしい姿で登場したと思いきや。
津軽三味線の音にも似た、はじく感じで歌いだせば。
そこに故郷の訛りも相まって。
まるで異国の言葉のようにつんざく。

曲を知っているか、知らないかではなく。
目の前の曲を感じれるか感じれないかであり。
そこに存在する批評なぞ、なんの意味も持たず。
また役に立たない。

挑めるか?と言う話だったが。
挑む挑まないという問題よりも。
音楽でありながら、詩であり。
1曲1曲ごとに頭を下げる三上の姿の後ろに見え隠れする。
雪を感じた。

まだ記事にはしていないが、小島一郎の写真集を取り寄せた。
その濃淡とその強い描写は、津軽独特のものであり。
ミレーなどと比較されること自体が不愉快にも思う。

津軽の人間には、表現に切実に詰る真面目さがある。
素直過ぎるが故に、見たくないものが見えたり。
憧れるものや信頼するものが崩れたり。
言葉を含め表現の中にある裏側の心情を汲んだり
悟ったり感じたりすることが、酷く難しい。
彼らはつらい、くるしいという言葉をあまり口にしないから。

三上のギターの音は、切迫し。
Aマイナー、Dマイナーと言う言葉を聞いたが。
僕にはしっかりと理解できない。

でもそれぐらい単調でありながら、ギターが物言わず。
後ろで三上の声が全面にそして、怒涛に押し寄せる。

三上の声は、日本海と太平洋が交る。
津軽の海に似た小泊の海を見据えているのかという勝手な暴走妄想もしたが。

今もなお歌う以上、彼の根底には津軽があるはずだ。
ただ1度でも彼を見れて良かった。

自分には凄く必要な時間であったので。
このような機会があったことを心底うれしく想う。

音楽という文化の中。
三上寛という優れた詩人の放つ歌はどこまでも懐深い。
そしてEXTRUDERSは限界を持たずにただ直進している。

世界は広い。
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