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ザ・クロマニヨンズ@横浜ブリッツ [LIVE OR DIE ?]

FIRE AGEを聴いていた。随分と。
そうしたら、エイトビートが凄く染みてきて。
馴染んできて。
血沸き肉踊る感覚を感じた。

本当に久しく無い、3分と少しのロックンロールの旅。

ブルーハーツの言葉は、すべてが優しく丁寧で。
多くの矛盾も確かな言葉と、同じ気持ちを抱く人々の隙間を埋めて。
その言葉に多くの人間が虜になり。
時間の経過の関係もなく、言葉は風化せず。
今も残る。

更に攻撃的にそして、さらに解釈を深めたのがハイロウズ。
ハイロウズは、ブルーハーツの焦躁が褪せて。
少しだけ大人になった匂い。
言葉は少しだけ聞き手に委ねたり、遊んだりしながら転がった。
でも最後は、R&Rと言う名の武器をいかんなく示して。
彼らは消えた。

そこから、タイムトラベルの果て。
始祖に戻る。

時間を戻し、時代をひっくり返し。
最短距離の最速クロマニヨンズ。
世界戦略にも似た、言葉をより簡単にそぎ落として。
直入の言葉は、誰にでも老若男女問わず。
エイトビートの中に泳ぐ簡単な言葉とビートの炎。
ロックンロールは誰にでも理解できて、誰にでも優しい。

偶然にも10年来の友達にあった。
ヤツとは、RSRFES99にも行った。

フェリーの上で、サタニックブンブンヘッドを唄いながら、
酒を飲んだ。
ヤツも結婚をして、ボクも結婚をした。
時間の経過。

ヤツの結婚式以来だったが、暗闇のステージの明かりだけが頼りに。
ヤツもヤツのワイフも、ジャンプして拳を上げて。
少しも変らない姿に時間の経過は存在しなかった。

本当に久し振りに一緒にライブを見れたのが、なんとなく感慨深かった。
ハイロウズもよく見たなと思い返した。

織田×二も恥部と言い放ち。
自分はチンポも出して。

師走の横浜が吠えて。

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綺麗な炎に包まれた。

安く買ったチケットは文句も言えないぐらい安かった。
だから、絶対に得した気分になれると思った。
仕事の都合で横浜平日は、少し厳しい。
クロマニヨンズは好きだが、なによりも好きというわけでは無い。

ただエイトビートがききたくて。
石狩のあの日のハープの音の確かさを感じたくて。
ボクは、直前でチケットを落札したわけです。
理由は1つでいいじゃないか。

「エイトビート」を聞くために。



無論、クロマニヨンズなのだから、行けば心に着火するし。
体も喉もしびれる。
ビリビリしちゃう。

FIRE AGEというアルバムの出来を考えれば、
簡単な想像力で、その場所が業火に包まれることぐらい知ってる。

たくさんのせり上がる拳と。
歓声と、マーシーのチューニングと。
果てしなく高速でぶっちぎるベースのスピードの狂騒。
タイコはベースを追いかけながら、その手数の多さに、
小僧には出来ない大人のロケンローだと思ったりもした。

言葉は簡単に響かすのに、音は非常に熟練された手練の技。
客観的にみると、豪華な音で8ビートがしなってた。

個人的には、非常に見れて良かった。
チケット代が安かった分は、アコちゃんに奢ってチャラにした(笑)
金は感謝を込めて回さないとね(笑)

家では、急性胃腸炎で苦しむ妻の為に、偶然あったら買うべきだよな
タオルを買ってあげた(笑)
ボクのジャンパーには、バッジが光る。

昔は、これでもかっ!というぐらいのエネルギーで。
眩しかったヒロトが、よく喋って。
ボクらの方に降りてくる。

「くじらなわ」で休んでるんじゃねぇーの?と思うぐらい。
リラックスしてる。
猪木、高田、泰葉を引っ張って笑いに変えて。
ロックンロールの夜は、自然と笑みを含んだ満足に変わる。

一番後ろ。

小さな子供がパパと見てた。
「絵本から飛び出てきた様に見えない?」
ボクはそんな風に思ったんだけど。って、そんな風に思えるぐらい。
愉快で疾走感のあるステージだった。

魔法が空間を支配してた。
ロックンロールのね。
きっと誰もが簡単にかかっちゃうような・・・。
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SIGNALS@ROPPONGI ROLLING STONE CAFE [LIVE OR DIE ?]

六本木を濡らす雨は風を伴って。
傘の横から、身体を濡らす。

前々日に襲われた「急性胃腸炎」で生涯初の死線をさまよったボクだったが、
体調の復調で六本木のROLLING STONE CAFEに足を向けた。

友達の徹と会うのも久し振りだったし、
そういう機会も無いものだから、少し体調が悪いのを引きずり。
それをipodの流れる音楽で誤魔化しながら。

六本木から芋洗坂を下った。
TSUTAYAには歓迎しないコーヒーの香りが立ち込め。
ボクの胃腸は悲鳴を上げたので、足早に会場に。

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照井利幸×椎野恭一×勝井祐二
3人の「SIGNALS」のステージ。

会場に入るとステージ前には絨毯が引かれ。
土足厳禁で、座りながら身体をリラックスさせながらのステージが用意されていた。

正直な話をすると、ボクの買ったチケットの整理番号は異常に若かった。
丸1日遅れてチケットを買った徹と整理番号が連番だったので、
今日の入りを勝手に心配してみたりもした。

ローカルなステージでアットホームなアコースティックライブセッションという提案に
納得をしてみたが、少しばかり注目度が低いのではないか?と思うのが
正直な捉えた方だと思う。

JOE BROWNN~JIM SPIDERの系譜は個人的には好みではない。
照井さんの音楽の表現は、特異である。

特異というのは、その音楽遍歴や容姿とは裏腹に、
非常に穏やかで、かと言って籠もるような情念や感情が突出しないイメージがある。

故に、奇跡とも言われるBJCの時間から出ると、
照井さんの表現したいものと、ファンが求めるものとのギャップの大きさは
少なからずあると思う。

ボク自身も大きくあるし、照井さんの音楽は照井さんがやらなくても
きっともはや誰かが同じようなことをしていて、
照井さんにはもっともっと違うことをして欲しいというような願望でいっぱいに
なってしまうのがほとんどだと思う。

そういう気持ちを携えてのシグナルズ。

正直見れて良かったと思う。

ビジュアルから見るものと、CDや媒体を通して触れるのはまったく違うとは
常々感じてはいるが、あの人は音楽に対して真摯で完璧主義者だと思う。
妥協や隙間を許さない。

雨風は強く、CAFEの屋根を大きく揺らし。
木々はクリスマスイルミネーションを纏い、美しく残像を残しながら踊っていた。

室内は、山奥の湖畔のような澄んだ空気の中。
湖の水が静かに凍りつくような、いてついた寒さの中に。
鳥獣がささやく声や、朝の訪れと太陽を祝福するような咆哮。
湖が静かに凍る音も聞こえそうな。

そして、空も風も姿は変わらず。
寒い空気の中に張り詰め。

凝縮された世界の風景。
街にも繋がる空の下に、少し上がる煙突からの煙から、
幸せなパンの香りが、するりと。

しかしながら、照井さんの眉間には終始しわが詰め寄り。
ほとんど、3人で目をあわせることは無い。

ただ、無尽に駆け巡る「ヴァイオリン」の勝井さんだけが、
空と大地の隙間を駆け流れる風のタイミングを、うかがいながらその隙間を
時に優しく、時に気まぐれに、時に荒らしく駆け巡る。

ついに見つけたのが勝井祐二の音だったのかもしれない。
椎野恭一の音は、大地のごとく、その木々の色の遷り変わりや、
天候の高低を感じさせる。

空は、基本的には、雲の行き来や。
その風と大地のコンダクターでありながら、見つめるスタンスを変えない。

シグナルズの勝手な見解だけれど。
空のようなギター、風のヴァイオリンに、大地のドラム。

眉間にしわのよる照井さんは、何も変わらないスタンスで音楽をしていた。
2本のギターを交互に携え。

小さく「こんばんわ」と言ったり。
笑顔を見せてくれたり。
眉間にしわのよりっぱなしでビリビリした空気ではなくて。
その中に漂う暖かい空気を見せてくれていた。

RSRFESで見れなかった後悔を消した。

BJCの呪縛に縛られている人間には、この音は理解出来ない。
でも確かに、JOE BROWNNやJIM SPIDERとは違う世界がある。
この世界はとても優しい。

聞き手にスタンスは任されている。
機会があれば、今一度、シグナルズを見たいとも思ったりもする。
やはり冬の寒い夜に。

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ゆらゆら帝国@新木場スタジオコースト [LIVE OR DIE ?]

久し振りのゆらゆら帝国@新木場スタジオコースト。
デカすぎますね(笑)

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ふと思ったんです。
「10年前と見ているライブがほとんど変わってない」ことに。
スタジオコーストなんてオシャレなハコはなかったけど、初めて見たときは川崎のチッタでした。

今でも思い出せるぐらいボクには衝撃的なステージだった。
客もこのイカレタ空間でどんな顔すりゃいいか戸惑った感じと空気は這ってたし。
坂本が動けば、笑いが起きた。
奇怪な生き物がステージで歌う姿に、
ただ興奮と静かな粘着質な沼にはまってる気持ちになったもので。

そういう空気はアルバム「空洞です」では非常に感じれた。
AXでのライブも素晴らしかったし。
変わらず、曲間には何も声をかけようもない空気は見事。

ただ、「客の求める本質」がそれぞれ違う温度になってるので、
ボク個人的には、客観的に見れる場所が欲しいと思った。

多くと混ざり多くの楽しみ方とボクの楽しみ方は違う分、
誰かのサイズは妙に目障りだったりする。

今回はまだマシだったが、ゆらゆら帝国の前線は悲惨なまでに、
「何でもいい」という輩で支配されている。
「沸騰した感情で、ダイブ?」ってことでもある(笑

身体に正直とはある意味正解なのだろうか?
しかし、メロコアとは違う。

10年の中、少しの空白はあるが、比較的見続けたバンドである。
そういう時間の経過の中で。

最初とは違って磨かれて。
音は随分綺麗に輝き、昔のような印象は無い。

磨かれた塊は、球体に姿を変え。
輝きを放ち。
ムコウ側まで綺麗に透かす。
そこに不純物は無く。
CDという予め決まった形であっても、瞬間に放つライブでも。
その球体の印象は変わらない。

ギターの音の暴走はあっても、ラインは冷静だし。
基本的には決まった形の中で、色や形状の変化を見ている感じだった。
いかようにも変化しても、また形状記憶のように戻ることが当たり前だったが、
今は、随分と硬くなった印象が少し。

内向的にありながら、落ち込む印象は今回のステージでは薄く。
中に中に食い込んで、小さく消えてしまう感じも薄い。

なんだか深く落としつつ、上げる時はしっかり上げる。
優しいセットリストに溜息も混じる。
計算されてるようにも思う。
計算とか想像を無視するバンドなのに。

冷静なベースラインの中に、弾けて跳ねるあの昆虫が飛ぶようなハッとした感じも薄い。
羽音は低く。
何か、全てをひっくり返すような嘔吐のような瞬間は無かった。

何かを試しながら、何かを求めてるように。
そこが光だとか闇だちおかそういうのではなくて、迷走してる姿にも見えた。

何もかもを焼き尽くすような感じではなく。
何もかもを沈める狂気が、静かに揺れていて。
一瞬で飲み込む穴や沼になってない。

広さなのか?音なのか?ボク自身なのか?

あれが絶望に追いやる無二のゆらゆら帝国なのか?と感じてしまうほど、
何か膨張した感じがした。

ベストアクトとは程遠い。
「つきぬけた」があって、「あぁ」とは思ったけど。

まだアルバムの曲は、じゅわぁーと落ちる感じがあったんだけど。

客の空気ってわかりやすい。
それを求めてない空気、求めてるスピードが来たときの発汗。
そういうのってスピードを求めていない人間には、ピシャリと感じるもの。

ゆらゆら帝国の客層は、そういうのが顕著。

ただその中間な感じが「ロボットでした」みたいで、凄く愉快。
この曲って、その発狂と冷静の隙間な感じがして。
踏み出す勇気は無いくせに、踏み込もうとする気持ちは見え隠れみたいで。
でもやっぱりやめ!みたいな(笑)
わかりにくいかな。
ボクの気持ち的には、このポンポンした感じは非常に気持ちが良かったり。

いずれにせよ、昨日のライブの感じの素直な感想を「ROCQS」で読みたいものです。

正直、池畑祭を書いて以降、BLOGのこういうライブの感想もこれでいいのか
半信半疑な気持ちになってます。
書かないほうがいいんじゃないかと思うけど、やっぱり書いたりします。


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電気グルーヴ@渋谷AX [LIVE OR DIE ?]

すっげぇー楽しかった。
もうあんなの無いです。

こんなぁ村やだぁ~東京さ出てきて、デスコに来たら、
デンキのねぇー、わの村と違うはんで、東京すげ。
そういう気持ちの「あんなの無いです」
よくわからないんです、つまったとこは。

14歳で電気グルーヴにあって。
すっげぇ好きって訳でもなかったけど。

こないだの池畑祭と同じで、「この日の為に出会って聞いていた!」って感じ。

RSRFESやFRFESでも見たけど、考えられないワンマン。
金額も「おいおいやるな」と思わせるチケット代金。
でも舞台装置を見れば、こんくらいの金額じゃないと。

とにかく3時間。
もういいや、書かない。

新旧の曲ふんだん。だだん。
それも考えられないぐらいの古い曲に奮い。

UFOからもガンガン
ORANGEからはズンズン。
FLASH PAPAでどっかぁーん。
VITAMINEからは当たり前。
KARATEKAは知らない(笑)

ダンスフロアがキラキラしてました。
MCはクズ。
身体は勝手に糸ぷっつん。
意図はなし。
揺れっぱなし。イカレタ吊橋。
楽しいと足も悲鳴をあげません。知りました。
ジャイトニオ猪場でした。

ラストはCAFE・DE・鬼(顔と科学)



本当に楽しかった。
やっばいくらい。

文章に起こすのが遂にバカらしい。
物販でちょうちん。
勢い余って、我が家と友達に合わせて5個購入。

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画像は5個購入した図。

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既に2個使用の図。


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池畑潤二 50th ANNIVERSARY "BIG BEAT CARNIVAL"@恵比寿リキッドルーム [LIVE OR DIE ?]

「人生最高のライブ」

人生の中で、数多のライブを見てきましたが。
「これ以上は無い」と言い切ります。

もう夢の中にいるような気持ちで、目の前の光景の事実を理解するのに
時間がかかりました。
でも現実だから、その現実を瞬きせず焼き付けようと思うほどです。

一時、ヤフオクで高価をつけた池畑潤二の50回目の誕生日記念。
「BIG BEAT CARNIVAL」

bigbeat.jpg

こんなメンツも考えられないし、こんなステージも考えられない。

改めて、池畑潤二のキャリアと人間性に尊敬を込めると共に。
その音楽に向かう真摯なロックンロールジプシーに言葉もありません。
ルースターズに出会えて変わった人生は、更にそこから加速して。
ボクの今があります。

その全てがこの一夜にあったと正直思いました。

DEE DEE FEVERを、あえて前座として扱った意味を考えず。
DEE DEE FEVERは非常に力強かった。
しかしながら、この日「JUDE」目当てが多く。
改めて、浅井健一の人気を知るわけだが。
にしても、そういう客層もあってステージ間。
なかなか観客をねじ伏せることが出来ていなかったのは事実で。
今後の流れの中で、更に高みを目指していくのだと思う。

もはや池畑潤二のバンドは、利益というより自分のやりたいことであり。
そういった意味では、今後も充分にのびしろを感じてしまう。

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のち。
まさかのルースターズリズム隊登場。

早すぎる予感と早すぎる焦り。
花田裕之
井上富雄
池畑潤二に、ここにクハラカズユキ。

もう考えられない。
「え?!キューちゃん?!」と焦る前に、センターマイク。
聳え立つ期待。
この光景で当てはまるパズルのピースはあの男しかいない。

インストが鳴り出す。
テキーラ~WIPE OUT(?)~IN AND OUT

「チバユウスケ」
颯爽と。

「新型セドリック」~「モナ」~「WE WANNA GET EVERYTHING」この怒涛。
目の前でルースターズにミッシェルガンエレファント。
そして、花田裕之のDr.FEELGOODの「SHE DOES IT RIGHT」
呆気にとられてる合間にチバユウスケも入ってくる。
もうこの光景を想像して欲しい。
タイムスリップにしても冗談が過ぎる。
何が起こってるのか理解するよりも、夢にも見れないような。
トリビュートライブでも見れなかった光景が目の前に。

極めつけの「セルナンバー8」
ニューバトルロッカーズは、タイコが2人ってこと。

まさかまさかのセルナンバー8
わかってるなぁー。チバユウスケ。
恐ろしすぎる。
このリストにもう失禁寸前。

東京にしか出ないこの2人。
50年に1度の光景。

本当に興奮した。
チバユウスケはボクの青春。
ルースターズはボクの青春の原点。
自他ともに認めるルースターズマニアックス「チバユウスケ」

これが目の前で起こってる化学反応。
大江慎也のときの興奮とは違う絶叫。

のち、チバユウスケはセルナンバー8を吐き捨てて。
出てきたのは石橋凌。

bbc.jpg

ここで石橋凌。
観客のボルテージは最高潮。
始まって1時間も経ってない。これから3時間。
既に最高潮。

そして「恋をしようよ」
反則。
あの石橋凌がルースターズのナンバーを歌い上げる。
時々芝居染みたあのパフォーマンスに僕らは踊る。
どこまでも上げられる。
そして、突き放してあの笑顔。
石橋凌の先導で会場で池畑さんに「HAPPY BIRTHDAY」を歌って。
またあの笑顔。

石橋凌の凄さはあの笑顔にあると感じた。
さっきまで見据えてた視線が、するりと抜ける感じ。
あのどぎつい眼力のすぐ傍にある笑顔がROLL。
ARBは2度ほどしか見ていない、HAKATA BEAT CLUBでも見たけど、
桁違いの「ブラックレザーブーツ」
上がる拳にブラックレザーブーツ。

そしてダディーズシューズ。
ARBのナンバーをルースターズがやって、クハラカズユキがいて。
んで石橋凌が歌う。
それも勢い最高で。

書きながら余韻が訪れる至福。
花田の横顔が綺麗過ぎる。

ルート66を通って、ハイウェイを降りる。
凄まじいことが起きていたことを降りてから実感する。

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少しクールダウン気味に見るはずの久し振りのHEAT WAVEは相変わらずで。
あの山口洋の熱さが、まだまだギアの上がりきらない池畑潤二のタイコに潤いを与える。
アコースティックの響きがさっきの大炎上を静かに鎮火させていく。
でも、中でくすぶる静かな炎の温度がぶすぶすと上がるように熱は確実に息を潜めながら。

DO THE BOOGIEで再び着火。
トリビュートライブで聞いた以上のスピードとブギー。

加速の合間に魅せる少しの余裕がギターの弦の隙間に混じる。
決して緊張感ほとばしる感じじゃないのがいつも思う山口洋の凄いとこだと思う
音には十分に圧迫感があるのに。
本人は少し笑ってみせるとことか。

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少しだけの合間に頭を整理してるうちに。
SION with 松田文 登場。

池畑を休ませるから、文さんと来たって。
でもボクらを休ませるつもりは無いらしい。
本当に久し振りに聞いた念願の「ガード下」

響くギターの音にSIONのあのいつものようにマイクスタンドに身体を預けてる姿。
ここがSIONの場所になる一瞬の空気。
周りも何が起こるか理解出来ていないほんの一瞬の隙に声を突き刺し突き破る。

あの声が歓声の中を掻き分けてかき消す。
とにかく待ち焦がれた「ガード下」
初めてSIONを聞いたときに、ボクはこの歌を知らなくて。
あまりに獰猛であまりに優しいので、僕は一瞬でこの歌の虜になった。
自分が底にいるときには、SIONを聞く。
そうして、気持ちの均衡を守ってる。
ガード下を聞きたいからSIONに通ってた。

ようやくワンマンじゃないこの場所で聞く。
勿体無いとわかっていながら、目を閉じる。
ギターとSIONしかいないのに、そこに溢れる感情と気持ちの高揚が手に取るようにわかる。

笑ってしまうぐらいかっこよかった。
本当にかっこよかった。

そこから静かに「このままが」を歌い上げ。
池畑潤二再来。
続いて。
井上富雄
細海魚
松田文

「あれ?花田帰ったって?」って(笑)
その間、飛ぶ「一彦連れてこーい!」ってTHE MOGAMIを求める声。
そして遅れて花田裕之。

遅れてギターの呼吸があった瞬間に「俺の声」
ここで「俺の声」

この曲聴いた記憶がねぇーよって。
もう興奮なんてもんじゃない。
SIONが完全に飲み込みにかかったって。
誰が聞いても、一目瞭然の一聞瞭然の名曲で、ボクらを喰らいにかかってきたって。

もう預けることにした。
噛み砕かれても、飲み込まれても、吐き捨てられても、粉々になってもいいやって。
そんな気持ちで身体を預けた。

SIONはどこまでもどこまでも、懐深く落下を許してくれる。
でも守られてる気持ちにもなる。
THE MOGAMIを見たことが無い。機会が無かった。
でも、このバンド編成がこんなにも素晴らしいものだと思わなかった。

百戦練磨の本物たちの本物の音楽を実感した。
ここにあるって、今日ボクの今までの全部はここにあるって。

「ハレルヤ」~「新宿の片隅から」を強く投げ込んで。
SIONが笑顔でステージを降りる。

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そして、JUDE。
あの頃のベンジーが好きになれなくて、ベンジー離れをしてた頃に、
ブッ叩きだしたのが、池畑さんで。
池畑さんのタイコって、凄く荒々しそうなのに、凄く周りを立てられる感じがする。
決して自分が自分がじゃなくて。
後ろでゴールキーパーみたいにどーんってしてる。
おう!オマエラいってこい!みたいな。

でも、ベンジーの細く繊細なギターの音にあの強いタイコって、少しアンバランスで。
でも、その凄さを危うい感じで渡っていくJUDEは、壊れることがわかっているのに
前に進むようで、凄くカッコよかった。
だから、池畑さんが抜けて僕はJUDEを随分聞かなくなった。

AXでのJUDEのライブまで随分ベンジーから離れていた事実もある。

今回少しベンジーが苦笑いしながら。
合わない。
どんなときでも、ステージからボクらをあの目で見つめるベンジーの視線がズレる。
少し真ん中に寄って、3人の音を合わせる。
ちぐはぐを微調整しながら、1本になる。
短い時間で修正できるのは、また経験。
でも、結局ズレてしまったのは、壊れる要因(笑)

ベンジーは、少し苦笑いしながら。
BJCともSHERBETSとも違う、JUDEの初期の世界を丁寧に組み上げて。

久し振りに見たベンジーはとてもカッコよく綺麗だった。
昔のSKUNKの頃のベンジーみたいだった。

「SILVET」で花田裕之を迎えて。
シルベットって、本当に静かに咲く花みたいだった。
少し香る匂いを残しながら。
こんな歌だったかって、少しかみ締めた。

花が風に煽られても。
お日様の下で咲いていても。
最後は摘まれてしまっても。
でも綺麗なまんまだって。
JUDEって、あの頃気付かなかったけど、こんなんだったんだなって。
ボク自身がBJCを忘れられず。
8ビートだけが支配する世界にいたからかも、きっと。

サンキュー、リキッドベイビーズって。
相変わらずなベンジーだって笑えた。

客はベンジーを見ると満足そうに引き上げる波。
前には隙間が生まれて。
熱気は会場から少しずつ解き放たれた。

汗を拭いながら、目当てを見終えて。
会場を、この前線を出るキッズたちにはうんざりだ。

ここは、池畑潤二の場所だから。
凄まじくカッコイイPV「風の跡」が会場に流される。
こんなにもかっこいい50歳の存在は許されない。

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ロックンロールジプシーズ

花田も池畑も出っ放しの中に。
そして始める。
ルースターズから流れる正統の系譜。

雄鶏から幾度の成長の跡。
Rock'n'roll Gypsies

相変わらずの花田裕之の歌い方には、色気すら漂う。
ルースターズのナンバー「FOOL FOR YOU」「SITTING ON THE FENCE」よりも、
PVも流れてた「風の跡」が堪らなくかっこいい。

下山はうっすら化粧をして、いつもとは違うクラゲのような存在で
フラユラしながらも、ギターは花田を追い越していく。
容姿とはわからないもので。
その凄まじさは、初めてジプシーズを見たオンエアーイーストのときより、
確実に怪しさと鋭さを兼ね備えている。

淡々としてるようで、実に濃厚なこのバンドはともに重ねた年輪に
市川勝也の憧れにも似た追いつこうとする気持ちが、完璧に融合していて。
本当に池畑潤二のみならず、花田裕之にとってもライフワーク以外の何者でもないと。

その空気に何か懐かしさすら感じるのです。

ジプシーズは、いつもと同じように。
どこでも同じように。
当たり前な景色を見せて「風の跡」もしっかり歌い上げたのち、消える。

そして、ステージは忙しくマイクが乱立して。
所狭しと、アンプが据えられる。

あっという間に全員を飲み込む様相を呈し。
メンバー全員の登場を予感させる凄まじいフィナーレを。

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そして数分後、人生において最高の「ロージー」に到達する。

池畑潤二

花田裕之
井上富雄

クハラカズユキ
チバユウスケ

石橋凌

山口洋
渡辺圭一
細海魚

SION
松田文

浅井健一

下山淳
市川勝也

このメンツで「ロージー」が始まる。
花田と山口で少し笑いながらギターを弾き出す。
互いにギターを揺らしながら、そしてあのリフをチバユウスケが鳴らす。
遅れてベンジーが入ってくる。

井上と下山は少し見守りながら、入る隙間を探してる。
市川勝也と渡辺圭一はベースラインを邁進。

一閃はチバユウスケ。
あの日横浜アリーナで見たロージーより、数段上の音圧のロージーが流れ出す。
そして、次はベンジー。
ベンジーのロージーなんて想像できるかい?!

あの浅井健一がロージー。
優しく細く、でもあの声でロージー。
少し長く歌う姿に目がハートに。
恋した生娘な気持ちになってしまう。

チバユウスケは後ろでにやけてる。

にやけるよ。
にやけないほうがおかしい。

ベンジーが歌い、下山が被せる。
花田が歌い、凌が覆い被す。

ロージーがどんどん膨らむ。
いなくなったロージーを見つけた気分だ。

1人1人ソロで、ロージーに花束を手向ける。
いかんなくロージーで間違いなくロージー。

少し遅れてSIONがチバユウスケに話しかける。
チバがギターを少しやめて、SIONに答える。
SIONは、ブルースハープを吹き散らかし、声を出さず。
ロージーに手向ける。

代わる代わるロージーに。
池畑潤二は後ろで眉1つ動かさず、4時間の攻勢。
一掃するかのように、タイコをブッ叩く。
変わらない、何も変わらない。

「バケモノ」とスマイリー原島が形容したが、バケモノである。
あれだけ質の違う音楽を抱擁しながら、包容し。
かつ昇華して消化してる。
追随は無い、池畑色を強く出さず周りを立てながら、
それでもステージの上には「カッコイイ男」しかいない。
ある方がこの日の夜をこう言った。
「日本中のカッコイイが全部ステージに乗ってた」って。
いい言葉。
ボクは今までボクの知ってる歴史の中で、一番の事件でしたけどね。

こんなん知らないで生きてたら、ボクの人生ほぼなにやってんだ?!ってこと。
FRFESもルースターズ見たさに通し券で行ったけど。
それとはまた違ってそれどこの騒ぎじゃなかったわけで。

池畑潤二の道しるべの先には、本物があるってこと。
昨日時点、日本で一番カッコイイ野郎どもが同じステージで、
同じ曲を演奏してる。

大江慎也がいなくて良かった。
俺の人生が終わってしまう。

そんな夜だった。

どうやって帰ったか覚えてない。
酒も飲んでない。
飲まなくて良かった。

少しでも酔ってたら、意識を正常に保てない。
暴れるのも勿体無い。

シールド1つのゆれすら見逃したくない一瞬で一夜だった。

池畑潤二という1人の男に改めて尊敬を。
凄まじいタイコたたきであります。

どんな音にも柔軟に対応し、間違いなくその人の世界を邪魔しない。
クレジットに池畑潤二と書いてあると、読み返してしまう。
UAの「雲がちぎれるとき」なんかの時もそう。
池畑潤二は、優しくて人間くさい感じがする。
感情移入が早いというか。
本当に形容がない。

凄く頭がいいというか、回転も速い。
でも容姿も含めて獣な感じもする。
本能だけで、バンドを渡り歩いてきて、結局傍らには花田裕之がいて。
男気もビンビン感じる。

ルースターズに縛られずに。
ルースターズに頼らずに。
本当に最短距離な感じであの場所で、姿勢をシャンとしてタイコを叩いてた。
誰もを先導していた。

ボクの人生の道程が、あの人に全てのっかってました。
あの夜がボクの人生のR&Rの全てでした。

次回は5年後。
55歳になったらだって。

オリンピックよりは長い。
もう一生ついていこう。
この道に。

でも正直あと50年はこんな感動は要らない。
本当にホンモノだった。

間違いなく人生でこれ以上の夜と、これ以上のロージーには逢えないと想った。

bbc.jpg

チケットを譲ってくださった「masuko」様に多大なる感謝を致します。


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6EYES「BLACK IN BLACK」@下北沢シェルター [LIVE OR DIE ?]

本当に忙しい1週間で、未だに余裕は薄い。
なかなかどうして、忙しいというのには慣れない。

朝起きて、職場に行くまでは気持ちもまぁまぁなのに、
職場の入り口をくぐった瞬間に、何か背中に憑く感じもあったり・・・・。

そんな10月です。
こんなに慌しいのは、社会に出てからあまり経験が無いかもしれないです。
とにかく慌しく、次から次へと。
よくトラブルが起こるもので。

そんなほぼ瀕死の一週間の水曜日。
仕事は当然終わらず、ただこのまま1週間を過ごすと本当にきついので、
息抜きにシェルターに行くことにする。

bblive-tokio.gif

6EYESのレコ発。
EXTRUDERSとTIALAと。

時間ギリギリで入ると、結構な人数が見える。
相変わらず冷静なEXTRUDERSは、ぼんやりなステージの光の中で、
先日のERAでのライブとは違い、低空で淡々としたステージを重ねていた。

決して、高く放りあげないのは、次のTIALAのステージを見れば瞭然だった。
例えば、レストランでコースを頼んだら、肉⇒肉ではつまらない。
前菜という徐々にスタートしてからこそ、メインは輝く。

そういうメリハリを知ってるバンドで、自らもメインになれる素材を持ちながらも、
周りとの同調、協和も非常に柔軟なバンドだと改めて思った。

静かに確実に胸を突きながら。
ボクは、溜まったフラストレーションと同量のBEERを流し込んだ。
この時点で結構アルコールを摂取した。

翌、TIALA。
昔「ESTRELLA 20/20」
非常に破壊と創造を繰り返し、その創造は瞬間に形を変える。
ミクスチャーといえば、聞こえはいいが。
そんな範疇の中の存在ではなくて、音源以上に攻撃的なライブバンドだった。

マスクを被ったその硬質かつ高い声は、周りの音とはおよそにつかわしくないにも
関わらず、なんだか一度聞くと気になってしまう異質な興味を惹いた。

長くそのような音を聞かない時間だったが、TIALAは、
昔 ESTRELLA 20/20 に感じた、なにか猛々しさの中にある、跳ぶ感じが非常に
カッコよかった。
初め見て、初めて聞いたが懐かしさと気になる雰囲気を兼ね備えたバンドだった。

TIALAのライブ後。
メインディッシュ登場。

もはや6EYESに関しては、文句のつけようがない。
ボーカルの空気も、決してフロントに圧倒されない楽器も。
そして、緩急のつけ方も。
音源の精巧や緻密以上に、砕いた感じにもせず。
けっして大雑把にもせず。

大胆で、切り裂く感じの音は、ステージでも健在で。
それはとても見ていて、心地よく身体も素直に反応するもので。

BEERの量も結構になっていたが、そんな自分よりお構いなしの6EYESには、
正直言葉が無かった。

新旧織り交ぜた曲の錦と。
決して媚びない挑発的な視線の先には、もっともっと大きいステージを見据えて欲しい。

最初のイメージから一切崩れない希有なバンドで、
もはや「宝」
R&Rの「宝」

名古屋という土地はノーベル賞のみならず、R&RにPUNKに愛されてる土地なのかもしれない。

いずれにしても飲みすぎた。
帰り道の記憶は無い。
謝罪行脚です。

後悔はしますが、反省はしません。

PA0_0162.JPG
30歳最初に見たのは、EXTRUDERSで、TIALAで、6EYESでした。

これから先の10年を見据えるには、とてもいいバンドから見たなと、
酔い抜け、仕事混迷、妻の誕生日の朝にそう思いました。

HAPPY BIRTHDAY MY WIFE
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WEEKEND LOVERS@ZEPP東京 [LIVE OR DIE ?]

寒くも無く。
暑くも無く。
けたたましい季節の隙間の秋に。

今シーズン初めて、革ジャンに袖を通して、
バイクでZEPP TOKYO
相変わらず、迷わず、地図を見ずにレインボーブリッジに辿り着けない。

海を望む螺旋の道路を回り。
直線の後、「青海」

観覧車の下をくぐり。
革ジャンのファスナーを少し降ろし。
タバコを探る。

会場に入れば、村上淳の少し大人のレコードが迎えてくれる2度目。
若干同じ曲もあったけど、ソイツは愛嬌で。
決して攻め立てず、燻製のようなセレクトは聞いていても嫌味じゃなく。

後、「日本脳炎」
初見の彼らの勝手な印象。
必要以上に尖り鋭角だと思っていたが、実際は人懐っこいというか。
置き去りも無く。
もっと滅茶苦茶かと思ったんだけど、少しブルースで。
境界線の無い音は、サンハウスにも騒音寺の匂いをさせながら、
ソレともまた違う少し泥臭い感じ。

勝手なパンクイメージは無く、煽りながらも地に足が着いてる感じ。
次見たら少しまたイメージが、変わると思いながら。
聞きやすさも残る音に戸惑いもまた事実。

そして「nico touches the walls」
逆に言うと、コッチの方が攻めて迫り、妙な圧迫感を感じたりして。
プリスクールを初めて見た感じにも似て、キラキラしたなかにも、
コマのように回るROLLした感じも含み。
かと言って、見る前に想像してたバンプオブチキンのような感じもなく。

売れ線の匂いがしながらも、売れ線ではなく。
こだわりのキツイ匂いはしない。
しかしながら、何か詰まるようなこだわりは随所にあって。
そういう感じは、嫌味が無く。
WEEKEND LOVERSにありながらも、さほど違和感を感じない素晴らしいアクトだったと。
そんなことを思う。

セットリストもきっといつもと違って、圧力を意識したものだったと思う。
とにかく綺麗でカッコよかった。
一昔、あの感じのバンドは多かったと思う。
でも結局、己のこだわりを追及する分、バンドの商業的な部分であったり、
寄る部分に苛立ちの後、消えてしまった。

そういう意味では、少し遅れてる感じもするけど。
きっとすぐに時代は彼らに追いつく。
飽きても飽きられても、また巡るのもまたROCKな気もします。

オープニングアクトを少しのんびり眺めながら。
2階から階下は少しまばらだったのに。
さぁ真打ち!となれば、あっという間に。

ENTITY OF RUDE
中村達也のバンドで初見。
結論から言うと、
「中村達也を掻き消すような支配者に近い演者を望んでいながらも。
 中村達也色が消えてしまうと、中村達也じゃなくてもこのバンドはいいんじゃないか?」
と感じる矛盾。

望みながら、近い状態での到達は、何か悲壮感というか物悲しさを感じる。

蔦谷好位置の鍵盤は、非常に攻撃的でありながら、
一定のリズムを持ちながら、潜行と浮上を繰り返し。
鍵盤の主張を見せつける。

普段潜るベースは、圧倒的な破壊力とグルーヴを煽動し、FUNK。
先導しながら、時々スイッチをするがすぐにまた戻る。
ロザリオスともTWIN TAILとも違うベースの主張は常軌を逸す。

そして中村達也。
塗れない。溺れない。
それでも尚、あの実直なタイコは叫び続け。
どの間も強引に入り込み切り裂くように。
しかしながら、それでもそれを上回る拙攻。

そんな中でのタブゾンビのラッパの薄力。
あのタブゾンビですら、この3人の中に割って入れない。
凄まじい鍵盤とベースだった。

この中に割って入るのも中村達也しかいないが、ここまでの演奏でありながらも、
圧迫感や緊張感が薄い。
あまりにもめまぐるしく、目で追い理解するのに時間がかかる。

こうなると。
追いつけないと追わない選択肢も出る。
ボクはしばしば置き去りと言う言葉を使うが。
置き去りでも、高揚や興奮は身体に残る。

RSRFESのロザリオスのような。
あんな抱きしめられてる感じはあまり無い。

猛烈過ぎて、複雑過ぎて。
R&Rの範疇を逸脱のち、絶賛するには首をかしげる。

確かに先出の音源は狂気だったが。
演奏のコードや内容はまったくわからないけど。
おおよそライブでは想像の範疇の範囲。

それは随分短い時間で集中的に、中村達也を見てきたからかもしれない。

王様でありながら、その王様の高みを望みながらも。
少しでもその威厳がかすむと、それを拒絶したくなってしまう。
いつもの王様の姿を望んでいるのかもしれないなと。

そんなことまた思ったら、集中できなくなり。
目の前で演奏がROLLしてるだけだと。
そんな感じになり穴が開いた。

満足には至らず。
赤坂のフリクションが凄まじかっただけに・・・・・。
思い入れもある分、冷静に落ちるとずっと冷静。
結局心開く糸口つかめず、手からこぼれ落ちて。

そうやって出来た隙間は一気に開いてしまって。

叙情的な言葉の増えたチバユウスケの音が、
気持ちの一切を動かすなんて期待もせず。
肯定的になってしまった感情を焚付けるなんてもう無理で。

THE BIRTHDAYを静かに待つ。

ところが。

この沈みきった気持ちに火が付くのは、しららく経ってからで。

いつものように、静かに彼らを眺めながら、
気持ちが落ち着いてる分、少しの間の別れを意識しながら。
ただ眺めた。
新曲もその中に溶けていた。

赤坂で聞いた「涙がこぼれそう」は、久し振りにグッと来て。
今夜はそれを楽しみにしていた感もあった。

タランチュラの蜘蛛の糸が解けて。
涙がこぼれそうに。

そこからはR&RコンサートのR&Rバンド。
叙情的な音の一切を隠し、一気にギアを上げ一気に加速し、最後アリシアまで。

あんな早いTHE BIRTHDAYは初めて見た。
最初は「お!」なんて、少し斜に構えていたのがいてもたってもいられないぐらい、
自然ににやけてしまうぐらいのもうスピードで駆け上がった。

見たかった姿が、突然現れると正直言葉に出来なくなる。

飲まれ聞き惚れながら。
今夜が20代最後の夜だと思い出す。

沢山考える隙間があったのに、そんなこと感じず聞いてたのに。

そう思ったら、このTHE BIRTHDAYの転がりがとっても楽しくなってしまって。
聞きながら、10年前のことを思い返したりして。
笑顔がとまらなくて。
気持ち悪い顔したヤツが、ZEPPの後方2階席に座ってる酷い光景だったんだけど(笑

6つ数えて火をつけろ
MEXICO EAGLE MUSTARD
45CLUB
Nude Rider
アリシア

全力疾走でしょう、コレ(笑)
いつものダブルアンコールが身を潜め、アリシアで終わり。
イマイさんもステージから落ち、チバユウスケ苦笑いだったけど。
それでも、姿は見えずとも鳴るギター。

疾走の後。
PA0_0142.JPG
縦に輝く大輪の観覧車を眺めて。
タバコを1本吸い終わった後。

20代最後の夜に帳が。
明日から30じゃぁーんって思いながら、レインボーブリッジから戻る。

家路迷わず帰宅。
ようやくZEPPから戻るのに、迷子にならなくなったじゃぁんって思いつつ。

帰宅したら、時計はあと30分。
忙しくシャンパンを開けて飲む。

PA0_0140.JPG

気がついたら、30歳。

WEEKEND LOVERSありがとう。
ステキな夜だったし。
思い出が溢れました。

少し歌口ずさみながら。
麻布十番をするりと抜け。
10月2日の涼やかな景色の流れと気温を感じながら。
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筋肉少女帯@日本武道館 [LIVE OR DIE ?]

雨が降り止む気配が無い週間。

先日見た硫黄島のドラマドキュメントの再放送が妙にひっかかり。
夜中の検索YOUTUBE

硫黄島から知覧、つまりは桜花に回天と日本の愚行を調べて学んでいたら、
風邪を引き熱がね。
翌日は、友達が誘ってくれて武道館で「KING SHOW」と。

家でダラダラしてたら時間が妙に無くなって。
急ぎ足で「靖国神社」へ。
筋肉少女帯が武道館だったので、同じ九段下で靖国神社の遊就館へ。

久しぶりにしっかりと戦争の資料を読みたかったんですが。
駆け足でした。
昔見たときには、あんまり知識がなかったんで。
桜花のレプリカ、回天と。
愚行「特攻」

実は時間ギリギリだったけど、筋肉少女帯のTシャツ着た人結構いて。
そういうのが、凄くこのバンドの真面目さなのかなって。
少し思ったりもして。
楽しみな気持ちになれたりして。

バンドを見るなら、ファンを観てから。なんて思ったりもして。

いずれにせよ、この遊就館はまた日を改めてしっかり見直すつもりです。

靖国問題ですが。
色々ありますが、個人的には「A級戦犯」であったり、
戦死後特進した以外の元々の上階級の軍人は合祀すべきではないという考えです。

若松監督の「実録 連合赤軍」にもあった気持ちだと。
ある程度の階級の軍人には、「止める勇気が無かった」という報いは、受けるべきだと。
そう思うのです。
故に、厚遇と給金を受けているのだから。

話は逸れましたが筋肉少女帯です(笑
結成20周年記念。
8年の活動休止を経ての武道館。

正直埋まるはずが無いと思っていました、武道館。
しかしながら会場に入るともはや、興奮と待ち焦がれたジリジリとした焦げ臭さ。

年齢不詳。
しかしながら、ボクみたいに高校か中学の頃に。
井上陽水の「氷の世界」で知った世界ではなくて。
純粋にバンドブームの折に生き残ったこの一見、コミックバンドのような
このロックバンドの行く末を待って、待ち焦がれてたと思ったり。

1曲目の「サンフランシスコ」での爆発。
まるで甲子園球場のタイガースファンを見るかのような。
メガホンではなく、振り付けの一糸乱れぬ統一。

80年代のロックバンドは、ほとんど食べていない。
音がUSAのロックバンドと同じで必要以上に厚かったり、音が好みじゃなかったりして
自分の中にはあまり残ってこなかったんだけど。

精一杯楽しむファンとステージの攻防がとても、見ていて楽しかった。

当然何曲かは知っている曲はあって。
まさか生で。というより、筋肉少女帯を見る人生があるとは思わなかったから。

眺めながら本当にすげぇなって。
活動休止があっても、続ける意味や意義。
小銭が儲かるうちはやる。
PISTOLSみたいで、すげぇ潔いというか、再結成の純粋な1つの理由。

バンドは小銭。ファンは期待と希望。
たかが小銭儲けでまたやってくれるなら、安いもんだと思う。ボクはね。

そして時間が経つにつれ、連れて来られた人との色が分かれる(笑
その連れて来られた人も退屈な音楽を聴いてるような顔は無い。

目の前の光景とうねるギターの渦と響くファンのレスポンスを聞きながら。
「凄い・・・・・」って言葉をつぶやく。

アリーナの熱気って、逃げ場が無くて上に上がる。
外は随分とひんやりなのに。
階上はもはや凄まじい暑さだった。

単純に凄かった。
無駄に長いMCも。
無意味な時間の取り方も。
それでもこれが筋肉少女帯となれば、素直に見れたりするもんで。

ドルバッキーだもんな。
生で聞けるなんて思ってなかったもんな・・・。

ファンの楽しそうな姿が本当に印象的で。
武道館が、あんなにも近い空気になるもんかと。
素直に驚いて。

そして、時々の楽曲に今更ながらいい曲が多いなって思ったりもした。
ボクは彼らと別れてしまった。
彼らを一番に愛せなかったけど。

でも時間の経過の後。
彼らを見れて。
改めて日本のロックと、それを取り巻くファンを強くステキだと思った。

昔、ガーゴイルを見たんだが。
あのファンの振りには、正直ビックリした。
すげぇ美人な普通なおねぇさんも、普通にやってたし。

ROCKって、病だと思った。
今回もそう思った。
あの病から抜けることなんて簡単に出来ない。

20年の流れを一緒に流れてきた人が、今更簡単には捨てられないもの。

また時々で重なる瞬間が来たら、僕はまた違う気持ちを得るのかもしれない。
武道館の照明が落ちた後。

「僕の歌を総てやる」
青臭くて、80年代調なんだけど。
初めて聞いたのに、自分が青かった頃をくすぐられてる気持ちになって。
凄くいいなって思いながら聞いていました。


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WEEKEND LOVERS @赤坂BLITZ [LIVE OR DIE ?]

実に6年ぶりのWEEKEND LOVERS。
おそらく赤坂ブリッツもそれ以来か、ゆらゆら帝国以来か。

恐ろしく長い、城のような長い階段は消滅し。
駅を上がると目前にはブリッツ。

感動は無いものの、便利さは感じた。
若き頃のライブライフは、赤坂ブリッツ、新宿リキッドルームと共にあったわけだから、
再生を素直に喜ぶ。

中は圧迫感がある。
2階席から見たけど、AX、ZEPPよりも小さい感じがしたし、ドリンクコーナーが1箇所と
手狭であるはずなのに、混雑が緩いのは客の入りのせいでもないと想う。

今回はフロアも少し余裕があったと想う。
6年前のWEEKEND LOVERSはもはや、両雄ともほぼ勢いは桁違いだったし、
ファンの勢いも桁違いだった。

昔BLACK LISTで、日本のROCKシーンについて尋ねられたチバさんが、
「俺ら世代よりも、次の世代が(やりやすいかとか、そうでないとか)感じること」のように
答えていたけど。

音楽の選択肢は広がり、FESの拡大など手軽に、身近に新しいバンドを発掘できる環境に
なった昨今では、昔ボクらの時代にあったBJCやTMGEの猛烈の余波。
つまりは、解散後も執拗に聞き続ける傾向は薄くなり。
ライブに足を運ぶ人の数も自然に薄くなったかなと想ったり。

実際はやっぱりいるんだけど。
そういうことを感じながらも。

PA0_0100.JPG

「フリクション × ザ・バースデイ」
余計なもんが無くて最短距離な感じは凄く良い。

WEEKEND LOVERSの初日。
いいところを凝縮した感じというより、挨拶代わりというか。

村上淳のDJは、実に聞きやすくて。
根本的に繋ぎやすい曲ゆえ、非常にグルーヴを壊さず、
時々、凄まじい繋ぎをしてて。
村上淳云々よりも、その手元が気になって(笑)みたいな。

聞いていて、嫌味の無いカッコよさでした。
もっと攻め立ててくれてもいいんだろうけど。
GROOVY ROCK CARAVANのようなというか。

今回の客は、THE BIRTHDAY目当てが多くて。
つまりは「LOVE!チバユウスケBOYS&GIRLS」ばかりで(笑)
まぁ、ボクもそうだけど。

そういった空気というのは、良質の空間を妙にモヤモヤする感じはあるかもって。
いい曲いい繋ぎ。
溝から沿うカッコイイ曲にもあんまノる姿は薄く。
フロアにも群れが沢山。
BGMだけど、非常に綺麗で。
CD流してるよりも、やっぱりあーやってDJがいるって気持ちがいいなって。
んなこと想いました。

そんな中ローディーかと想うぐらいあっさり中村達也登場。
あっという間にFRICTIONが始まる。

曲が始まり、圧倒的に客のノリが悪い。
まぁあのRECKの4弦で最初からノレ!というのもまた無理があるのか(笑

久しぶりに少し大きな場所というか、2階席で見る分。
音の散り具合が気になる。
そして近距離だと呼吸も出来ないぐらい切迫してくるのに。
遠くからだと、まるで窓越しの雷雨を観るような。
少し他人事のような。
そんな気分にもなっていたが。

時間の経過から、そんな心配は必要なかった。

曲を終えると、達也さん。
靴を放り投げて。
「後で返せよな」と言ってたけど、帰るわけねぇーよなぁと苦笑い。
(帰りには、出口で「中村達也さんの靴お持ちの方お返しくださぁーい」って(笑)
どんだけ盛り上がったんだ?!たっつあん!ってなっても。
1曲目終了後ですからね(笑

相変わらず。

そんな達也さんを見てか・・・・・絶対そんなこと無いけど。
RECKが凄かった。
改めて、4弦の魔物。

今まで平面でしか見たことがなかったし。
上からRECKを見てみたかった。
4弦しかないのに。
なんであの手数が多く、独特の音を生む中村達也を引き離すのか。

非常にグルーヴに忠実な人であり。
尖鋭的。
足が踊り。ダンス。
シールドが無い縦横無尽。
気付きましたか?あの煽り方。
シールドの拘束がない分、自由に動き。
自由な中で客も達也さんもしっかり煽る。

それでいて反復は乱さず。
乱すどころか更に複雑になる。
あれはRECKにしか出来ないとこで。

結局FRICTIONが、今のボクには日本一で。
そういうのは好みの問題なんでしょうが。
「ZONE TRIPPER」に関しては聞くたびに手数が増えてる気がするし、
いつ聞いても「あぁやっべぇ」って気になってしまう。

身体が反応する以前に、やる匂いを感じ取るぐらいの貪欲。

もう凄いとしか言いようが無くて。
これからFRICTIONは幾つかWEEKEND LOVERSで回るけど。
もはや次元が違うとこにあることを体感して欲しい。

元BLANKEY JET CITYのドラマーがやってるからとか。
捨てたほうが良いです。
もはやあの頃とは違う一匹が全力で突っ走っても振り切れない音と男。
RECK。

彼の音を体感してみてください。
正直、ボクはこれ以上とは逢えないと実感しています。
だからこそ、廊下でチバさんを待ってるBOYS&GIRLSには「阿呆」とでも
言ってやりたい気分にもなりますわね。
そして、フロアでかかしのようになってる輩にも。
これでなんも感じないなら、きっとTHE BIRTHDAYの傍らで
avexの某グループも「好き」とか言っちゃうんじゃねぇーの?って。

アンコールなんて気の利いたことしてくれるもんだから。
2階から1階に降りて。
音の良い1階で聞く、フロアは結局この応酬を受け止める要領は無い印象。

カッコイイとかそんなもんの前に何が起こってるかすら理解出来ない。
天災みたいなもんです。

短い時間だからこそ、あの瞬間を噛まないと。
それでもやっぱり散々観てる輩にとっては、短い。

エフェクターの踏み込みで出る音だとか。
単純に目が離せないのに、2階席とは客観的に見れる空間だなと想ったり。

趣を変えてFRICTIONが観れて。
とても楽しかった。BEERも美味かった。
ブリッツのビールコップは、ビールの泡と合わさると。
トリコロールだなって。
そんなことを感じながら。
CRAZY DREAMじゃなくて、21世紀にFRICTIONがある現実。

さてTHE BIRTHDAY。
フロアは6つも待たずに着火。

MOTEL RADIO SiXTY SiXからの曲を中心に織り交ぜて。
相変わらずのTHE BIRTHDAYでした。

フロアとは別に冷静に見れるのは。
やっぱりあの頃と違って、ボク自身も感じるものが変わったからなのかなって。

ミッシェルガンエレファントは、20代の青春だった。
その青春の断面を今でも大切に思ってるし。
チバユウスケが歌うということを確認しに足を運んでる。

ライブを観て。
スペシャルな感情は無くても「おぉ、変わってない、よしよし」みたいな。

昔は弾くと歌えない男だったのになぁとか(笑)
R&R HEROの確認の合間に、やっぱりクハラさんのカウントの声が凄くスキだとか(笑
ほぼ女子的観点からLOVEな箇所を拾う感じ(笑

そんでも、相変わらずな部分は男臭く感じながら。
あの頃欲してたものと違うのは必然でありながら。
やっぱり、不変なものはそのままの気持ちでいたいと願ったり。

THE BIRTHDAYは何か確認をする感じ。
しばらくはそんな感じだと想うし。
それでいいと想う。

贅沢な見方だけど、見なくなってしまうよりはマシだし。
いつも同じでも。
何か期待しながら、ライブに行くのは嫌いじゃないし。

そうやって、何か確認する事柄が消えるまで。
ボクはきっと見続けると想うし。

6年前のWEEKEND LOVERSは必死だった。
ROSSOもLOSALIOSも。
あの抗戦は好戦で。
言葉に出来ない以上に、体感してナンボみたいな感じで。

今回は6年の経過で。
少し違う気持ちで。

10月2日。
誕生日前夜祭。

ZEPP TOKYO

今一度。


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BARBEE BOYS @RSRFES08 EARTH TENT [LIVE OR DIE ?]

まったく嫌になるぜ。

個人的な感情になるけれど。
そういう印象な訳です。

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「バービーボーイズ復活」
メディアのおふざけ、SMAPの番組での再結成なんて気にも留めてなかった。
この5人に割って入るなんてふざけてる。
カラオケじゃねぇーんだ。みたいな感覚で軽く考えないで欲しい。

多くの人には、バービーボーイズなんて「昔のバンドで流行ったよね」程度なんでしょうが。
ボクにとっては、ほぼ毎日聞いてる日常歌。

もっと言えば、好きすぎてどうかしてるぐらいなのです。
確かに多くのバンドがスキだけど。
そういうとことは違うR&Rだとか、ROLLだとかじゃなくて。
もう日常に溶けてるのです。

そんなバンドが再結成。
夢にも思わなかったニュースは、中村達也のロザリオスで一色だった
「ライジングサンロックフェス」に行く意味を大きく変えた。

映像でしか見たことのなかったバンドが。
あろうことにそのままの姿で出てきたときには。
時間は経過してないのか?!と錯覚するぐらいの杏子とKONTA。

イマサのギターは、何も変わってなかったし。コイソだけは少し体系が変わってたけど(苦笑)
90年代の燦燦が、石狩にそのまま下りてる気がした。
FESに慣れないバービーボーイズだけを待ち焦がれた観客とともに。
前のステージの「J(S)W」の熱気興奮はそのままにEART TENTに留まり。
ある種異様な空気は30分のSETの組み換えの間も漂い、さまよい。

SEからの登場で、客の熱が一気に放たれて。
ノーマジーンのリフ。
杏子はスカートを自由に舞わせて。
エンリケは少し笑いながら、オーディエンスを見つめ。
KONTAは、左目鋭く客を睨む。

揺れてるサックス。 
決して優しくもないし、甘くも無い。

待ち焦がれた以上の姿と音圧に。
柵手前。
その姿の感動の感覚が背中にもひしひし感じる。

歓声の上がり方が、普通じゃない。
ふわりと始めたはずのノーマジーンが加速。

KONTAのMC。
そう待ち続けたヤツも。
待ってないヤツも。
バービーを知ってるヤツも知らないヤツも。
誰だかわからねぇーヤツラがやってると思ってる奴らも。
そんな滅茶苦茶な共存がFESで。
そういう中で再結成を1つ選択肢で決めた彼らの姿。

どんなヤツラでも「目を閉じておいでよ」って言ってしまえばいい簡潔。
「負けるもんか」と「目を閉じておいでよ」だけはの念願1つ昇華。

にしてもイマサの姿がとてもカッコよかった。
長いコートとハンチングを被り。
眼鏡が徐々に定位置に(笑)
あの後半の別テイクでの歌詞。YOUTUBEではしばしば聞いたけど。
やっぱり音源とは違うとドキドキしてしまったり。
大人げも無く「キャー」って気分になる(笑

エンリケも執拗に客を煽り始め、「女ぎつね ON THE RUN」
踊る杏子に、炸裂する管楽器。

観客は女狐の様相で、手を高く上げて手首を降る。
会場には数百匹の女ぎつねの顔がEARTH TENTの傘下に。
指で作った女ぎつねを揺らしながら。

観客は叫び歌い、跳ねる。
皆笑顔で、この瞬間をかみ締める。

もうKONTAの変わらなさには正直言葉もない。
卑猥で目をひん剥き。
そしてマイクを握り締めて、あの声で攻め立てる。
女子だったら濡れてしまうぐらいです。
想像した以上のステージが起こる実感を感じてしまう。

昔のバンドだからなんて、恐縮する様子なんて微塵もない。
ここに存在する全てのバンドの見たことの無い頂を駆け上がったバンドが、
今を突き進むバンドと共存しながら。
ライジングサンの中にいる。
ROCK FESにテントがあるなんて素晴らしいぜと言ったKONTAは、
やっぱり一昔の人だと感じてしまったが。
音は、やっぱりバービーは随分前を走ってたバンドなんだと勝手にうなづく。

そしてMC。
映像で見た通りで笑えた。
古い?大きな間違いでしょ(笑)
あれが最先端なんだよ、きっと。
バービーボーイズはいつだって、男女のSEXや恋を歌うんだから。
女の子は濡れるし、男の子はテントだって張る。
ふしだらでよこしまなのは、通説で。
少女マンガや少年漫画じゃねぇーんだ。ってこと。

時代を感じさせないのは、男と女が本質的には変わらないだけで。
取り巻く便利さだとか環境が変わってるだけ。

時間は瞬間を繰り返して、寸前と経過を流れる。
全ての体に馴染んだ曲は、コール&レスポンスの泡に塗れていく。

エンリケもイマサも。
客を煽りに前に前に。
杏子とKONTAは2人の場所を開けるように。
ステージの端端に赴き、声を張り上げる。
マイクの共有なんて、90年代のロックバンドの井出達そのままで。

杏子は「蜂」のTシャツを着て。
笑顔でステージを跳ねた。

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PA0_0070.JPGPA0_0069.JPG

夢のような光景が今起こってる現実。

そしてまさかのラストは「マイティウーマン」
大好きな2NDからの一曲に痺れてステージを終えた。
あっけに取られるナンバーで。
それが気まぐれなバービーボーイズっぽくて凄く良かった。

杏子はMCで、その日8月15日終戦記念日を説いた。
その通りで。
礎の話じゃなくて。
歴史の中の悲しい出来事を。
この国の凄惨を思い出す1つの指標の日だから。
杏子のMCは、少しだけ現実を噛ませてくれた。

ただ、ボクはその現実を朝噛んで石狩に降り立ったわけだから。
そうかそういう日だったなって、思うことは無く。
現実の瞬間はまた去り。
夢のようなバービーボーイズの時間は、本当に何もにも変えがたい時間だった。

バービーボーイズを見るためだけに来た人も沢山いると思う。
希望のセットリストを挙げたらキリが無いと思う。
でも再びその姿を見れたこと。

そしてあのステージを見たら納得は止まない。

何も変わらない。
想像した以上の姿だけがステージに。

素直に広島行きを考えてしまうぐらい。
そんな常習性を孕む。
広島サンマリーナのSET LISTも見たけど、ほぼ同じ。
完成度も高かったんだろうなーと勝手に想ったりもした。

素直にまた見たいと悶々としてしまう・・・・。

【SET LIST】
 1-ノーマジーン
 2-目を閉じておいでよ
 3-女ぎつねon the Run
 4-ふしだらVSよこしま
 5-離れろよ
 6-負けるもんか
 7-C'm'on Let's go!
 8-ショート寸前
 9-マイティウーマン

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