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BIG BANG WEDNESDAY @新宿PIT INN [LIVE OR DIE ?]

梅雨の高温多湿。
蝕む神経、開く汗腺。

おそらく我が家から最も近いメジャーなハコ。
新宿PIT INN

昨日、BIG WEDNESDAYになぞって、行われたサーフィンとは関係のないセッション。
BIG BANG WEDNESDAY。

ダラダラしてたら、前売り券を逃し。当日券。

山下洋輔(P)
梅津和時(SAX)
中村達也(Dr)

初めてになるそうです、3人のセッション。
山下洋輔は、RSRFESで見たけれどそこまでグッと来なかった訳で。
梅津さんは他の方とのセッションを拝見している。

セッションというのが、また曖昧で。
きっとスタジオに入った密度がモロに出るのがわかるので、
個人的には、あまり期待はしないで行く。
気付いたら、バラバラだなと思うことが、やっぱり多いからだと思う。

ただドキドキはしていく。
久し振りの中村達也だから。

少し高い位置からの拝聴。

やっぱりダンディな山下洋輔に、
存在感では梅津和時。
そして少年、中村達也。

2部構成。

音が出始め。
やっぱりというか、想像したとおり。
20時05分からの約30分のセッションは、バラつき感を感じる。
確かに1つ1つの音は猛烈で、氾濫している。

ただ、あまりの脱線を見越して互いに牽制しあう雰囲気。
牽制というのは畏まってるが。
出方を見ながらという、互いが認め合ってる故のスロースタート。

山下洋輔にも、鍵盤を躊躇してる感じがあった。
それは山下洋輔が走ると。
容易に主導権を握れてしまうのがわかる。
潜るピアノ。

変速的なリズムの中での縄跳びは、入るタイミングを間違えるとちぐはぐになる。
そのちぐはぐ感を補うべくピアノであったが、そのピアノが上手く噛まない印象。

正確には噛ませないのかもしれない。

所感ではあるが、中村達也のタイコがあまりに変速的で、そのリズムが一定で無い。
手数が多く、自由なのでその自由にピアノが跳ねてこない印象だった。

SAXに関しては、2つが噛めば自ずと音が混ざり合う性質なんだなと思いつつ。
初めて感じたのは。
「ピアノに尾ひれのようにSAXが吸い付く感じ」が幾度もあって。
それが凄くカッコよかった。
タイコは調子ハズレだったけど(苦笑

山下洋輔がピアノを弾きながら、足が上がる瞬間が何度もあって。
それがカッコイイなぁと思ってたけど。
とりにくいリズムの間を、足をあげながら合わせてるのかなと。
そんな風にも感じた。
故に、ノッてる時は足を上げる余裕もない。

最初の30分は探ってる感じ。

とにかく、変速×変速×変速な感じだから、
聞いてる方は、リズムは取れないし、刹那の中にかみ合う瞬間を逃すと。
また解けてしまう苦労な一部だった。

20分ほどの休憩を経て。
第二部。

PA0_0743.JPG

第一部のラスト10分。
急に音が噛み合いだして、コッチもニヤニヤしてしまうような。
そんな音が露出してきた。
山下洋輔が、反復を使う形で縄跳びのタイミングを簡素化。
そこに同じようにあわせるタイコと、縦横無尽なSAXで。
急にスタジオレコーディングに近いような、継続した合致が感じて。
セッション慣れしていない、ボクのような若輩の耳に優しくなった。

この休憩で・・・・・と言うのは要らない心配だった。
靴を脱ぎ捨て、靴下を脱ぎ捨てた達也が楽しそうに笑う。

セッションとは非常に神経を使う太鼓だと。
譜面の無い旅。
付き合うのが百戦錬磨の2人なら尚更。

第二部は凄まじかった。

山下洋輔から見れば、ピアノの音を開く支え。
三角の窓から2人を眺める。
ピアノの視線の先、合わせる相手は、ドラムス。
そんなイメージで山下さんは終始達也の出方を見続けていた。
歯を喰い縛り。
聞いたことの無い旋律は、正直言うと感動モノだった。

鍵盤の重さをものともせず。
あれだけの旋律というのは、想像も出来ない。
演奏を終える度に、めがねを外し汗を拭う姿もまた、
職人のようだった。

今日のセッションは、3人互いに想像が出来ないが故。
煩雑で、予期出来ない応酬の中で迷子になりそうな気持ちになる。
想像できないのが、セッション。

組み上げては、切り落とし、
また組み上げて切り落とし。
崩れて積んで、また崩す。
その中で、3人が同じ高さになることは、稀。
そういう瞬間を見逃せない。

第二部中盤。

急にエイトビートが増幅する。
ピアノも聞き覚えのあるメロディー「SING SING SING」が弾かれ。
聞き覚えのある感じと、聞いたことの無い戸惑いが交錯しながらも、
音は完全に空間を支配して。

本当に凄かった。

この終盤だけでもチケット代の価値があった。
もう固唾を呑んで。
見るしか聞くしかなかった。
そこに存在する『すべての人が波にさらわれる感じ。

中村達也がしたい形。
そして観衆が聞きたい形。
それが合わさった大波。

そして、綺麗にそしてぶちまけて。
まるでロックコンサートのような。
そんなセッションが終わると、いつまでも鳴り止まない拍手が
ピットインを包んだ。

誰もが賛辞を送り、その瞬間を光栄に思ったと思う。

あんなに鳴り止まない拍手は聞いたことが無い。

鳴り止むと同時に再び交わり。
笑顔で誤魔化すセッションのピリオドもあったが。
そのときには「やっちまったー!」的な笑顔がわかりやすくていいと思う。
そういうときには山下さんも梅津さんも「えー?!」みたいな顔で笑う。

中村達也がコンダクターが故に起こる第二部の結末(笑

そしてアンコール。

叩き倒したアンコール。
ドラムソロ。
変速さも兼ね備えた、エイトビートが主幹が飲み込むドラムソロ。
この人のこういうところが好きと恋心に近い。
そんなドラムソロ。

そして最後は音を重ねて終焉。

PA0_0744.JPG

最初から飲み込まなくてもいい。
ビターな感じ。
名前にネームバリューに騙されないように。
そんな気持ちで見たゆえ、客観さもある。
それでも、素晴らしかったと思う。

客観的に見て、組み上げたセッションで全てが素晴らしいとは感じなかった。
せいぜい2つか3つ。
それでも、それがあるだけまだいい方だとそう思う。

中村達也はどう言うのだろう。
そんなことを想いました。

楽しくてこぼれる笑いより、苦笑いの方が先行してたかなと
そんなことを想う。


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コメント 6

北

待ってました レポありがとう! オラが町の祭にソロで来た時は嬉しかったなぁ~童謡を♪ドダラバ♪ドチャドチャと叩きねじ伏せて肘打ちくらわせ‥ 山下洋輔を知らないピアニストというのに釣られて来たクラシック好きの爺さん婆さんは腰砕けてました … ライジングで見た達也さんと洋輔さんはやっぱり牽制しすぎて大爆発しなかったのを覚えています。だからレポの後半を見て とても嬉しかったです。 今日いいとも に出てたよ。伝説の山下洋輔トリオ復活ライブがあるそうな~ ポスターも最高にイカしてます。 今年のライジング 松田優作30thセッションあるから やっぱりこないかい?(笑)

追伸 私の愛読書山下洋輔のエッセイの数々 オススメ 椎名誠さんも 山下洋輔へのリスペクトな昭和軽薄態と言われています。(笑)
by 北 (2009-07-10 17:15) 

TBM

ピットイン、刺激的な場ですよね。
そして、このセッション。
かみ合いそうで、かみ合わない部分があったり...?
でも楽しそう。
by TBM (2009-07-11 23:55) 

アコ

よかったんですねー!
伝わってきます

「セッション」っていうくくりもまたいいですね
ジャズとはまた違うんでしょうか?
何が起こるかわからないから離れられなくなるんだろうなぁと思います
by アコ (2009-07-12 11:45) 

ルースターズ

>北様
いいとももグッドタイミングすぎて笑えますね(笑
山下洋輔の本気は、きっと野音で見れるんだろうなぁー。

ボクはやっぱり達也さんありきだったので、
中村達也がどう出るか?!でしたけど。
やっぱりすごかった。
梅津さんも当然に。
楽しいと思えるそんな時間でしたよ♪

RSRFESはねぇ。
毎年いけるほど、テンションjは上がらないですね(笑
by ルースターズ (2009-07-16 20:31) 

ルースターズ

>TBM様
目の前にすっげぇノリノリの女子がいたんですが、
リズムが全然合って無い。
見てるだけで吐き気がしそうな、リズムの取り方。
強引な女だなぁーと(笑

簡単に合ったら、苦労しないでっしょーと想いつつ。
やっぱりプチ贔屓もあったりなかったり。

ピットインで独特の高揚感に見舞われます。
いいハコです。
by ルースターズ (2009-07-16 20:34) 

ルースターズ

>アコちゃん
BEER飲んで尿意が来ても席を立てない(笑

瞬間の重なり。
でもそれを評論は出来ない。その場で感じるからライブだけど。
それ以上の感覚。

それがセッションかもしれない。
by ルースターズ (2009-07-16 20:47) 

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