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沢田研二 NHK「SONGS」 [君にREALを!(音楽編)]

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先日、友達の「Lo-Fi」ちゃんから、ジュリーが歌番組に出るというニュースを聞き。
待ち焦がれて。

NHK 「SONGS」が2夜に渡りジュリーを放送するわけで。

少し前にジュリーがドーム公演と聞いて。
もはや行くしかねぇーなと。
このタイミングじゃないと沢田研二を感じられないんじゃねぇーかと。

還暦。
インタビューでも、先日どこかで書いたけど。
「やりやすさ」というR&Rの土壌の話をしていた。

ボクもそう思ったんだが、来月末「ロック誕生」が公開されるけれど。
更にその昔には日劇ウェスタンカーニバルと言った、産業てき且つ流行でありながら
R&Rの礎はあり。
そこに馳せた人々の気持ちや生き様は、音楽の進化をと変化を以ってしても変わらないものだったと思う。

タイガースは、数多のGSの王で。
そこのボーカル沢田研二と言えば、頂点に君臨した部類のエンターティナーでもある。

しかしながら、当日の多くのGSは、タイガースも漏れずに。
オールドR&Rであったり、当時のストーンズと言った歴史と最先端を踏まえた上での
カルチャーであり、流行であった。

昨今のオリジナルも知らないまま、とんちんかんなカバーをすると感じでもなかったし。
今みたいに情報も、手を伸ばせ手の中にと言った時代じゃなかったはず。

事実、タイガースのライブ盤に入っているストーンズのカバーなど。
ミックジャガーがある程度好きではないと。
聞き込んでいないと出来ないジュリー色の「サティスファクション」だったりするわけで。

安易にGS時代を、流行と捉えるのは想像力や礎が乏しい。

GSを越えた男達は、未だに感情剥きだしの凄まじい匂いが残る。
20歳でR&Rはやらないと思ったと言ったジュリーが、既に音楽の話じゃなく、
R&Rという生き方を噛んでいる感じが堪らなく良かった。

明らかに昔と違う容姿で。
ステージをぐるぐると回る姿にも獰猛さより。
60歳の勢いが立ち込める。
足も長くない。
さほど、昔のようなかっこよさは感じられない。

それでもマイクの前で歌うと完璧なジュリーで。
それが堪らなくかっこいいのです。

ボクにとっては、人生の中で好きな歌の1つ「勝手にしやがれ」に至っては。
年輪感じさせる哀愁の匂いと突っぱねる気持ちの沈下が。
年を重ねるごとに、重みと厚みをはらんで。

こういう昭和の歌は、昭和の人間。
それもある程度時代を踏んだ人間じゃないと、かみ締める何かが無いんじゃないかって。

それは歌う側にも、聞く側にも。
そういう妙な間が、誰よりも感じれるのは、エンターティメントとROLLの間にある「沢田研二」の
やりかた以外の何者でもないんじゃないかって。

新しい曲も決して、真新しいわけではない、
やっぱりそういう「沢田研二」たるスタイルの中での曲だから、新鮮さは無い。

でも今更ジュリーに新鮮さを求めないでしょう。
つまりは、R&Rも新しいことを求めてない。

それを長く、そして確実にやることだけしか望んでいない。
あの「勝手にしやがれ」が、万が一レコードよりも質が悪い。と思ったらボクはドームに
行きたいとも思わなかったけど。

あの曲聞いて少しばかり揺れています。

(R&Rが)やりやすくなったのは、またやれるのは、先人や己よりも、後の世代のおかげ。

これは1つの定義で。
いつの時代もそうなんだと思いました。
なんか1つ答えを貰った気がしています。

先週は、妻が急性ウィルス腸炎にかかり、瀕死でした・・・・。
(ボクは会社の懇談会での食中毒だと思ってますが・・・・・)
故に、ひっそりと生きていたので、ジュリーも録画したものを先ほど改めてゆっくり見た次第です。

やっぱり少しおっさんで、ダサイんだけど。
それを飲み込むのが声で歌で。
容姿じゃなくここに至るまでの経緯と、その瞬発力に素直に感動しました。

来週また楽しみです。

やっぱりジュリーはステキだ。
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吉田美奈子 「FLAPPER」 [君にREALを!(音楽編)]

急速に広がるこの感じは、さすがに吸収してわが身にする期間にしては短すぎる。

ヴァレンタインのお返しに貰ったのがフラッパー。
吉田美奈子。
先に金延幸子を書いたが、順番が逆になった。
SO-NET BLOGの猫総大将「山田虫」さんから頂いた。
ボクが以前、吉田美奈子を聞きたいと言ってたのを覚えてくださって。
わざわざ郵送で下さったものです。

しかしながら、あまりにステキだったことや。
たまたまレコード屋で安く売っていたこともあって、レコードでも買った。

最近の音楽は一昔前の「君にロックンロールを!」で書いてたものとは、違うし。
バンドが新しい試行錯誤をしながら新しい自己表現に挑む感じなのかもしれない。

かく言う自分は、J-POPからの脱却には、少々の時間を要した。
一般的な趣向を逸脱することは、一般的な文化からの解脱でもあり。
多くの会合の場であったり、その類では自分はまったく馴染むことが出来なくなることが、
容易に想像できる。
しかしながら、それはまた新たな出会いとの喜びであり。
たかが、J-POPと吐き捨てるようになるのは、そうは時間がかからなかった。

J-POPは捨てたが、R&Rは捨てるわけでもないから、このCITY POPを聞く時間は、
なんだか面白いものがあったりする。

時代というものがあって。
その時代の香りはその時代にしか出せないことが多分にあって。
CITY POPの流れというのは、山下達郎の仕事が多分の存在する。
実際、トラックメーカーとしての山下達郎は現在も大きく支持され。
誰にでも馴染む取っ付き易さがある。

そのやわらかさは昔から変わらない、
ハイトーンボイスということもあり、女性にも女性の声にも順応性は非常に秀逸な部分があり。
曲と声の調和と言ったら、非常に繊細で時に大胆。

ボクは、あまり女性のボーカルの曲は聞かない。
現在に至っては、まったく興味もない。
そういう聴かない時間が長かったこともあるが。

吉田美奈子の中でも、どのディスクガイドを開いても「名盤」名高い。
「FLAPPER」

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このアルバム実は4枚目。
それまでのスタイルを踏襲しながら、新しい空気。
とにかく声がいいものだし、それが細野WORKだろうが、山下WORKだろうが、
簡単に調理できてしまう。

非常にカラーが薄いようで濃い。
絡まるような感じが心地よく、それでいてその懐の深さに静かに沈む感じがわかる。

我が家は、ごちゃごちゃしている内装だが。
これがおしとやかなラウンジで聞こうものなら。
その時間が極上に化ける。

矢野誠の「夢で逢えたら」という名曲が存在してます。
ラッツ&スターでも一世を風靡したあの曲です。
正直鈴木雅之など、霞みます。

聞きたかったアルバムだけに期待を裏切らず、そのジャケとは裏腹に。
キュートな部分は前面になく。
むしろ魔法にかかったような曲の進行に。
足場がゆっくり消えます。
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雪村いづみ 「スーパージェネレーション」 [君にREALを!(音楽編)]

BLOGをやってると、色んな人に逢える。
あんまり徘徊しないボクでも、今のメンテの前はよく新しい刺激を貰いに行ったけど。
最近は無い。

最近も、すげぇイカシタ人と逢えたけど。
その前と言えば、偶然にも近所だった女史がいます。

偶然に逢えた彼女の記事には、ふんだんな刺激が詰まってて。
しばらくしたらLIVE YOUNGに遊びに来てくれた。
交換した番号を遠慮なく使い、日曜日に突発的に吞みに誘います。
「2時間後吞むから集合!!」というメールです。

かみさん、ボク、女史に世界のひしあす。
4人で日曜の夕方前から吞むのがしばしばの恒例になっております。

これが波及して作ったのが、5月18日にやる日曜日15時~開催となった「LIVE YOUNG」です。

日曜日の15時から吞んで。
21時には結構ヘロヘロっすよ。
22時には解散です。
これが堪らなく楽しいのです(笑)

最近は、女史にイカシタレコードないしは、音源をねだり。
それを聞く。
それをかける。
それをインポートするみたいな勉強会(笑

女史にはテキストがあって。
それが↓
http://lo-fi.blog.so-net.ne.jp/

こっから気になったもの。
聞きたいなぁってねだる。

ねだって、イカシてたのが雪村いづみ。

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針を落とした瞬間からやってくる興奮。
溝を沿う回転に合わせて。
伸び上がる興奮。

服部良一の秀曲を雪村いづみが歌う企画モノなのだが。
コイツが凄い。
演奏はキャラメルママ。
日本の音楽史史上、跳ねさせたら史上最高のバンド。
結局跳ね始めたら、もう止まらない。

昭和の初期の湿った曲を、完全にSWINGに。
そうなったらもう評価は出来ない。

正直、こんなアルバムの存在は希有であり。
もっと言ってしまえば、国宝クラスの企画物。

結局のところ、編曲を手がけた息子の服部克久とキャラメルママの才能と
雪村いづみの実力が見事に溶けた昭和の代表曲。

昭和を語るなら。
このアルバムを基点にしたい。

あとは、ただこの美しさに惚れるだけ。

やっぱりレコードで欲しい(笑
あとは、花見しながら聞けたら最高だね、Lo-Fi姉さん!(笑

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泉谷しげる 「春夏秋冬」 [君にREALを!(音楽編)]

週末にリヴヤングを控える。
レコードセレクトをするわけで。

でも、気がついたら季節が春になってた。
椿が足元に真っ赤に鮮血。
ふと公園のベンチに止まり。
目前には、桃色。
桜のつぼみは、ボクの頭上で少しずつ膨らみを増してるわけだから。
桃色は梅かなと、満開の木を視線の先に置いて。

視界に。
子供を撮る年老いた男が、デジカメでしきりにシャッターを落とす。
閃光は無い。
昼間の光度に、暖かさ。
春もうすぐと、1枚上着を脱ぐ。

会社を出ると、やはり脱いだ1枚を取り返し。
挙句、もう1枚となり、羽織る。
まだ3月だもんな、と冷静になる。
開花宣言が早まるというけれど。
春は4月になったら実感したいと想って、木曜日を終える。

あと1日だと想ったら。
煙草に火を点さず。
元に戻す。

疲れて。
文章と相対するほどの気持ちは無く、草臥れて。

にも関わらず。
こういう時季とこういう季節には、決まって聞きたいのが「泉谷しげる」なのです。

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息が詰まりそうでありながら、呼吸音すら確かに聞こえてくる。
ギターの合間のほろりと落とす声の柔らかさは。
春一番を終えた今の季節に、やわらかく溶けて。

希望にも聞こえるが。
少し物悲しい、幼き頃の夏休みを無くした大人としての生活のループを哂うが。
あからさまな、嘲笑をせず。
明らかな賞賛もせず。

絶望を与えず、喜びも与えない。
曖昧な中に、響く声にしては鋭利で尖ってる。

だからこそ、奮い立つ何かを感じるような。
そんな「熱気」を感じる。

優しいわけでもないし、厳しいわけでもないから。
その訪れる必然の感情に向かい合う気持ちになれる。いずれ慣れる。
慣れたら、急に染みて来る。

決して春を歌っていない。
でも、人生に必ず訪れる春にも似た、息吹やまたやってきたかという溜息にも似たものを。
春夏秋冬と呼ぶならば、幾度の春でも。
桜と泉谷しげる。

黒いかばんをぶら下げて。
気持ちを上げずに。
少しのろまに、くすぶる自分の熱情を確かめる。

桜の木。
ハート柄の花びら。
落ちる先に吟醸。

飲乾す喉の通り道。
辿って。
泉谷を口ずさんで。

また春が来る。

加藤和彦、高中正義、つのだひろ。
隙間の無い職人の仕事だからこそ、空気というのは澄み、響く。
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竹中直人 「レスラー」 [君にREALを!(音楽編)]



人類史上最高のセールス
マイケルジャクソン 「スリラー」の25周年盤。

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この写真はファンじゃなくても、ドキドキしてしまう。
ボーリング場のジュークボックスから¥100の対価で流れるあのPV。
マイケルジャクソンを知らずとも、飲み込まれるあの興奮。
あえて、一時ボーリング場で流れてた短いバージョンのYOUTUBE。

忘れようもないあの姿。
80年代。
人類史上最高のカッコよさを誇った時間を持つ男。

しかしながら、スリラーの数多のパロディの中で。
最高で極上なものを。

竹中直人 「レスラー」
大好きです(笑)




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SUEMITSU&THE SUEMITH 「The Piano It's Me 」 [君にREALを!(音楽編)]

ベンフォールズファイブを聞いたときにもこんな高揚は無かった。

ジェリーリールイス?!リトル・リチャード?!
ROCKもROLLもギターからじゃなくて、ピアノから生まれた。
跳ねる鍵盤にグルーヴが乗り。

もっと高揚させる何かが。
そして年齢なんか関係なくて。
そういう国境なんか存在しないのが、ピアノが生んだ音のジャンプ。

これがR&Rなの?と言われたら違うでしょう。

古くはKANという男がいた。
彼は「愛は勝つ」という1曲のために、不当評価を受けてる。
彼のピアノから流れてる声や音は、とてもROLLして。

日常の風景を、ピアノ1つで表現した。
そこに感じる些細な仕草さえも、ピアノに載せて。
表現した。
ただ1曲。
あの曲が世間に広がったため。
KAN=愛は勝つになってしまった。

それだけ、セールスというのは不当な評価を得て、尚。
世間的には、イメージをそれとシャットダウンする威力を持つ。

今更、KANの音楽の評価を話しても、「あぁ「愛は勝つ」ね」になってしまうのが、
なんだかどうにもならない。

なんでKANなのか?!と思ってたら。
ROCKはしてないが、ROLLしてる感じが僕的には非常にKANに近い匂いが
したからであります。

SUEMITSU&THE SUEMITH 「The Piano It's Me 」

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彼の仕事は先にも書いた京平ディスコナイトで知った。
「恋のルール新しいルール」を非常に、綺麗なPARTY TUNEに仕上げた
仕事からの興味だった訳だが、非常に怪物的な音を作る鍵盤弾きだった。
音が跳ねて弾ける。

逆に、こういう箇所から入ったことで。
妙な誰かの評価だとか批評を聞かずに彼に触れることが出来た。

彼のピアノをベースにした、音の洪水はとどまらず。
まるでビッグバンドを率いてるかのような。
そんな勇ましさすら感じる。

近いうち、彼は日本を席巻するでしょう。
間違いなく。
でも彼のBEATを感じたら、他の安易な曲を求められない。

カラオケという媒体など。
ただ、曲を歌うことへの消費は、このSUEMITSUには無い。

あくまで彼が織り成すグルーヴにその本質があって。
歌が上手いグループが丁寧な愛や恋の歌を。
誰にでも合致するような心情を歌うようなレベルには存在しない。

ただ限りなくJ-POPに近い位置づけにあるのは、
レコード会社の戦略でもあるとは思うが、結局のところ。
これだけのトラックメーカーを世間に陽の目を見ず、アングラにとどめる必要はない。

聞きやすく、触りやすい。
幸せになりやすい音を、強く通過させる。
鍵盤は魔法だ。

生まれて早々に聞くポピュラーな楽器だからなのか。
理由はわからない。
鍵盤が強くPIMPする瞬間の躍動こそ、音楽のHAPPYだと。
そんなことすら思えるぐらい。

魔法にかかるなら。
素直に目を閉じて。

初めてKANの「東京ライフ」を聞いたあの日は、丁度今みたいな涼やかな気持ちだった。
思い出した。
カップリングから流れてきた、あのピアノの音を。
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桑名正博 「RCA BEST COLLECTION」 [君にREALを!(音楽編)]

日本のROCKを聞けば、絶対に当たる言葉。
「東のキャロル、西のファニカン」

こう耳にしたり。
今の矢沢永吉の現状を見ると。
矢沢永吉のハングリーさは一目瞭然で。
「I LOVE YOU,OK」は日本の音楽史に燦然と輝く1枚になる。
それは、彼の今があるわけで。
彼が今「あの人は今?」的な人ならば、今のLPの評価以下の評価に。
(って、矢沢のレコードって中古でもそんなに高くないんですが・・・・・値段以上の質は確かにある)

先日、尾藤イサオのときにも書いたが。
ボクらの通過した時間には、「夜もヒッパレ」という番組があった。

往年の歌手が再度フューチャーされるキッカケにもなったが、
悪くもこのイメージが強くなってしまい、改めてこうやってCDやLPを聞いても、
そのイメージが払拭しきれない。
ド真ん中世代では無い故、こういう弊害は多分にある。

またその人が、いい音楽を重ねても。
世間一般的に、1曲か2曲でも認知を誇るメガヒットを飛ばしてしまうと、余計に手に負えない。

俗に言う「一発屋」
こうなってしまうと、ボクがどれだけ凄い!と書いても。
深層的には、その一発や「夜もヒッパレ」が、どうしても頭に残ってしまうからです。

「桑名正博」

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彼が、まさにその代名詞。
西のファニカンとCAROLと並んで「伝説」とまで称され。

誰がどう聞いても、ボクはキャロルより上だと思う。
キャロルには、ジョニー大倉という本当に天才的な歌詞を書く人間がいたけど。
それを踏まえても、尚ファニーカンパニーの音楽は、カッコよかった。

そのファニーカンパニーのボーカル。
しかしながら編曲を聞くと、やっぱり桑名正博の匂いがする。
わかりやすいというかこの時代の特性なのかもしれない。
流行を追わずに作ると、セールスが追いつかない。
レコード会社の、音楽=金の流れはこの時代とても強い。

今聞くと、斬新さは少ない。
桑名正博の歌の上手さしか、響かないのは切ない。
エンジニアが録音の段階で、桑名ボーカルを主導にした分、バックはおざなりになった感が強い。
主張が強い故、周りとの調和のバランスがあまりにも悪い。

事実、セクシャルバイオレットナンバー1は、演奏云々や。
作詞作曲云々より、桑名正博であって、他の何者でもない。

先に書いた小坂忠のカバーもあるが、バックのアレンジなどお構いなしの状態。
これでは、後世の評価も「桑名正博は歌が上手い」としか書きようが無いのではないかと。

ファニカンは名盤といわれ、桑名のソロはあまり高名にならないのは、こういうことではないかと。

このアルバムの収録は、松本隆×筒美京平。
それでいても、あまりに歌が上手すぎる故のアクが・・・・・・と感じる。
編曲が、いただけない。

ボクがまったく通らなかったTOTOのような70年代のUS産業ロックの匂い。
これがまったく邪魔でならない。

あの頃の主流を意識しすぎた故だと思う。
ブルースやR&Bの空気は皆無。

これがボクの桑名正博への評価を著しく決めてしまった。

セクシャルバイオレットしか知らなかった自分には。
まったくもって、残念な結果。
なんだか、セクシャルバイオレットしか浮いてこない理由も分かってしまった。

久しぶりに豪快に期待を跳ね返されてしまった日曜日の朝。

ボクは散歩にでます。
新宿御苑。

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金延幸子 「み空」 [君にREALを!(音楽編)]

金延幸子の「み空」。

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ずっと聞きたかったアルバムの1枚。

評価以上に柔らかで、優しくて。
今当たり前にある音の更に先にあった音は、洗練され。
余計なものが何もついてなくて。
そういう空気。
日本におけるシンガーソングライターの草分けといわれ。

荒井由美、吉田美奈子、矢野顕子の更に最前に彼女がいる。

浮遊感がある声を、ギターの音がアンカーのように飛ぶのを防ぐ。
音は、宙を舞うようで、しっかりと根ざし。
その音は力強くもあり頼もしくもある。

結局。
この音を支えてるのが細野晴臣なわけだけど。
はっぴぃえんどの波及、ティン・パン・アレーにキャラメルママ。
それ以上に、訴える風(歌詞)の堂々が、屋台骨。

音が伸びやかなのは、彼女のギターゆえ。
また、信じれるのは、決して支えるわけでもなく。
そっと手を添えるようなバックの演奏の柔和。

非常に芯のあるのは、彼女自身が生んだ言葉であり曲であるから。
責任のすべては彼女にあり。
それを背負う強さみたいなものが、重々に感じれることが全てだと思う。

彼女が全てを担い。
あくまで彼女の世界に住むだけ。

聞けば聞くほど、この飽和な世界にいたくなる。
ふんわりして、柔らく温かい。

乳房に逢えた気分にも似てるのかもしれない。
結局は、そこが憧れだったり。
そういうぬくもりを。
時間が経過しようとも、必然的に求めてるし。
最後は、そこにたどり着いたり。
いつでもここに戻ればいいと、安堵もあるのかもしれない。

つまりは若き母のぬくもりにも似た、優しさと安堵漂う。

金延幸子を聞いてたら、ハレグミの「hana-uta」を聞きたくなった。

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結局のところ、時間の遷り変わりの中でも、柔らかなものをどこかで求めてて。

時間の隙間であったり。
FESの青空の下であったり。
そういう心にある油断した、たわんだ時間には。
無理強いなく馴染むんだなと思える。

毎日のように聞いてることは出来ない。
でも、忘れることも無碍にも出来ない。

そういう紡がれた音は、遠く弾けず。
あの頃薄く感じた、やさしい気持ちを一緒に引き上げる。



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小坂忠 「ほうろう」 [君にREALを!(音楽編)]

小坂忠の名前を知ったのは、東京スカパラダイスオーケストラの「グランプリ」。

このアルバムは、美空ひばりの「真っ赤な太陽」を石川さゆりがカバーしたりと。
非常に挑戦的で挑発的なナンバーがひしめき。
かつ実験的な試行を進めながら、スカパラらしさみたいなものを
確立して止まないアルバムだと思ってます。

その中に、輝きを放つ小沢健二がカバー
「しらけちまうぜ」
野村義男氏のカバーもあるらしいが、未聴。

この「しらけちまうぜ」が本当にかっこよかった。
当時の小沢健二の放つ「スター☆オーラ」(笑)も相成って。
このタイミングじゃないと輝かない猛烈な閃光。
いや、きっとどの時代でも輝いたであろう曲を旬が歌えば、
相互作用。

そんなカバーは、誰がどう聞いても素敵だったし。
その曲がカバーだと言うのなら、オリジナルを聞かなくちゃ!ってなる訳で。

それで聞いたのが、小坂忠の「ほうろう」

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今、ボクはとても音楽を聴いております。
それこそ、オルガンバー中心にした少しクラブ寄りの音楽から、
この「ほうろう」に代表されるような、70年代の音楽です。
この自分の衝動を逃さないように、手当たり次第ってヤツです。

そして、1つ指標。
90年代のJ-POPが「TK時代」と呼ばれたように。
この70年代の主流は、エイプリルフールから成るいわゆる細野ワークが核。
細野晴臣の名前を目にしたら、そのアルバムは聞いてみる価値があるってことです。

先日、90年代のコンピ・アルバムが馬鹿売れしてるニュースを耳にした。
若い世代でも聞きやすく、また歌詞がいいということもあるらしい。

いつの時代でも。
所詮、愛だの恋だのなわけだけど、誰が歌っても誰が書いても同じような言葉なら、
歌い手の問題になる。

90年代に言えば、大量CD消費時代だったわけで。
今みたいに、極端な話好きな曲を6歳から気軽に聞ける時代じゃなかったんですが・・・・・。

70年代、この細野ワークには、松本隆がいます。
昭和を代表する垂涎の言葉の魔術師です。

歌謡曲の夜明け前に松本隆。
いわゆる、「はっぴぃえんど」からの初期の松本隆の作詞は、1つ文学です。

それが細野晴臣との曲になる弊害は無く。
それが珠玉となり、興奮となるわけです。

小坂忠の声は、時に荒く。時にやさしく。

90年代に爆発したカルチャー渋谷系と呼ばれる音の源流の1つは、ここにあって。
粗野さを削らず残した70年代のこの文化を、さらに磨き。

そこに多分にあったR&B色を新たな転換とし。
異文化を加えながら、独特の言い回しや言葉・音のコラージュの果てに
構築された音楽は、また1つ新しい文化を作り上げたものだと実感できます。

その大元。

このアルバムに関しては言うことが無いです。
シュガーベイブにも繋がる、ティン・パン・アレーの仕事。

これでエイプリルフールのメンバーで、その源流の真ん中にいた
小坂忠が歌うのだから非常に洗練されるのは、当たり前で。
酸いも甘いも。

ただ、ティン・パン・アレーの空気は独特で。
個人でも、多分に出来る能力を備えた集合体であり、
まとまることで、この空気は空間を美しく閉ざし。
大貫妙子や山下達郎、吉田美奈子というメンツをそろえても。

それ以上の個性で押し切る小坂忠のボーカルは圧巻。

プロデュースは、細野晴臣。
エイプリルフール~はっぴぃえんど。
ティン・パン・アレーの流れも汲みながらも。
あくまで試みは新しい。

今ならば、何もかもが氾濫した世界(音楽)観ありがちと言われてしまうかも知れないが。
この時代ここまでバックの音にまで細心を払い、かつ自らも主張出来る。
この壮絶。

このアルバムが、名盤の中の名盤と言われる由縁は、聞けばわかる。
もう何もかもが、虚飾では無く、嘘は無い。

こういう本質的な本物だからこそ、長らくカバーの対象となり、
またその作品は、名作名盤と呼ばれるのだと思う。

この名盤という表現。
あえて言うならば、誰が聞いても名盤。

ジャンルとか関係なし。
音を楽しむことが出来る。
ビートルズのニュアンスにも近いのかもしれないです。
ソウルやR&Bでありながら、ポップ。

これが70年代にしか出来ない空気なのかもしれない。
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京平ディスコナイト [君にREALを!(音楽編)]

ここ最近の歌謡曲への心酔と感情の浸水は困ったもので。
「なんでもいいの?」ってなるとそうでは無いんだけど、
ボクもいよいよ、クレジットを見てレコードを選ぶようになってしまった。
大人ってヤツ。
やれ、編曲が誰だとか、作詞作曲が誰だとか。
まぁ見たとこで、確実な知識は無いのでフリなんっすけどね(笑

と言っても歌謡曲。
ここで重要なのは、作詞作曲のセンスになるわけです。
先日亡くなった阿久悠然り。
当然に出るのが、松本隆に筒美京平の流れです。
もはや、芸術の領域です。傑作です。国宝です。

松本隆が、これに曲をつけるのは不可能だと言う詞でも、
筒美京平は曲を載せ、完璧な仕事に昇華したという逸話があるぐらいです。
確か木綿のハンカチーフ。

筒美京平の凄いところは、歌謡曲という消費前提の音楽であっても、
それが幾年重ねても、形鮮やかに残るところ。
覚えやすいキャッチーなメロディーな訳で。

その基盤の上のはどんな編曲が載ろうと。
珠玉なはずという定義を崩さず。
帯にもありましたが、20世紀の傑作を世の中に落とし続けた筒美京平のトリビュートREMIX。

「京平ディスコナイト」

知らない曲はほとんど無いにせよ。
当然、初めてのものも。
REMIXする側と聞き手の先入観による隔たりの存在で。
このREMIXに大きな感動があるか落胆があるか。
両極端だと思うが、ボクは歌謡曲をキラキラ聴きたい派なので、
こういうのは基本歓迎。

個人的には、凄くよいものもありし、これっは・・・・って思うものもある(笑
こういうの聞くたびに改めて、筒美京平の怪物っぷりがわかる。

個人的には、BOOT BEATの堺正章「さらば恋人」
このREMIXが凄く良い。
このBOOT BEATは昨年末に知ったDJなんだけど。
インテリジェンスが漂うステキなREMIX。
今最高のDJの1人。
こういうREMIXを聞くと、
あぁ、結局時代だとか時間だとか。
それでいて、そういう周りの景色など、ただ変わってるだけで。
本質というものは、変わらないという気持ちになれます。

大好きなレコードよりも。
昔たくさんの人が聞いて。
いつでも口ずさめるような。
そんな曲の行く末だからこそ、
その時間に聞いたそれぞれの景色を思い出しながら。
今とその日を重ねるのだと思います。

SKA☆ROCKETSのカバーもステキでした。
そしてこのREMIXも。
結局、褪せないというのは、ダイヤモンドのような硬度とブリリアント。

心の中にいつだって歌謡曲。


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