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小坂忠 「ほうろう」 [君にREALを!(音楽編)]

小坂忠の名前を知ったのは、東京スカパラダイスオーケストラの「グランプリ」。

このアルバムは、美空ひばりの「真っ赤な太陽」を石川さゆりがカバーしたりと。
非常に挑戦的で挑発的なナンバーがひしめき。
かつ実験的な試行を進めながら、スカパラらしさみたいなものを
確立して止まないアルバムだと思ってます。

その中に、輝きを放つ小沢健二がカバー
「しらけちまうぜ」
野村義男氏のカバーもあるらしいが、未聴。

この「しらけちまうぜ」が本当にかっこよかった。
当時の小沢健二の放つ「スター☆オーラ」(笑)も相成って。
このタイミングじゃないと輝かない猛烈な閃光。
いや、きっとどの時代でも輝いたであろう曲を旬が歌えば、
相互作用。

そんなカバーは、誰がどう聞いても素敵だったし。
その曲がカバーだと言うのなら、オリジナルを聞かなくちゃ!ってなる訳で。

それで聞いたのが、小坂忠の「ほうろう」

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今、ボクはとても音楽を聴いております。
それこそ、オルガンバー中心にした少しクラブ寄りの音楽から、
この「ほうろう」に代表されるような、70年代の音楽です。
この自分の衝動を逃さないように、手当たり次第ってヤツです。

そして、1つ指標。
90年代のJ-POPが「TK時代」と呼ばれたように。
この70年代の主流は、エイプリルフールから成るいわゆる細野ワークが核。
細野晴臣の名前を目にしたら、そのアルバムは聞いてみる価値があるってことです。

先日、90年代のコンピ・アルバムが馬鹿売れしてるニュースを耳にした。
若い世代でも聞きやすく、また歌詞がいいということもあるらしい。

いつの時代でも。
所詮、愛だの恋だのなわけだけど、誰が歌っても誰が書いても同じような言葉なら、
歌い手の問題になる。

90年代に言えば、大量CD消費時代だったわけで。
今みたいに、極端な話好きな曲を6歳から気軽に聞ける時代じゃなかったんですが・・・・・。

70年代、この細野ワークには、松本隆がいます。
昭和を代表する垂涎の言葉の魔術師です。

歌謡曲の夜明け前に松本隆。
いわゆる、「はっぴぃえんど」からの初期の松本隆の作詞は、1つ文学です。

それが細野晴臣との曲になる弊害は無く。
それが珠玉となり、興奮となるわけです。

小坂忠の声は、時に荒く。時にやさしく。

90年代に爆発したカルチャー渋谷系と呼ばれる音の源流の1つは、ここにあって。
粗野さを削らず残した70年代のこの文化を、さらに磨き。

そこに多分にあったR&B色を新たな転換とし。
異文化を加えながら、独特の言い回しや言葉・音のコラージュの果てに
構築された音楽は、また1つ新しい文化を作り上げたものだと実感できます。

その大元。

このアルバムに関しては言うことが無いです。
シュガーベイブにも繋がる、ティン・パン・アレーの仕事。

これでエイプリルフールのメンバーで、その源流の真ん中にいた
小坂忠が歌うのだから非常に洗練されるのは、当たり前で。
酸いも甘いも。

ただ、ティン・パン・アレーの空気は独特で。
個人でも、多分に出来る能力を備えた集合体であり、
まとまることで、この空気は空間を美しく閉ざし。
大貫妙子や山下達郎、吉田美奈子というメンツをそろえても。

それ以上の個性で押し切る小坂忠のボーカルは圧巻。

プロデュースは、細野晴臣。
エイプリルフール~はっぴぃえんど。
ティン・パン・アレーの流れも汲みながらも。
あくまで試みは新しい。

今ならば、何もかもが氾濫した世界(音楽)観ありがちと言われてしまうかも知れないが。
この時代ここまでバックの音にまで細心を払い、かつ自らも主張出来る。
この壮絶。

このアルバムが、名盤の中の名盤と言われる由縁は、聞けばわかる。
もう何もかもが、虚飾では無く、嘘は無い。

こういう本質的な本物だからこそ、長らくカバーの対象となり、
またその作品は、名作名盤と呼ばれるのだと思う。

この名盤という表現。
あえて言うならば、誰が聞いても名盤。

ジャンルとか関係なし。
音を楽しむことが出来る。
ビートルズのニュアンスにも近いのかもしれないです。
ソウルやR&Bでありながら、ポップ。

これが70年代にしか出来ない空気なのかもしれない。
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コメント 6

FUCKINTOSH66

ムーンライダーズは聴く?

とくに深い意味はなく
なんとなく、の質問(笑)
by FUCKINTOSH66 (2008-02-29 10:27) 

やすこ

小坂忠さんの「機関車」っていろんな人が
ライブなんかでカヴァーしてるみたいです。
塚本晃もその一人なんですが。
私は小坂といえばあの人だったから「えーあの人が
こんな歌唄ってたの?」と思ってました。
・・って私が思い描いてたのは小坂一也さんだったわけですが(笑)。

ルースターズさんより10歳上の私でもそんなんで。
田舎に住んでたからかもだけど父が好きだったのは
歌謡曲で。

「昭和枯れすすき」「別れの一本杉」とか
「純子」とか「くちなしの花」とかを
唄えるって言ったらダンナ(5歳上)が驚いてたくらいですわ(笑)

あー今回の↓認証画面が696NOWHEREですわよ!オクサマ!!
こりゃ縁起がいいわい(笑)。
by やすこ (2008-03-01 03:07) 

ルースターズ

>FUCKINTOSH66様
聞きますよ!といいたいとこですが。
基本的には、火の玉ボーイとはちみつぱいぐらいで。

今度、曽我部さんともやりますね。
鈴木慶一氏。
元気だ。
by ルースターズ (2008-03-01 14:12) 

ルースターズ

>やっちん
それってロカビリーじゃないっすか(笑
小坂一也(笑

そういうことすらなかったもんな、わが実家。
音楽って無かったんですよね。我が家。
CD聞いてて、うるさいといわれたことだって・・・・・。
なんでこうなったんだろ(笑

そうなんです。
認証画面の文字。
ボクが自由に設定できるようになったんです(笑
少しイタズラしながら、言葉を作る感じで(笑
ただこのファッキンメンテで、わけのわからないこと増えました・・・。
表向きはわからないけど、裏はぐっちゃぐっちゃです・・・・。
by ルースターズ (2008-03-01 14:15) 

kurohani

オザケンの「しらけちまうぜ」のカヴァーなんてあったんですね。東京スカパラダイスオーケストラの「グランプリ」と小坂忠の「ほうろう」(カヴァーが何か細野さんっぽいですね)聴いてみよう。
by kurohani (2008-03-04 23:14) 

ルースターズ

>kurohani様
テンションあがっちゃいますよ(笑
by ルースターズ (2008-03-10 07:27) 

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