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FRICTION 「REMIXXX+ONE」 [君にR&Rを!(日本)]

今の人生で大きな影響にあるのが、FRICTIONであり。
生涯見れないと思っていた男「RECK」が、
目の前に中村達也を率いて現れたあの夜は生涯忘れようも無い。
以降、現在ボクにとっては一番好きなバンドであるのが「FRICTION」。

挑戦、挑発。融合と飽和、分裂を繰り返し。
20年先にも十分に通用する東京ロッカーズの1970年代からの脈々。
そして、生み出された名盤「ZONE TRIPPER
更に10年の現代。

時計の針は、13年前に。
1996年。
「ZONE TRIPPER」では制御仕切れなかった遊びやたわみにも感じる
「FRICTION REMIXXX+ONE」

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AUDIO ACTIVEに田中フミヤと、オノセイゲン
今でも十分にネームバリューの残る両者も含めたREMIX盤。

昔はFRICTIONコーナーにはこのレコードとCDしかなかったクセに。
今探すと非常に面倒くさいというか見つからない。
欲しいときには、見つからないけど。
要らないときには、目障りなぐらいにある。
これもまた自然の摂理。

前の記事にも書いたように、ある方の好意で譲ってもらったものです。

AUDIO ACTIVE
 01 ZONE TRIPPER
 02 BREAK NECK

随所に欠片を残しながらも、大胆なアレンジが目立つ。
個人的には、非常に硬い音を残しながら、丁寧に重ねてる印象がある。
故に、楽器の生音の残り具合の余韻が絶妙で。
この反復とRECKの声が非常に合っていると思う。
音の強弱が非常に軽快でありながら、緩すぎない。

BREAK NECKはオリジナルの方が重厚で濃密。
あえて上澄みを綺麗に濾過したような音には、新鮮すら覚える。
音はとても現代的であり、古さは無い。

FRICTION
 03 MIND BIND

REMIXの間に本物がある安心感。
このアルバム中もっとも冴えている。
RECKがRECKのやりたいようにやるのが、フリクションで。
それ以上は無いので、当然この曲だけ異質。
他者がいじる音とは違い、RECKでしかない。

田中フミヤ
 04 ZONE TRIPPER
 05 THE HEAVY CUT

期待はずれといえば、期待はずれだと思う。
田中フミヤの色が強すぎる。
I am not a DJは発売日に買った。
それだけの思いいれがあったが、RECKやFRICTION云々ではなく、
これがこの曲だといえる強引さには脱帽だが、ZONE TRIPPERの序章にしても
手ぬるい感じも否めない。

HEAVY CUTは、リフから始まる音を機軸に。
フミヤらしい音だと思う。
96年当時はまだテクノもよく聞いていたので、馴染みのある音にも思う。
試みとしては非常に斬新で挑戦的。

小野誠彦
 06 ZONE TRIPPER
 07 MIND  BIND

正直、凄まじいというか発想が柔軟なんだと思います。
また何を被せても、強弱や重複があってもRECKの音はRECKでありFRICTIONであるという
存在証明の定義を示している印象。
少し悪く言えば、セッションに近い音の構築なんだけど。
少し的外れに感じる部分も最後には紐がキッチリほどけていくような。
苛立ちの中に瞬時に降りる安心感の繰り返し。
錯覚しながら、回転する中でも着地すると綺麗に開くような美しさも含まれる。

このアルバムの本質。
改めて聞くと実にフリクションでありながら、少しアンバランスさも感じれる。

危うさではなく。
予め決められた枠組みの中で。
いかに高く積み上げられるか?という狂騒にも感じる。

今の現代でRECKの音を大胆にコラージュしようと言う輩は少ないと思う。
研ぎ澄まされたものを、研ぎなおす必要も、歪める必要もないのだから。

鋭利であればあるほど、変形は困難である。
鋭利は、その先に美しさすらある。
ダイヤモンドの美しさではなく。
先端に光るなんともいえない感情から成る美しさであり。
フリクションには、その美しさがある。

ただのR&Rでは、済まされない美しさが。


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UKAWANIMATION 「惑星のポートレイト 5億万画素」 [君にR&Rを!(日本)]

萩原健一が帰ってきてる。

「ショーケン」も随分前に読んで、感想を放置してるが。
もう1回読まないといけないと思ってます。

全体の読書感想、輪郭だけ言えば、本当に凄い男だなって。
誰も責めないし、自らを戒める。
事実は事実と認めた上で、そのことへの罰はキッチリ受けている。

ショーケンを読んで、改めてショーケンの凄さを知るというか。

人知れず、ショーケンが新譜を落としてることを知り、
速攻買いに行きました。
「今更、萩原健一の新譜つっても誰が買うの?」ってなるのが、主流でしょう。
しかしながら、ここにはカラクリがあって。

UKAWANIMATION!名義です。
宇川直宏の仕事で、ショーケンの新譜です。
「惑星のポートレイト 5億万画素」

PA0_0169.JPGPA0_0168.JPG

作詞は、宇川直宏
作曲は、石野卓球

RESPECTを公言し続けてきた、石野卓球の仕事です。

新しいショーケンです。
当然です(笑)

なんだろう、「ジョニ・ーロットン」を思い出したというか。
正確には、「ジョン・ライドン」って言う感じ。ニュアンス的には。

J-POPも散々聞き倒してますが、(J-POPつっても電気グルーヴのアルバムの方ですよ(笑))
今の卓球の好みの音です。
間違いなく。

なので、電気も動かし、自身も相変わらずの活動の尺度ですし、
充実してる感を、ひしひし。
そんな中での、この少し甲高い感情と熱情の波のショーケンの声が、
少しふらふらゆらゆらしながら、エレクトロな音をさまよう感じ。

時々のフラッシュ紛いのシャウトは、往年のまま。
しかしながら周りを囲む音は異次元。

石野卓球とショーケンの仕事って聞いただけで、
「愛」だなって思ってしまうのはボクだけじゃないはず。

こんなfeatなんか考えられなかったけど。
でも、実際にある。

昭和がいきいなり21世紀にブッ飛んできた感じ。
したら意外と合ってしまった感じ。

ショーケンじゃなくても出来るんじゃない?って言われるかもしれないけど。
コレはショーケンにしか出せない声っつーか。
ダンディズムなエロさというか。

賛否はきっとあると思うけど。
個人的には十分にあり。

UKAWANIMATIONでの、アルバムドロップの折の映像の方が見てみたい。
宇川といえば、やっぱり映像なイメージ。

こういう作為的でも、商業的でもないコラボレーションを見つけると嬉しくなってしまう。
必ずそこに流れる本質や本意があるって、深読み出来るから。

そうやって音楽を聴くと、この先に知らない世界があって。
その世界を知りたいから、また深く聞こうとする。
連鎖。

思わずにやけてしまうような連鎖。
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YURA YURA TEIKOKU 「REMIX 2005-2008」 [君にR&Rを!(日本)]

少し前に「ROCQS」で、ゆらゆら帝国のREMIXを絶賛していた記事を読んだ。
個人的には、同感で。

ゆらゆら帝国は、REMIXなんて大層なもん作らなくても、
音は非常に複雑だし。かと言って煩雑ではない。
こういう感じは、ある意味メトロノームだけの音をバックに楽曲を歌っても、
それなりに、「あぁ、ゆらゆら帝国だと思うんではないか?」と思う。

こんなバンドはいない。

もはや、音に決まりきった定点が無いものだから。
それがREMIXだと言っても。
じゃぁオリジナルはどんなだっけ?だとか。
オリジナルっよりも、ゆらゆら帝国らしく聞こえてくるという、
一般常識的には、摩訶不思議だけれど。

ゆらゆら帝国的には、一般常識という規定路線が表出すると思うのです。

以前から当たり前のこととして。
ゆらゆら帝国のあり方は、そう感じていたのですが。

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さて、このREMIX購入しました随分前に。
「ROCQS」絶賛だったので(笑)

しかし、ジャケット開いて真っ青。
今回のは紙ジャケで。
レコードで出したものをCDで出すという形。

・・・・レコードほとんど持ってますし。
というかありますし。

しまったと。

情報をちゃんと調べず買うから、アナログからCDという。
訳のわからない経緯の逆転で。
ipod用かなと。
自分を無理に納得させるわけです。
ボーナストラックもあるしさぁー。みたいに思いますが・・・・。

アナログでしか聞けない優越に浸ってたボクには、
あまりに驚愕の優しさ。
余計なお世話ってヤツです。

ジャケットの丁寧さも、更にその絶望感を加速させるものだったり(笑)

しかしながら気付くと聞いてしまい。
リズムの反復に頭炭酸。
泡のようにはじけて。
また気泡の上昇。

そして、REMIXアルバム買ったのに。
また「空洞です」のREMIXアナログを買うわけです。

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こういうのは、基本的には端から見れば、CDだけでいいじゃんって思うのでしょうが。

レコードというフォーマットに恋をしたボクには、
やっぱり塩化ビニールのぬくもりが欲しいわけです。

という訳で、今夜は日比谷野外音楽堂。
ゆらゆら帝国×ブンブンサテライツ。

何年ぶりのブンブンサテライツだろう・・・・・。
とにかく楽しみです。

ゆらゆら帝国はいつもながら、当然の工程で。肯定してくれるでしょう。

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藤井フミヤ 「R&R」 [君にR&Rを!(日本)]

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RISING SUN ROCK FESに、藤井フミヤ登場。

1995年8月。
ボクの人生が傾いた1冊の雑誌「BRIDGE」
当時、17歳になろう頃。

この雑誌でフミヤが、「BLANKEY JET CITY」がカッコイイと話した瞬間。
そしてこの雑誌を買った翌日、3人のROCK’N'ROLLと出会い。
ボクの人生がROLLし始める。

UNDER COVERの記事を書いたときにも、フミヤの話を出したけれど。

そして、JONIOのBLOGにも書いてたけど。
この頃のフミヤは、一線も一線。
新しい事象を何でも吸収し、それをビジネスラインに乗せながら。
そのビジネスラインの拡大の捉われず、常に膨張してるイメージだった。

現在裏原宿と呼ばれた文化は、完全に表に変わり。
日本のある種流行発信というよりは、完全にその動向を左右する力も持ち合わせていて。
そういう事実がまた、フミヤの感の良さを実感する指標になる。

10代の頃からのフミヤを感じれば。
アイドル時代からの偶像であったり。
ビジネスに傾倒する大人という側面も兼ね合せながら。
フミヤがフミヤらしくあるような、そういう結果的には時代に左右されず。
それが、R&Rというスタイルではなくても、
藤井フミヤという生き方で今日まで来てる印象は今も感じる。

結局のところ。
WESSのライジングサンロックフェスティバルの戦略をどう見るかは想像できない。
チャゲ&飛鳥や米米クラブの登場も、ボクら世代では「R&Rじゃねぇーじゃん」って思っても。
そこにいれば、ステージに足を向けると思う。
古いタイムカプセルを開けるような気持ちで、初めての経験をすると思う。

同じように思うでしょう。
藤井フミヤのバックとして、アベフトシ、照井利幸、藤田勇
なんて名前も挙がって、5年前の野音でやったCAROLのトリビュートライブを演るなんて、
信憑性も無い書き込みがBBSに挙がってましたが(苦笑

いずれにせよ、同じ質で5年前のライブをするなら、バックのギターは必然的にもう1本増えるし。
大土井裕二を外してまで、キャロルにこだわるのも考えられない。
フミヤに望まれてるものは、チェッカーズナンバーな感じもするし。尚之もいるし。

いずれにせよ、バッシングに値しない、思い切った起用だと思うし。
非常に楽しみなステージでもあります。
ボクら世代の小僧どもが、フミヤを通ってないとかいうのは、ほぼ嘘。

CAROLを演るなら演るで、問題は無い。
5年前のステージの映像が見たくて。
知り合いの熱狂的なフミヤファンに、ファンクラブ限定の野音のライブビデオを買って貰ったんだが(笑

非常にエンターティメントに凝った、フミヤの成り上がりにも感じる秀逸なステージだった。
フミヤのファンは、チェッカーズ時代からのファンが多く、年齢層も若いとは言えない。
ただ矢沢と同じで。
北海道のフミヤファンが、石狩に足を運ぶことはまず間違いないと思う。

そういう意味では、妙な空間が生まれると思うが。
フミヤならば、その空間を埋めきると思う。
むしろ、既存の長年のファンの方々との共存もまたFESでしか味わえないものだと想う。

随分前にラルクアンシエル~レニークラヴィッツ~レッどホットチリペッパーズ~矢沢永吉という
考えられないラインナップで大ゴケした「ロックオデッセイ」の時には、レニーが始まるときには、
ラルクのファンらしき団体が1人として残らず、ぽっかりスタンドに穴を開けたときには、
「NO FURTURE」だなと笑えましたが(笑)

エンターテイナー故、バックに依存するようなステージではなく。
自身の曲での、ステージを切に願う。

フミヤのディスコグラフィーを是非見て欲しい。
非常に挑戦的に様々な試行錯誤をしている。

固定ファンの多さゆえ、ある程度のセールスやコンサート収入の算用はあっても。
そこに依存することは無い。

質の高低ではなく、フミヤが思う時代の少し先を切り裂いてるだけ。
作品を聴けば、世相を反映するわけじゃない。

でも、フミヤがやってることは間違いなくチェッカーズに依存したものではなく。
チェッカーズを織り交ぜながら、年を重ねる自分を自分なりに楽しんでるように見える。

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個人的には、アルバム「R&R」のTHE MODSのカバー「TWO PUNKS」が思い出深い。
この頃、これがモッズの曲だって知らなかったのだから・・・・・(苦笑
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COOLS R.C. 「シンデレラ」 [君にR&Rを!(日本)]

大好きなトモダチがいます。
1つ年上ですが。
彼は、堀切で「SKUNK」というイカシタ、バイクのシートを作ったり。
椅子の張り替えをするFACTORYをやってます。

彼との付き合いは、22の頃から。
彼のバイクに勢いを押され。
ボクは彼の納入されたハーレーのカッコよさに。
その日のうちに。

1円も持たず。
バイクの免許を取りに教習所に通い。
ローンで免許を取得。

そして中村達也に憧れたFXを購入。
納車の日に免許が間に合わず。
彼のガレージにしばらく住んでたのがFXで。
初めてバイクに跨って。
環七を通って。川口から家に帰る時。
彼の単車の背中を追って帰ったこと。
今も覚えてる。
股が痛くなるぐらいニーグリップをしてね(笑
初めて、車の横をすり抜ける快感を感じたのが、あの日の夜で。

まだ無免許の頃、彼の家のすぐ脇の道で。
エンジンに火を入れて。
乗ってみて。
凄く覚えてる。
まだクラッチも上手くつなげなくて。
すぐエンスト。
彼は「おいっ!」とか言いながら笑ってた。

あんま逢えないけど、逢いたい時には酒吞むからと電車で来る。
でもイカシタ革ジャン着て。
腰まで伸びた髪の毛に、少しコワモテの顔。
そして、ハーレー。
でもでも彼はカンパリオレンジ2杯でいい気持ちになっちゃうの。

2人で単車でBARに行って。
当然酒は吞めないから、ミルクシェイク吞んで帰ったことも1度や2度じゃなくて。

彼の姿はボクの1つのカッコよさの指標だった。
単車にしても。
破天荒な生き方の割りに、しっかり筋を通すとこだとか。
彼を変わったヤツだとか、バカとか言う人はいても。
悪く言う人はいないと思う。
嘘つかないから。
大事なことは、正直だから。

彼との最初の出会いは、ブランキージェットシティだった。
彼の単車は、「デリンジャー号」だし。
実際、彼のハーレーには、BJCのデリンジャーの歌詞が綺麗に入ってる。
ボクと出会ったときには、BJC以外の音楽をほとんど知らないような男だった。
無垢すぎるくらいのBJC LOVEだったんだが(笑)

クールスを聴いて。
「おいおい!なんだよコレ?カッケーじゃんか」と言った事を覚えてます(笑

我が家でレコードを聴いて。
以降、「紫のハイウェー」と「シンデレラ」は彼のフェイバリットとなり。

かみさんは、シンデレラを聴くたびに。
彼のことを話します。
「**ちゃん元気かな?」って。
そう聴くと、ボクも彼が心配になって電話します。

大して用事も無いのに、電話するから話も弾まないけど(笑
それでも、生死の確認をして。
互いに最近の自分のバカ事情を披露します。
大抵、アッチがバカ。

という訳で。
先日、明治公園のフリマで買った7インチのカップリングが「シンデレラ」でした。

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横山剣ボーカル新録。
クールスロカビリークラブ(COOLS R.C.)時代のもので。
帰って来て、ネットで調べてもなんら情報が出ないのですが。
これがまたド級のR&Rで。

シンデレラ自体が、近田春夫が作った名曲であり。
当時のクルースのルックスなどから、歌謡曲が完全にR&Rアンセムに変わり。
不良の歌は、このシングルのB面で完成を見ると言う確信です。

近田春夫のシンデレラも。
クールスのシンデレラも。
この新録盤に比べたら・・・・・・・・。

クレイジーケンバンドも。
クールスも。
ボクの中では、最上とは言えない感じだったんだけど。

最近こういう単純明快な音って聴いてなくて。
見当たらなくて。

どこか隠したナイフに脅えるように針を落として。
そのナイフの装飾の緻密さばかり気にしてたけど。
ナイフという存在があまりにも近すぎて。
その鋭利さだとか、素直さだとかを忘れてて。

無垢なロックンロール。
この横山ケンの歌い方、マジでなんとかならないかな。
本当にカッコよくてどーにもならない。
SAXとの相性も抜群な上。
ピアノは弾け。
それでいて、その場でリーゼントが颯爽と靡くぐらいの躍動を感じれる。
素晴らしいナンバー。

彼が遊びに来たら。
これを聞かせてあげたいなって。
そればっかり思うってことは。

これから先も彼のテーマソングは「シンデレラ」。

踊りにおいでよ。
ROCK'N'ROLL
夜は長いんだぜ。

5月18日に待ってるよ、トオル。

オレの出番早いんだぜ(笑
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松田優作 「YOKOHAMA HONKY TONK BLUES」 [君にR&Rを!(日本)]

悠然に泳ぐ海の大きな魚は、海上の天気のことなんか気にしない。
外が雨だろうと雪だろうと、嵐であっても。
生き物は、世界が違う外界のことなんか気にしない。

波に任せながら、海原を住む。

例えば、ブルースもそうであったりしたら。
自分もその世界にいるような。
外界を遮断して。
気持ちを預けることが出来たりする。

自分が聞いていても心地よく。
自分でも歌っても心地よく。
溶けて響く。

真夏の太陽の下。
水面に姿を映しながら、ただそのスピードに何も加えず。
自分のペースで進む。

松田優作のレコードを聴いたときの。
あのハードボイルドたる疾走を裏切るかのような、メロウな歩み。

その声に、優しさにも似たやわらかさも香しく。
甘くキツイ。
バーボンの無骨さにも似た。
甘さと高いアルコールの旋律を確かめるように。
そうやって辿った先の名曲。

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「横浜ホンキートンクブルース」
作詞:藤竜也 作曲エディ藩
藤竜也トエディ藩の共作で練り上げた秀曲は、大人の色香しか香らない。
吞みながら歌うにも大人すぎる。

70年代のおわりを夕焼けのようにギターが鳴く。
藤竜也、原田芳雄、松田優作と歌い続けられる、男の歌。
沈む夕日に香るアルコールが高ければ、高いほど夜は深い。

大人の遊びが続き、転がり。
BGMは横浜ホンキートンクブルース。

この曲にまつわるエピソードは尽きない。
でも、この曲を聴きながら。
ゆっくり吞めるほど、まだボクは大人じゃない。

でも曲の質感は感じれた。
あとはボクが幾つかのステージを上がらないと出会えない空間を探すだけ。

横浜ホンキートンクブルースだからと言って、
横浜である必要は無い。

友達がいて。囲む酒があって。
少し下世話な話ばかりで笑わなくなり。
時々、自分を自分たちを振り返ることがあるならば。
横浜ホンキートンクブルース。

ボクはやっぱり松田優作バージョンで。

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萩原健一 「WHITE&BLUE」 [君にR&Rを!(日本)]

先日、電気グルーヴの「続・メロン牧場 - 花嫁は死神」の上下2冊を買った。
メロン牧場で十分に伝わるが。
瀧と卓球は人生を謳歌していて。
ダッサ~い表現で使うことは皆無で死語ではあるが、
唯一の「憧れの芸能人」、ってやつでもある。

あんなに好きなことを、好きなようにやってる大人は凄い。
挙句、金になるんだから、素晴らしい。
齢40にして、3倍速で人生を進んでるような、羨望がある。

トイレで、うんこの話とキッツイ下ネタを同時にしながらメシ食えるような、
そんな大胆さは無い。
大胆さというか、回転の速さとくだらなさ。
しかしながら、そんなことを平然とやる感じは尊敬以外の何者でもない。

そんな著書の中で出てきた話が「萩原健一」
ショーケンであります。

ショーケンへのRESPECTをこめて。
2人がショーケンに魅せられた話があります。

期せずして、今日新宿に行くと、
なんと自叙伝が出てて(笑)
なんだこのハレー彗星目撃如くのタイミングはと・・・・。
笑えました。
人生の中で、こんなにショーケンを気にして。
ショーケンの言葉に踊ったことは無いです(笑

ショーケンといえば、テンプターズで。
テンプターズも好きだし、PYGも持ってますですが、僕らの世代で有名なのは「愚か者よ」。
マッチがカバーして、レコード大賞!なあの曲。
PYGでも一緒に活躍してた、井上堯之の作品。
結局、ショーケンの音楽の基本は、GS時代からの脈々と流れるホンモノが支え続けた
という印象は強い。

しかしながら、ショーケンの日本音楽史に燦然と輝くのは、
テンプターズでも、PYGでもなく。
ソロ時代の「熱狂雷舞」

ボクは実は未聴で。
昨日、このレコード萩原健一ベスト「WHITE&BLUE」を買ったんだけど。

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結局は、DONJUAN ROCK’N'ROLL BANDの演奏も聴けたりと。
お徳感は強い。
ただいかんせん収録曲が少なく、「シャ・ラ・ラ」も収録されていない。
ベストとしては弱く、狂乱雷舞を買わなかったことも少し後悔。

ヘビーローテで聴いていますが、圧巻なのはやっぱり
「酒と泪と男と女」
「大阪で生まれた女」
おそらく、「狂乱雷舞」からのカットじゃないかと思いますが、
バックの演奏は「柳ジョージとレイニーウッド」

溜息が出るくらい、BLUESで。
思わず歌いたくなるぐらい名曲で。
歌いたくなるじゃないな「歌う必然」が起こる曲で。

河島英五もBOROも随分凄まじい名曲を作ったなぁ・・・・と
かみ締めることが出来るくらいの秀曲です。

個人的には、両者のCDはあって。
しばしば、ウォークマンで聴いて。
酔って夜中に歌いながら帰る。
そんな名曲中の名曲だったんですが。

こんなに泥臭く。
それでいて、深く。
泥濘に足を取られたかのような、しまった感すら漂いながら。
決して都会的ではなく。
それでいて、柳ジョージがギターを弾くことで、誰もが出来る空気にせず。
挙句、ショーケンが歌うんだから悪いわけが無く。
非常に熱気と焦燥と、哀愁が入り混じり。

アウトロー=萩原健一とも表現されるショーケンの歌声は、
本当に頑固さもあり、一貫している。
貫く強さ、まさにそのもの。
突っ張る意地とその姿勢が、ROCKでもROLLでもないところで。
物語が静かに浮かんで消えて。
シャボン玉と。

輝く珠玉。
R&Rでも無く、もう役者稼業と同じで、「萩原健一」でしかない。

昭和の名曲に言葉はいらない。
昭和の匂いって、凄く溢れてたはずなのに。
街の喧騒とは裏腹に。
カンカンと泣く階段を持つアパートは、デザイナーズマンションに姿を変えて。
寂れても尚、街の風景だった商店はコンビニへ。
暗かった夜道は、深夜まで営業するレストランからの光の恩恵を受け。

何でもコンビニエントになって。
アナログやモノラルのものは、徐々に姿を消し。
また風景が変わる。

熱くなくても。
踊れなくても。
そこに確かな熱情がある響きが。
萩原健一の声を伝い。

平成の世の中には存在しない。
物心つくかつかないかギリギリの。
そんな時間の存在証明が、確かに感じれる。
怖いくらい。

時間や時代が変わっても、この男の声は。
昭和の男の無頼漢を残す。
ショーケンに変わるショーケンはいない。

いないから、彼はアウトロー。
幾度の依存を超えて。
依存すらも自分の生き方と飲み込み。
開き直らず、自分の生き方としてしまって。
憧れる生き方でもなく。
でもその存在のカッコよさに魅せられて。

そして反社会者のレッテルは今も変わらない。
時間が流れて。
平成の世の中には無く、でも20年前には確かにあった昭和。

そんなことを思いながら。
レコードが回る。
萩原健一は凄い。
昭和そのもの。
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近田春夫&ハルヲフォン 「電撃的東京」 [君にR&Rを!(日本)]

編曲って天才の仕事だと思います。
編曲の良し悪しは、その楽曲のすべての輪郭を決めてくれますから。
先日、マッチ(今はMATCHY)の「ためいきロ・カ・ビ・リー」を買ったんですが、
知ってる方は周知のとおり、まったくロカビリーじゃありません。
でも作詞は松本隆、作曲は筒美京平と80年代歌謡曲の王道の2人。
この2人であっても、この曲がアングラまで突き刺さらないのは1つ。
編曲の仕事。
これがこのタイトル通りゴッテゴテのロカビリーにしようもんなら、
完璧すぎる仕事だったんだろうなと、悔やむ反面このお粗末な仕事に
ガッカリを通り越して、LOVEな気分になってしまう自分が悔しい。
家で聞く分には、大爆発。

とまぁ、少し前にLo-Fi姉さんとこで読んだ近田春夫&ハルヲファンの「電撃的東京」 1978年。
カバーアルバム。
しかしながら、78年以前のカバーになる訳で。
この1978年はボクの生まれた年。
知るわけ無いんです、カバーと言っても。
ただ、この編曲の近田春夫の仕事は圧巻というか、天才です。

結論から言うと、なぜ今まで聴きもしなかったのだろうと、笑えるくらいキュート。
しかしながら巧妙な罠が幾つもあります。
これがまた秀逸ではまってるにも関わらず、はまってる気がしません。
罠と言うのは嘘と同じでそれが嘘だとわかるまでは嘘じゃないんですよね。
だから、はまりっぱなしでいい。
そんな気分にすらなってしまう。

当時の近田春夫の仕事は、ニューウェーブでありながら歌謡曲を挑発して、
商業ベースも踏んでても、結果その才能と作品と裏腹に表舞台での大爆発には
ならなかったわけで。
このアプローチの想像は、正直今でも凄いと思うわけで。
これだけの高い完成度を誇りながら、歌謡曲の枠組みをはみ出した完全なこの音と
カバーのセンスは、この時代でも群を抜いてると思う。

1978年はPUNKの夜明け前。
この後の近田春夫は更に猛烈な挑戦と挑発を繰り返すわけだから、
近田春夫という人も、また夜明け前だったわけで。
それがコレというならば、一体どんな末路なのかというのは、
覚悟して聞かなくちゃいけないと思うようになれました。

いずれにせよ、逢えてよかった。
この近田春夫を知っているのと知らないとじゃ、随分と価値観が変わる気がする。
ボクの尺度だけど。
凄いな、本当に。
「恋のTPO」なんて普通じゃない。
なんだこの展開。
こんなん聞いたことないです。
この声でこの演奏。
反則超えて、卑怯。

カバーアルバムとしては、極上過ぎます。
オリジナルを聞く気にもならないカバーアルバムは初めてです。
これで完成。
ここで完成。
なら道程は、振り返りません。
必要が無いのかもしれません。

凄すぎて、聞き倒してしまう。
姉さんの言う、ウキウキ電流が通電してビリビリしちゃいました。


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休みの国 「休みの国」 [君にR&Rを!(日本)]

東京に降りた雪の翌朝。
眩暈が起きそうなくらいの照光。
アスファルトの白色から滲むグレイ。
凍結に足を取られて慣れない歩調でゆっくりと商店街を進む。
6号通り。

昨日は休み。
眩い光を避ける為、サングラスをひっかけ、休み。
休みの国。

皆と違う時間の流れだから、僕は今日は休みの国の住み人。

リブヤングのCDを作るにあたって、ガセネタと休みの国を入れたかった。

ガセネタについて前回の記事を。
休みの国のインパクトは猛烈だった。
今もフォークから波及した日本の階級闘争の権化から
ロックンロールと言える歌い手は、泉谷しげるぐらいしか浮かばない
(フォーライフやURCからのルーツ)と言う言い方のほうが適当かもしれない

休みの国のCD化にあたり、「鳥葬の歌」が消えた。
完璧な再発ではないにせよ、聞いたことのないこの興味深いバンドの名前だけで、
またジャックスとエンケンが絡むとなれば。
是が非でも体感した後、襲う恐怖とまた開けて見たい・・・
と思う好奇心にかられるであろう期待は多分にあったし、また確信もあった。
溶ける可能性の高さ。
こんな期待はジャックスと三上寛ぐらいで。

開いた瞬間の休みの国の景色からは、飲み込まれるくらいの危うさがあり。
身を任せて沈めるならば、どこまでも埋まる底なし沼のような世界だった。
ギターが軋みながら、音が舞い。
水中の中、見えないぐにゃりとした景色=異世界の景色に幼き頃恐怖を覚え。

褒められる快感に必死にバタ足をする子供のように、その世界を泳ごうとするが進まない。
そのうち、ここには何も無くて目を閉じてたことに気付く。
まやかしの国。

探して足掻いて、必死な虚像に身体を脱力させた後の「追放の歌」は、
山口冨士夫の「ひまつぶし」の「からかわないで」、とは違った意味で、
爽快さと地平線を見下ろす溜め息に混じるような気持ちすら想う。

「世界は滅びる」と形容した写真を、先日友達のBLOGで観たがおよそ。
そんな気持ちにもなれる。

休みは恒常じゃなく、定期か間隔を保ち現れるから休みであり、
これが国家としての存在となれば、恒常化故、喜びと期待以上に不安が支配する想像。

有り余る時間は人間を不安にする。
それは未来を主眼にした生き方だからだと想う。

休みの国は凄い。
そういう意味を孕むかはわからないが、少なくてもボクが今まで考えたこともないような。
思考の巡回を与えたことは間違いじゃなく。
それだけでも、音同等の哲学を踏んだ心地。


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尾藤イサオ「シンキングオブユーベイビー」 [君にR&Rを!(日本)]

3月15日にLIVE YOUNGというイベントをやるんですが。
そういった意味で、USBが付いてるターンテーブルが欲しくなったり。
少し新しい音楽を食べたい気持ちになるのが、常で。
少しでも高く、少しでもかっこよくと想うのが自然で必然で。

そんな中、いつもと違う趣向で久しぶりに1960年代を物色しております。
今までは弘田美枝子やら、中尾ミエあたりの俗に言う「和製ポップス」の
かなりROLLした感じの曲を好んで聞いてたけど、いい加減値段の高さと見つからなさに。

そんな中、1960年代といえば!
というか正確には、1950年代だけど、「ウェスタンカーニバル」に代表される和製ロカビリー。
これがまた曲者で。
見つからないにもほどがあって、あっても平尾昌晃。
そういうのじゃないんですよ、欲してるのは。
俗に言うB級レベルのが欲しいんです。

という訳で出会ってしまったのが「東京ビートニクス 東芝編 Vol.2」
もう尾藤イサオの圧巻。

正直、久しぶりに震えて家出たくなくなった(笑
声も完璧。
フェロモンも完璧。
すっげぇ一生懸命なんですよね、イサオさん。
本当に、昔見た「夜もヒッパレ」とか尾藤イサオが出ると凄かったもんな。

空気が変わるっつーか、ノリ切れてないっつーか。
それでいても完全に曲をねじ伏せるんだよな。
あれですよ、あれ。
「あしたのジョー」が有名すぎるけど、明日はどっちでもいいんだよね。
あの男気というか、あの空気。
あれ以上は望めない。正直職業「尾藤イサオ」でもいいくらい。

この東京ビートニクスに収録されてる尾藤イサオ。

「ロックンロールミュージック」の日本語カバー。
「悲しき願い」
「ヘルプ!」の日本語カバー。しかも競演は内田裕也。
「シンキングオブユーベイビー」

この内田裕也との曲はおそらく、「ロック、サーフィン、ホット・ロッド」に収録されてたものか。
いずれにせよ、ボクも少し調べて良いものを吸い込みたくなった。
調べたらCDで再発されてました・・・。欲しい。

手元には一冊の本があって。
別冊太陽の増刊なんですが、基本1966年以前の音楽には疎いので。
この本を使って写真とネットを使って、聞いて勉強しております。
まだまだありますね。
おっかない。
これは入ってはいけない世界に入ってしまった気がします。
危険すぎる。


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