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the BIRTH OF SOUL RED @恵比寿リキッドルーム [LIVE OR DIE ?]

連休に塗れて、頭が発泡しそうな体たらくな中。

最初で最後と銘打たれた長編ドキュメンタリー「RED SOUL」と名づられた
映画のそして優作の没後20年の今年。

そして、松田優作の60回目の誕生日。

SOUL RED
松田優作 20th MEMORIAL
生きているのはお前か俺か?
the BIRTH OF SOUL RED

soulred_live_poster.jpg

4年半ぶりの東京、ロザリオス。
RSRFESではやっていたけど、実に4年半。
中村達也の肩書きには、いつも「LOSALIOS」がつきながら。
その活動は、煙を巻いたままだった。

今回LIVEは、SPEEDER-X と LOSALIOSのみ。
中村達也feat松田優作でも、相違は無い感じでもある。

定刻、会場に入るとDJには「谷中敦」。
DJはKEEこと、渋川清彦と書いてあったから、かかってる曲がなんか
違うなと想ったら、谷中敦。

会場は、RED SOUL文字通り。
赤い照明が、蛍の点滅のように、観客を静かに塗りつぶし。
闘牛のような心地で、久し振りにフロアから見る中村達也に
目の色を変えるサインを送ってるように見えた。

程なく、SPEEDER-XX登場。
森岡賢も参加ということで、「X」が1つ多いらしい。

ところが、KENKEN登場、達也登場の刹那に。
森岡賢大暴れ。
キーボードは投げるは、アンプは倒すは、マイクスタンドは蹴り倒すは。
挙句、投げたキーボードを踏みつけては投げて。
最後は、ステージに朽ちるように横臥。

KENKEN曰く「森岡さん飲みすぎ、REDSOULKすぎるっしょー」って笑って。
結局2人でのSPEEDER-X

初めて見たけれど。
金子マリ、ジョニー吉長の次男とは知ってたけど。
ハンパ無いスピードというか、猛烈。
若手筆頭とかそんなレベルじゃなく。
もはや卓越したスピードとグルーヴで、達也のタイコと完全に融解。

スピードの中で放つ絶叫に混じって。
ランナーズハイにも陥る感覚に近く、短い時間でしたが、
そのグルーヴは、本当にジェットコースターの波間にいるようでした。

スピードの中にグルーヴがある。
短距離ランナーを見てるようで、正直面白かった。

そして、DJがKEEに。
変わらず、日本のラスチックというか、ロカというか。
合間合間の外しな感じが外しにならない懐深いSELECTで。
自然に次なんだろう?とブースを見てしまうぐらいの。
知りたい曲、数曲あってSET LIST知りたい・・・。

そして、優作往年の。
ギャッツビー・トライアングルのコマーシャル。

(ライブでは、ロングバージョンでした)


(ギャッツビー違いですが、一応)

テレビドラマの印象より、こういったCMの印象もある。
「映画だけではなく、こういう仕事もねぇやってたんですよー。」と美由紀夫人。

没後20年。
優作を知らない人々が、CMに笑いが起きたが。
笑ってる場合じゃない。

ビリビリしてないけど、ピリッとした後味が残る。
CMでも、馬鹿にしてないんだと感じる刺す様な空気があって。
正直ビックリした。

今回、松田美由紀がLOSALIOSを迎え入れる前に。
DJブースの脇から言葉を投げた。

映画の宣伝も残したが、この空間をこの時間を。
とても楽しんでるように見えた。

テレビでの優作のドキュメンタリーは、笑いがあまりなく。
しずしずと優作にまつわる話をすることが多い。
美由紀夫人も聞き手として、エピソードを繕ってくれるような。

この日の美由紀夫人は、「最高にカッコイイ!!!」と
まるで、ボクらの立ち位置のようなそんな言葉で。飾らず。
気取らず、楽しむことを薦めた。

美由紀夫人は、挨拶後。
暗転した中。
その場から離れず、身体を揺らし、ステージに拳を突き上げ。
ただのオーディエンスとして、「カッコイイ!!」って声を上げたり。
まるでグルーピーかのようにその時間を楽しんでいた。
それがとても、綺麗だった。

映画「蘇りの血」で豊田監督も、映画に復帰する。
中村達也主演は周知だったが、予告編は初めて見た。
なんだかんだで、豊田利晃監督の映画は嫌いではないので。
ロードショーが楽しみ。



TWIN TAILでも見た映像があったんだよなぁ。
実はVJ告知してなかったけど、豊田監督がVJだったんじゃないかな?と。

そして、エンジンを暖めたところで。
4年半ぶりのロザリオス。

楽しそうとしか形容が出来なくて。
カトウタカシとのやりとりをしながらも、
アイゴンもTOKIEさんもニコニコしながらやってて。
どこか音に切迫感が支配して無くて。
なんとなく祭り囃子のような心地で聞いていました。

どこか、久し振りで。
ボク自身も達也さんの音は、この4年半の中で聞いていなかったわけではなく。
変化進化でロールする音の。
ドラムの実験を聞き続ける中で。
ようやく帰ってきた巣にも関わらず。

そこには、キリキリした印象よりも。
少し柔らかで、周りを高揚させる感じに変わっていたというか。
そんな印象でした。

蔦屋好位置は、裏側に潜り。
丁寧に縫いつけて。

武田真治は、あの頃のように。
少しハニカミながら、SAXを散らして。
達也さん凄く武田真治好きみたいで、ニヤニヤ。
やっぱりSAXが入ると加速が違う・・・・。

そして、竹中直人。
「嵐が丘」のオファーの件は初めて知りました。
そして、原田芳雄氏と優作氏のエピソードを話術で包みながら。
笑いとしっとりの包み。

横浜ホンキートンクブル-ス
大好き過ぎる・・・・・・・。

竹中直人のライブに、原田芳雄&松田優作両名がゲストに出て。
3人で歌ったという思い出の歌だそうです。

原田芳雄バージョンの(藤竜也バージョンも)横浜ホンキートンクブルース。
聞きたいもんです。

優作氏が好きだった山崎ハコの話も出たり。
本当に花を添えた感じの竹中直人。

ふと横を見ると、美由紀夫人も涙を拭っていたりと。
20年経っても、風化させない影響力と周りの気持ちが詰まっていて。
凄く幸せな俳優だなと改めて思いました。

そして、谷中敦のポエトリーリーディングに呆気に取られ。
再び、ロザリオス。

加速せず、時間を楽しむかのように。
ループさせる音の繰りかえしと、旧友と遊ぶかのように。
赤い照明と重なる優作の映像が、まるで映画のエンドロールのように
溶けていました。

TWIN TAILの時にも見た、映像をステージに綺麗に出すために
黒い薄い布。
ここに写った優作は、初めてボクがみた映画の中の優作のまんまで。
当たり前なんだけど。

そういう時間の経過を忘れてしまうような心地でした。

本当に祭りがクライマックスに向かうような感じで。
切迫感やビリビリするドラミングではなく。

跳ねて、重ねて、弾けて、びしょびしょにぬれてしまうぐらいの放水で、
再び目が覚めるような。
そんな気持ちの中で。

最後の曲を跳ねた後の。
美由紀夫人のアンコールでのラスト。

Mr.REDSOUL「森岡賢」も最後は笑顔で帰還(笑
KENKENは頭をブン回して、客をピースサインで煽る。
永瀬正敏は暗闇で、写真を撮り続け、照れくさそうにステージで会釈をした。

達也は主君として、殊勲の的になり。
生きてるから出会える、辿りつける場所もある。

優作に新作は無い。
ただ優作を愛しながら、日々を生きる中で新作は生まれる。
自分の中にある新作。

そういう1つ、気付きを教えてもらった気がする。

ただカッコイイと言う言葉では括れない誰かの想いの蓄積や。
そこに望む気持ちだとか。
そういう中での時間は、ただのライブとも違う何か籠もった感じにもなる。
そういう空気を感じれた気がする。
10代で出会えて。
20代迄育むことができた実感がある。

中村達也×松田優作

ドッチもボクには今のボクが辿りつく大切な存在であり、
港だと。
そう想っています。



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コメント 6

TBM

なんか、いい感じですね。
大阪もあるけど、オールナイトなんで、どうしようかな...
by TBM (2009-09-27 00:16) 

北

ほんと うらやましいです。というかレポートありがとうございます。ライジングで初KENKENを見たけど、一回り以上年の差がある二人が楽器2つでタイムスリップしつつ融合する様は フリクションが1方向に二人で突き進んでいくセッションだとしたら SPEEDER Xは 螺旋状1方向に進みながら 触手がニョキニョキ伸びている感じでしたね。一曲終わる事に抱き合ってたから、本人達も可能性を体感したのでしょうねぇ~。
音源も欲しいけど 体感しなければわからない衝撃でした。蘇りの血&KENKENの父母の血(笑)
by 北 (2009-09-27 17:16) 

nexus_6

映画では「最も危険な遊戯」(音楽:大野雄二氏)が好きでした。
by nexus_6 (2009-09-27 22:33) 

ROOSTER OF JOYTOY

>TBM様
やっぱりニューイヤーロックフェスっつーか。
昔の優作の出てたイベントの匂いっつーか。

そう簡単には馴染めないメンツの中に、
きらめく星や瞬間探しですからね・・・・。

オールはキッツイな(苦笑

by ROOSTER OF JOYTOY (2009-10-08 07:32) 

ROOSTER OF JOYTOY

>北様
(笑)
KENKENの父母の血。
ついにKENKEN、両親&兄を捕らえ。
抜き去った!みたいな感じで見てました。

互いに拮抗しながらも、離れないような
付き合いたての恋人のように楽器こすってる感じです(笑

最近では見て「ゾワッ」とした珍しいケース。
ステキでした。
by ROOSTER OF JOYTOY (2009-10-08 07:35) 

ROOSTER OF JOYTOY

>nexus_6様
やっぱり遊戯シリーズは、優作のカッコよさとか
ストイックさがキラキラしてて。
ボクも純粋にカッコイイと思います♪

大野雄二は、昨年のRSRFESで見て。
興奮してしまいました(笑
by ROOSTER OF JOYTOY (2009-10-08 07:38) 

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