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STUDIO VOICE 「JAZZIN' PARIS~パリのジャズ物語~」(1994年10月号) [男にBOOKを!]

興味って突然降ってくるものだと思う。
新鮮に悪気もなく。

今のようにインターネットでタイピングしてしまえば、
必要な情報は手に入るし。
そして、聞きたい音楽はすぐに落とせてしまう。金が無くても。
そうやって、便利を手に入れているけど。
容易に手に入ったり、すぐ手に入るものがいつまでも自分の手元に
残ってる気持ちは少ない。

昔は、大いなる興味は、些細な手がかりを頼りに。
店に通ったり、初見の店には臆することなく入ったもので。
その積み上げられた本やCD、レコードの中に自分の価値観を信じたものです。

今もそうやっての宝捜しは変わらなくて。
リサイクル屋に行ったり中古屋さんに行くと、テンションが上がってしまう。
それが宝かは分らないし、価値あるものかもわからないけど。
それが僕を呼んでいる錯覚をするから、余計に店を見かけると入りたくなる。

ここを逃したら、ここに素敵なものがあって。
僕はそれと出会わずに人生を過ごすかもしれないという恐怖もあるい(笑

先日積み上げられた古本屋から、昔のスタジオボイスを見つけた。

パリの街並みやらパリ自体には全く興味はないんだが、
世界で最も輝いていた瞬間がパリにはきっとあるはずだと。
そういう魅惑はある。

その中でフランスという土地柄。
あまり聴こえてこない音楽の質や実情を考えると、どこにも行き当たらず。
そして出会った本に、アメリカ。
それもニューオリンズのイメージ。
JAZZ
そのJAZZがヨーロッパに流入している史実を目撃する。

浅はかな知識すらない僕には、その意味が更に理解出来なかった。
JAZZは、アメリカのものというイメージにこびりつき。
そのイメージを思っていたのに、一石そのままの表紙を見つけてしまい。
それで胸倉をつかまれた気持ちになった。

威嚇され威圧され脅迫されたのであります。

それが、活字で。
実際、その本からは音が鳴る事は絶対にありえないんですが。
その本から音への興味は激しく掻き立てられるわけで。
このパターンは人生で数度経験している。

何気なく読んでいれば、「ボリス・ヴィアン」
そして、対談には岡崎京子。
何か今の自分に必要なものだった気がして、落とすことなく読んでしまった。
「うたかたの日々」
それに出会う前に、PFFで偶然に見た「クロエ」
その世界観が「ボリス・ヴィアン」の世界だと知った時に、
なんと哀しく自由で薄青い世界なのかと少し考えたものでした。

それが、自分の中にもずっとひっかかっていて。
ここに、ボリス・ヴィアンの概要。
そして、パリの背景。

栄華寸前、すれ違いの恋の行方のような時間の無情。
ここにロンドンで巻き起こった「PUNK」のような爆発的な衝動と。
時代背景と個人個人のエネルギーの放出からの化学反応があったなら、
パリはきっと特別な都だったのかもなと変な想像も悪くない。

しかしながら、パリは戦火にありながら人間に優しい街だった由縁。

しかしながら僕にとって、JAZZが特別なものになるかはまだ先の話。
JAZZが僕のROCK AND ROLLになるまでは、まだ先のことかもしれない。

ただその時に何も知らず、何も興味も持たず。
その世界に魅了されるのならば、僕はその前に学んで迎えよう。
きっと、特別な事な気がしてる予感は、きっと間違いじゃなく。

何かの拍子弾けることがあっても。
その爆風で飛ばない様に。

興味など、どっから湧くかわからない。
湧いてからじゃ遅いと思う僕は、いつどこで現れても。
「随分まえに一度お会いしましたね」とそう軽く返せるような。
そんなことを想う。


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ソヒア

パリジェンヌ、大好き♪

Jazzはそんなに詳しくないけど、
ニーナ・シモン好きよ。
クリス・コナー、マリリン・ムーアとかもね。
何故か女性ヴォーカルばっかりですけど。

http://lulis.exblog.jp/3297069
by ソヒア (2007-10-24 00:05) 

TBM

ボリス・ヴィアン、ミュージシャンでもあったんですよね。
私は就職した頃かな、JOHN ZORNに遭遇して
JAZZも聴くようになりました。
今では、JAZZとROCKが半々くらいですね。
by TBM (2007-10-24 21:05) 

ちょっとした理由で「クロエ」はまだ見てないんだよね〜

もうお気付きでしょうが、私の雑文コーナー名の元ネタです。
霞が掛かったような描写が好きだな。
by (2007-10-24 23:07) 

ルースターズ

>ソヒア様
人生で一度もパリに行きたいとは思いません(笑
ゆえにパリジェンヌにも・・・・・(笑

イギリスにはと思っても、フランスには興味がなくて。
パリなんてと思ってたけど、少しこの本を読んで、
この時代の断片とかあるのかなと、そんな風に思いました。
by ルースターズ (2007-10-26 13:22) 

ルースターズ

>TBM様
いつか、その半々をと思いますが、
望んでなるようなもんでもないし(笑

そのボリスヴィアンがまだJAZZを演奏してた頃の
話も断片はあって。
少し見方が変わりました。
by ルースターズ (2007-10-26 13:23) 

ルースターズ

>Lo-FIちゃん
泡なようになってしまえばいいと思っていても、
泡にはしたくないのが日々です。

でも泡のような時間があってもいいなと、
そんなことは感じております。

日々の泡。
by ルースターズ (2007-10-26 13:24) 

sugarbabe

自分は田舎に住んでいるので、都会に行った時は、中古レコード店巡りが恒例のコースでした。
でも、もうしてません。
amazon、オークションで検索すれば出てきます。
便利といえば便利ですが、なんか寂しくもありますね。
by sugarbabe (2007-10-26 19:47) 

ルースターズ

>sugarbabe様
なんかそのインターネットで気軽さが、
なんか気色悪いというか、妙な反骨が出てしまう自分です(笑

amazon使った事無い(笑
by ルースターズ (2007-10-27 00:29) 

ma99ots

ものの価値は実際手にとって感じないとわからないですよね。

なんでもクリックやエンターで必要な情報が手に入る今では

感じとりにくいところはあるかもしれません。
by ma99ots (2007-10-28 02:12) 

ルースターズ

>djEMIL 様
まさにっ!!
レコードだって、曲わかってても針を落とすまでは・・・・
みたいなとこがあると思います。

意外とベースラインが!・・だとか
そういうのって、やっぱり手にとってみないと。

音楽は好きなので、レコードはまた手にとるの極みだと。
いまどき、アナログですもんね(笑
でもそれがたまらない。
デカイジャケット最高。
by ルースターズ (2007-10-28 18:52) 

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