SSブログ

暗黒大陸じゃがたら 「南蛮渡来」 [君にR&Rを!(日本)]

音楽の。
それも日本の音楽史の冊子を開けば
必ず名前があるのが「じゃがたら」な訳です。

大学時代、人と違う価値観を見出したくて。
僕はガムシャラに、この「日本のアンダーグラウンド」の音楽を掘りました。
ただ貧乏な学生。
今のようにインターネットもあまり普及してない時代ですし、
廃盤になった音源は数知れず。
挙句、未発表そしてCD化されていないもの。
数多の中で、見つかったとしても値段は高額を極めました。

旬の時期もあるようで、同じレコードでも通年では値段が変動する時期が存在して、
安く見つけたときには飛びついたものです。

「暗黒大陸じゃがたら」も当然、その中では異彩を放っていたし。
買ってはみたものの、その価値観であったり、評価であったりするものが、
自分とは比例せず、なぜか特異な存在であったことは明白でした。
21歳の僕には、及び届かない世界観でした。

我がレコード棚の「特上の糧」として眠ること幾年か。
最近、引っ越してからこの椅子に座り、こうやって文章を書いたり、
ただの時間の浪費にはこの「じゃがたら」を用います。

この「南蛮渡来」を何度も何度も。
「ご馳走さま」が存在しないのです。

音の応酬は、深層にまで染み渡り。
稲妻のような瞬間的な突き抜ける衝撃は無いものの。
一度聞き出すと他の雑音を遮断したいくらい、これだけでよくなってしまう中毒感。

下世話で卑猥な単語のリフレインが、
所信表明のような崇高さすら、気品すら感じるのはなぜなのか。
一般的な世界の様相でありながら、不安不満を存在させず、
あっけらかんと世界を見ている感じもある。

音楽雑誌を開くと、「じゃがたら」のステージは凄惨を極め、
そのステージは世界の底辺を舐めているような。
そんな表現で埋め尽くされていました。
かという、江戸アケミ氏も精神分裂の類を患っていたようですが、
幾度の回帰は、懲りない変わらない江戸アケミ氏だとも書いてあった。

音楽に救いを求めたわけでもないし。
ただそこで体現できるものが、「じゃがたら」でしかなかったのかと。
1人の人間の底知れぬエネルギーの核を感じてしまう。
そんなバイオグラフィーの羅列でした。
手抜き無し、全速力で生きた証が音として墓石のように鎮座しています。

僕の読書感想文、もしくは勝手な憶測の中で進行してしまったけれど。

汚物を汚物と思えないようになってくる、TRIPにも似た酩酊。
音の厚さよりも、「この言葉にこの曲しかないだろ?!」
          「この曲にはこの音の組曲しかないだろ?!」ではなく、
そこに存在していれば、いかようにも言葉も音も変化を繰り返し。
森羅万象巻き込み、自分の中に溶け込み。
自然と揺れる体のリズムにあわせて、頭が回転していく。

創り上げた音楽じゃなくて、生まれるべくして生まれた。
望まれて生まれたわけでもない。
必然の中に生まれたのだと、この「じゃがたら」に答えを見つけました。

試行錯誤とか、努力研鑚じゃない。

ただそこに存在を許されることを理解した時。
「じゃがたら」の、「メビウスの帯」にも似た永遠に続く主張感に震え。

是非一度生で見たかった。
きっと、足元には惑星があったはずだと。
そして、妙な虚脱感と高揚感の中。
じんわりと自分の存在を考えられたはず。
時間の経過も時代の移り変わりも関係の無い世界。

そしてその思考自体が無意味だということにも。

純度の高いROCK&ROLL


nice!(5)  コメント(14)  トラックバック(1) 
共通テーマ:音楽

nice! 5

コメント 14

TBM

じゃがたらは何の予備知識もなく1stLPを買い、はまりました。
残念ながらLIVEを観たのは、復帰後となる
「裸の王様」以降のみなのですが...
「お前はお前のロックンロールをやれ」
幾度となくアケミから発せられたメッセージが
いつまでも頭の中を回っています。
by TBM (2007-09-30 16:24) 

最近じゃがたらのDVD(寿町ライヴとかのやつ)を友達に借りてぼちぼち見てるんですが、、、
多分じゃがたらなんて何も知らないおっちゃんたちが踊ってるんです。そのリズムは踊らずにはいられない何かがあるのでしょう。
 亡くなってしまった人間なので、何も新しくは生まれないのだけれど、江戸アケミさんが確かに生きて歌っていた事実や存在に圧倒的な説得力を感じます。
by (2007-09-30 20:18) 

江東イズル

こぉんな雨の夜にこんばんは!
くしくもごく最近、「西暦2000年分の反省」を爆音で聴きかえしたばかりです。
エトウはやっぱり「DEMO×3」「BABY」「クニナマシェ」あたりが好きです。
ライヴ観られなくても、いつか同じ場所に辿り着きますよ。きっとね。
by 江東イズル (2007-10-01 00:28) 

山田虫

ウチにあるんで、ipodに落としてみました。
月曜の朝の通勤のお供にはいかがなものかと思いますが、
聴いてみます。

存在はずっと知ってたけど、
なんだかねえ、手が出せなくて。
兄さんの文章読んだら、聴いてみようかという気になりました。
by 山田虫 (2007-10-01 01:05) 

tetsuya

じゃがたら。。。見たよ。
アースビート伝説っちゅうイベントで
南流石ネェさんがいたよ。
もう1人がエロかったような。。。
町蔵も出たからたまたま見たイベントだったはず。
FOOLSも出てたかな。

ま、あまり日本のFUNKっぽいのはイマイチ好きになれんから
しゃ〜ないw
俺、PUNKSだしw
by tetsuya (2007-10-01 17:54) 

ルースターズ

>TBM様
なんとなく構えないと、体に入ってこないんじゃないか?的な
勝手なイメージは、逆に何も考えない方が浸透するという感じでした。

気付くのが遅いというか、なんでも勘ぐってしまう
このクセをなんとかしないといけないです(笑

意味が無いですね。詮索。
そのままでいいのに。
単純に自分の感性を信用しきれてない部分が多分にあります。
これからです、きっと感受性の発達(笑
by ルースターズ (2007-10-03 08:49) 

ルースターズ

>kaeru様
太陽みたいな陽射しとでもいいましょうか。
ギラギラジリジリ。

何も知識がなくても、ただそこに体が揺れる音楽があるから、
体を揺らしているだけ。
本質なのに、なんかいろんな知識が本当の楽しみ方を
薄くしてるのかもと、以後「FUNK」と書いてありましたが。
そのFUNK’N'ROLLな心地がこの表現なのかもなと、
改めて、皆様のコメントを読んで1つ造詣深くなった心地です。
by ルースターズ (2007-10-03 08:52) 

ルースターズ

>江東イズル様
えぇ。僕らが違わず転がっていれば、きっと辿り着けると想います。
LOCKしてもROCKしても、ROLLさえしていれば・・・。

辿り着きたい時に、辿り着きたいですね。
贅沢かな(笑
by ルースターズ (2007-10-03 08:53) 

ルースターズ

>山田虫姉さん
朝の通勤には(笑
でも、雨の昼には最適です(笑

なかなかね、知ってる聞いたことある。
でも苦手。
このパターン、地味に多い。
どこかのシュチュエーションで打破したい。
一度飲み込んでから、味を確かめたい。
そんなじゃがたらの時間。
by ルースターズ (2007-10-03 08:55) 

ルースターズ

>てっちゃん
この「FUNK」って文字にズガァーンって殺られました。
ROCKって表現もなって思ったけど、音楽的には「FUNK」ですね。
「P」と「F」一文字違いの、大違い。

しかしながら、本質「ROCK」と信じて止みません。
あまりに的中な1言。
ありがとうございます!!

ラフィンで燃え尽きた件。
とても興味深く拝見させて頂きました♪
by ルースターズ (2007-10-03 08:57) 

山田虫

>なかなかね、知ってる聞いたことある。
>でも苦手。
>このパターン、地味に多い。
>どこかのシュチュエーションで打破したい。

してみたぜ(笑)

これはすごいわ。
何で今まで聴かなかったんだ?ともったいなくなるくらい。
ステージの様子など、かなりのものだと聞いてたのでそれで敬遠してたところもあり。歌詞も然り。

けど、そんな歌詞も
>「この言葉にこの曲しかないだろ?!」でした、まさに。
今週、一番聴いてるアルバムです。

余談:Wikipediaで「江戸アケミ」を調べてみたれば、
”江戸はファンク、パンク・ロックなどの影響を強く受けており、フェラ・クティや頭脳警察などとの関連性は多く語られている。”

そりゃ気に入るはずだ、私(笑)

もし聴いたことがなければ(もう聴いてたらごめんね)、フェラ・クティ、聴いてみて。
すごいよー。
by 山田虫 (2007-10-03 12:20) 

ルースターズ

>山田虫さん
ズッガーンきました?!(笑
僕も殺られましたよ(笑

「フェラ・クティ」
すいません、知らないです。
今度CD-R用意してもらって良かですか?(笑
by ルースターズ (2007-10-03 18:21) 

山田虫

いいよん。
お誕生日プレゼント、ちゅうことで(笑)
by 山田虫 (2007-10-04 00:44) 

ルースターズ

>山田虫さま
ありがとーう!!
by ルースターズ (2007-10-04 07:59) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。