SSブログ

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」 松岡錠司監督 [君にMOVIEを!]

朝 9:00の回。
当然のようにガラガラだと踏んでいた渋谷シネパレスの朝は以外にも、
多くの老夫婦によって埋まっていた訳です。

暗くなってしまった館内。
スクリーンの明かりを頼りに座席に座ると、当たり前のようにブーツを脱ぎました。
期待は最高潮。不安は皆無。
そんな心地で映画を観るのは、大人になって初めての出来事な気がします。

誰もが当てはまる話=それが「かぁちゃん」の話。
究極の題材。
あん娘が好きで、とってもラブリー。
チュッチュチューだなんて、そんなもんは「かぁちゃん」という究極の題材に比べれば。
再利用の利かないオナニーの終わったテイッシュぐらいの意味しか持たない訳です。

娯楽ではなく、ロマンスでもない。
絶対に手を出してはいけない領域だと。
感情が絶対に揺れるのは間違い無いのですから。

しかしながら安易に手を出せる物ではなく。
そして誰もが出来ることでもない。
「母親のことを言葉に表現すること」が出来る人間と出来ない人間がいて。

出来る人間は、無限に続く母への想いをどこかで区切ることなど出来るわけもなく。
母への物語の終わりこそが、リリーさんの言う「自分の考える最悪の日」だと感じると思います。

早い段階で原作と出会い、このBLOGでも書いた感想。
リリー・フランキー 「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」なわけですが。

映画館で、涙をして。
自分でも少し動揺するくらいの涙は、嗚咽をこらえるのに必死だったくらい。
呼吸を詰まらせ。次の息を吸うのも困難なくらい気持ちが揺れました。
鼻水も流れ、涙はとめどなく流れました。

この原作とこの映画の衝動は、
自分にも必ず当てはまる「恥部」の存在を意識させられることにあるんじゃないか?
なんて想うのです。

母親に対しての想いや言動・行動。
過去~現在に至るところで自ら「母親の期待に応えることが出来なかった事実」を、
「恥部」だと認識したりする。
そして、この映画の終わり「オカンとの別れ」に向けて、
全てのものが「自分の考える最悪の日」に流れ込む。

リリーフランキーたる中川雅也を、自らに投影して。
そして、スクリーンのオダギリジョーを、自らに投影して。
オカンは、そのままのオカンで。

そうやって、当てはめていく作業の果てに「自分の考える最悪の日」を迎える瞬間を考える。

僕も、あまり多くを書きたくないのです。
書こうと思えば、とめどなく出る自らのかぁちゃんへの想いを吐露することになる。

ぼくのかぁちゃんは、今も病気です。
2年前に患いました。
その病が、「死」を意識せざるを得ない病だと知った日。
僕は絶望の淵を彷徨い。
病気の事実を受け入れるために、しっかりと自分を立てるため、3日間の時間を要しました。

「たった3日?」と想うかもしれませんが、流せる涙は全て流したし。
ほとんど眠れない3日間でした。
考えられる自分の思考は全て使い、そうやって過ごした3日間。

妻がバレーボールの大会で地方都市に行っていたことも救いだった。
たとえ妻でも、誰かに慰められてなんて、本当にゴメンだったから。

それ以降、1年の闘病は家族も共に。
本当に1つの物語になるくらい僕は、かぁちゃんのことを想いました。
ここには書けないくらいの人生で一番の苦しみや失望、絶望を味わいました。

今、かぁちゃんは仕事の終えたとうちゃんと安静で落ち着いた生活をしています。
幸いなことに、ガンには移行してないようです。

でも、僕がお金を稼ぐようになって。
かぁちゃんに想ってた「かぁちゃんとしたかった全てのこと」は泡になり、
今は現実味の無いものになりました。
その喪失感は、「親孝行」という名の自分が後悔を残さないエゴを、
目の前に母親がいながら、果たせない歯がゆい現実となりました。

僕は、マジメな子供じゃなかったから。
ガキ時分は、しょっちゅう怒られ何度もかぁちゃんにビンタを喰らい、
そして、かぁちゃんととうちゃんの金を喰い。
私立の6年一貫、煙草、酒、なんでもかんでもだったわけで。
・・・・・・僕のことはいーや。

原作を読んで観ても尚、素晴らしい映画だったと想います。
本質をボケさせないための輪郭を、時間内最大限とし。
その中での取捨選択もまた困難だったと想います。

オカンと過ごした時間。
それを2時間22分にすることなど、不可能なわけですから。
必然です。

それでも、リリーフランキーの母「ママンキー」への想いを僕は強く感じます。
僕も僕のかぁちゃんを愛してるからだとそう想います。

僕のかぁちゃんは、樹木希林に似ています(笑)
あの夜。
ベッドの上で暴れて、手枷をつけられても尚、体の痛みに苦しんだかぁちゃんと
抗ガン剤で苦しむオカンと僕のかぁちゃんの姿が重なり。

原作の時の感情と自分の経験が、映像になると更に加速し。
そんな病院でのシーンは感情が崩れてしまい、涙が止まりませんでした・・・・。
少し背中を丸めてベッドに向かう姿とかだとか。
かぁちゃんが、小さくなったと感じたことだとか。

元気な母親だったならば、僕にはこんな感情は訪れなかったと想います。
でも、そんな感情よりも、かぁちゃんに元気でいて欲しかったと心底想っています。

僕の夢は、かぁちゃんとBARに2人で行って。
その店で一番美味しいBEERで乾杯することでした・・・・・・。

(※画像は全て、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」のBLOGから拝借致しました。
 素晴らしい撮影日記でした・・・・)


nice!(19)  コメント(36)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 19

コメント 36

魚河岸おじさん

母への想い・・・・・
その事だけで良かったんですね
原作がどうとか、映画がどうとか
頭で考えすぎました
by 魚河岸おじさん (2007-04-30 09:44) 

ルースターズ

>魚河岸おじさん様
(笑)
僕は映画館出た時、ほんとうにかぁちゃんが死んじゃったような
妙な感情移入があって。

泣ける鉄板で泣くというのは、良いか悪いかとかいうより、
素直に何も考えず、涙が出るから泣いておこうと思いました(笑
by ルースターズ (2007-04-30 11:16) 

tetsuya

あったりめー
泣ける時に泣く。
泣きたい時に泣く。
それも男泣き。

でも映画館では観ないでおこうと思う。
大泣き100%だからさ。
DVDになるのを待つ。
by tetsuya (2007-04-30 13:51) 

cs

はじめまして。
先に自分のところの記事をすでに読んでもらっていて、niceをいただいてて、ありがとうございました。ますお礼から。
ルースターズさん、HNからして九州方面にご縁がありそうですね。
原作を読まれてて、この映画化作品がちゃんと成立してるんですね。よかった。もちろん、観る人それぞれの感じ取るオカンのイメージがあるとは思うんですが。
この作品って、原作者も脚本も、そして主題歌も不思議な縁で北九州出身の顔ぶれになったこの映画版の映像が、個人的にいちばん最後でもしかしたらよかったのかもと思いました(自分は他のTV放映のものはまだ観てませんが)。
by cs (2007-04-30 14:40) 

小さな映画館のレイトショーあたりで観たいです。
明るい空の下には出られない様になってしまいそうなので…。
by (2007-04-30 14:54) 

ルースターズ

>テツヤ兄
絶対泣くな、兄は(笑)
突然なんです。
たった1つのシーンで、涙腺が決壊します。
何度観てもきっと泣ける。

DVDですら危険(苦笑)
僕ももう1回観たい。
by ルースターズ (2007-04-30 21:09) 

ルースターズ

>CS様
随分前に映画化の話があって。
僕は昔からリリーさんが、凄く好きだったので。
先入観上、久世さんという方がやっていようが、
TVドラマへの興味は皆無で。

原作も好き過ぎて、キャスティングに関しては僕は完璧だと思う。
あんな贅沢な映画を作れるのも、リリーフランキーの作品だから!
みたいな感も絶対あるなぁーって思ってます。

申し訳ないですけどね。もこみち、大泉洋レベルじゃぁ、
リリーフランキーは表現出来ないと確信してますから。

オダギリジョーと聞いた瞬間、オダギリジョーならって・・・・。
むしろ、彼しかいないし、彼しか出来ない。
おかんも同様に。

一番驚いたのが、終の棲家にしようとしたあの家。
原作のイメージ通りすぎて・・・・。

北九州祭でしたね、確かに(笑
筑豊と聞いて、イメージ出来る人間が多ければ、多いほど。
そして、リリーさんを理解している人が多ければ、多いほど。
この映画に1味も2味も、確かに加わってる気がします。

興行タイミングは、ドラマとの兼ね合いもあって、
少しいやらしい形になってましたが、良い映画にお金を出す本質は、
テレビドラマには到底越える事の出来ないフィルムの熱が
あると思います。

僕はスケベなリリーさんが好きなので、これでこの作品の全ての
気持ちを洗えたようで、嬉しいです。

あとはいつものくっだらねぇーリリーさんがいいです(笑)
NICE!押し逃げすいません。
by ルースターズ (2007-04-30 21:20) 

ルースターズ

>Lo-Fi 様
腫れるくらい泣けるので、僕はサングラス持参でした(笑
by ルースターズ (2007-04-30 21:23) 

チヨロギ

おととしのルースターズさんの記事を読んだあと、
すぐに「東京タワー」を買って読んだんです。
その前年に母が血を吐いて長期入院したということもあり、
とても通勤電車では冷静に読むことができませんでした。
だからこの映画も、すごく観たい気持ちがあるんですけど、
号泣して映画館出られなくなりそうで・・・。
でも、とにかく今日もいい記事を読ませていただきました。
ありがとう。
by チヨロギ (2007-04-30 22:12) 

ルースターズ

>チヨロギ様
僕は映画館で観る事を勧めます。
商業的にどうというより、こんなキッチリ重さの伝わる良い映画が、
訳のわからねぇーテレビドラマの延長みたいな映画より数字が
劣るというのは、耐えがたい(笑

あと、ちゃんとシネマスコープサイズ(横の長さが縦の2倍以上の
ワイド画面)という、特別な手法なようで。
それをしっかり体感できるのもまた、映画館でしかないと思います。

涙を恐れず、映画館で。
泣くのは恥ずかしくないですよ。
皆泣いてるから(笑

原作を読んだのも2年前でしたね・・・・・。
樹木希林・内田也哉子・小林薫。
この3人のおかげで、もう1度原作を読んでみようかと思います。
また泣くけど(笑

映画観て、原作読んだらまた違うとこの場面から
感情がやってきそうな気がします。

生涯で、この映画以上の映画にめぐり合える自信がありません。
by ルースターズ (2007-05-01 07:41) 

Lita

なんか違う方法で二人で楽しんだらいいんじゃない?
お母さんに一緒にどこかでかけない?とか
何か買ってあげたりとか。そんな普通の事でも
母親は子どもにしてもらったらうれしいもんだよ。
そういう普通の事が想い出になってがんばれるよ。
期待に応えられなかった部分を恥部だなんて思わなくていい。
今日健康に生きてくれているだけでいい。
まだ親孝行する時間はあるんだから、できるうちに
できるだけの事をしてあげてね。
by Lita (2007-05-01 09:49) 

ルースターズ

>ワンダースタイル様
思いつくことは、ほとんどしましたよ♪
それは自分が母親に見せたくて、
自分がかぁちゃんに出来なくて後悔を残さないようにです。

外出も遠くには行けません。
かといって、近所で喫茶っていうのも気軽に出来ません。
買い物。
かぁちゃんに逢うと口癖は、「欲しいもんあんの?」です(笑)

そうなんですよね、「恥部」というのは表現がいまいちだなって
思ってた箇所なんですが・・・・・。
でも母はこうあって欲しいと、念じた金をそうでないことに使う
後ろめたさみたいのは恥部かなって(笑)
何使ったとか明細すらでねぇー。だせねぇーみたいな。

親孝行できる時間はあっても、もはや方法が浮かばないんですよね。
でもいなくなったら、山ほど出る。
絶対そんなもん。

惰性な1日1日が過ぎて、電話もたまにしかしなくなってる。
健康に生きてくれるだけでいいだなんて思わなくなってる。
死んでしまった時に、あれをあげたかったとかこれをしたかったとか。
絶対、気持ちがグラグラすると思うんだけど。

苦しかった時間と失望した時間を考えたら。
なんとなく、こんなもんかもなって少し諦めてるところもあるんですよ。
かぁちゃんの体の現状も然り。無理も出来ないし。

親孝行って人それぞれバロメーターがあると思うけど。
随分したと思う。
言葉にも出すようにしてる。

でも後悔が残るはず。知ってるんですがね。
長くなっちゃったな。
うん。そんな感じです。

絶望の淵にいて、一生懸命にしたはずなのに。
してきたのに。
長い時間になると、慣れてしまう。
少し元気な現状に慣れてしまう。
それが理解できている分、自分は卑しい。
by ルースターズ (2007-05-01 18:37) 

ミック

私は息子が大学生です。最近はすっかり、大人っぽくなり、一緒に出かけても、なんだか超えられちゃった感でいっぱいです。だからかもしれませんが、オカンの方から東京タワーを見ていました。親はいくつになっても、子どもが心配です。自分が辛い事なんて、どうでも、いいんです。子どもが笑ってくれたら、それだけで、すっごく、うれしいんです。そんな思いで見ていました。ボクが辛くしている場面では涙が出ました。だから、みんなと泣いちゃう場面が反対だった様です。ルースターズさんが元気にしていてくれたら、きっと、お母様はうれしいと思います。一番の親孝行だとも思います。
by ミック (2007-05-01 22:04) 

ぶっさん

みんな母親から生まれてくる。
家庭の事情とかで一緒に暮らせなかった人もいるけど、多くの人がお母さんをあたりまえの存在として思っているでしょう。
だけどある出来事により、母の存在が特別だって気づかされる。
コメントに返している文章を読むだけであなたの愛情の深さは計り知れないものだってわかるよ。
東京タワー。
観たいけど、怖くってまだ観れずにいます。
by ぶっさん (2007-05-01 23:30) 

kurohani

素晴らしい感想ですね。『東京タワー』原作読んで号泣しましたが、映画もかなりやばそう。(TV観ないのでTVヴァージョン観てないのですが)オダジョー、内田也也子、樹木希林と言うキャスティングも完璧な感じ。お母様お大事にして下さいね。
by kurohani (2007-05-01 23:32) 

くらん

うぅ・・・観てないのに泣ける!
映画の方は観たい気がしてたので、みる決心がつきました♪
by くらん (2007-05-02 00:37) 

ふじくろ

こんにちわ、初めまして。
ご訪問とナイスありがとうございました。
ルースターズさんがご自身を主人公に投影されたように、我が家にとってもこの作品との共通点が多かったです。
娘は美大に通っていますし、母親であるふじくろはオカンと同じ病気です。
かつてオカンと同じように、薬にも悩まされました。(^ー^;

この作品に似た境遇の方が他にもいらっしゃったことを知って、なぜか少し嬉しい気持ちさえしています。
ルースターズさんがお母様のご病気を受け入れられたことを拝見し、今改めて「家族は病気のことをどう思っているのか?」思いを巡らせているところです。(^-^)
by ふじくろ (2007-05-02 02:17) 

ルースターズ

>ミック様
≫親は子供がいつでも心配
これがね、見えたり、感じたりしてしまうと。
それが妙なプレッシャーになるんですよね・・・・・。

今でも、大学の頃の金の催促の電話とか思い出すもんな・・・。
くれるのわかってて、電話するわけじゃないですか。
それがいやらしくて、卑怯だなって思う。
んで、貰ったら平気でエロビデオとかレンタルしちゃう。

マー君のしんどいとこも、半分くらいはわかるんですよ。
すげぇーキツかったから僕も。
病気で苦しんでる瞬間よりも、安静な頃の方が妙にキツイ。

元気そうなんにな。
家に帰ると、なんですぐ具合が悪くなるんだろうな・・・・って。

僕が元気でいることが、親孝行。
それは、きっと親側の「親孝行」
子供側の「親孝行」的には、到底承服出来ない、
最低限の親孝行。

親より先に死なない。
これに似てるかもですね・・・・。

息子さん、大学生か・・・・。
僕の大学時代は、親に見せれるもんじゃなかったです(苦笑)
親も下宿先には、1度しかこなかった。
引っ越して2週間後ぐらいの時だけだったな(笑
by ルースターズ (2007-05-02 07:50) 

ルースターズ

>ぶっさん
色んな話をした気がします。
今が少し元気な分、僕もまた慣れて油断してる気がします。

いつか、ぶっさんが僕に「その慣れがね・・・・」って話をしたよね。

僕もこの慣れが怖いです。
あんなに色々考えたのが、なんとなく平穏の慣れると
風化してるこの感覚が。

戦争と同じかもしれません。
病気ってヤツは。

当たり前って、本当に厄介なヤツだよ。
無くなると、本当に切な過ぎるから。

至極、かぁちゃんとの関係が悪くない分。
この慣れを後悔にさせちゃいかんと思ってます。
GW、久しぶりに川口に帰ります。
by ルースターズ (2007-05-02 07:57) 

ルースターズ

>kurohani様
パンフレット読みながら「アングラ」って言葉が飛び交います(笑
なるほどなって思うことばかりでした。

1人1人の想いが強くて、きっとただ作りたかったんだなって。
そんなことすら想える素晴らしい作品です。

号泣必死。

そしてかぁちゃんは、大事なのでそのままでいきます(笑
by ルースターズ (2007-05-02 08:00) 

ルースターズ

>くらん様
色んな感情の拮抗の果て。

最愛な人がいなくなっても、次の日の空は青く、
またいつもと変わらない、当たり前な続きを繰り返すんですよね。

分ってても、世界は終わらない。
映画館出たあと、吸った煙草が少し不味かった。
by ルースターズ (2007-05-02 08:04) 

ルースターズ

>ふじくろ様
NICE!の押し逃げすいません。
さりげない言葉の置き方が、妙にリアルだったので、
少しギュっとされました、心臓(苦笑

「家族は病気のことをどう思っているのか?」
家族はどうかはしらんですが。
かぁちゃんの病気の理由もなんとなくハッキリしてる分、
少し救われたんです。
原因不明、突発的、事故そんなもんじゃないから。
リリーさんが、母親の具合の悪さをサラリと話すまさにあのシーン。
あの感情って凄く分る。

笹塚の診療所の話。
あの話に似たことが僕らにもあって。
本当にあの医者の明日を消してやろうかと心底思いました。
単車でつけて、家ごとブチ壊してやろうか?!みたいな。
そんな。

僕は母親の死が来ることを受け入れてました。
だから、色んな手続きを淡々と進めました。
入院とか入所とか。あの時は。
ケアワーカーの方に、どうしてそんなに冷静に話せるんですか?
と言われたくらいです。
僕はその人にこうだからだよって話したけど。
あの人にはわからない感情の抑制の果てのことだから。

今も少しの慣れで後悔が出るかもなって思ってるけど。
あまり動揺しないでいれると思います。

かぁちゃんのサポートが、苦しかった。
時間が経つとかぁちゃんへの想いより、とうちゃんを想う気持ちになった。
病気になった人間には至極当然に心配という感情がやってくる。
でも、それを取り巻く人間の辛さも忘れちゃいけないと想う。

とうちゃんが、本当に。
愚痴も言わなかった。
献身的に病院に通った。

僕がしたかったことの何倍も何倍も。
定年を終えたとうちゃんがかぁちゃんとしたかったことがあったはずなのに。

病気って苦しいですよね。
死んでしまうという現実が訪れるまでも苦しい。
でも、家族の絆が深まっただなんて事は無い。

僕らが少しだけ荒波にもまれてお互いの立ち位置を確認する
機会になったかなって、そんなことを想っています。
by ルースターズ (2007-05-02 08:24) 

何も言葉がでません。
映画は観ません。
原作は・・・
by (2007-05-02 23:30) 

Tetsuji

自分の母親ではない、一度も会ったことがない女性のことを想いました。
簡単に言葉では表すことのできない、いろいろな想いが溢れてきました。

しかし自分にできることは、精一杯の自分の人生を、自分の母親にみてもらうことなのだろうと思いました。
by Tetsuji (2007-05-03 04:26) 

ローリー

連休の合間、一人で観にいきましたよ。
やっぱりどうしても自分のオカンと重ねちゃうのよね・・・うちの母もよく言ってました「あんたがちゃんと生きてる(生活してる)ことがあたしにとっては一番の幸せなのよ・・・」って。。。
ちなみにうちの母は、十数年前にガンで入院してましたが、奇跡的に復活して、今も元気でやっております。

映画として観た感想は、なにしろ樹木希林がサイコーでしたね。

あ~今年の夏は帰省するかな~。
by ローリー (2007-05-03 22:33) 

ルースターズ

>100㏄様
原作は・・・・?

にしても、言葉に出来ないんですよね。
基本。
搾り出すのが精一杯。
by ルースターズ (2007-05-04 09:09) 

ルースターズ

>てっちゃん
色々感情がね、混ざるよね。
でも、てっちゃんがソッチで魂削って心をデカクさせてること。
見守ってくれてることは、凄くいい人生だよね。

失敗も挫折もまた自分の道筋の中で、
自分の選択で選ぶものなら、ボクはきっとそれはステキな人生だと
そう思う。

そして、それを危険だとか意味が無いとか、
そんな言葉を使わなかった僕らの最愛の人に感謝して。
思えば、僕も反対されたことが無い人生道程だったよ。
by ルースターズ (2007-05-04 09:12) 

ルースターズ

>ローリー様
ボクも大学の怠惰な頃、ダンボールの荷物に
時々、かぁちゃんから手紙が入ってて。

今は怖くて読めない(苦笑)

元気に決まっとる!!って思ってる
コッチは、そんな当たり前なことを幸せに思わないで、
もっとなんか望んで!って思ってしまうのですがね(笑
by ルースターズ (2007-05-04 09:14) 

milky

こんばんは。はじめまして。
男性の母親に対する想いって、女性の母親に対する想いと
はちょっと別のものなんだろうなと思いました。
映画見たくなりました★
by milky (2007-05-07 00:26) 

うみぼうず

映画も観たくなった。
by うみぼうず (2007-05-08 21:21) 

junper

映画まだ間に合うかな・・・
原作は読んで泣きました。(今まで本で泣いたことなかったのに)
2時間ドラマみて、月9も最初だけ見たんですけど、ちょっとがっかりだったので、映画見るの怖かったんです。
by junper (2007-05-09 18:26) 

ルースターズ

>milky様
どこかの記事でも書いたけど。
基本、マザコンなんです。おおよそは。

生まれて一番最初に、ボクを愛してくれた女の人が母でした。
そんなDNAがキッチリどこかに刻まれてるような想いもあります。

だから、その女性のことを忘れず。
そして、いつまでも傍にいるから、なんとなく好きなのだと。
そう思います。

映画いいですよ♪
by ルースターズ (2007-05-09 21:49) 

ルースターズ

>うみちゃん
観ておけー!行っておけー!!
by ルースターズ (2007-05-09 21:51) 

ルースターズ

>junper様
恐れず行ってください(笑

原作は原作。
映画は映画で、充分泳げますよ。

ドラマはキャスティングの時点で論外。
観る気もゼロでしたので、ある意味この映画への気持ちは強かったな(笑

劇場前売り券買いに行ってしまったくらいだし(笑
by ルースターズ (2007-05-09 21:58) 

ソヒア

やばい。100年くらい乗り遅れてる。


愛する両親は遠くに住んでいるので、
その日その日の顔色とか、口調とか、ほんの少しの変化を
いち早く気づいてあげられない。
何かあったとき、何かあったらいやだけど、
直ぐに駆けつけられないのが、切ない。

盆暮れ正月、久しぶりに会ったとき、
一回り身体が小さくなったな・・とか、白髪が増えたな・・とか、
そう感じてしまう事も、切ない。

死ぬまで元気でいて欲しい。

かぁちゃんは、その後いかがですか?
by ソヒア (2007-10-25 10:26) 

ルースターズ

>ソヒア様
それぐらい乗り遅れてますね(笑

すぐに駆けつけられるからいいってもんでもないですよ・・・。
近くて苦しいとなんだか、足を向けたくない。
それがまた妙な罪悪感になったり。

死ぬまで元気でいて欲しい願いは叶いませんでした。
かぁちゃんは、今も床におります。
しばしば、病院に足を向けております。
長くないのかなと想うようになった自分もおります。
by ルースターズ (2007-10-26 18:21) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。