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真島昌利 「RAW LIFE」 ~Revisited~ [君にR&Rを!(日本)]

あの頃の僕らに、耳から入った音や言葉が、
心に真っ直ぐに、それも綺麗に突き抜けることが出来たのは、ブルーハーツだけだった。
今以て、そう感じれる数少ない青い春の風景。

歌詞を読み取って共感して「最高だぁー!!」ってことは基本無い。

確信や核心をオブラートに包んで。
今を憂うより、真っ直ぐ過ぎる言葉を隠さず包まず、そのまま、ありのままで言葉にし。
それが社会を風刺して、世間にブチ撒けるならば。
僕は、それがPUNKだと思ってる。

見えない銃を構えて。
悪い事を、悪いと言い。
おかしな疑問を、おかしなまま伝えるこの単純。

誰もが出来ることなんだけど、誰もが「カッコよく」見えないのは、
その言葉が誰かの受け売りだったり、誰かの真似だったり。
言葉と音のアンバランスだったり。
実際、「カッコよく」見える事象は、「見てくれ」の意味ではなくて。

甲本ヒロトと真島昌利。
2人の境界線は、感じる人間がそれぞれの尺度で感じればいいものであって。
歌詞を読み取って、「どちらの方が歪んだ社会に痛切に銃を突きつけてるか?」
なんてナンセンスなことはしない。

しかしながら、マーシーが僕らに1つの形を示したのが、
このアルバム「RAW LIFE」であり、「廃盤」という事実がようやく決壊した。

デジタルマスタリング。
2枚組。
DISC2は、93年渋谷公会堂ライブのオープニング(アコースティック)アクト特別再編集。

キャッチーな音の波でありながら、言葉の本質は体制への反抗。
「オマエら!決起せよ!」じゃない。

感じた人間が、どう感じるかその人の自由だけど。
何が大切かだとか明言しないけど。
これだけのメッセージを詰め込んで、なんも感じないのなら、ソイツはアホだなと笑ってやる。

「美しいPUNK」と、そう思います。

ガキ時分も持ってたこのアルバム。
高校ん時、貸して帰ってこなくなっちゃったけど。
そんで、貸した「アイツ」にこのアルバムの本質は届いてるとは到底思えないけど。

今また、CD屋さんに並んでるから。
時代も随分変わったけど。
この言葉を放ったあの時代と、便利さは変わったけど。
汚れてるとこだとか、目をつぶりたいことだとかはなんも変わってないんだなと思う。
だから、このアルバムの存在意義は、果てしなく大きい。
だから、「REVISITED」なんだろうなって。

マーシーのソロって、凄く優しくていいんだけど。
このアルバムだけは違う。
ナイフのような弾丸なのに、撲倒させられるくらいの意味がある。

溢れ出る真島昌利の声は、甲本ヒロトが代弁してる。
甲本ヒロトの想いは、真島昌利が代弁してる。

そんな互いの拮抗の外で、真島昌利が存在させたソロアルバムは、
一介のバンドのギタリストが、「金儲けだとか契約だとかのために出したんじゃねぇー!」なんて
そんな僕の自分勝手過ぎる想いすら浮かぶのは。

それだけ、真島昌利の中に手に負えない感情があって。
それをヒロトと一緒にじゃなくて、自分自身でブチ撒けてやるよ!
聞いてみやがれ!感じてみやがれ!!って。

きっと、金がどうとかじゃない。
CDだから、お金を求める商品なのに。
商品を拒否しながら、商品である矛盾。

それならば、金じゃ買えないものを、金で買う。
それも矛盾。

でも、本質はきっとそこにある。と、
勝手に想っておきたい数少ない国内希有なPUNK。そしてPUNKS


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コメント 20

deacon_blue

☆ これだけ作品と屹立している文章を見せつけられて,他に何を言えばいいのだろう。黙って頭を垂れるのみ。
by deacon_blue (2007-05-01 22:02) 

ぶっさん

2、3日前かな。コンビニからマーシーの声が聞こえてきた。
そこで反応したのは私だけだったけど、表現できない不思議な時間になった。どちらかというとマーシー派だったのはなんでかな。
RAW LIFE、私も借りて聴いてました。
by ぶっさん (2007-05-01 23:21) 

残念ながら、、このアルバムは聴いた事ないのです。
バンドって言う形にこだわっていた私は、、
ソロって言うかたちに拒否反応があったんですよねぇ、、、。
大変な損失だなぁと、、ルースターズさんの文を見て思いました。
by (2007-05-02 01:41) 

TBM

マーシーがソロ活動しないのは、バンドがうまくいってるから?
全編マーシーの声で溢れる新作が聴けたらいいな。
by TBM (2007-05-02 01:51) 

ほんとに。
このアルバムだけは、他のと違う空気と言葉が詰まってますね。
優しくて強いマーシーの歌、聴きたくなったよ。
by (2007-05-02 02:19) 

ルースターズ

>deacon_blue様
でも・・・・やった出来た!と思って画像載せようとしたら、
PCフリーズ(笑)

半分以上、手直し編集したのが、パーになったんで
「デトロイト・メタル・シティ」読んで現実逃避してから
書き直したんです(笑)

あの消さざるを得なかった文章の中の
思い出せない言葉が後悔になってますよ・・・・(笑)

そしたら、deacon_blueさんにもっと褒めてもらえたかも(笑
by ルースターズ (2007-05-02 07:42) 

ルースターズ

>ぶっさん
やっぱりさ。
僕ら世代には、どうしようもないくらい愛しいよね。

なんとなく、ズル出来なくなったのはこんな輩を
知ってしまったからじゃないかって思う時がある。
by ルースターズ (2007-05-02 07:53) 

ルースターズ

>猫バス様
今も、出た時代もこの世界の本質が、変わってないから。
今だって充分なR&Rテロル。

流行だとか、その時の一時の感情じゃなくて。
不変的なんだろうな、でも間違ってる!と想うものに
突きつけた言葉と音だから、ロックンロールなんだと。
そんなことを想います。

遅い事はない。
遅すぎる事ない。
今からだって、充分言葉を体にしみこますことが出来ますよ。
4枚一気に(笑
そうしたら、幸せな気持ちと、心に銃を抱く感覚になる。
そんな風に思います。
by ルースターズ (2007-05-02 08:07) 

ルースターズ

>TBM様
ヒロトとの拮抗が至極いいんでしょうね。
言いたい事は、バンドでブチ撒けきれてるのかなって勝手に想像。

でも、クロマニヨンズになってマーシーの声は聴こえない。
聴こえないから、聴こえてきたときには、
マーシーの言葉の意味を、R&Rを。
それを理解できる脳味噌でいたいです。

R&Rのその先に、不変なものをブチ壊すテロルのような
「PUNK」がある。

パンクスがギターを持って吠えるなら。
僕はその咆哮を抱きしめていたい!!ってそんなことを思います。

それ以上に、単純にあの人の声が聞きたい乙女な気持ちの方が
大きいっすね(笑
by ルースターズ (2007-05-02 08:11) 

ルースターズ

>Lo-Fi 様
PILの後は、爆音で「情報時代の野蛮人」。
決壊した脳味噌を再構築しないと(笑
by ルースターズ (2007-05-02 08:12) 

ローリー

今またこれが再発になったということは、とても興味深いね。
時代が呼んだのか・・・
おっしゃる通り、マーシーのソロにしては言葉が直截的で、体制に対するメッセージが詰め込まれてる。
いろんな事を真剣に考えないとヤバイ時代に、これを聴いていろんな事を感じないとね。

そんな感じですメタル。
by ローリー (2007-05-02 14:01) 

ルースターズ

>ローリー様
時代が呼んだのか、変わってねぇーじゃんって出てきたのか。
考えるいい機会というか、世界を斜めに疑ってかかるいい機会かも。

そんな気持ちでですメタル(笑

気に入った(笑)ボーナストラック扱いですけどね(笑
by ルースターズ (2007-05-02 23:14) 

DEBDYLAN

自分のBLOGでも書いた気がしたんですが、僕はバンドよりマーシーのソロ・アルバムの方が好きでして。
4枚持ってますが、これで全部でしたっけ(苦笑)。

このアルバム、僕も欲しくて先日買いにいったんです。
ところが、在庫なし・・・
売れて無かったんなら許すけど、そうじゃなかったら、担当者、オイ!!って感じです。

仰る通り、このアルバムは他のアルバムに比べて「怒」の感情が前に出ていると思います。
お気に入りの曲は「情報時代の野蛮人」「こんなもんじゃない」です。
「煙突のある街」はかなり前の作品では?
このアルバムがリリースされた数年前に小山卓治というミュージシャンのアルバムで初めて聴きました。
その時は気付かなかったのですが、後でマーシーの曲と知りビックリした記憶があります。
by DEBDYLAN (2007-05-05 23:46) 

ルースターズ

>DEBDYLAN様
4枚ですよ!コンプっすね(笑

いやいや、SOLD OUTじゃないっすか?(笑
渋谷のHMVもラスト1でしたよ。ボク買った時。

全編に渡って、感情が露わになってる鋭利なアルバムだなって。
そんな風に久しぶりに聴いたら思いました。
その感情が、多くの方のコメントで確信に変わりました。

鋭すぎるのも敬遠しますが、やはり真島昌利だけは別格・・・。
by ルースターズ (2007-05-09 21:46) 

kurohani

BLUEHEARTSは好きでしたがソロは聴いた事が無かったです。今度聴いてみよう。マーシーさんはある映画の試写会場が満席で、お座布団を敷いた通路席に座られてたのを目撃した事があります。映画は完全に忘却しましたが、「マーシーが側に居る!」と言う感動は未だに覚えてます(笑)

蛇足ですがデトロイト・メタル・シティ面白いですよね。
by kurohani (2007-05-09 23:31) 

ルースターズ

>kurohani様
マーシーが隣りで映画を見てるなら。
料金3倍払ってしまうくらい女子な気分。

ね?クラウザーさん?(笑
by ルースターズ (2007-05-11 21:56) 

ブルーハーツとの出会いは小学生でしたが、
親友の女の子がマーシー大好きで中学の時に
発表されたソロ・アルバムを貸してくれました。
今では某大御所アイドルMが自分の曲であるかのように
歌っていますが(たまにTVで見る度に歌っているのが怒!!)、
マーシーの〝アンダルシアに憧れて〟はそんな事実を
宇宙の彼方にブッ飛ばすくらいかっこよくて泣けてきます。
あの声も、ギターも、歌詞の世界観も全てが。

コメントやnice!を頂いたのにご挨拶が遅くなって
申し訳ありません・・・
また来ます。
by (2007-05-13 02:07) 

ルースターズ

>ぞうの国のあるじ様
ぞうの国のあるじ様のBLOG、大変興味深く拝見してます。
たまに、お子様の写真が妙にCUTEで、何をぉ!可愛いじゃねぇーか?!
と嫉妬します。

残念ながら、ボクのBLOGにはあのような必殺の
変化球が無いので、なんか羨ましい(笑

ところが、Mとよっちゃんがですね、
アコギ1本でやるんですが、Mが完全にヨシオに呑まれてですね(笑
そんなアンダルシアに憧れての映像があって。
たのきん下剋上。
ヨシオ派(ザ・グッバイ)のボク的には、最高ですよ(笑

ヨシオ×マーシーでやってくれねぇーかなくらい(笑

http://www.youtube.com/watch?v=Oy7kOP7X ZR4

ちなみにこれっす。
ヨシオの泣きのギターが、たまらないのです・・・。

お口直し

http://www.youtube. com/watch?v=l9Z4Mdyy MuI&mode=related &search=
by ルースターズ (2007-05-13 07:25) 

ルースターズ様

いつもありがとうございます。
見た目オンナノコな息子は今日も怪獣です。

実はその番組も見てました。

よっちゃんをテレ東系で深夜に細々とやっていた
メタル~ロックの番組などで見ていて、
「このヒトがJ事務所だったのかぁ」なんて思っていたら、
よもやのMとの共演!
いつまで経っても歌の巧くならないMに比べて
よっちゃんのギターテクといったら・・・涙

義男×昌利、大賛成ですな~
by (2007-05-13 11:45) 

ルースターズ

>ぞうの国のあるじ様
もうボクも時間が止まった瞬間でした。
上手いギターだなと思って布団に潜ってたら
野村義男。

その後の衝撃は、ご覧の通り。
マーシーならよっちゃんとやってくれそう(笑
by ルースターズ (2007-05-13 13:03) 

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