「勝手にしやがれ×ＴＨＥ ＢＩＲＴＨＤＡＹ」＠恵比寿リキッドルーム [LIVE OR DIE ？]
春の気配著しい日。
赤い椿が落ち、桜が咲く季節はなんとなく厚手のコートが好きな僕にとっては、
なんとなく少し寂しい面持ち。
「勝手にしやがれ×ＴＨＥ ＢＩＲＴＨＤＡＹ」＠恵比寿リキッドルーム
あっという間に膨れ上がった恵比寿リキッドルームのイスに腰掛。
開演前に駆け足で呑んだＢＥＥＲの酔いを楽しみながら、宵を迎える。
帳が降り切った少し暖かい春の日は、Ｔシャツで待つ人々を優しく迎えて。
待ち合わせの時刻、ピッタリ始まったライブ。
当然「ＴＨＥ ＢＩＲＴＨＤＡＹ」
喚声や歓声入り混じり響くフロアの音は、波に翻弄されて。
例えるなら、
ＴＨＥ ＢＩＲＴＨＤＡＹは、「月」で。
欠けることなく、湖畔にもその美しい姿を映す。
猛々しさは、湖畔に吹く真冬の突風のように、観客の感情をさらい。
優しさは、こんな夜の唯一の明かりとして、あたりを薄く照らし。息を飲み込むくらい。
２本のギターは真っ直ぐ湖畔に差し込み。
屈折しながらも、心に真っ直ぐ辿り着く。確実な強い光。
いつのまにか対等になっていた「ハルキ」のその繊細で強引なベースの音は、
射し込む２本のギターが水面を越えて、湖畔の底に、屈折しながら突き抜けても。
必ず一緒に並び流れ、更に２本を引き立てる力強さを孕み。
クハラカズユキは、もはや湖畔に差し込む光を全て受け止めていて。
本当に真冬の月の美しさの様を、体感できる素晴らしいライブでした。
アルバム「Rollers Romantics」とはよく言ったものだと。
そして、少しぼんやりとその美しい真冬の風景にも似た目の前の演奏を眺めながら、
「幾度も目撃したライブだから、さほどはね・・・・・」なんて思ってたのに。
「ＳＴＵＰＩＤ」でチバユウスケが「ＦＵＣＫ ＯＦＦ」ってその一言に。
迂闊にも、鳥肌がゾワッと立ち。
気付けば、第二次ＲＯＳＳＯでイマイアキノブとチバユウスケが並び立つ瞬間を見たのも、
確かリキッドルームで。
あの頃より分りやすく、確かなあのギターの２本の音が、たまらなくカッコよく見えて来て。
あの日は、確かアルバムが出て、￥２０００のチケットでＲＯＳＳＯを見て。
事実上、ＴＭＧＥ解散の後の正式なステージで。
「１０００のタンバリン」を聞いて、鳥肌が立ったもんでしたが。
そんなことを思い出したら、
演奏の途中に笑ってしまう２人の顔を見たりしたら、昔となんとなく懐の奥行きが違うなと。
そんなことを思ったのです。
「勝手にしやがれベイビー」だなんて（笑）
早くて、美しくて。
「ぶっ飛ばすぜ」と有言実行の早いナンバーはあっという間に、
観客を湖畔の底に沈め、「ＳＴＵＰＩＤ」以降は、美しく浮かぶ月の風景を眺める余裕も無く。
ただただ、とめどなく起こる「冬のさざ波」の勢いを感じ。
そして僕らは「ＴＨＥ ＢＩＲＴＨＤＡＹ」の体温を感じながら、次の朝を、夜明けを待つのです。
数分の後、決まって現れた黒い太陽は、真冬の厳しさをそのまま切り裂かず。
雄雄しくファンファーレを鳴らして、朝を迎えるのです。
「勝手にしやがれ」
けたたましい音の隙間に。
あまりにも芸術的な曲芸師のようなタイコで先導、煽動する武藤昭平のリズムが、男達を牽引する。
「ＬＥＴ’Ｓ ＧＥＴ ＬＯＳＴ」以降、魅力的な対バンは、勝手にしやがれの目撃の機会を増やし、
そして、勝手にしやがれ自身が随分とレベル高いものになってる気がします。
正直、小島麻由美との１バン最初の「ＬＥＴ’Ｓ ＧＥＴ ＬＯＳＴ」より、
演奏が激しいのはきっと、想像以上の機会と日々の研鑚が彼らを磨き。
音にうねりと力強さを感じれるような、そんな今の現状を確実に観客に落すような、
期待以上に素晴らしい演奏で、時間を疾走するようになっていました。
あのどうにもならない１つレベルの高いテナーサックスの田浦さんですら、
また１つ上にいた気がします。
素早い展開と差し込む日光のように、次から次へとあたりを照らすような。
酔いどれた夜更けな少し緩い感じよりは、早朝に鳴らす確実な美しさ。
やっぱり「メランコリックデカダンスピエロ」とかはいつ聞いても、
初めて聞いた感動と同じモノがあるなぁ。
「フィラメント」はさすがで。
「この曲聞かずして、帰れるか！！」ってなるし（笑
少しずつ、大切なバンドになってるような気がします。
「勝手にしやがれ×ＴＨＥ ＢＩＲＴＨＤＡＹ」には、似たような空気がありながら全く違う本質がある。
ただ「かっこいい」なんて括りはあまりに安易で、勿体無い。
今日の勝手にしやがれの猛攻は素晴らしかった。
派手さは無いものの、確実で的確で。
今「頂き」を目指して、ただただ高みを目指すような。
「ＬＥＴ’Ｓ ＧＥＴ ＬＯＳＴ」の親交と進行は、毎回そんな過程が如実に感じれて。
今日に至っては、「勝手にしやがれ」の目撃の中でも、僕的にはベストアクトだった。
でも次回は更にいいんだろうなと感じれる「のりしろ」を感じます。
「少し、ＴＨＥ ＢＩＲＴＨＤＡＹの方が格上か」なんて勝手な思い込みは無用で。
最初から比べるレベルには無かったのですね。
だって、「黒い太陽」と「真冬の月」なのですから。
それぞれの美しさとその光の強さは、比べるものではなく、
僕らには、２つは必ず存在しなくてはいけなもので、両方必要なもの。
そういった意味で、僕らは美しい夜明けを見たのかもしれません。
素晴らしいライブだったと素直にそう感じました。
最期に。
このチケットを手配して下った方と、また譲ってくださったお２人に感謝します。
おぉ、行けたんですね。
良かったですね。
「ＦＵＣＫ ＯＦＦ」で鳥肌・・・。
ライブでのあの独特の緊張感にヤラれたいです。
勝手にしやがれ。
次にベンジーを持ってくるあたりも素晴らしいなと。
きっと、去年１２月に見た勝手なんか比べものに
ならない感じがします。
成長でしょうか、進化でしょうか。
by 69☆ok (2007-03-28 10:03)
安易に、
”カッコ良かったーー！！”(笑)
by ひいらぎ (2007-03-28 20:04)
＞６９☆OK様
うーん。「加速」かな。
もともと、素晴らしかったわけだし。
ただねー。客がね。
勝手にしやがれが終わった後に「チバー」ですからね。
アホ過ぎて言葉に出来ないです。
「オマエ何見てたんだよ？！」って感じですよ（笑
客はどんどん鈍くなってる気がします。
by ルースターズ (2007-03-28 21:31)
＞ひいらぎ様
確かにー♪（笑
やっぱりライブは後方。のんびり眺める。もしくは２階（笑
これに限りますね。
アホなヤツが真近にいたら、イライラしてしまうもの。
楽しさ半減になってしまう。
そういった意味で、リキッドルームは扱いづらいが、
楽しく見れたら、狭いし音もいいし、文句は無し！！！
非常にいい感情の波が揺れました。
by ルースターズ (2007-03-28 21:34)
こんばんは
＞｢勝手にしやがれ｣
ピストルズの邦題うをイメージしてしまうなぁ(汗）
沢田ケンジののそれも・・・。
でも沢田さんの昔のって結構いいですよ。
お暇な時に、フリマで（笑）
by (2007-03-29 00:06)
＞hi-lowe様
（笑）
僕はジュリーのシングルはほぼコンプですよ（笑
当然、アナログのベスト盤「ロイヤルストレートフラッシュ」も１・２・３を
持ってますし（笑
タイガースも結構あります。
あのライブの「サティスファクション」なんて、卒倒でした・・・・。
ジュリーは好きなのですよ。それも樹木希林くらい（笑
by ルースターズ (2007-03-29 07:38)
行けたんですね。うらやましいです・・・。でもよかったですね！
ＲＯＳＳＯの時はチバさんと照井さんっていう要素が強くて、まさかBirthdayとしてイマイさんとバンドを続けていくなんて思ってもみなかったです。そして重みがあるＲＯＳＳＯの音と比べてBirthdayの鳴らす音が突き抜けた感じがするのもやっぱりイマイさんの存在が大きいのかなと思ったりします。
ヒライくんは雑誌でいろいろ評価されてますよね。あの轟音バンド「てるる．．．」の元ベーシストならきっと。
かなり良いライブを見逃してしまったのがホントに残念。学生は厳しいのです（笑）。
っていうかベンジーの次が椿屋！！うわぁ・・・・。
手が震えました。
これは行かなくては！
by (2007-03-29 16:51)
こんばんにゃ～、ふにゃふにゃ～。
ＴＢ＆米、ありがとうございました。
まったくありがたくないでしょうが、こちらも５分で書き殴った駄文をＴＢさせていただきます。どうぞ、よしなに。
by 江東イズル (2007-03-30 01:00)
＞アコ様
うんうん。確かに、イマイさんと合うとは少し考えにくかったけど。
でも、今の感じはやっぱりイマイさんとが合いますよね。
突き抜けてます。少し混在させながらの音の構成は、
シンプルなんだけど、よく聞くと緻密みたいな。
あのベースのハルキがいいなぁと感じるようになってからは、
本当に単純な８ビートじゃない。そんな印象です。
ぐるぐるしたベースです。
僕が学生の頃は、毎日の様にライブ行ってたよ（笑
学生の時は、細かいのあわせたら年間１００くらい行ってたときもあったよ（笑
今しかないと思った２１の時と、同じだもんな。
いいのか悪いのか（笑
by ルースターズ (2007-03-31 09:29)
＞江東イズル 様
ＴＢありがとうです。
やっぱり、良かったなー。
武藤昭平。
なんで、あんなにタイコ叩くだけなのに、職人みたく見えるんだろう（笑
by ルースターズ (2007-03-31 09:49)