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THE BIRTHDAY @ZEPP TOKYO [LIVE OR DIE ?]

2時間前。
物販を求める長蛇を上から眺めながら。
ファーストキッチンで買ったBEER。
カップを握る右手を寒波に殺られながら、胃に流し込み。
他愛も無い話を、その日晴れて友達になったあの娘と繰り広げながら。
まだ観てないライブへの期待と、次のライブへの希望の話をしていた2月2日。

15年前のこの日、僕の母校になる中学の受験の合否にハラハラしながら、
夜を越えたあの日から、15年。
僕の眼下にはZEPP東京があり、数ヶ月ぶりの目撃は、「Rollers Romantics Tour」のファイナル
という形で、幕を閉じる。

満腹に飲み込んだ、お台場の観覧車の下の混沌は2階席から眺めていても、強烈なものだった。


(※画像は、多分オリコン)

銀河までの最速・最短距離。
THE BIRTHDAYが、アルバムとシングル3枚。初めてのレコ発を終える。

あれだけ、広いステージの上にも関わらず。
組まれたセットは単純で簡単なもので。

「シェルターでやってるんじゃねーのか?!」と思うくらい、
緊密に組まれたアンプと互いの幅は、濃密な時間を組み立てる最小限の設計図で。

それを、ミルキィーウェイのような冬の星の満天を模す照明が、
待ち合わせから10分遅れキラキラと輝き。
そして、うっすらと「THE BIRTHDAY」の文字が浮かぶ。

4人のシルエットは、顔やその服装が分らずとも容易に理解できて。
その気だるそうな歩みの男は、センターに立ち、「ハロー!!ボーイズ!!」の掛け声と共に、
他の3人とフロアに一気に火をつけた。

一気に燃え上がるフロアは、期待という名のGASで充満していたわけで、
着火されてしまえば、あとは燃え尽きるまでぶっ飛ぶだけ。

時々の照明で、クハラカズユキの10倍はデカい影が、ZEPPの壁に焼け付く。
その動きはやけに滑らかで。
タイコは、稲妻のような気高い音で響き。内臓を突き刺し。

イマイアキノブのギターは雄弁で。
今のやりたいこと、チバユウスケの世界を表現するには、優しく柔らかく。
「白い蛇と灯台」に代表されるうねりは、小さな美しい物語を演出するには、
重要なギターのさざ波で。

ハルキのベースは何時の間にか、並行を許されたかのように、力強いものだったし、
UNITで観たものCOASTで観たものとは別モノだった。

大体、THE BIRTHDAYを愛する人間は、随分と脱皮を繰り返し。
彼らを一番に愛する人間だけが増えた気がする。

世代間で聞く、支持する音楽が変わってきたからなんだなと実感することを、僕も感じていて。
彼らもまた、「R&R」で呼吸するならば、この場所しかないと確信してるのかもしれない。

昨晩の物語。
正直、最初から「完璧!」と思ってた訳じゃない。
途中、「KIKI THE PIXY」で完全に流れとスイッチが入れ替わった気がする。
ただ8ビートに心酔したいわけじゃない。
早いスピードの混沌よりも、ミディアムな楽曲で世界を表現することも選択肢にいれる
バンドにおいて、若干の気持の入り方にムラがあって。

僕は、ミデイなものを望んだばっかりに。
序盤の早いシングルの楽曲には順応しきれず、
イマイさんのギターと自分の気持のチューニングが合わずにいたのに、
「KIKI THE PIXY」で、チャンネルが合致したばっかりに、
その後は、ローラーコースターへの乗車を許されて。

僕の気持がグルグルと回り。
「白い蛇と灯台」(前編・後編フルバージョン)の美しさに心抜かれた。
小さな絵本の物語は、トラブルでギターを置き、マイクロフォンを握りしめた、
久方に観る男の歌だけを奏でる姿に、なぜか気持掴まれて。
その世界を愛したことを、嬉しく思った。

序盤から、手抜き無しに吼えるチバユウスケの声を、
「これが2時間持つのか?」とそう思ってしまうほど、低い声を囁かず。
吼え叫ぶ姿にドキドキしながら。
同時に、彼らのステージは、その瞬間しかパックされないCDやスタジオ録音とは違う。
1回1回のステージの方が遥かに力に満ち溢れ。そして指向を凝らした風景を魅せつける。

そしてなにより、MIDNIGHT BANKROBBERSのおそらく「BABY HONEY BEE」
あの1曲だけで、来た甲斐があった。

「DO THE BOOGIE」+「I’M A KING BEE」そして、「ビールスカプセル」。
ルースターズを模した、完璧な21世紀スタイル。
雄鶏はとうに飛び立ち、その世界は遥か遠くへ。
今は、ルースターたちは、昔の姿を捨てたわけだけど。

でも僕らは今でさえも、その姿を愛してるわけだけど。
あのチバユウスケがやりきったあのスタイルは、本当に素晴らしかった。
正直、震えた。
兼ねてから、愛して止まないバンドにルースターズを上げていた男。
トリビュートよりもトリビュートなあの楽曲に、もうどうにもならなかった。
最近で一番興奮した気持ち。
あの曲だけでもいいから、爆音で真空パックしたかった(笑)

そんな男達のステージを、2時間強眺めながら。
緩急自在の楽曲を織り交ぜながら。
「ROLL」している音の洪水に心流されながら。

煮立ったフロアの温度が、上に熱気として上昇して、
涼しかった場所はいつしか、灼熱の狂乱となっていた。

時々、獅子の如く。
小さな可愛らしい娘さんを抱き抱えた中村達也が、ZEPPのステージを見つめている姿を見た。
同じ時代を生き抜く、孤高の積み重ねから唯一無二の存在となったあのタイコ叩きには、
この日のステージがどう映ったのだろうと、今愛して止まない男との視線の先。
同じステージを眺める妙な喜びは、
中村達也自身のステージを、兼ねてから観たいという気持ちを増幅させるもので。
と、・・・・・話は逸れたが。

僕は帰り道に揺られながら、ミッシェルガンエレファントには表現出来ないだろうなと、
正直、昔には想像もつかない今のこのバンドの世界を想いながら、
今のメンバーに賛辞を送りたい。

時代と時間は変わっても、不変的なものがあって。
それがROCK ’N’ ROLLだと思う。

フラッシュの焚かれるステージを眺めながら、感情混濁。
数多くの新曲もあった。
あれだけの曲を組み上げる進化のスピードは今、あのバンドの内在が充実している証拠だと。
そう思う。

今度はいつだ。
僕の誕生日はいつだ。
MCをしながら少し笑うチバユウスケを観たら。
やっぱり、この空間は僕にとってこれからも続く「ROLL」な時間だとそう実感した。


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コメント 24

maco

こんにちは。
チケット取れずに行けませんでした。(がっかり)
レビュー読んでいいステージだったことを心の底からかみしめてます。
"白い蛇と灯台"前編後編アンコールだったそうですね。
聴きたかったです・・・。
by maco (2007-02-03 15:18) 

お疲れさまでした。そして素晴らしいレポートありがとうございます。
チケットもケーブルテレビも持たない私にとってこのレポートがどれだけ楽しみだったか・・・・!(しみじみ)
昨年からのツアーも昨日でファイナルを迎えたわけですが、最後にふさわしいステージだったようで。やっぱりチバさんはライブじゃなきゃ。ライブじゃなきゃチバさんじゃないって感じですよね。
by (2007-02-03 20:08) 

むうさん

きょうの記事とは関係がないですが、
小島麻由美、届いたので早速ウォークマンに録音し、
きょうのランニングで聞いてみました。
意外に思われるかもしれませんが、
いいんです。「ずんちゃ」という感じが。
長くゆっくり走るときのBGMにします。
by むうさん (2007-02-03 21:08) 

江東イズル

ルースターズさま、こんばんは!

いいなぁ!おうらやましい!!
02・02のZEPPは、わたしが一等いきたかったライヴです。
早速イイコトがあったじゃないですか!

……先ほど、「海賊」のほうの前後編の記事をTBしましたところ、後編の『極楽篇』のみTBできませんでした。
(なんでもNGワードにひっかかったとか?)

そんな事情で、中途半端な記事になってしまい、すみません。
(興味をもっていただけたかたは、「海賊」の「06・11・15極楽篇」をのぞいてみてください)
by 江東イズル (2007-02-03 21:35) 

NO NAME

この画像ってスマッシングマグっすか????
by NO NAME (2007-02-03 22:22) 

ルースターズ

>maco様
ハレルヤもそうでしたが、やっぱりステキです。
緩い曲を、時々の感情でいかようにも出来る、
変幻自在になった理由は、やっぱりチバさんがギターを
弾いて歌うようになったからだと。
そう感じました。
by ルースターズ (2007-02-03 22:32) 

ルースターズ

>アコ様
前にも書いたけど、凄く自由というか。
当然楽曲で枠はあるんだけど。
毎回きっと違うんだろうなぁーって思ってしまうバンドになってました。

すげぇーっすよ。
どっからでも攻撃してきます。
このバンドは。
by ルースターズ (2007-02-03 22:33) 

ルースターズ

>むうさん様
BIRTHDAYをブチこんでみてください。
ペースを保てなくなりますよ(笑
by ルースターズ (2007-02-03 22:34) 

ルースターズ

>江東イズル様
イイコトって(笑)
まぁ、チケットはどうも取れるようになってるので、
リキッドもなんとかなるはず。

僕のつーかやっぱりスパムが多くて、
Y談な単語やらは当然弾きます。

拝見しに参ります。
TBありがとうございます。
by ルースターズ (2007-02-03 22:36) 

ルースターズ

>NO NAME様
あ!書いてないっすね。
加筆しなおしますが、相変わらずこのあたりの画像は、
無駄転用なんで、キワキワOUTですが。つーかアウトですね(笑)
基本的に。

この画像、「AX」の時のヤツで。
多分、オリコンから引っ張ったヤツだと思います。
おそらく。

スマッシングマグは、愛あるサイトでやっぱりすげぇサイトなんで、
あそこからは引っ張ってこないようにしてます。
by ルースターズ (2007-02-03 22:40) 

もり侍

濃い感想、お疲れ様です。
そして、滅茶苦茶羨ましいです。
チバさんがギターを握らず歌に徹するとか興奮モノですね。
想像しただけで、もうノックダウンです。

空が近いと叫んでいたあの頃。
今はもう大気圏、もしくは宇宙ですか。
どちらにせよ、The Birthdayという馬鹿デカイ鳥は自由に飛び回っていますね。
by もり侍 (2007-02-03 23:18) 

江東イズル

>ルースターズさま
たびたびすみません。

>チケットはどうも取れるようになっているので。
えぇぇぇ!?これまた、さらにおうらやましい!!
ぜひ、その秘伝をご教授ください!!(←厚かましスギ)

>Y談な単語
アレェ?おっかしいなぁ???
この記事には、C調なコトは書いてませんよう!
でもやっぱり、のっけからバタイユ卿ってのが、マズかったかなぁ?
ココ(TBの冒頭)だけみたら、「なんじゃコリャ?」ですよね。
by 江東イズル (2007-02-03 23:58) 

ルースターズ

>もり侍くん
あれだけ、猛烈だった象でさえ、今の自由に比べれば
檻の中にいるようです。

それはアベさんのギターの縛りでもなくて。
単純に象も誕生日も、チバユウスケが組み上げてる世界なのだから、
チバユウスケ自身が、音を出し声を出したら、
それは理想的な彼の世界なんでしょうね。

でも、アベさんのイベントに行くと大抵チバさんはいるし、
凄く「俺達は離れてもファミリーだ」と言ってた感じがなんとなくわかります。

僕はアベさんの音が聴きたい。
大江さんとのタワレコ以来、CARRIEも終わってたし、
アベさんの音を聴いていない。
あのギターは、単独では生きられない。
早く、誰かあのギターを喰えるフロントを要して欲しいです。

あれだけ、見た象がやっぱり好きなのは、アベさんがいるから。
僕の今の人生で足りないものは、あのテレキャスター。
by ルースターズ (2007-02-04 08:20) 

ルースターズ

>江東イズル様
でも営利じゃないTBはなんでも受け入れるので。
たまたま何かが引っかかってるんでしょうね。

チケットは、どうしても行きたい!と思う気持ちが一番大切ですよ。
by ルースターズ (2007-02-04 08:21) 

黒猫

視力だけでなく、文才ありすぎなんですけど~(泣)
もういちどクリアにあの空間が見えました☆
by 黒猫 (2007-02-04 21:58) 

69★ok

しつこくこっちにもコメント(笑)
前半はただ圧倒してしまって音にノルってよりも
ただ聴き入る状態でした。
今のチバユウスケがどんな顔して鳴らしてるの見たくて
前のバカでかい男の隙間を縫って垣間見てましたが。

MIDNIGHT BANKROBBERSのあの曲。
やっぱりアルバムに入ってましたか。
by 69★ok (2007-02-05 01:40) 

ルースターズ

>ニャンキー様
(笑)視力はね。かなりいいよ。

文才はそんなでもねぇーっすよ。
時々、こんなもんしか書けないんかねとイライラしますが(笑
まぁでも、友達にそう言って頂けると嬉しいです。

知ってのとおり冒頭の娘さんのことは、ニャンキーさんのことです(笑)

今回は思った事を完全に書けず、なんとも言えない気分ですが、
アクセス数だけは一丁前です。

この場を借りて、来てくれた人、ごみんに。
by ルースターズ (2007-02-05 21:41) 

ルースターズ

>69☆OK様
最初どうにもならないなと少しためらいもあったけど、
合致しちゃえば落ちるだけです。
急降下。

感情ゼロ。

相変わらず、MIDNIGHT BANKROBBERSのCDは入手できてないけど(笑
by ルースターズ (2007-02-05 21:46) 

TBM

会場には行けなかったけど、MUSIC ON TVの中継を見ました。
かなり熱いLIVEだった様子。
先日行かれた「勝手にしやがれ」も生中継でしたよね。
生中継2連発(笑)。
さて、私の行った昨年12月のLIVEとは構成が違ってたような気が。
もう1度聞きたかった、ラストに演奏されたスローな曲が
なかったのがちょっと残念...
さてさて、いよいよ3月にフリクションが関西初登場!
楽しみです!!
by TBM (2007-02-06 00:12) 

ルースターズ

>TBM様
生中継ってステキ(笑)チケット代考えたら、ソッチの方がいいのかな(笑

白い蛇と灯台ですね。
前編後編一気にやるのは、この日だけだったようです。

FRICTION!!
行こうと想いましたよ、西に(笑)
一刀両断されてきてください・・・・。
by ルースターズ (2007-02-06 08:06) 

くらん

書けるうちに書く象!!!w

いつも思うんですが、るーすたーさんの書くものは
とっても“そのとき感"が伝わってきて、
なんだか見に行ってるみたいな気分になるんです(T_T)
もっともっと私に音楽をください
あなたの書く言葉の音楽を
なんつって
私もアベさんのが聴きたいです
by くらん (2007-02-12 21:34) 

ルースターズ

>くらん様
「言葉の音楽」って素敵な言葉をありがとう。

百聞は一見にしかずなんですがね。
それでも書くのは、この感動を自分がどれだけ言葉に起せるか?!
って自分へのテストです。

配信してるという感覚より、自分にテストな感じです。
読書感想文より、作文が好きでした。
原稿用紙の升目が好きでした。
だから、今もこうやって作文を書きたいと思うんだとも想います。

ROLLって凄くいいです。
ROCKじゃなくて、ROLL。
by ルースターズ (2007-02-13 14:23) 

くらん

私もROCKじゃなくてROLLがいいです
百聞は一見にしかず、その通りで♪
by くらん (2007-02-20 00:06) 

ルースターズ

>くらん様
ROLLですよ。
転がる方が美しいです。

転がって光って。
それが素敵なのですよね。
by ルースターズ (2007-02-22 18:40) 

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