TOUCH-ME@初台DOORS [LIVE OR DIE ?]
遠藤ミチロウが哭く。
金切り声よりも静かにとうとうと、哭く。
「遠藤ミチロウって誰?」
たわけた言葉が近くで聞こえた。
若いヤツらのつまらない会話が僕の周りに、汚く立ち込めた。
乾いたギターに異質とも言うべく、僕にとってミチロウでしか聴いたことのない哭く声。
あの声が響くと、「あぁ・・・」ってミチロウの空間に迷い込んだことを痛切に感じる。
ミチロウは時々「フッ」と笑う。
一曲一曲終わると、丁寧に「ありがとう」って。
そう僕らに話し掛ける。僕らが言いたいくらいなのに。
中村達也のタイコなんて、不安も微塵もない。
あの人がステージにいるってことは、ドラムに期待してドキドキを抑え切れないのは常。
でも、ブランキーでの時間の中で、中村達也のドラムはあまりにも大きくなりすぎた。
デカさも速さも規格外になってしまった。
結局、彼は泳ぐ場所を無くしてしまったようにも感じた。
一緒に大きくなってきた盟友との別れ。
彼が創り上げた地図の上。
ロザリオスは、いつ見ても、ど真ん中に中村達也がいて。
それを追いかける音楽のように聞こえるから、ロザリオス、中村達也は凄い。
タイコがど真ん中という事実。
実際、セッションという形でなければ、本質が出てこない時間が、
僕らにとっても中村達也の本質を捉える時間だったとそう思う。
セッションを聴いて初めて感じる、中村達也の凄さ。
もう想像を絶する。
ピットインで、興奮したことを忘れない。
そんな規格外の男が辿り着いた場所こそ、遠藤ミチロウという昔、交わった海。
アコースティックで遠藤ミチロウが弾く空間は、中村達也にとって、
見ているコッチが、羨ましさすら感じるほど泳ぎやすい空間、自由を感じる音楽。
ミチロウが「達也は、機械のように疲れることを知らないドラム」そう称したタイコは、
20年以上の時間が経っても、変わらずと笑った。
そんなタイコがいたずらに、自由に舞う。
綺麗に≒45°を描くスティックの弧は、踊るように音を生み出し。
ギターのピックが欠ける瞬間が見えるくらい、とても近くでギターを弾くミチロウの姿。
弦が1本2本と切れて。
綺麗な蜘蛛の糸のようにギターから垂れる。
徐々に色を変えていくTシャツの色。
そして響く哭く声。
初台の夜は、外の寒さとは違って静かに、そして確実に熱かった。
55歳の誕生日。
本当に55歳なの?って思うくらいの出で立ち。
演奏が始まると、おそらく達也のタイコをブランキーのようだと勘違いしたKIDSが、
後ろから飛び込んできた。
彼はまったくリズムがつかめず、どこかに消えてしまった。
中村達也しか凝視しない、僕より明らかに若い多くの人々。
なにか違ったものを期待した人々。
僕は、TOUCH-MEを観たのは二度目だった。
明らかに下北沢で見た時より良かった。
あの二人が、長い時間を別々に過ごして。
再び交わったあの音楽は、果てしなく深い。
そこに、PUNKとかR&Rとか、BLUESとかJAZZとか。
そんなんじゃない深い世界が広がってる。
遠藤ミチロウと中村達也。
僕が初めて2人がやると知った時は、凄くドキドキした。
(確か、飛行機で2人が偶然逢って。セッションしようとなったとか言ってた気がする。)
ドキドキを裏切られたことは無い。
TOUCH-MEは今の2人にとって、細く長くやりたいものだと、ミチロウが言った。
僕は、ミチロウのあの哭く声が堪らない。
その後ろで中村達也がタイコを叩く事実だけ。
それが、曲がりようも無いTOUCH-MEの本質なような気がします。
とにもかくにも、遠藤ミチロウ様。
素敵な夜をありがとうございます。
そして、誕生日おめでとうございました。
行って来たかこんにゃろめ!
悔しいぜ!!!
ま、そのうちだ。
by dropkick (2005-11-17 00:13)
すげえ!いいもん観たな(笑)
ホンモノだよ。55歳かぁ・・・俺たちまだまだ若輩者よのう・・・。
そんな時、僕はKen Yokoyamaを聴きながらまだ仕事中だったりするのだ!ちくしょう!(笑)
by ローリー (2005-11-17 00:15)
仕事飲みで行けなかったっす…
30歳でパンク・バンドを始めた男だもんなあ。
久々に観たかったぜ。
でも、未だに勘違いコゾーっているんすね(笑)。
なんて罪なバンドなんだ。ブランキー。
ではでは。
by hanao (2005-11-17 01:09)
ああ、ひさしぶりにスターリンが聴きたくなってきました。
55歳って。
年齢とか人間が勝手に決めた指標でロックには関係ないんすスね★
by (2005-11-17 06:17)
>TETSUYA様
兄貴のINFOのおかげ(笑)
楽しんできました。
次回は是非!!
by ルースターズ (2005-11-17 12:20)
>ローリー様
初台DOORSって、ドリンク¥300なんすよ!!
いやぁ、すげぇっす。
でも飲む隙間がなくて、全然飲んでないです・・・。
MJQの方が、頻繁なんで、またDOORSで飲みながら見れそうです。
55歳。5夜連続。
GO-GO-GO!!ってなタイトルでした(笑)
一生に一度(笑
by ルースターズ (2005-11-17 12:26)
>hanaoさん
がっかりでしたよ。ミチロウって誰?って(笑)
オマエ何しにきたの?って(笑)
でも凄く良かった。
飲んでる場合じゃないですよ・・・。
次は、テツヤ兄貴、ローリー様、HANAO様
野音以来の会合を期待!!
by ルースターズ (2005-11-17 12:28)
>バームクーヘン様
ハロー!GOOもチョコチョコ見させていただいてます。
そそ。
年齢とか、プロセスとか。
確実に積み重なる年輪のように。
2人がたまらなくかっこよかったことだけは、事実。
良かったよ。
楽曲はほぼスターリンだけど、まったく違う世界・・・。
KOOL!!
by ルースターズ (2005-11-17 12:30)
TOUCH-ME、やってたんですね。
見たかったな。
MJQに行こうかな。
by TBM (2005-11-17 23:43)
>TBM様
僕も未見です。
すんごく見たくなりました。
来年は、RECK。山口冨士夫は絶対行こうと心に決めました。
by ルースターズ (2005-11-18 13:04)
タツヤ愛してるぅ~~ってほど、好きでした。
今は、タツヤ、年とったねってそんな感じ。
今は、昔の恋人に会った感じで照れくさい・・・
あはは。
by Melody (2005-11-22 22:39)
>メロディー様
なんとなくわかるな(笑)
昔の恋人に会う感じ(笑
by ルースターズ (2005-11-22 23:57)
以前お邪魔しましたvildです。
僕は三重県四日市に住んでるんですが、ツアーでミチロウ様が来てくださったときのあの衝撃は忘れられません。アコギ一本でステージの上にいる。それだけでもう鳥肌モノでした。最後に「仰げば尊し」でシメてくださったんですけど、そのラスト部分のところで、ギターの弦が使命を終えたようにブチブチと切れ始め、結局最後は弦一本だけ残っていました。演出でも何でもない、これが遠藤ミチロウなんだ!と思うほどのステージでした。あ~握手してもらえばよかった(>_<。)
by (2005-12-13 11:37)
>vild 様
その後、お元気でしょうか?この画像で絶対に忘れる事はないと思います(笑
今でも大抵「仰げば尊し」で〆ますね。
ギターが呼吸して、全速だったり、ゆるりだったりその緩急が、
ギターが生き物のように感じる瞬間をくれますよね。
特にミチロウさんですから・・・。
四日市。あのR&R魔人、ガンちゃんがいるとこか・・・(笑)
by ルースターズ (2005-12-14 17:50)
1年以上も経ってからのコメントですみません。一昨日、ミチロウのライブ(ソロですが)行ってきました。大変素晴らしかったです、というかすごかったです。
by pa_cha_si (2007-05-28 23:21)
>pa_cha_si 様
時間の経過は関係ないですよ♪
それがR&Rだから、時間の経過はあってないようなもの。
想像出来ます。共感できます。
だって、遠藤ミチロウなんですから。
by ルースターズ (2007-05-29 08:27)
先週、初TOUCH-MEを見てきました。達也さん目当てで行ったのに、ミチロウさんにやられました。原爆のエディさんが登場したりして、何か、すごいいいもんを見たです。
ワタクシの自慢は、ミチロウさんと誕生日が同じってこと(笑)
by ももこ (2009-06-21 22:38)
>ももこ様
TOURやってるんですよね!
見たいなぁ久し振りに・・・・。
やっぱりRECKさんにしろミチロウさんにしろ。
先駆者は偉大だし、空気が違う。
達也さんが喰われてるときなんて、
なかなか見られないし(笑
ミチロウ氏と同じ誕生日!!
ボクはねぇーエディコクラン。
わかりにくいでしょ?(笑
by クロイチ (2009-06-22 08:39)