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武相荘 @東京都町田市 [君にTRAVELを!]

一般的な盆暮れ正月の日々からの脱輪。

両家挨拶回りなど。
年に1度ぐらいしかないことだから、
休みたい身体をえっちらと動かし、
正月の貴重な休みを消費。

2日には、働いていたわけでですから、正月の実感なぞなし。

それもまた仕方なしと想うのだが、
なんかイライラして仕方がないのも事実。

こういう時は、非日常のドキドキを必要とするのが万薬。
以前から熱望していた、町田市鶴川へ。

ここには、憧れの男「白洲次郎」の邸宅が存在するのです。
「武相荘」
武蔵と相模の境目、無愛想で「武相荘」

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興味のない友達を強引に誘い。
新宿から意外と近かった鶴川まで。

ダラダラと駅からの道のりを味わいながら。

小学生以下の入館不可というルール。
四ヶ月の娘は、当然咎めなしに入館ですが(笑

うちの娘、こういう場所に行くとどんなに寝てても、
入館直前に起きるのです。これ不思議。

児童の散らかった感じは確かに、不似合いではありますが、
大人のデカイ独り言もどうかと思う場面が、チラホラ・・・・・。

昔に買った「別冊太陽」を見返しても、随分と変わった印象。
住居から博品館に変わった空気は否めないのですが、
広く公開するという趣旨故、随所に残る微かな空気と心遣いに。
何か美意識を感じるのも確かです。

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坂をあがり、次郎のジーパン姿の大きな肖像にいろり。
昔ガレージだった建物は、休憩場所になり。
現代では見られない暖を纏う空間になっていました。

門の傍らには椿が、水面に漂い。
侘びさび。

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母屋は、土足厳禁でありながら。
床がタイルなことに気付きます。

わらぶき屋根の古民家でありながらも、
土間である場所はくつろぎの空間であり。
立ち上るラッキーストライクか両切りのピースの香りが、
縦横無尽の漂ったであろう残像の想像を掻き立てるような。

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縁側はどこか懐かしく。
展示されてる品々から、話した妻と印象は。

生活の中に気品を持たすためには、良質の器かもと。
そう感じてしまうぐらいの、佇まい。

着物端切れであっても、そこに残る想い出や
直感で良しと思ったその模様からは、
何か新しい価値観の創生や気付きのような心地になります。

そして打掛の見事さには、初めて着物に心奪われました。

書斎の本棚は、そこが白洲家ではなくても。
他者のレコード棚や本棚が愉快に感じてしまうように。
例外もなくじっくりじっくりそのタイトルを眺めてしまいます。

主をなくしている本の集合体は1つの作品のように。
壁を文字で染めていて。
美しいと感じてしまうほどです。

一般の人々が、白洲家と同じような空気に包まれて
生活していくことは難しいとは思いながらも。
突拍子もなく、統一されたように感じるのは、
美意識や趣向が横には伸びず縦に伸びている感覚を感じました。

本棚にもたくさんの器や焼き物の本がありました。
その多種多岐な存在の中で、自分の生活に合う器を探求し、
また追求した片鱗がうかがえます。

高価なものが良質ではなくて、
色んなものを試し、たどり着いたんだろうなと。
そう感じます。

確かに高価で良質なものも多いのは事実ですが。
白洲次郎のみならず、白洲正子の探求心に胸撃たれた心地です。
古典美には興味が沸かなくても、その古典美の本質的な美しさは
十分に感じれる空間ではありました。

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個人的には、見たかった次郎が輸入したマッカラン。
そしてエルメスのキーホルダーなど、次郎の愛用の品が少しだけでしたが
垣間見れただけでも満足。
次郎が作った数々の日曜大工の品々も。

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「太陽」で見た写真とは、随分と景色が変わっていて。
少し商業的に感じてしまう部分が当然にあって。
ただ、そこに転がるような品々は、どこの農家にもありそうな物も多く。
生活の場だったわけで。

次郎の生き方は、鶴川で隠居していた時の。
隠した鞘に納まる鋭利を隠し研ぎながらも、穏やかな日常だったことを
感じれる、そんな転がる品々からの匂い。

そして、戦後の猛烈な突風のような知られる白洲次郎の生き方も、
また同じ白洲次郎で。

いずれにせよ、正直に生きることの必要さと意味を噛む。

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白洲次郎と言うのは、活字から見える凄さやオーラでは物足りない。
写真1枚で。
持ち物の写真だけで、これは只者では無いという気持ちになってしまう。

ベントレーなどの希少価値の高い車の話だけじゃない。

ツイードにしたって、スコッチにしたって。
なんにしたってであって。

とにかく、「太陽」を見たときに呆気にとられた感覚は
未だに残ってる。

こんな男がいたのかと。
そういう気持ちになったこととか。

ただ行くのではなく、少しでも白洲次郎を学んでから。
この武相荘の白洲正子の隙間にある白洲次郎の生活痕は、
なんとも言えない格別さが残る。

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コメント 12

kurohani

白州次郎と正子、夫婦揃ってかっこ良いですね。本当のお坊っちゃまとお嬢様って過激。
by kurohani (2010-01-11 21:22) 

柴犬陸

一度行ってみたい場所です。
>ただ行くのではなく、少しでも白洲次郎を学んでから。
本当にそうですね。
by 柴犬陸 (2010-01-11 23:52) 

ぶっさん

鶴川はうちから車だと近いのに、知らなかったな。川崎は岡本太郎もあるし、そういう時間も大切だなぁって思う御年頃になりました。ただいま、職場の人からよく絵本を勧められています。
by ぶっさん (2010-01-12 01:28) 

チヨロギ

ついに行かれたのですねー。
白洲次郎もかっこいいけど、あの家では正子の審美眼にため息が出ました。
古民家かと思えば、タイルの下が床暖房になっているのにもびっくり。
ただ、家にくらべてショップの内容はイマイチだったような。
ポストカードとか写真集とか、腕のいいカメラマンが撮ってくれたらなぁと思うのですが。
なーんて、贅沢かしら。
by チヨロギ (2010-01-12 01:42) 

ひでくん

勉強不足で名前程度しか存じ上げませんでした。
思わずWikiで確認しました。
鶴川にですねぇ。
鶴川は贔屓にしているラーメン屋一軒とTBSの緑山スタジオぐらいしか縁がなかった所です。
このスレッドを一つのきっかけにしてみたいと想います。


by ひでくん (2010-01-12 23:53) 

サァファイヤ

今、この時に白洲次郎がいてくれたら、と思うのは、私だけでしょうか?
芯の通った次郎の生き方に憧れます。
by サァファイヤ (2010-01-13 21:17) 

ルースターズ

>kurohani様
まさに。
本当のお嬢様とおぼっちゃんはスケールが違う・・・・。
何より度胸がね(笑
by ルースターズ (2010-01-26 23:59) 

ルースターズ

>柴犬陸様
ボクも熱望してただけに。
期待大で行きましたが、十分満足です。
そんな場所ですよ♪
by ルースターズ (2010-01-27 00:03) 

ルースターズ

>ぶっさん
アンタは一度行くべきっ!!!
by ルースターズ (2010-01-27 00:05) 

ルースターズ

>チヨロギ様
思えば、チヨロギ様のBLOGで知って以降の
念願でした!
ボクはPLAY FAST Tシャツを即購入でしたけど(笑

ポストカードもいまいち・・・・・確かに。
特にグッズは、もっと次郎次郎してても。
また正子正子しててもいいのになぁって思いました。

未だにもう1枚買うべきだったな、PLAY FASTと
想ってしまうほど気に入っています!
by ルースターズ (2010-01-27 00:08) 

ルースターズ

>ひでくん様
是非!おっさんやおばはんになる前に体感しておくと。
また一味違うおっさんおばはんになれます、きっと。

そのラーメン屋って。
いや、気になるとこ一軒あったんっすよねー。
by ルースターズ (2010-01-27 00:10) 

ルースターズ

>サァファイヤ様
くっだらねぇ答弁に時間割いて。
のらりくらいしやがって。
このクソ!みたいな国会中継にね(苦笑

児童虐待で死んでる子がいる。
くだらねぇ質問してねぇで、児童相談所に
強制的に子ども保護を出来る権限をくれてやれよ。
献金がどうのとかさ。
人の命関係ないのに。

人命に。
子どもの命にかかわることから法整備しろっつーんだ。
by ルースターズ (2010-01-27 00:13) 

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