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植田ひとみ 「蜃気楼」 [君にREALを!(音楽編)]

「ジャケ買い」
塩化ビニールな世界にとっては、誰もが一度は通る。
極当たり前な日常で。
宝くじよりは確率が高い(人に依るが・・・・)

ただ冒険出来る値段もまた、個人差があるわけですが。
時々やりたくなる冒険。

個人的には、過去のジャケ買いの戦績は悪くない方だと思うけど。
先日幾つかのレコードをまとめて買いまして。
安かったので。

まぁ、ジャケがボクを呼んだので、抱えて帰りました。
プレイヤーも無いのに、つまりは聴けないのに、バスの中でライナーを眺めたりします。
妻には、そういう行為は彼女の常識的には無いことのようですが、
まるで子供が我慢出来ず、おもちゃのパッケージを開けてしまうようだと笑われます。
そういうドキドキはジャケ買いしたときに限定されることじゃないんですがね(笑)

幾つかの予備知識は、すべて跳ね返され。
情報&視界「0」のまま、買うのは久しぶりでした。

まったくわからない世界のLPには正直、悪夢のような出来事が山のようにあります。
売れないし、売れてもホントにタバコはおろか、缶コーヒーも買えない。
こんなクソレコードは、フリスビーにしかならーん!!みたいなのが。
ただ飛んだとこで、なんの意味も無いんですがね(笑)

長くなりましたが。
今回ジャケ買いで買ったのが、

植田ひとみ 「蜃気楼」

例えば、先ほど宝くじと称しましたが。
1億円クラスです。

音、声、詞、曲。
先に、ハルヲフォンの記事で編曲は天才の仕事だといいましたが、
「山木幸三郎」完璧です。
浅川マキの仕事もしてた方なんですね。
JAZZ畑の人に編曲を任せるって凄い。冒険なのかも。
しかしながら、凄い。
こういうこと歌謡曲・ブルース・ジャズの真ん中。
キワキワの作曲編曲。
決して、緩くせず。緩急の果てのこの重ね方。
丁寧で大胆。

宇崎竜童も作詞・作曲で3曲。
1976年、山口百恵の「横須賀ストーリー」を世の中にDROPしたのがこの年。

この頃の宇崎竜童は、ブギウギバンドの傍ら。
メジャーシーンにおいてもブスブスとその才能をくすませながら、
有り余る天才的なセンスを、商業ベースとアングラベース両方に兼ね備えていた。
正直、こんな男はいない。
彼が最初で最後だと思う。
しかしながら個人的には、ダウンタウンブギウギバンドの「サクセス」前後は、
もはやR&Rではなく、歌謡曲だと認識してるので。今も同じかといわれれば、
まるで違う評価にはなるが。

夏木マリが小西康陽と出会って。
凄まじいアルバムを数枚この世界に落としましたが、
正直、それぐらいのレベル。
音の組み方が瞬間では非常に類似してると感じるけど、
正直このレコードが1976年に世の中に出て。
まったくネームバリューの利かない世界からの産物なのだから、
このレコードの方が個人的には価値はおろか、評価と思い入れは大きい。

石川セリの「気まぐれ」を聴いてて。
そういや、あっちも聞いてみようみたいな感じになり。
レコードに針を落として。
一閃。

「何が起きたかわからなかった」という経験は初めてでした。
知識も期待もしてないレコードから流れてきた音楽が、あまりに凄まじいって。
経験になかったもので。

童貞喪失なんかよりも、数倍もの衝撃でした。
まったく知らず得体の知れないものから、不意な攻撃を受けると、
何が起きたかわからなく、呆然とするんですね、人間(笑)

調べたら、最近再発が出たようで。
「カルナバル」

(下記抜粋)
 和ボッサファンが待ち焦がれた作品が遂にCD化!!(ブリザ・ブラジレイラ掲載)
 和ボッサファンが一番CD化を待望していたのが本作。
 アドニラン・バルボーサ、バーデン・パウエル、ベニート・ヂ・パウラ他の作品を熱唱。
 日本人のサウダージを見事に表現したヴォーカルに加え、伴奏も実に素晴らしい出来。
 聴き込むほどに味の出る作品が満載。
 本作はカフェ & クラブ・ミュージックの定番ディスクガイド『ブリザ・ブラジレイラ』に掲載された、
 ブラジルファン、歌謡曲ファン双方が聴いても納得のできる類い希な作品集!
とのことで。

先ほど下北沢で聴いてまいりましたが。
正直、ボクは「蜃気楼」寄りです。

1曲目の「他人同志のサンバ」は「カルナバル」にも収録されてました。
この歌だけアルバムの流れの中で浮いてた気がするんですが、気のせいですかね(笑

故に、この「蜃気楼」というアルバムはボサノヴァというより、
ブルースに近い感じな気がします。当然JAZZの空気も孕みながら。
ブルースよりも、優しく。
ボサよりも、強引。

その妙な間を堂々進む。
完璧な音。
こういう音を実は結構探してて。
夏木マリ以降の命題だったんですが、夏木マリの前に更に凄いアルバムがあったってことですね。

植田ひとみ
アルバムは2枚のみ。
そうなれば、この世界は簡単に手に入ります。
しかしながら、奥は深く1度聴いたら忘れられなくなります。
常習性があり、かつ万人に溶けます。
こんなアルバムに出会うことはそう無いと思います。

恐るべし、昭和50年代。

名曲「この橋わたれば」
LIVE YOUNGにてお聞かせしたいと思います。


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ticco

■かっこいい音楽CDプレゼント♪

はじめまして!
私の友人が、かっこいい音楽CDのプレゼントキャンペーンをやっています。

ページに行けば、音楽の視聴もできるので、
ぜひ1度聴いてみてくださいね♪
by ticco (2008-02-11 18:57) 

ルースターズ

>ticcoさん
片っ端からやりましたね、このコメント添付。
SO-NET音楽カテゴリーで。
こういう類で音楽広げようなんて、自力が無いって
アピールしてるようなもんですよ。

グルーヴ?
このレコードでも聴いてください。
まずは、そっから出直してください。

あえて削除しません。
アホな輩がいることだけ残すために。
ただ他の人に迷惑なのでURLは消しました、不悪。
by ルースターズ (2008-02-11 19:01) 

聴かせてもらいまーす。
宝くじ☆
by (2008-02-11 22:12) 

ルースターズ

>Lo-Fi 姉さん
そん前に我が家で試聴会しましょう(笑
久しぶりになんか音源持ち寄って(笑
by ルースターズ (2008-02-11 23:38) 

MYU

とても楽しみですココロから待ち望んでいます
by MYU (2008-02-12 20:26) 

ルースターズ

>MYU様
ボクは少しテンションあげすぎて、なんだか妙ですがね。
by ルースターズ (2008-02-14 21:36) 

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