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PIL 「RISE」 [君にR&Rを!(舶来)]

先日、友達が来る昼間に柚子を買った。
サラダに混ぜて、少し柑橘の香りを仕掛けたかったからです。
しかし、サラダ作り以外にも色々台所でバタバタしてるうちに、
ホームパーティーはいつの間にか前菜を終えてしまい、
忘れ去られた賞賛されるはずの柚子は、冷蔵庫でネーブルの隣で眠ることになってしまった。

少し時間が経ち、もはやフレッシュな野菜に紛れて、
主張するだけの勢いが消えてしまっていた柚子を風呂に入れようと思った。
しかしながら、風呂洗いをしようと思ってた矢先、妻が洗い。
バスクリンの投入によって、またもや陽の目を見ることがなくなった柚子。

いい加減冷蔵庫でも厄介者になっていた。
数日の後、拙者が風呂洗い。
ごしごしぴかぴかの後、待ちに待った柚子投入である。
いい加減時間の経過は書きたくないくらいの忘却の柚子が、
食されずその生涯を風呂で終えようというのだから、それは悩ましい。

ぷかぷか浮かぶ柚子を冬至でもないのに、浮かべて本を読みながら、
湯船に体を沈めて、ホッケーとする。
そんなことを初日。
子供のときにお風呂のおもちゃは決まって浮くものだったなと、
そんな普段考えもしない幼少期の感情がさえぎる。

翌日。
柚子は相変わらず浮かんでいたのだが、膨張してきてる。
爆発寸前の夜明け前みたいな感じ。
明日は、もしかしたら沸かしてる最中に爆発するかもと思いながら、
まだ匂いを楽しむ、いい加減風呂がにごる。

また翌日。
爆発するはずが、そんなこと思ってたことも忘れる。
亀裂が入り柚子は沈む。
変な感触だけが、下のほうでのろのろしてる。
亀裂を眺めながら、なんだか頭の中でPILが回った。
なんでだろう、柚子の亀裂を見てたら「ジョンライドン」が歌いだして。
早く風呂から上がって、ジョンライドンを聞こうとすぐに風呂を出た。
柚子は、もう知らない。

レコードに針を落とす前にYOUTUBEを見た。
個人的には、このRISEには思い出があって。
PILは本当にカッコイイんだけど、音楽に疎い時間が長かったから、
PILを知ったのは、この曲からだった。

ボクは、ラジオを知らない。
正確には興味がなかった。
でも当時、ボクは中村達也の「モンテカルロボンボン」を必ず聞いてた。
電波の悪い我が家。
金沢文庫周辺には妨害電波でも出てるんじゃねぇーか?!と思うような、
電波障害の中、ありえない位置までコンポのアンテナを伸ばし。
雨戸を開けて、窓を開けて。
そうしないと、達也さんの声は聞こえなかった。

そうやって、苦労して準備するのもまた儀式な面持ちだった。
ラジオは「3104丁目のダンスホールで」だったかな、そんな感じからの続編。

スカパラやってればSKA。
BJCで新譜が出れば、BJCと。
あとはパンクにロカビリーなどなど・・・ごっちゃまぜのラジオだったけど、
達也さんが「カッケー!」と叫ぶ瞬間は、たまらなく同じ気持ちだった。

翌日、このラジオを聴いて。
FAXを取り寄せる。
時にバイトの、親父が会社やってるボンボンの女の子。
時にコンビニ。
そのFAXにはSET LISTがあって。
そのSET LISTを頼りに関内のディスクユニオンに行ってレコードを探して買う。
なければ、横浜のアストロレコード、ミッキールームに、バナナレコード。
片っ端から探して買う。

そうやって、レコードを買っていった。
ボクがレコードを買う術って、この方法しかなかった。
そうやって聞いてきたものすべてがボクの財産になってる。

PILもそう。
なぜか、この日の達也さんは、PIL DAYだったんだよね。
んで、PILってジョニーロットンみてぇーだぁ!なんて思ってたら、そだね。みたいな(笑
恥ずかしながらそん時はそれぐらいの知識しかなかった。

すでに日本のおかしなレコード。
東京ロッカーズかめんたいロックか!みたいなとこでしか音楽聴いてなかったから、
本当に世界の音楽なんて、まるでしらんかった。
世界の音楽というのが、言い方がバカだな(笑

そうやって、色んなこと吸収してまだ吸収して。
そっからまた広げて。
そういうことしてまだまだ足りないと思ってるし、まだまだこっからだと思う。
30歳手前。
こっからだと思った柚子の亀裂とジョンライドン。

そういえば、PRETTY VACANTのバスの行き先がNOWHEREだった。
何処でもない何処かへ。

なんだか、あの日以来。
あの絵を見た以来、NOWHEREのことばっかり考えてて。

そういえば、あのバスの行き先だったって。

これでタイピング終了。
なんのこっちゃわからない。
でも、これでいいのだ。

明日、東京は雪。


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コメント 6

このプロモはEよね〜♪(アレと違って・笑)
中野サンプラザでPIL観たときもジョニーさん白シャツ着てて
ライブ後、友達の男子は似たようなシャツ買ってたっけ(笑)

あははっ★
>なんのこっちゃわからない。
>でも、これでいいのだ。

ルースターズくんの"NOWHERE"に向かえばEのさっ。
なんちゅて
by (2008-02-08 23:21) 

kurohani

ピストルズのジョニーも勿論かっこよいのですが、PILも大好きです♪Frowers of Romanceのジャケットが好き。
by kurohani (2008-02-09 11:13) 

まさ

初めまして。結果的に人を糧にするなという教訓ですね?私もそう思います。そばにいない妻でも糧にしそうになりますからね。絵は感性だから受け手がその年代じゃないとジェネレーションギャプがありますからね。結局。今に咀嚼されやすいように似非化している。総てがそうかも。今の人が描く昔は似非。個性じゃない。コピ―くせはとれない。興味が無いものには初めから手出さないことかな?拙者語りすぎました。失礼。
by まさ (2008-02-09 12:24) 

ルースターズ

>FUCKINTOSH66様
確かに(笑)このプロモはギラギラ感が残ってますよね。
凄くいいっ♪

お友達はすぐに影響されやすいんっすかね?!(笑)
そのお友達と同じかはわからないですが、
そういやAXでIGGY POPを観た直後のライブで、
早速売ってたIGGYのTシャツを着てたのを観て。
少年みたいだなって、ボクもあーでありたいなと思いました(笑

NOWHERE。
色んな人の生き方を眺めながら、自分の方向を微調整しながら、
流されず、んで色々あるなと思いながら。

ボクのNOWHEREに向かいます♪
by ルースターズ (2008-02-10 14:53) 

ルースターズ

>kurohani様
ボクはFrowers of Romanceを買って。
電車の網棚に忘れ。
取り戻すために、えんらい時間がかかった苦い思い出があります(笑
by ルースターズ (2008-02-10 14:55) 

ルースターズ

>まさ様
はじめまして。
「糧」という意味が少し、ボクとは違うのかな・・・。
糧にはします。真似たりはしないけど。
あと自分がつらいときには、人は信じない(笑)
そのエッセンスだとかアクセントは、自分の方向に重ねたりして。
妻は、そういった意味では一番近い他人なので、
感性や考え方は、非常に驚くときがありますよ。
あんま一緒にいないから余計に。

ジェネレーションギャップによる、感覚の違いはありますね。
でも、誰が見てもキュンとくるものだって存在するから、
自分だけの感覚であったり、不特定多数の感覚であっても、
「良いものは良い」となるのかもしれません。

それが商業ベースに沿う、ぶら下がる形になってると感じたら、
個性じゃないなって思います。
アングラであっても。
表現は、生活が1じゃなくて、もっと違う場所にあると思うから。
生活が大切なら、表現方法変えるべきだと思うし。
それを貫く気持ちと実践こそ、すでに表現の一部だと思うし。
ライフスタイルってヤツっすかね。

コピー癖かぁ。
この世界に新しいものはないという言葉がありますが、
常に、まんまではなくてもなんらかのコピーで。
それを個性にまで昇華させてる人が数多いるわけで。
その方法には順位や賞はないわけで。
そういった意味では、いろんなものを吸収して、
自分の中で咀嚼して。
それで新たに自分の形に組みなおしてるという感覚が、
凄く適切かなと思います。
どこかに何かの香りがあるような。
気持ちや感情を左右させながら、色を塗りこみながら。
自分を閉じ込めてるようで。
そういうのは、凄く絵や音楽に感じるとこで。
必要なのは、本質じゃなくて、そう思う夢見ることなのかなって。
そんなこと思います。

こんなようなこと、どっかに書いたな(笑
by ルースターズ (2008-02-10 15:14) 

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