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ぼくの夏休み。 [INFOMATION]

少しだけ、なんとなく陥るセンチメンタルな感情を
風鈴のように静かに奏でたいと想うのは、陽射しが強くなり照りつける8月の。
風の少ないコンクリートの川から照り返す熱気の上昇を遮断したい想い。

8月を歩くのは、28回目。
何か大切なことは全て8月にあって。

先日、ある方と話をした。
その人は「(自分の)娘を怒りすぎたとのかな」とぽつりと悔いた。
幼き頃から真っ直ぐであるように、怒り過ぎたと。
親である前に人間であったりもしたから、その怒りがときに子供には
不条理なことだってあったと吐露した。
それを、親だから、教育だからという理由で全て「○」にすることなど、
出来るわけもないと。

僕はその言葉を逃さず。
僕はその言葉に共感すら抱いた。

きっと僕の母も同じことを言うだろうと。
そんな言葉を聞いたような記憶も残っているから。

幼き頃、母に怒られた時間は膨大だった。
むしろ褒められた記憶など薄く。

それでも、僕は15歳を終えて。
16歳を迎える頃には自分の価値観の取捨選択の中で生きる方法を考えるようになった。
それは自我の芽生えではなく、両親の育て方のベクトルがその方向を
示していてくれたからだと、そう想っている。

高校1年生の春に両親に怒られたのを最後に。
僕は両親から怒られなくなった。

だからその日を覚えている。
怒られることから卒業した日。
その日が卒業だということは、随分経ってから理解したわけですが。

今少し大人になって、夏休みを回想。
ねぷたの扇の回転。
100%の林檎ジュースが笑ったりだとか。
海岸線綺麗な透き通る川のダイアモンド。
あぜ道に忍ぶザリガニの深紅。
伊豆の海が太陽に満たされていた事。
新潟の魚が綺麗にウロコを輝かせてた事だとか。

数え上げたらキリがないくらい。
そんなことばかりが思い出せる。
両親は、僕らの夏休みを綺麗に染めてくれていたこと。

そんなことを考えた日には、夏休みの7月は終わって。

僕らの手元には。
いつのまにか、永遠に続くと思えるような夏休みの存在はなくなっていて。
今日も何も無いように会社に向かう。

朝から子供の声が大きく響き。
その声で目が覚める6:30の歓声。

砂の城を組み上げたい。
波にさらわれないような。
砂の城を。
純粋な心で組み上げたい。
でも、海まで辿り着けそうもない僕の8月のカレンダーを眺めながら。

小学校の思い出深い夏の旅路と苦しく長かった2月の栄光への夏期講習。
中学校のただただ、追いかける白いボールの行方と股をすり抜ける強襲ライナー。
高校の夏期講習とキラキラ光るプール、波しぶき。
大学のFESとTシャツに重力を感じる水分の蒸発。握る拳のステージの上、BJC。

そして、20代を2つ残し。
今年僕は、あの日逢えなかったSIONに逢いに。
日比谷野外音楽堂に行くことにした。

むせかえるような暑さを紛らす。
日比谷に風鈴を聞きに行くような気持ちで。
そんな気持ちで。
僕は、僕の夏を。
今の僕らしく染めてみたい。

きっと何年かあとで。
また笑える夏の風景が出来ると。
そう想えるから。

大人だとか。親だとか。
そんなことの前に、僕らは楽しく生きていたいだけで。死んでしまうまで。

だから、ぶっ飛ばしていかないと。
人生の夏が終わっちまうような。そんな気持ち。

だから、ぶっ飛ばしていかないと。
通報されるぐらいに。


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ZIPGUNS

私も一児の親。
不条理なことが大嫌いな私が
不条理な理由で叱る。
自分でも勝手なことは分かっている。
時々、叱っている理由が子どもの為なのか
自分の為なのか分からなくなってくる・・・。

反省。

きっと酒を飲み交わす位になるまでは
親として反省の日々なのだろう。
by ZIPGUNS (2007-08-01 11:04) 

ルースターズ

>ZIPGUNS様
うちの親を見る限り、生涯のわだかまりなようです・・・・。
きっと僕もそう想います。

人間として、子供を見るようになったら余計に。
と思いますが、大事だからこそずっと刺さってるのかもしれないです。
by ルースターズ (2007-08-08 07:21) 

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