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ザ・クロマニヨンズ@渋谷AX [LIVE OR DIE ?]

前説から始まった、19時直前。
目の前の女はいかに、「真島昌利」が好きか話をしている。
それもまた久しぶりの景色。
簡単なライブの注意事項を聴きながら、ハイロウズの時に聞いた怒号は無い。

¥2500のTシャツに身を包んだ人の多さに、少し気持が楽になりながら時間は、
ほぼ狂いなく回り始めた。

二足歩行を手に入れたR&Rの産声。
ザ・クロマニヨンズ。
僕らに楽しい事をさせるためだけに、ロックンロールを掻き鳴らす最高の人種。
そこに国境が無いことを、証明させたようなステージだったと今思い出す。

必要最小限の照明が、4人を照らし。
客席にスポットライトは無い。
やけに長いMCをはさみながら僕らを地層をブチ抜いて、R&Rのトンネルに案内してくれた。

薄暗いトンネルの中。AX。
一体どれだけの人間が前方にて。
どれだけの人間が、この地層に存在しているのかわからない。

ステージの上の、元人類の姿と競りあがる拳の数だけがかろうじて、確認できる。

この日、ハイロウズのようなミサイルのような猛進感はなく、
いつもは客を置き去りにして、爆走するかつてのロックンロールはそこには無かった。

1枚のアルバムと1枚のシングル。
曲数が、2時間疾走出来る分だけの燃料が無い事はなんとなく感じてたが。

ヒロトがMCをやけにしていたり、客をいじったり。
そこには、ヒロトのリアルがあったり。
そして、マイクロフォンを時に客席に向けたり。
あのマイクロフォンはヒロトだけの物だという勝手な解釈が、見事にひっくり返り笑った。

そして、被り物をしたり、マーシーも自由に吼えたり、ギターを弾いたり。
何かこれからの辿り着く進化を模索をしながら、一歩一歩。
ミサイルとは違って、大地を踏み締めてるステージな印象。

「こたつ」「おもち」「カジオ」
この3つで転がす光景は愉快だったし、
ヒロトが声を出しながら笑ってステージにいるとこを、初めて見た気もする。

今まではカッ飛んでいった4人の飛行機雲を、眺めるだけの気持だったのが、
そうではなくて、随分僕らの側に降りてきたステージだと想った。

極めつけは、ステージ後の握手会のような・・・(笑)

少しびっくりした。
ハイロウズの頃、赤坂でライブを見た時には、次から次へと人が泳ぎ。
とんでもない光景だったのが・・・・。
前説の言いつけを守った観衆・群集。

激しいモッシュもダイブも一切無かった。初めて見た。
フジロックでもそれなりにはあったが、今日は後ろから見ていても、人が泳ぐ姿は無かった。
「ロックンロールの愉しみ方は、自由だ!」と話す甲本ヒロトの思想とは違うとこで、
少し違う解釈が生まれているような気がした。

初めて見た人だったら、「ヒロトとマーシーのステージってこんな感じなんだ」と想うんだろうけど。
今日のステージは、半端なくフレンドリーだった。

僕は置き去りにされたかった。
遠く光る星のように。
その存在を愛しく想いたかった。
ただ、こんなステージにも憧れてた。
MCで、気持ちを吐露しながら、転がる石のようなステージを。

「歩くチブ」のミラーボールの青い美しさは少しドキドキしたし、
「弾丸ロック」の拳の高さは、ロケンローそのものだった。

勝治さんの真上。
大きな「C」の文字。
途中から、男なら誰しも愛する「シコる」右手にしか見えなくなった。
下ネタは最大級の愛の表現。
銀色の被り物を持って歌うヒロトの顔が、少年に見えた。

14歳。
ロックンロールレコードに撃ち抜かれてるのと同じく、思春期のモヤモヤも貫抜いてほしい。
そんなことを想って、AXを出る。

僕は好きな娘と9年ほど一緒にいるが、同じライブで同じTシャツを着たことは初めてだと想う。
記憶にない。
コインロッカー。
コンタクトレンズを見つけた僕の好きな娘は、カッコよかった。
その1時間10分後。
ステージの上を見たら、ヒロトが跳ねてた。

バットシグナルはつかず、右手がナニを包む旗が綺麗に浮かび。
バットマンじゃなくてクロマニヨンがいた渋谷の夜。

地層の旅は、あっという間の出来事。
ヒロトがあれだけ喋ったのは、本当に記憶にない。
それだけ、楽しかったのかもしれない。

時に雄雄しく、時に優しく、時に愉快で、時に卑猥に。
削岩の岩盤を削り取るロックンロールの攻防は、ドリルの先の温度を感じることができるくらい。
細部まで心に確かに伝わった。

客席後方は温度が伝わりにくいけど。
拳を前に突き出したら、ステージから、だるまストーブのような熱気が来てた。
汗の匂いを感じさせないくらい。
ただただ人温度で出来た熱気は、熱く。

いつのまにか、アンコールを待つ観衆から、「GO!ハイロウズ!GO!」は無くなってた。
今が新型。最新型。
この国には、真っ直ぐな音楽がある。
真っ直ぐな音楽の行き先は、幸福な感情の喜びとなり。
それはいつまでも、胸に突き刺さり。
僕らの思い出となる。

一番、最初のクロマニヨンズ。
最初のTOURは最初しかない。
当たり前だけど、それにはとっても大切な意味があると思う。


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コメント 14

ひいらぎ

ありがとう!待ってたよー。
バンドが変わるたび、スタイルも変わっていくんだねー、きっと。
喋るヒロト、そういえばハイロウズではあまり無かったかも。
カッコ良ければ、それでいい。

うらやましいとは言わないよっ!カウントダウンで見るもん(笑)
by ひいらぎ (2006-12-23 00:59) 

ぶっさん

いつもの感じとは違うと少しガッカリ、でもそれ以上に嬉しさも併せ持つんだろうな。私もそのマーシー談義にまざりたかったな。
by ぶっさん (2006-12-23 18:06) 

お疲れ様でした!

ダイブ・モッシュなしだったんですねー。意外です。それにしても最近落ち着いてきてるバンドが増えたなぁとおもいます。昔みたいにガーッと疾走した感じじゃなくて。それが時に良かったり悪かったりするんですよね。私もそのライブ行ってみたかったです。
by (2006-12-23 21:38) 

あきりん

初めまして☆
別件で検索してたら(たぶんサンハウスで検索)ここにたどり着きました。
私も同じ日のクロマニヨンズを見ました。
ブルーハーツ、ハイロウズを見てきて、あんなに喋って笑うヒロトに本当にビックリしました(特に握手会!)
今までは私たちのうーんと先を爆走するのを、五感をフルに働かして受け止めていく感じでしたが、何だか今回は・・・違う感じですね。
何も変わらず、そして変わり続ける彼らから今後もずーっと目が離せません。
楽しみです。
by あきりん (2006-12-25 00:24) 

ルースターズ

>ひいらぎ様
僕は、置き去りにされたいと、今でも想いますけどね(笑)

あの姿が新しい形というなら。
僕はなんでも受け入れますよ(笑)

好きな物がコロコロ変わるほど、kidsでも無いし。
今更、愛すのをやめることなんて、で・き・な・い♪
by ルースターズ (2006-12-25 00:28) 

ルースターズ

>ぶっさん
とにかく、おいおい!また喋るのかよ?!って想い続けて
時間が過ぎました(笑
by ルースターズ (2006-12-25 00:30) 

ルースターズ

>アコ様
いつまでも同じじゃぁ、R&Rであっても、
やってる方は、違う形にしたくなるんだと思いますが。

僕は、今が一番と想うようにしてるので。
これからのクロマニヨンズに期待しながら、自分の人生と並走します。

落ち着いたか。
難しい言葉ですね。
いつでも獰猛!というのも苦手ですが、目に見えないヒリヒリした
空気のあるライブは、見せ掛けじゃなくて好きです。

そんな風に思う事も多くなりました。
by ルースターズ (2006-12-25 00:33) 

ルースターズ

>あきりん様
あのライブの目撃者が!!
なんとも、ハイロウズに散々行った身としては、
「次はコレかぁー」とフジには感じなかった感情で一杯でした。

>>今までは私たちのうーんと先を爆走するのを、
>>五感をフルに働かして受け止めていく感じでしたが、

まさにそんな感じ!!!そうだったんです。
その五感をフルにして。僕らもいつもと違う世界にいれたのに。

今後、ステージを見ながら自分もどう泳ぐか、考えていこうと。
それには、見続けよう!と思いました。
好きだー!やっぱり好きだー!!!(笑)

コメントありがとうです。
by ルースターズ (2006-12-25 00:38) 

ローリー

waoooo!!
うらやましいぜ~、握手会(笑
by ローリー (2006-12-25 19:33) 

あきりん

またしてもコメントすみません(汗)

>「次はコレかぁー」とフジには感じなかった感情で一杯でした。

私も蝦夷で見た時には感じなかった感情に多少戸惑いました。
いつものように「勝手に楽しんでってなー」というより
「君たちをロックンロールで楽しませたいんだ!」って感じで。
他の日はどうだったんでしょうかね??

関係ないですけど、私もオイスカツウシン大好きです(笑)
by あきりん (2006-12-26 00:16) 

ルースターズ

>ローリー様
参加してねぇーぜーBABY(笑)
by ルースターズ (2006-12-26 21:52) 

ルースターズ

>あきりん様
並走なんですよね。
ミサイルマンでは確実に無い。

「これがロッケンローなんだよ!!」って言う感じじゃなくて。
「今から、やるからよーーく見てなよ!」って感じ(笑)

小さい子の自転車の練習。
お手本を見せるお父さんのようでした。

とにかく、もう1回。春に行って。んで確かめたい。

オイシコるメイツは。
本当に大好きで。
なんだろ。一時期彼らが音楽の全てだった時期がありました。
今も愛して止みません。
by ルースターズ (2006-12-26 21:55) 

誠一朗

どうも、昨日TBさせてもらった誠一朗です、
コメントの載せ方がよくわからず、
あんな感じに無愛想に繋げちゃいました、ゴメンなさい。笑

僕は何処かからたまたま此処に飛んで来て、
此処で紹介されている音楽や、
言葉からこぼれる格好良さにヤラれました。

EASYGOINGのblogへのコメントありがとうございます、
嬉しかった。

これからも、よろしくお願いします、



合掌
by 誠一朗 (2006-12-27 09:22) 

ルースターズ

>誠一朗様
いらっしゃると思いました。
そんな感じがしたので、コメントさせて頂きました。返信感謝致します。

真っ直ぐで聴きなれた言葉の節が、堪らなくステキです。

僕は東京で呼吸して、東京で飛びます。
誠一朗様が虎になる頃、僕も龍であれるように。
そんなことを考えながら。師走も終わりです。
ありがとうございます!

one love
by ルースターズ (2006-12-29 00:29) 

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