「BURST GIG 1,2,3」@新宿LOFT [LIVE OR DIE ?]
秋と同時に風邪を迎えてしまい、若干の熱に蝕まれながらこの日を迎える。
クワトロで受けた衝撃を忘れられない。
FRICTIONな夜。
新宿LOFT。
何かを期待したくなるようなメンツ
dip
FRICTION
恒松正敏グループ
E.D.P.Sを初めてレコードで買って聴いた時にはわからなかった混沌が。
僕自身が年齢を重ねて。
少しばかり半端ではない構造にもうどうしようもなるくらい、心が響いた。
そんな恒松正敏がFRICTIONにいたことを知ったのは、E.D.P.Sを聴いた後の話。
そんなFRICTIONの初期メンバーの2人の名前。
何かを期待する夜に。
「石井聰亙 」の冠とは、ドキドキしないほうがおかしい。
この夜の壮絶は「dipに完全に呑まれた?」と思うくらい
オープニングアクトのdipは凄かった・・・。
流れる血液のぬるさを確かめ。
徐々に下に落ちる道筋を理解しながら。
目を閉じて。
遠く、不覚潜るように。
落ちた血液のぬるさがdipに触れた途端、蒸発してなくなるような。
そんな奥底に、床下にもキッチリと沸点に達するグルーヴにも似たR&Rがとぐろを巻いていた。
久しぶりに目を閉じて。
3人とは思えない音の厚さ。
目を閉じてしまうと視覚情報の遮断によって、更に迷路に迷い込むような感覚。
あっという間に時間は過ぎてしまった。
不思議な次元の旅行を彷徨うような、そんなdipの音だった。
dipの凄さを初めて感じた。
CDにも、少し前にルースターズトリビュートのリキッドルームの時も感じなかった感情が支配して。
頭が縦にも横にも揺れる想いは、心地よかった。
体調悪い時の発泡酒が、妙に頭の温度をあげたこともまた良かったのかもしれない。
しかしながら、dipがこうも的確に音を繰り出し、そしてそれが感情を貫通させるほどの力があったことを痛感したとそう感じたら、本来他のバンドは頭に入らないのが普通なんだが。
やはり、FRICTIONは違った。
僕は過大評価ではないと思う。
中村達也目当ての人も多かったようだが、やっぱり牽引してるのは間違いなくRECKで。
RECKがあの4弦で、一体どういう仕組みで爪弾けば、鳴らせば。
あんな猛烈な音が出るのだろう?
と本当に同じ人間か?と思うような4弦に並行して、あのタイコ叩きがいる。
中村達也
今のタイミングでなければ、おそらくは2人は拮抗しないのではないか?と思う。
互いに、ネームバリューではなく「ホンモノ」としか対峙出来ない領域にいて。
キャリア上、若い世代とのセッションというより、熟成された本質が受け取れる生き物でないと、
音を重ねる事が出来ないのではないか?と一瞬疑問。即回答。
本当に凄まじい。
クワトロ以降に、2人の時間も長かったんだろうな・・と感じさせる「あ・うん」の呼吸にも似た
2人の「間」。
隙間無く、はまった2人のステージ。
1曲1曲の演奏が終っても、観客は声をあげられなかったのです。
「声をあげていいのか?」という躊躇より。
単純に隙間がない。
時々喋るRECKが、人なつっこいのは、昔は考えられなかったと話す人もいた。
それぐらい、隙間の無いステージに幾握かの余裕やたわみを持たせるのは、
楽器が鳴れば一瞬でヒリヒリした空気に変えられる自信と経験が物を言うし。
2人がやれば、そうなるとそう思い込む観客の期待。
それが隙間を生まず。
本来客主導で、良し悪しが出て来るライブの評価を、まったく関係なしなものにしている。
FRICTIONの空気。
賛否両論あろうが、今僕が知りうる「R&R」の最高峰にいるバンド。
音源なんかいらない。
ライブに行けば、一発で昇天できるであろう確実と。
そしてそれを確実にする現実。
人生最後の場所を選べ!と言われたら、FRICTIONの膝元を選びます。
今はそれぐらいの心地です。
恒松正敏グループも素晴らしかったのだが、今日のdipが素晴らしすぎるのと。
その後のFRICTIONだったことで、魂を抜かれた僕は心ここにあらずと。
そういう心地になってしまう新宿の夜。
何度も見ても、また何度でも見たい。
あまりの興奮を抑えずに、久しぶりのロック画報で、その場を凌ぐ。
ほぼ5年ぶりのdipだったんですが痺れました。
最近の多角的な活動はヤマジにとってなかなかいい感じに
作用しているみたいですね。
ルーの曲から空気が変わりました。
あの声にあの音はドンピシャだと思いました、僕は。
フリクションは活動再開してからは初めてだったので
非常に興味深く見させてもらいました。
大友さん入りのヤツは去年見たんですけど、
あれとはまるきし別物でした。
ジジイやっぱ丸くなったなあ、と思われる部分はそれなりに
ありましたが、やっぱ曲が始まるとヒリヒリした空気を
辺りかまわず撒き散らすレックでありました。
後ろの方だったんであの音をどうやって作っているのか
解らなかったのが残念でしたけど。
まったく凄い発明をしたモンで。
ツネマツ氏も最初は?でしたが、
最後の方はなかなか感動的でした。
余りの流れにちょっと照れてしまいましたけど。
"CRAZY DREAM"はやっぱあのヴァージョンが一番好きです。
by まさ (2006-10-26 19:32)
圧倒的な音空間を生み出す最新型のFRICTION。
80年代でなく、今、この時代に会えたことに感謝。
by TBM (2006-10-26 22:33)
そうかあ。dip良かったかあ…
確かにルースターズトリビュートん時はダメだったね。なんでだろ?
しかし、ベースとドラムのバンドってどーなの?
実際に聴かないと解らないぜ…
あ。
ロック画報買おうっと。忘れてた。
ではでは。
by hanao (2006-10-27 00:03)
>まさ様
まさにヤマジにあの声と音はドンピシャ。
そこに最初からあったようなピタリとはまっていて。
もう素晴らしいとかしか言いようが無い。
RECKを見たのは2度目。
本とレコードで過剰に膨らんだ期待を、見事に超越した音には
鳥肌が立ちました。
クワトロで思わず、意識が飛びました。
この夜もやはり・・・・。
期待を裏切らない数少ないホンモノです・・・。
恒松氏。
初めて見たんですが、階段で見かけた時の青い革ジャンが
あまりに美しくて。
それの印象があまりにも。
なんであの革ジャンで出てこなかったんだろ・。
by ルースターズ (2006-10-28 09:56)
>TBM様
僕は、今がイチバン最新型でぶっ壊れたエンジンを、
加熱加速させてる気がします。
RECKが立てば、その瞬間が今まででイチバンかっこいい。
そう想っています。
ライブ盤より、ライブの方がかっこいい。
by ルースターズ (2006-10-28 09:58)
>hanaoくん
言葉で表現出来ないですよ。
あのベースとタイコは。
東京に来ないと。
東京に。
東京で鳴ってますよ。ロケンロー。
待ってます。
by ルースターズ (2006-10-28 10:01)
いまごろ、すみません。
TOPにあった、YouTubeのヤツ、見ました。
かっちょえーなあ。
あの時、隣にいたオットが
「RECK、太ったなー」という暴言を吐いたことをお許し下さいませ。
太っても、かっこよかったですよね。
(人間、年とりゃ誰だって太るんだよん)
by 山田虫 (2006-11-12 17:13)
>山田虫様
おそらく、RSRFESのものだと思うんですが。
観客がどうしていいんか、分らないような感じがたまらなく良いですね(笑)
鋭利な刃物を前にしたら、大抵は動けないってことですよね。
by ルースターズ (2006-11-14 07:48)
ええ、YouTubeのは会場がロフトよりも広めでしたね。
ほんと、観客どうしていいんだかわからん、ちゅう戸惑いが見られて(笑)
ロフトの時、マジで動けんかったです。
「おおおおおお」って感じ。ほんとに。稚拙な表現で恥ずかしいんですが。
(でも、トイレは行ってしまった。年寄りなんで許してください)
また観たいと思ったライブは、久しぶりです。
by 山田虫 (2006-11-14 09:57)
>山田虫様
悶々としていますが、またFRICTIONがやれば是が非でも、
見に行きたいと想っています。
今の時代に生きていて、良かった。
めんたいロック全盛より、東京ロッカーズの全盛よりも。
今が一番いいのかもしれない。
by ルースターズ (2006-11-15 08:10)
初めてまともなトラックバックが入っていたので
驚いて見にきたらルースターズさんでしたか。
自分は早くに邦楽から離れてしまい、
限られたアーティストしか耳にしていませんでした。
もちろん尖っていた時期の邦楽に対する偏見もありました。
そうした姿勢への後悔もあることはあるのですが、
気づいた時期に聴けたからこそ、
耳にも入ったのではないかとよく思うのです。
若い頃の自分を庇っている訳ではなく、
そんな視界の狭くなっている時に、それ以外の場所に
無理矢理目を向けるのは土台不可能なのですから。
ルースターズさんのブログを読んでいると、
いつもそんな気分になります。
今回は達也に対する思いの大きさも含めて、
最大のリスペクトを贈りたいと思います。
by (2007-05-17 13:41)
>ぞうの国のあるじ様
不躾なTB失礼しました・・・。
いやいや、世界にはとってもたくさんの音楽があって。
その全てを理解して、その全てを聴き倒せるほど
人生は長くないですよね(笑
若い頃というか、今ですらの瞬間瞬間に感受性があって。
それをとっても大事にしてたいのは、
若さとかそういうものじゃなくて、なんだろうな。
その瞬間出逢った音楽を肯定した上で、何かと比較して、
自分の愛するものが優位だと確認した上で、
自分の人生の指標を、ブッ立てたいんでしょうね。
それは、今もさほど変わらないです。
ただ宝物の音楽は礎に。
そして、その上に重ねる作業には、聞かず嫌いをして
「だっせー」と思うのは勿体無いと思うだけですかね。
好きなものが多くて、いいと思います。
根底がはっきりしてれば、それでバッチグー。
中村達也はそういった意味では礎です。
だから、こうやって言葉を選ぶ時に、すげぇ次から次へと
言葉が溢れて文章になってる。
苦労なく言葉にできるのは、本当にこの人が好きだからだと、
そう思えます・・・・。
FRICTION、楽しみましょうね!!!!
by ルースターズ (2007-05-20 16:34)