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友川かずき ゴールデンベスト [君にREALを!(音楽編)]

母の見舞いの間にも、病院から程近いショッピングモールのCD屋のワゴンの中に、
このCDを見つけた。

長く聞きたかったその人、友川かずき。

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小川真一氏のライナーが的を得ていて、そのままネットに掲載したいぐらい。

おどろおどろしく、見てはいけないもの。
聞いてはいけないもののような、そんなギターの掻き毟る音とその声。
見てはいけないものや聞いていけないものの多くは、
目を覆いたくなるような真実であることが多い。

そういうものは、思考を呼び頭をめぐらして、自分の価値観の葛藤を呼ぶ。
どれが正解か、数式を解くように、いくつもいくつも仮説と証明を繰り返していかなくてはいけない。

それは面倒で、そしてやらなくてもいいこと。
だから蓋をする。
俗に言う見て見ぬふりというヤツ。

見て見ぬふりで、呵責に耐えられるのなら、
それはもう無い物にもなる。

そういう真実と、見なくていいものが友川かずきで。
そしてその音楽こそ、音楽というより闘争に近い激筆な心地でもあり、
聞いていれば、見えない感情が浮かんでくる。

家族のことなども気にならなくなり、自分の立っている場所と意味を
何度も問うて、その何度もの問いに波のように繰り返し問答を繰り返す。

友川かずきが、世間の第一線に出てくるわけでもなし。
東北独特の訛がさらに、その楽曲に必要以上の魂を乗せる。

真実や現実が投影される紙芝居のようにも聞こえる
その禍々しい音から、あまりに美しすぎる情を見つけ出してしまった。

年末に聞きたくもなかった消費曲がすべて、嘘っぱちに聞こえてしまう。

嘘っぱちばかり聞いてると、きっと本当のことがわからなくなってしまう。

母の見舞いで、削られた気持ちがこのCDでさらに追い討ちをかけたことは
また事実ではあるが、それでいても現実はこんなにも深く暗いことを覚悟できた。

日本語の素晴しさと、ギターの野生感を十分に感じれるアルバム。
クレバスのように深く暗いけれど、そこをつたう水は透き通っているのです。


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リオ・T氏

数年振りにログインしてみました。ご無沙汰しています。ルースターズさんの文章は相変わらず心地いいですね^^
by リオ・T氏 (2013-01-22 00:11) 

kaeru

やっぱりここは通りますか、僕としてはCD屋の棚で友部正人の横にあった彼のCDを手に取ったのが運命でした。他人におススメしづらいですが、聞いてる人がいると嬉しいですね。
by kaeru (2013-01-22 12:24) 

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