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1945.2.22~2009.2.22 [INFOMATION]

昨日、2月22日は父の誕生日でした。

昨年青森に行き、ある写真家の存在を知りました。
「小島一郎」

この写真家は故人であります。
今は青森県立美術館にて、「小島一郎 - 北を撮る -  戦後の青森が生んだ写真界の 「ミレー」」
の会期中です。

本当はこの写真展が見たかったのですが、いかんせん青森のため、断念。
ただ、この会期前に「図録」が出ないのか確認するために電話をすると。

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写真集「小島一郎 写真集成」が発売するとのこと。
もういてもたってもいられず、すぐに青森県立美術館から直接買いました。
(現在は都内の主要な書店でも並んでおります)

今回、この写真展で「ミレー」と比喩されておりますが、
個人的には、ミレーごときに並列されるのは、腹立たしいぐらいです。
(ボクもミレーの全てを知るわけではありませんが)

1945年、終戦の年に生まれた父は、18歳(1963)までを津軽で過ごし上京。
現在に至ります。

1960年前後の津軽の風景は、父の過ごした原風景だと。
そう想いながら見ると、なんとも言えない感慨深い気持ちになり。

ただの写真集では感じ得ない、自分のルーツを知る想いです。

この写真集は2冊取り寄せ。
ボクの分と、昨日の父の誕生日に贈りました。

色んな気持ちを持って、津軽に行った時間の中。
凍てつく寒さに近い景色の中に見えた感情の種が。
東京に戻り。
日々の生活の中で、芽を吹き出し始めたんだなという想いです。

父がどのような気持ちで、この写真を眺めるのかわかりません。
望郷の念のなのか。
それともまた違う感情なのか。
案外なんも感じないまま、「誕生日に写真集か・・・」と笑うかもしれません(笑

プレゼントする行為はエゴであり、そこに載せる気持ちの大きさは、
受け取る相手には知る由もありません。

今まで無頓着な父に、沢山の衣服や財布など。
様々な物をプレゼントしましたが、
このような書籍は初めてです。

父が、ボクと同じようにこの写真の1枚1枚に
何か心に去来する想いがあったら、嬉しく感じるのです。

父はどう言うだろう?

ボクは、この写真集の中にある景色は、父が見た景色に似ているはずだと。
そう想いながら写真1枚1枚を眺めて。

「ボクの知りうる父の人生」と「ボクの知らない写真の中の空想の父の人生」
の散った断片を熟考するのです。

そこに存在する様々な気持ちを、噛み砕き。
咀嚼の上、飲み込み。
自分の価値観の直立と重ね合わせ。

この父の家族であれたことを嬉しく感じ。
またそんな父に恥じないような人生でありたいと。
そう小さく願い、想うのでした。

ボクは昨日、実家に足を向け。
「おめでとう」と写真集を。
プレゼントを受け取った父は、「ありがとう」と丁寧にお辞儀をした。
ボクはかぶっていた帽子を取り、父より深く頭を垂れた。

「気持ちの良いプレゼントの受け取り方をするなぁ」と、我が父に想い。
8階から5階に差し掛かる頃、エレベーターの中で少し笑った。
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コメント 4

TBM

10年以上前ですが、東京へ行く度、目黒の東京都写真美術館に
行ったりして、いろいろと写真家をチェックしてた時期も
あるのですが、この方、知らなかったです...
チェックしてみたいと思います。
by TBM (2009-02-26 23:40) 

FUCKINTOSH66

えぇ息子や...泣かせるでないかいっ...
そんなんもらったら、父上も丁寧にお辞儀しちゃうって!

こちとら親も子も同じ小中学校に通って担任まで一緒だったけさ...
父の故郷とか、自分の知らない場所で過ごした父とか
そーゆーの特別な感じがしてなんか憧れるつか羨ましいー

by FUCKINTOSH66 (2009-02-28 10:49) 

ルースターズ

>TBM様
ありがとうございます。
なんとも言えない気持ちになれます。
想い入れかもしれませんがね。

wikiで調べても。青森では結構な影響力を
持っていたようです。
いい写真です。
by ルースターズ (2009-03-03 08:22) 

ルースターズ

>F66様
結局そういうなんだか名残というのを、
探しているのかもしんないです。
知らず知らず。

結局、父ちゃんが言ってくれればいんだけど。
ボクはお喋り野郎だけど、父ちゃんは寡黙な人なので(笑

なんだか腰が低い人だったんだって。
いい意味でですよ。
謙虚謙遜な。
そういう父親で、ボクがどこで忘れたんだ、謙虚謙遜と反省(笑
by ルースターズ (2009-03-03 08:25) 

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