大江慎也＠新宿ＬＯＦＴ：君にロックンロールを！：SSブログ

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大江慎也＠新宿ＬＯＦＴ　[LIVE OR DIE ？] [編集]

７月７日。
西新宿から住まいを移した新宿ＬＯＦＴ。
ここのステージに大江慎也が立つ。
ロフトで大江慎也を見るのは、２７年の人生で初めて。

何をどう言おうが「大江慎也」であることには変わりないし、
「他に何見るんだよ？！」と一緒に行った友達が吼えていたことも、頷ける事実。

先に、タワレコでアベフトシとの「ＴＨＥ　ＧＲＥＡＴＥＳＴ　ＭＵＳＩＣ」のレコ発ライブが
素晴らしかったのは、そのライブに大江慎也があの時できる最良の形を示した事と、
何を望まれてるかを、完全に理解していること。
あの日の夜のルースターズの曲もまた、確信犯だということ。
http://blog.so-net.ne.jp/roosters/2006-03-27

ギター花田裕之
ドラム池畑潤二
ベース渡辺圭一

そして、大江慎也。
大江のバックを務めてるにあたって、４人で音をだすのならば、これ以上のメンツは望めない。
苗場で雄鶏が鳴いた時の客席、それも随分前方に渡辺圭一の姿があった。

あの人自身が九州の男だし、憧れたバンドにルースターズが筆頭にある。
当人達を目の前にして、一緒にステージに上がってしまえば、コピーではなくオリジナルになる。

賛否両論あるが、渡辺圭一が一緒に上がる理由に、「ルースターズを愛している」というだけで、
他に理由も要らないもんかなと感じる。
ただ単純に、皆と同じようにルースターズが好き。それでいい。

２０：００。
少し年齢層の高い会場には、圧倒的な熱気を帯びた人の顔が並んでいた。
肩は、ゆうに触れあい。大江！との歓声もまた、けたたましかった。

いつかのＭＡＺＲＩとは違って「大江」の為だけに集う空間。
先日のタワレコは、「アベフトシ」の恩恵もあったが、この夜は違う。
大江のためだけの、大江によるライブ。
http://blog.so-net.ne.jp/roosters/2005-05-31

ＳＥに、パティスミス～ＣＭＣと流れ。
ガス爆弾の歌がけたたましく流れる。
それが終わりいくつかの曲を進み光が消え、薄暗いスポットライトが差し込むと、歓声の中。
大江慎也登場。

この夜。
笑顔の時間も本当に多かった。
鬼の形相で伝えるべき言葉を吐き出し、思いっきりぶつけるギターの音の合間。
ふとした顔が少し年取った男の顔を、２５年前の散々見た映像の表情へとフラッシュバックする。

大江慎也のギターを掻き鳴らす時々に、花田裕之が大江の背中を見ながらギターを重ねる。
この夜、僕がみていた限り、大江と花田は眼をあわせることなく、リフの応酬。
そしてギターを重ねあった。

花田がギターを見つめながら、丁寧に爪弾くギターの音色は優しくとても強引に。
大江の声の加速を促すように、しっかりと並走。

そして時々で、池畑潤二と目を合わせながら、先を走るタイコに相乗りして、
花田と池畑にしか出来ない音のスピードと交響。

大江慎也はやりたいようにやって。
それをしっかり受け取れる、そして抱えられるメンバーがいるこらこそ、
危うさから成るキワキワな音とはまた違った意味での、
あんなにもビリビリしたＲ＆Ｒが鳴るんだと思う。
安心感と呼吸というものはＲ＆Ｒの性質すら変えてしまう。
そう滅多に見れる音楽じゃない。

花田と池畑の視線の交錯。
花田と池畑が眺める大江の背中。

なんともいえない。
本当になんとも言えない。
織姫と牽牛が出会うことが叶った雨無き夜の歌舞伎町。
真近で繰り広げられる光景に、本当に言葉を失った。

冷静に物静かにギターを弾く花田の汗がうっすら見えたこと。
アンコールの「ＷＨＯ　ＴＨＥ　ＦＵＣＫ　ＩＳ　ＲＯＯＳＴＥＲ？」のＴシャツに。

池畑さんのタンバリンの音が小刻みに丁寧に鳴ったこと。

「ＧＯ　ＦＵＣＫ」を歌った事。

ただ、ＴＨＥ　ＧＲＥＡＴＥＳＴ　ＭＵＳＩＣの楽曲の素晴らしさをおざなりにしてはいない。
あのアルバムは、今の大江慎也であり。
今のルースターズであるから。
ルースターズを心中殺してないならば、
あれは新しいＴＨＥ　ＲＯＯＳＴＥＲＳのアルバムなんだと思ってる。
そうでなくても僕は「ＳＴＲＥＡＭ　ＯＦ　ＦＵＮ」の壮絶が好きだし、言葉も好きだ。

しかしながら、至極ルースターズを愛した者達の集まりだから。
ルースターズの楽曲が流れれば、それはＨＡＰＰＹ極まりない。

僕も、「恋をしようよ」のリフが流れた瞬間。
体を抑えきれず、前線に行ってしまった。本当にここ最近前に行った記憶はない。

拳を振りかざし、前線で音楽を聞くことは、その音楽の良さを半分も感じれないとそう思ったから。
でも、苗場もジプシーズも見た。
だから、今日くらいはなんて・・・・そんな余裕は無かったけどね（笑）
気がついたら「テキーラ！」と叫んでいただけ。

汗臭さと体臭が入り混じる、野生の空気が前線にはあり。
呼吸を戸惑うような臭気の中、「ＣＭＣ」～「ロージー」

前で見ていながら。
初めてロックンロールジプシーズを見たオンエアーイーストのライブを思い出した。
花田さんが歌うロージーはカッコよかった。
「これが大江慎也だったら」なんて贅沢な気持ちは無かった。
あの時は、花田さんのロージーが全てだった。

昨日のロージー。
コーラスを繰り返し、ギターを弾く花田さんの居場所がやけに綺麗におさまってる姿に少し驚き。
フロントだったあの時のロージーよりも格好よく見えた。
ルースターズを苗場で見た時は余裕がなかったから。

池畑さんの相変わらずのタイコの音。
硬いはずのスティックが、しなや鞭のような動きをして。
時々に轟音と柔らかな音を繰り返すタイコの音は、大江慎也に合っていて。

「Ｉ’Ｍ　Ａ　ＫＩＮＧ　ＢＥＥ」
つかなかった葉巻の煙。
少し葉巻を邪魔くさそうに、蜂の羽音、弦の揺れ。

「何処へ行こうか」とメッセージを貰った僕らに最期に
「ＴＨＡＮＫ　ＹＯＵ　ＦＯＲ　ＹＯＵＲ　ＫＩＮＤＮＥＳＳ」
と一言残して、ステージを降りた。

パティスミスが流れる散らかったフロア。
なんともいえない余韻。

アンコール。
「オオエ！」・・「シンヤ！」・・「オオエ！」なんて呼び声を思い出して少し笑いながら
外に出て、煙草に火をつけて。

コマの横で今風のあんちゃん達が、くっだらねぇ話をしていた。
今、あんたの５０ｍの先のビルの下。３０分前。
見なかったら、一生後悔するようなロックンロールがあったんだぜ。

世の中には平等に時間が流れているのに。
今日もＲ＆Ｒは、僕の知らないとこで鳴っているかもしれないと思った。

きっと今でさえも。

2006-07-08 14:29 nice!(5) コメント(22) トラックバック(0)

nice! 5

やっぱりいらっしゃってましたね！
最高の七夕でした。アンコールのときはもう何年かぶりに若くもないのに前に突進。もうじっとしていられなかった。大江さんが「スペシャルゲスト・・おらんっ！」って言ったとき、オーディエンスに「おらん」の意味がわかってない人が結構いておかしかったですね。決して目を合わせない大江さんと花田さんのギター、超速い池畑さんのドラム、まだ頭の中で鳴りまくってます。
by maco (2006-07-08 15:03)

＞ＭＡＣＯ様
楽しかったですね！相当。
僕も聴こえました（笑）おらん。
ってあれ以上にスペシャルがあるかい！！って感じでしたよね。
陣内呼んで、バトルロッカーズ！！！
ナイナイ（笑）

次はＦＵＪＩ　ＲＯＣＫ！！！
by ルースターズ (2006-07-08 16:49)

うぅぅ。。
やっぱり行けばよかったと後悔させられる君の名文。。。
あーくやしぃ！
君の文章に酔いしれる自分も。。。
５００kgのバクダンにやられたぁ〜って気分！はぁ。。。
イカした文章をThanks!
by nicola (2006-07-08 17:32)

大江慎也 is R&R！！
by ローリー (2006-07-08 18:59)

大江さんと花田さんはバッチリ！なんの障害物なく見れてヨカッタ☆
池畑さん＆渡辺さんは影も形も拝見できませんでしたが・・・
by りんりん (2006-07-08 19:02)

＞世の中には平等に時間が流れているのに。
今日もＲ＆Ｒは、僕の知らないとこで鳴っているかもしれないと思った。

アナタは何故こんなイカした言葉を綴れるのですか・・・
アマデウスのサリエリのような気分です。
いつまでも読んでいたい気持ちになります。
by 魚河岸おじさん (2006-07-09 11:57)

＞ニコラ
やっぱり良かったな。
一度だって裏切られたことないから。

文章は思いのほか長くなって、あれ？って思いました（笑
by ルースターズ (2006-07-09 22:02)

＞ローリー様
それ以外言葉が見当たらないね（笑
by ルースターズ (2006-07-09 22:04)

＞りんちゃん
出口側かね？
にしても良かった。本当に良かった。
あー。言葉が出ない。
しばらくずっと大江中毒を確信。
by ルースターズ (2006-07-09 22:06)

＞魚河岸おじさん様
音楽の事は、言葉がツラツラ出てくるんだけど。
芸術は・・・。
爆発されると収集がつかないもんです。

実はその文は削除しようかと思ってたんです。
褒めてもらえて光栄です（笑）
by ルースターズ (2006-07-09 22:27)

TBできないよん。。。yahooからはできないのかな？？
TBサンクスです☆
by りんりん (2006-07-10 15:36)

＞凛ちゃん
あのもしかしたら、ＮＧな綴りが入ってるのかもしれないです。
油断すると、３０件くらい鬼の書き込みが入ったりＴＢが入るので、
若干ブロックかけてるの。
by ルースターズ (2006-07-10 22:13)

「ロージー」まで．．．
涙が出るほどうらやましい！
東京はなぜか同じ日に、MINAMIのLIVEがセッティングされるとは、
つらいですよね。
by TBM (2006-07-10 23:21)

GO FUCK!!!
言葉がみつからないぜ。
THANK YOU FOR YOUR …色々（笑）。
ではでは。
by hanao (2006-07-11 02:00)

ああ、もう、やっぱり行けなかったことが
こんなに悔しくなる文章を読んでしまって、
どうしましょう、って思いました。
普段は、ルースターズのル、の字もないような
普通の一社会人として過ごしてますが、
でもやっぱり「大江慎也」「ルースターズ」と聞くと、
気持ちが騒ぎます。初めて聴いてから、
もう20年近くたってしまったけど、今だに大好き。
たぶんこれからも、です。
また今日も、「INSANE」聴きながら、出勤します。

＞今、あんたの５０ｍの先のビルの下。３０分前。
＞見なかったら、一生後悔するようなロックンロールがあったんだぜ。

うう、悔しい…。
by 山田虫 (2006-07-11 06:33)