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弘田三枝子 「JAPANESE GRAFFITI 20」 [君にREALを!(音楽編)]

昭和の時代。
欧米の羨望へは英詩を、少し解釈を曲げながら日本語に意訳し、
さもそれがオリジナルのような手法を用い、歌謡曲として民衆へと注いだ。

そのPOPな楽曲にのせて、その欧米への憧れのスタイルを感じる
「入り口」的な役割をしたりするわけですが。
本来英詩なものを和訳するという、今では考えられないカバーの手法は、
やはり、違和感になってしまうものであったり、聞きなれた英語など、
オリジナルの言語の楽曲から比較すると、チープなものになってしまうはずなのに。

昭和の歌姫というのは、低音を自由自在に操りながら、
その対照で、高音を更にしなやかに伸びやかにする才能に長けていると聞くたび思うのです。

その楽曲の秀逸は、世界ヒットなクラスの訳ですが。
今の時代にもその空気がヒリヒリするのは、結局それが懐メロであろうが、日本語で。
どこかで聴いたメロディーだからだとそう感じたりするのです。
曖昧な歌詞・曲の記憶は、カバーを聞いいても自然とよいものであれば、
心躍る心地。

グループサウンズに魅せられて、一時期寝ても覚めても
「GS!!」みたいな時期がありました。
あの雷みたいなギターが変幻自在に凹凸を作るもんだから、
その昭和にしか存在しない歌詞やキラキラ感が心に落雷を落として。

そうこうしてたら、歌謡曲に引きずり込まれ。
気付いたらやっぱり「弘田三枝子」にぶつかるわけです。

正直、今の活動にはさして興味もないし、なかなか昔のレコードの再発もない。
再発しても、やはり安易にバカバカ買える金額での再発にならないのが口惜しいですが。
やはり、弘田三枝子はレコードで聞きたいのが、常なわけで、
そうするとべらぼうな金額でしかお会いできず。

そんな中で出会ったこのカバーアルバムだったわけですが。
もう何が凄いって、当たり前なんですが「歌が上手い」
それも常軌を逸してるくらいの、グルーヴしながらロールして放つ。

脳味噌がシェイクしてくれるくらいの、ちょっとしたダンスパーティが起こってしまうような(笑

メリハリがあるのが、凄くて。
それも振り下ろすスピードの速さ。
突き上げるスピードの速さ。
その蠕動運動が素晴らしいくらいのうねりを作るわけで。

R&B時代の昨今に、これほどまでにROLLさせることが出来る女性の歌い手など皆無で。
この類の音楽が認知されていない現代では錯誤かもしれないけど。
昭和の輝きとしてこの声、この楽曲が残るなら、それもまた趣きなのかもしれません。
懐メロなんて言葉で済ませるレベルには、存在しないと実感できる33回転。

この声を聴いたらこの張りを聴いたら、簡単に平成の女性歌手を愛せません。
昭和の真ん中。
人々が音楽を渇望した時間。
人々の音楽へのベクトルが高かった時間の存在というのは、
その時代と括りが出来るほど、音楽の文化の密度が高い。

日本にとっての暗黒期はなく、どの時代においても瞬間の煌きであろうが、
永遠の光線であろうが、素晴らしい音楽が存在すると思うから、
安易にこの時代はダメとは言えない。

そんなことを思いながら、何年代とか関係なく
和モノのレコードを端から端まで漁ってしまうのでした・・・・(笑


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コメント 10

歌い手=歌が上手い
が当たり前の時代だったんでしょうねー、この頃って。
がっかりすること、めったにないから。
by (2007-05-27 12:37) 

deacon_blue

☆ 職業歌手という言葉にリアリティのあった時代ですからね。(^o^)
by deacon_blue (2007-05-27 17:35) 

Ma-toshi

VACATIONはオリジナルのコニー・フランシスよりこのミコちゃんのほうがいいですね。
このアルバムには入っていませんが「渚のうわさ」なんかとくに好きですね(^^)
by Ma-toshi (2007-05-27 17:39) 

こんばんは。
「人形の家」が大好きです。
カラオケで熱唱してました。
奥村チヨ、渚ゆう子、ちあきなおみ、欧陽菲菲。
哀愁のある歌謡曲の宝庫でした。
by (2007-05-28 02:02) 

ルースターズ

>Lo-Fi ちゃん
確かに!!!がっかりすること滅多にないわー。
by ルースターズ (2007-05-28 20:02) 

ルースターズ

>deacon_blue様
歌がないと生きていけないだなんて、平気で言える時代だったし、
またそれが当たり前だった時代ですよね・・・・。
by ルースターズ (2007-05-28 20:03) 

ルースターズ

>Mashi☆Toshi様
僕、このVACATIONには、脳天撃ち抜かれました(笑
Mashi☆Toshi様、素敵なBLOGですね。
勉強になります。チョコチョコ覗きますね!!
by ルースターズ (2007-05-28 20:04) 

ルースターズ

>猫バス様
奥村チヨ、渚ゆう子、ちあきなおみ、欧陽菲菲。
さすがに僕時代ではお目にかかれないカラオケラインナップです。

いいなぁー、そういう歌謡曲だけで酒呑みたいなぁ・・・・。
by ルースターズ (2007-05-28 20:06) 

ROM小僧

「和製ロック」などという表現がされて、いまいち軟弱な見方をされていたけれど、洋楽を日本人が楽しめるものにアレンジしてしてくれた、幼少の子供(自分)でも楽しめた音楽たち。
伊東ゆかりや森山加世子も好きでしたが、中でも広田三枝子は秀逸でしたね。「子供じゃないの」「悲しき片想い」「悲しきハート」「素敵な16才」「私のベイビー」「砂に消えた涙」「ナポリは恋人」など、「ジャングル大帝(レオの歌)」まで歌ってます。聞いていて飽きません(^^:
by ROM小僧 (2007-06-11 23:30) 

ルースターズ

>ROM小僧様
「和製」ではなく、完全にパクってますけどね(笑
弘田三枝子は本当に、音源を捜すのが難しく。
LPは高価すぎて、なんともならないっすけど。

やっぱりカバーの上手さは群を抜きますね。
オリジナルはオリジナル。
カバーはオリジナルも超えていく、昭和の女王。
by ルースターズ (2007-06-12 21:11) 

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