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清原和博 [ROCKな人]

高校野球の聖地「甲子園」。
1大会5本のホームラン。

『甲子園は、清原のためにあるのか・・・』と言わしめ。
高校通算甲子園で15本ものホームランを打ち「怪物」とまで言われた男がいた。
今から22年も昔の話。
大阪の強豪PL学園の4番バッター清原和博。
KKコンビの桑田とともに、高校3年甲子園での夏、 全国制覇。

彼の放ったホームランの本数は今尚、破るものがいない。
前人未踏どころか、後人未踏の不滅の大記録とも言ってもおかしくない。

彼が幼き頃から恋焦がれたジャイアンツは、あっさりこの怪物を輪の中に入れることを拒絶。
苦楽を共にした桑田が「18」を背負い東京に行くのを、彼はどう思ったのだろう。
同じシーズンが始まるとき、彼は所沢で「3」をつけていた。

いつかの日本シリーズ。
ジャイアンツが自分のチームに屈する瞬間。
彼は1塁ベース上に涙をこらえきれず、その日本一の瞬間を待った。
愛するモノを、自分が愛したものを越えた瞬間。
なにか自分でも不思議な気持ちだったに違いない。

彼は若き頃はそれは、評判が悪かったと聞く。(若くて評判がいいのもまた問題(笑))
才能と実力に溢れた、若き獅子の中核をなす男。
齢20代前半。
すこしばかり、調子にのっても「まだ若いから」という言葉で片付けられる時間。
一流のアスリートとして結果を出してきた男には、既に「社会人」という名の枠組みでの見方が
妥当になっていると思う。
彼の若い頃の服装や車は、今見ても、ナンセンスなものが多かったんだが(笑)

高校の怪物は、12年後。
恋焦がれたジャイアンツに入団することになる。
FA。
ただ、今の清原とたがわない筋道を立てる生き方のエピソードはここでもあった。

好きな娘(読売)がいるのに、好きなのがわかっていても西武は清原に寛大だった。
西武を出るときも、清原は随分と気を遣って所沢を後にしたと聴く。
コクドの件が無ければ、西武グループの崩壊がなければ、
今ごろ、清原が背番号「3」を背負って、
スカイブルーのユニフォームを着て所沢に戻っていたかもしれない。

ジャイアンツへの賛否両論は多々だが、ボクは原辰徳と同じくらい愛された男だと思う。
僕自身ジャイアンツファンではないけれど、原さんが現役の頃は皆、原さんだった。
背番号「8」は四番バッターの証だった。

清原を見たくて球場に足を運んだファンも多くいるだろう。
由伸や上原とは違うオーラがあるのは一目瞭然。
野球人の能力は松井の方が上だろうが、それはすこしばかり時代も違う。
80年代と90年代では、埋めようの無い周りを取り巻く環境の違いは顕著な事実だと思う。
10年間の違いは、選手の能力にも影響してくるもんだと思ってる。

今年彼は、背水の陣でオリックスに向かった。
シーズン前、清原に関する報道は本当に、清原を期待するものが多い。
オリックスのチーム事情も影響してるし、仰木監督が逝ったことは想像以上に、
チームに影響を与えていると感じる。

ただ、殿堂入りの時もそうだが、仰木監督を慕う人間は、心底仰木監督を慕っているのがわかる。
近鉄時代オリックス時代の、指導や人柄が本当に素晴らしかったんだと思う。

シーズン前、石井(一)について、「年棒の吊り上げ」とかとんちんかんなこと言ってる
野村監督とは、止む無し雲泥の差になってしまっていた。
ヤクルト時代の信用貯蓄をテレビとかで余計なこと言ってるお陰で、随分となくしたのではないか?とも感じるような野村報道の嵐だった。

いずれにせよ、今年は清原。
人的補償で今シーズン、中日にいった小田も、今でも清原を慕っている。
暴力とか、その若いノリがチームに悪影響とジャイアンツは言うが、そんなことはない。

誰かの支えがあって、誰かのために必死になれるということ。
ヒット1本で素直に喜んでもらえるようなチームメイトがいれば、どこでも自分を信じれる気がする。
清原を取り巻く人間にはそんな匂いを感じる。

チームの勝ちは必ずついてくる。
それを無視してしまうことで生ずる、微妙な緊張感こそが悪影響だと思うし、
そのような人間をまとめあげる人間こそ、名将となる訳だと思う。

プロ野球。
少年時代の憧れの舞台は、金という対価では計れない。
その昔、川藤が給料は要らない。野球がやりたいと言ったように。

シーズン前にごねた福留の年棒の話なんか、夢の欠片もない。

サムライと呼ばれる男達がいる。
清原、前田、黒木など、金という対価より野球を選び、野球を愛する男達がいる。
次の時代にはいない男の姿だと思う。

プロ野球。
愛して止まない男達の世界。

清原今シーズン2度目の離脱。
ここで終ってはいけない。
野球をやってて良かったと神戸でホームランを打った笑顔をまだまだ見ていたい。


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カルピス

この何年か清原の目は死んでました
でも今は活き活きしてる
甲子園でもどこでも彼に対する声援はとても大きいです
この間のオリックス戦、試合前の練習で笑顔を見せている彼を見て
ジャイアンツを出ても野球を続けていてよかったな~彼の選択は間違ってなかったと思いました
by カルピス (2006-06-26 21:13) 

ひでくん

「無冠の帝王」と呼ばれて久しいですが、記録よりも記憶に残る野球人です。
小学校5年生の時に初めて、清原と桑田に出会いました。
ブラウン管から届く「カッキーン」という金属音を今でも忘れません。
その数年後の日本シリーズ:ナゴヤ球場、初回レフトスタンド場外へ消えた白球。
あの時も同じ音がしました。木製バットです。
巨人に移ってから、清原に打たれた試合は負けても悔しくなかった。
何故か自然にそう思える自分がいた。
「打たれるべくして、打たれる」
先日の東京ドームでの交流戦でのライトスタンドからの清原コール。
清原が築いてきたファンとの「絆」の証に思えました。
必ず帰ってきてくれるでしょう。


しかし、冒頭の写真、よく見つけましたね。
by ひでくん (2006-06-27 22:31) 

ルースターズ

>カルピス様
ジャイアンツん時は、声を大にして応援できなかったからな・・。
んまぁ、今は違いますね!
すげぇ良かった。

ファイターズの試合見に行ったけど、すげぇ良かったもんなぁ。
使わないのに、リストバンド買っちゃったし(笑)
by ルースターズ (2006-06-28 23:40) 

ルースターズ

>ひでくん様
そうなんすよね!清原に打たれて負ける試合は悔しくないんです。
カープ好きだけど、清原だったらいいや。
いいもんみたわー!って思うんですよね。

野球人って感じで。
日本代表じゃないけど、日本代表みたいな心境。
僕は清原甲子園伝説は、まだ幼くて記憶がほとんどありません。
聞きたかったな。
「カッキーン」
by ルースターズ (2006-06-29 13:09) 

もく☆

こんばんは☆
今は野球をほとんど見ないですし、
(子供のころは父親と一緒によく見てました^^)
特別清原のファンというわけではないですが、
そんな私でも、なんとなく注目してしまうんですよね。
そういう力のある選手なんだと思います。
野球に興味ない人でも、清原どしたって?ってつい気にしてしまう。
なんででしょうね。野球に対する姿勢が熱い人だからかな?
by もく☆ (2006-07-04 22:20) 

ルースターズ

>もく☆ 様
清原どした?っていいね(笑)
巨人を追われた男が「80万票」という最多得票をあつめて、
オールスターに選出されました。
SHINJOより上です。

清原には、何かを期待したい気持ちが溢れてくる。
清原を見たんですがね。今シーズン。
やっぱりあの人が打席に入ると、幸せな気持ちになる。
野球小僧な気持ちに。

中田引退とは違う、KAZU同様。
生涯現役。
指導者じゃなくて。
いつまでもボール打って欲しい。
by ルースターズ (2006-07-05 07:48) 

くろちゃん

初めまして、私は清原より一学年上の中根世代です。高校時代。PL学園が東北高校に親善試合の為、訪れた事がありました。
当時地元でもKKコンビの人気は高く、大魔神佐々木との対決で盛り上がった事を昨日のように思い出します。
私も、子供のころはプロ野球選手を夢見て地元のリトルリーグに所属し頑張っていましたが才能の限界に。。。同期の数人は東北高校に進学し甲子園に行った者もいます。プロまで行ったのは。同期の中根。一つ下の大魔神佐々木だけ。。。
子供の頃の憧れの選手は何人かいましたが。清原がプロ野球に入団してからは「清原オンリー」になりました。
今でも清原の生き様に憧れ。野球が好きでたまらないという純粋さが。。。
いずれは清原も引退する日が来るでしょう。そのときは私もプロ野球観戦から引退するつもりです。

父とやったのが、生まれて初めてのキャッチボール。。。
気がつくと親父がしゃがんでいて。。。
誰もがエースで4番を夢見てた。。。
純粋に野球が好きで。。。
寝るときもパジャマ代わりにユニホームを着て。。。

清原!とにかく頑張れ!

納得行くまで野球にしがみついていて欲しい!

君は同世代のおんちゃん達の夢をも背負っているんだから!

君の涙にいつも、泣かされてる同士より。。。
by くろちゃん (2008-01-24 14:33) 

ルースターズ

>くろちゃん様
清原って凄いですよね。
桑田もジャイアンツで終わったら、凄いって思わなかった。

KKコンビってボクはONよりもカッコイイと思う。
ヒーローはいつだって結果を出さなくたって。
生き様を見せて欲しいと思えるような。
いつのまにかヒーローのあり方すら変わった。

仮面ライダーみたくいっつもかっこよく勝たなくてもいい。
時々負けながらもあきらめず。こびずに。

結局ダメでも。
それでも、僕らは彼らを信じた以上、いつだって彼らを見ていたい。
by ルースターズ (2008-01-25 21:21) 

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