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ザ・クロマニヨンズ 「MONDO ROCCIA '09.11.11」 [君にDVDを!]

雨音の波紋の地面。

はらはらりと落ちた桜花を、アスファルトに埋め込まないで欲しい。
溝にさくらの香り。
隙間から雨水。

春を側溝に流してくれるな。
7日間も無い春の実感を、流してくれるな。

花見も寒さに耐えてやるほどの酔狂も無く。
そこに咲く花を無造作に掴む、七ヶ月のわが子の手の中も。
そのすべては、桜の薄桃色よりも、裕に白く。
その白き心の中に映る桜の記憶は、これからの生涯残ることなく、
これからも生きる。

ブランキージェットシティ。
ミッシェルガンエレファント。
ゆらゆら帝国。
ザ・ハイロウズ。

時代と時間は、確実に訪れ。
過去はキレイに残され。
そして、今は新しい形で更に前に進む。

ボクの青い春に見た衝動のほとんどは、散って消えて。
その興奮と感動を、2010年まで残らず。
遺産になってしまった。

娘に残しておきたい景色を、望むのが親になった心地であろう。
守っておきたい価値観や興奮を共有したい、数少ない人間の1人なのだから。

先日、クロマニヨンズのDVDを買った。
THE HIGH-LOWSのDVDは酷いもので。
それ故に、見た興奮を後世まで焼き付ける必要の高さは類を見なかった。

クロマニヨンズになり。
LIVEも幾度か見た。
「エイトビート」の高鳴りは、生涯忘れようも無いし。
その響きは、永遠のアンセムに近い。

そんな「エイトビート」を粗雑なブロードバンドじゃなくて、
リビングで見たい欲望に狩られ。
購入したわけだが。

この「MONDO ROCCIA」の良し悪しが、急に評価が変わるぐらい
猛烈なライブの怒涛に、思わず見入ってしまい。
挙句、再度聞きなおし、惚れ直し。

PA0_0888.JPG

勢い以上に、曲の丁寧さがとてもキレイ。
いつまでも聞いていたい気持ちになったのは、久し振りだったし、
少し前に、酔いながら凸凹TOURの16年前のブルーハーツを見てて。
あまりに変わらないその姿に、その精神にひれ伏したというか。

16年も前なのに、ヒロトもマーシーも今と同じような格好してるし。
そういう変わらない姿勢こそ、R&Rにとって最も美しい形だと再認識した。

映像は、素晴らしい。
娘にも聞かせてやりながら、興味の抱かない7ヶ月。
それはそれでいい。

いつか、青空の下で。
ヒロトが歌う姿を眺めれたら、楽しいだろうなって。

生きていれば、いつか何か新しい衝動と懐かしい気持ちになれる。
死んでしまったら、もう遺産にすがるしかない。
死なないでくれというのは、無理な話で。

自然の摂理で。
死にたくない人は、死ぬまで生きる。
その中で、同じ時間と時代にありたいという欲望は、
生きる限り続く。

アベフトシが逝ってしまったことは、バンドが解散することに比べれば
どんなにも小さなことか。

もう見れない、幾ら欲しても。
幸せな景色と再会することが、幸せではなくて。
幸せな景色と出会えたことが幸せなこと。

回りくどくなった。

「MONDO ROCCIA」の「鉄カブト」大好きです。


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コメント 8

ひいらぎ

MONDO ROCCIA、名盤だよねー。
私はまだこれ買ってないけど、きっと買う。
あのライブをまた味わいたいから。

死なないで!じゃなく、私より長生きしてくれればいい。
かなり自分勝手ってわかってる。

鉄カブト、大好きだよ。

by ひいらぎ (2010-04-15 19:12) 

kiku-tomo

初めて間近でヒロト&マーシーを観たのは、去年の12月、MONDO ROCCIAツアー@横浜ブリッツです。マーシーと何度か目が合ったし!(気のせい??)正直、もみくちゃ過ぎて、また興奮し過ぎて、音源をきちんと呑み込めなかったので、DVDでもう一度体験してみます。
15の春に、凸凹ツアーで観た時は、県民ホールの最後列でした。
16年後、まだ2人を観れて、本当に幸せ。
by kiku-tomo (2010-04-15 22:07) 

TBM

DVDって、買っても何度も見ないので、
特に最近はほとんど買っていないのですが、
これは欲しくなりましたね、とても。
by TBM (2010-04-16 00:17) 

HANA

はじめまして。クロマニヨンズのDVDが素晴らしすぎたので、感想などを検索していたらこちらにたどり着きました。
マーシーが以前、「ジャニス=ジョプリンが『あいうえお』と歌っても、心が伝わってくると思う」と言っていましたけど、マーシーはヒロトを通じてそれを伝えようとしてるんだなと「恋に落ちたら」を聴いて思いました。この歌をライブでファンが嬉しそうに大合唱しているのを見ると、歌は言葉以上に心のあり方を伝えるものなのだと実感します。そして、何度でもエイトビートに心打たれタリホーで笑顔と涙があふれます。

>変わらない姿勢こそ、R&Rにとって最も美しい形だと再認識した。

私もそう思います。50歳近くになっても地方の小さなライブハウスまでくまなく回り、過去の栄光も名声も振り返らず今を歌う、それがヒロトとマーシーの「Punk is Attitude」なのでしょう。同じ時代に生まれて、二人を好きになることができて良かった!死んでから評価されても「ひとを誉めるなら 生きてるうちに」と笑ってやろうと思います(笑)
by HANA (2010-04-17 05:38) 

ルースターズ

>ひいらぎ様
わかるー。
自分より長生きしてくれればいい(笑

本当にカッケー。
今も尚、見まくってます。聞きまくってます。
by ルースターズ (2010-04-27 00:29) 

ルースターズ

>ともこ
人生で行きたかったLIVEは?と聞かれたら。
基本的には、仕方ないし、無い!といいたいとこだけど。

凸凹TOUR!と言うね。
羨ましいよ、あんた。
同じ歳なのに。
by ルースターズ (2010-04-27 00:34) 

ルースターズ

>TBM様
もうなんだろうな。
やっぱりここに帰ってくるのかって。
なんだか、日本人は米だなって感じに近い。
刷り込まれてる感じ。
by ルースターズ (2010-04-27 00:37) 

ルースターズ

>HANA様
ステキっ!!!
ボクもそう思います。
でもボクより知的というか。
うん。すっげぇいいっす。

仲がいいだけじゃない。
家族でもない他人なのに、凄くその距離感も
価値観も一緒であれるのは、本当に素晴らしいではなく
凄い。
人生が3回ぐらいあっても、ヒロトとマーシーみたいな
仲になれる人と逢える自信が無い(笑

そういう意味でも、自分がもう1人いたら・・・・という
願望に限りなく近い。
そういうときって表現者だったら、誰もが思うことだと思う。

ビリビリしてしまう。
by ルースターズ (2010-04-27 00:47) 

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