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「南極料理人」  沖田修一監督 [君にMOVIEを!]

先にOUTRAGEにも書いたけれど。
ドラマの二番煎じは映画じゃなくて、ドラマでしかない。

今日、あの「連合赤軍」の若松孝二監督の最新作「キャタピラー CATERPILLAR」で
寺島しのぶが、ベルリン国際映画祭のコンペティション部門で
最優秀女優賞を受賞のニュース。

映画という名の悪魔のような。
限りなくリアルに近く。
テンションを強く維持しないと見れない映画は、苦しい。
そんな映画には、人間の根底を揺さぶる部分があって。

その根幹すら危ぶまれるようになってしまう。
若松孝二監督の映画は、そういう渦巻きとダークサイドを直視して
描かれている故、目を背けたくなるような部分が多い。

描き方は独特でも。
でもどこかであるかもしれない、もしくはどこかであった話だから、
説得力も強く生まれる。
キャタピラーの反響云々よりも、生半可な気持ちで見れるほど
低い敷居では無いと、感じるゆえに重苦しい。

「若松孝二監督の・・・・」と聞いただけで、「うわっ・・・・」って想ってしまう。
この世界で今ボクにそう感じさせる唯一の監督。

反日日本人だとか、左寄りだとか言うけれど。
その歴史観などは監督自身の話で。
個人的には、「それでも映像にする、映画にする」という人間としてのACTIONは、
批判の対象にはならないと私個人は考える。

論理的に考えるよりも、心に去来するものが一体なんなのかという、
そういう根本的な考え方がそれぞれでいいとも考えます。
それで「クソだ」とか、「すばらしい」だとかは、自分自身で感じ得ればいいこと。

そんな話をした上での、「南極料理人」(笑

nankyoku230.jpg

ドラマよりも、とっても練っていて、映画より薄い。
この希薄感と間が非常にテンポが良くて。

節々でそのガチな演技に笑えたりします。
限りある資源を有効に!でもないし、南極という場所での過ごし方なんて
想像もつかないけど、マジメにはやってらんないだろうなと笑える部分であったり。

本来なら、「無駄遣い!」みたいな感じは無くて。
それはそれでいいけど、本当にそれでいいの?の繰り返し。

じんわり人間味溢れるドラマにはせず、なんだかその緩やかな曲線
そのままに、話は流れそして終わります。

ダラダラ見るには勿体無く。
気合を入れてみるほどでもない。

この曖昧さが非常に見るには、勇気のいるところ。
この手の映画は、「で、結局何が言いたいの?」となって、
時間を無駄に浪費した脱力感に蝕まれる可能性が極めて高いわけですが。

今回は、そのゆるやかな時間が非常に心地よかったわけで。
夕方、何もテレビに気持ちが向かないときに見ると得した気分になれます。

音楽が、劇中の音楽が非常に絶妙だなと、エンドロールを待ってたら、
奥田民生の声。
そして音楽は、阿部義晴。

そういうことか。って感じ(笑




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