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THEE MICHLLE GUN ELEPHANT 「THEE GREATEST HITS」 [君にR&Rを!(日本)]

映画「THEE MOVIE」が始まった。

先立ってのライブハウスでフィルムコンサートの話を耳にすれば。
スクリーンの勇姿に拳を掲げ。
汗ばむTシャツが躍動していると言う。

ミッシェルガンエレファントの亡霊は、
12月の各都市を彷徨っている。

個人的には、皆のようにその亡霊を目撃する気持ちになれない。
音楽が売れない世相、彼らの功績を未来に引きずるためではあるが。
ただ、この状況はとても喜ばしいことに想う。

ただ、個人的にはこの狂乱が、
どこで終わったとか。
どこで始まっただとか。
そういう基点や終着点を探す旅ではなくて。

あの頃見たすべての景色を。
今見てもあの頃だって、切迫した気持ちで見ていたのだから、
今見てもそれ以上の気持ちで、見れないことを知っているんだと想う。

ミッシェルガンエレファントが、人生において何よりすべてだった時間がある。
その時間は自分にとっても誇らしい時間だし、
あの頃経験できた、経験させてもらえたことは、今以ても宝物。

聴衆あってのLIVEなんて、存在しない。
LIVEあっての聴衆。
この矛盾の中。

今のヤングジャガーたちには悪いが、
どんなに好評を聞いても、映像という事実は実際にはLIVEではない。
模倣。

訃報もあり、センチメンタルにはなってしまうが、
気持ちが高ぶるまで至らない、自分で温度が理解出来てしまう。

そんなことを思いながら、ミッシェルの五月雨のDROPしていく
遺作のニュースを眺め周知していた。

ある日。
仕事で腐った頭と、動きの鈍い身体を引きずりながら
帰り道の道中。
タワレコで、爆音で「リリィ」が鳴っていた。

誘われるように店内に入ると、その日がBEST盤のリリースの日で。
見飽きたと想っていた4人の姿が、角膜をつんざく。

思わず手に取り、すべての楽曲を理解した上で。
DVDに羅列される音を想像したら、YOUTUBEの劣悪な画像よりも・・・・・
と想像したら、素直にレジに並んでしまった始末である。

PA0_0634.JPG

買わないと想ってたのに。
映像というのは、想像や理解を超えて、判断を鈍らせる。

翌朝、ダラけたまま朝食を食し。
3ヶ月を越えた娘傍ら。
TMGEの「リリィ」も名付けの由来の1つ。

娘と「リリィ」を聞く。
口をぱかんと開けた娘の口の中に、「リリィ」が吸い込まれていく。

何気なしに見た「世界の終わり」に少しグッときた。

些細なことだけど。
人の音楽のノリ方って、それぞれで同じものが無いはず。
ボクは初めてミッシェル見たときに、アベさんの左足が凄くカッコよく見えて。

以来、足元でリズムを刻むときや、身体が動くときは左足って決めたんです(笑
最初は意識して。
今では自然と左足が動くようになってるんですが。

そんなことを凄くセンチメンタルに想い出したりして。
そう考えたら、アベさんしかみ見れなくなって。

本当にボクの人生には、アベさんがあるのと無いのとって全然違う。

そういう染みこんだものまで。
フィルムには、フィルムに染み付いたものしか見えない。

LIVEは、自分の見たい部分を見たいだけ。
吸い込まれたら、吸い込まれた分だけ、脳に焼きつく。

ミッシェルのLIVEでいつも美しかったのは、
テレキャスターに繋がれたシールドのカッティングとは相反する不確かな刻み。

あのギタリストは、もういない。
いつか娘に。
彼らが帰ってきたなら。
見せてあげたかったバンドはもういない。

凝視したDVD、あの朝以降。
DVDを見れていない。
やっぱりアベフトシを見れない。

聞き古した楽曲のすべてが、ボクの中に綺麗に流れ込む。
いつかのこの流れの先に、苺のなる木が見えるはず。

失った人の大きさに気付く

ギャーギャー言ってても。
THEE MOVIEに気持ちがどこに転がるのか。
確認したい自分もここにある。



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コメント 6

ヤングジャガーのひとり

観て育っていないから観たいんだ
聴いて育っていないから聴きたいんだ
どんなものでも良いから、たとえ過去の映像でも
LIVEではなく二次的な映像でもかまわない
一つでも多くのロックンロールを
一つでも多くの後悔を

このライブがあった日に、このロックが鳴らされた日に
このバンドがいた時代に自分は何を聴いていたのか
何に夢中になっていたのか
一体何をしていたのか
この時間を後悔するために
二度と後悔しないために
TMGEを戒めとして

本当にカッコいいものはメディアの中にほとんどない
ちゃんと探していないと出会えない
私に世界の深さを教えてくれたのはミッシェルガンエレファント
だからこそ、ミッシェルの全てに興奮する

私はミッシェルを聴いて育っていないから
こらから観られるミッシェルの世界のほとんどを初めて観ます

だから、めちゃくちゃワクワクする!!
カッコいい音楽が聴けるのは、凄い嬉しい!!!

ミッシェルを聴いて育った大人たちが
へこむ気持ちもわからないこともないけど
ミッシェルを聴いて育っていないこどもたちが能天気に騒ぐのは
決してアベフトシの死を軽んじているからではなくて
思考とか考察とか回想とか、そういったものが入り込む隙間もないくらい
あのバンドがカッコいいからだと思います





by ヤングジャガーのひとり (2009-12-23 12:22) 

ルースターズ

>ヤングジャガーさんへ
本当にステキなコメントをありがとう。
ステキな意見だと思います。
(僕ら世代の人間も、凄く丁寧に擁護してくれて
 ありがとうございます。
 読んでいて気持ちの良いコメントで本当に感謝です)

ボクも見たいLIVEは沢山ありました。
こん時、俺はtrfなんか聞いてて!むぅぅ。みたいな(笑

僕が知らない時代の、ボクが今焦がれるバンドの
ライブの空気をビリビリ感じたい。

そういうのは、後悔したくないと想って。
ボクは20代の頃は、大小あわせて年間80本近くLIVEを
見倒しました。

今まさに、そういう感じなんでしょうか。
TMGEが無くなり、ポストTMGEってたっくさんいたけど、
替われるバンドはないし、ましてやあのバンドが
あんなにデカくなったことが、奇跡的なチキンゾンビーズの頃の
多くの人々の驚きだと思います。

LIVEを見たから、今のは見れないというのは、
本当に陳腐な発想なんです(笑
でも、本当に今の人たちは、手の届きそうなとこで
手が届かなかったこのバンドの残像が鮮やかに想うのでしょうね。

いつか、そういうヤングジャガーに逢いたいもんです。
じゃぁ「このTシャツあげるよ」的なね(笑

今なら、ボクにBJCのTシャツをあんなに譲ってくれた
ボクの尊敬する方の気持ちがわかるような気がします。

人それぞれ考え方はあって。
今また新しくつぼみが膨らみ、咲くように。
多くのミッシェルを愛した人々の花畑が広がって。

そんな中に色んな世代の人が、混じっていけばいい。

でも、本人たちは「世界の終わり」を迎え。
今を生きている。

ボクは取り残される訳にはいかないから、
そこには縛られない。

是非、THE BIRTHDAYを、YOKOLOKOを。
私の原点が、ミッシェルガンエレファントで。
そこから、いろんな音楽を好きになったんですと。
言える様な大きな決して終わらない波紋を海に。
波を越えて。

本当にステキな文章(コメント)でした。
是非、YOUNG JUGER BLOGでもおっぱじめて
みたらいかがでしょうか?
その折には、是非教えていただければと思います。
ありがとうございました。
by ルースターズ (2009-12-23 12:55) 

おかあ

ルースターズさま
はじめまして。
好きなことてんこもりのブログです。
読者登録しました。
どうぞよろしく。
by おかあ (2009-12-23 18:02) 

じゅんこ

お久しぶりです。
先日、横浜ベイでのフィルムコンサート見てきました。
この年になって彼らを知った私と、「もう5年早く生まれたかった」と嘆く17才と息子とで・・・

今年は私も息子もライブハウス元年、初めてのライブは1月のThe Birthday横浜ベイ、そして今年最後はTMGEの横浜ベイ、まさかそんなことになるとは思いませんでした。

リアルタイムでは彼らを知らないから、アベさんの訃報はショックだったけどそれほど強い感情はありませんでした。
もちろんDVDも持っているから、正直このライブ悩んだんです。
でも行ってよかったです。

巨大スクリーンで見たアベさんは本当にかっこよかった。
そして4人がとても悲しそうで寂しそうな表情をしていたことを、初めて気づきました。
横浜ベイは大盛り上がりであまり湿っぽくなく、モッシュもダイブもあってとても楽しかったです。
私のように、最初で最後のライブっていう人がかなり多かったような気がします。
過去を知っている人も知らない人も、ミッシェルの歌でみんなで叫び、拳を振り上げられるのはこれでお終いっていう思いがみんなの中にあって、それが大盛り上がりになったんだと思いますね。

終わったあと「girl freind」が流れ、自然と拍手が起き、座り込んで泣く人や呆然と立ち尽くす人もいました。

今までそれほど強い思いがなかったのに、あれから幕張のDVDを見るとなんだか悲しくなります。
映画は見るかどうか分かりません。
CDは買いました。
DVDも予約しました。

息子は泣いていません。
とにかくもっと早く生まれたかった、そればかり言っています。

グダグダの文章ですみません・・・

ところで、フジファブリックの志村さんも亡くなりましたね。
けっこう好きだったんです。
いったい今年はどうなっているんでしょうか・・・
by じゅんこ (2009-12-27 17:29) 

ルースターズ

>おかあ様
ありがとうございます。
こちらこそ、宜しくお願いいたしますぅ♪
by ルースターズ (2009-12-28 13:24) 

ルースターズ

>じゅんこ様
今夜、トモダチの誘いで映画見てきます。
さて、どんな気持ちになるのやら。

こないだあるお店に大きくポスターが貼ってあって。
それがなんだか急に、あの頃の気持ちになったというか。
楽しみにしています。
by ルースターズ (2009-12-28 13:26) 

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